家の売却活動と内見の時に押さえておきたいポイント

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前回のコラム「家を売るときの基礎知識と心がまえ」では、家を売るときの価格査定から媒介契約までの流れについて説明しました。今回は、媒介契約後に行われる具体的な売却活動、内見の時のポイントと心構えなどについて学んでいきましょう。

1、不動産会社の売却活動ってどんなもの?

媒介契約が完了すると、いよいよ売却活動がスタートします。売却活動の目的は、多くの購入希望者を集め、より早く、より希望に近い価格で売却することです。では不動産会社は具体的にどのような売却活動をするのでしょうか。順を追って見ていきましょう。

 

①物件概要書、販売図面などの作成

売却活動では、まず最初に売却物件の販売図面を作成します。物件の場所、広さ、間取りなどの基本的な情報と、間取図、外観や室内の写真などを組合せ、できるだけ魅力的にアピールできるように工夫を凝らします。近年ではインターネットによる売却活動が主流ですから特に写真は重要です。部屋の中を整理整頓することはもちろん、できるだけ明るい日中に撮影するようにし、余計なモノは置かずスッキリと見えるように工夫しましょう。写真の見映えでその後の集客が変わります。

 

②業者間情報ネットワーク「REINS」への登録

不動産会社は、作成した販売図面や写真などを不動産会社間の情報ネットワークシステムである「REINS(レインズ)」に登録します。REINSに登録された物件は、全国の不動産会社に配信され、各社に訪れるお客様に紹介されます。このことにより、売却を任せた不動産会社にとどまらず、より多くの購入希望者の目に触れることになり売却機会が増えます。

そのため、媒介契約を結んだ不動産会社には、REINSへの登録が義務づけられている(一般媒介契約を除く)おり、契約から数日後には、REINSを通して、どの不動産会社からも検索できるようになります。

 

 

 

 

 

③自社のWEBサイト、ポータルサイトなどへの掲載

REINSの登録と並行して、自社のWEBサイトやSUUMO、HOME’Sなどのポータルサイトにも掲載されます。ただし、どのサイトに掲載するか(しないか)は不動産会社の判断によるところが大きく、必ずしも売主の希望通りに掲載されるとは限りません。また、売主が希望すればネット上に公開しないことも可能です。不動産会社と相談しながら進めていくとよいでしょう。

 

④チラシ、オープンルームなど

インターネットが主流とは言え、近隣の方の購入についてはチラシも効果的なことがあります。ただ、新聞購読者が大幅に減っていることもあり、チラシの形態も新聞折込み型からポスティング型に変わってきています。

また、近隣の方への活動としては「オープンルーム(ハウス)」もあります。オープンルームとは、特定の日に物件を開放して、自由に室内を見てもらえるようにすることで、開催に合わせて、あらかじめチラシを入れたり、当日は現地にノボリや看板を立てたりしますので、近隣からの集客には効果的です。

 

⑤不動産会社からの定期報告

専属専任媒介契約と専任媒介には、不動産会社から売主へ売却活動についての定期的な報告が義務づけられています。報告の頻度は、専属専任媒介なら週に1回以上、専任媒介なら2週に1回以上です。報告の内容には、活動内容および購入希望者からの反響(問い合わせや内見の申込み)の数などが主なものです。また、反響が少ない場合には、今後の売却活動についての方針や提案なども含まれることがあります。

※一般媒介契約には法的な報告義務がありません。

 

2、家が売れるかどうかは内見次第! 内見時に注意するべきポイントとは

売却活動の中心が、より多くの購入希望者を集めるための集客活動であったとしても、実際に物件が売れるかどうかの大きなポイントは「内見」です。「内見」は売却活動の中でも最大のイベントなのです。内見のために売主ができること、内見時の心がまえなどについて説明します。

 

①日程はできるだけ買主に合わせる

売却活動がスタートすると、WEBサイトやチラシなどを見た購入希望者から問い合わせや内見の申込みが入ってきます。売却を任せた不動産会社に直接の場合もありますし、REINSなどを見た他の不動産会社からの場合もあります。

いずれにしても、内見しないで購入を決める人はまずいませんので、売却活動中は、いつ申込みが来てもいいように、特に休日の予定はできるだけ空けておきましょう。「鉄は熱いうちに打て」の諺通り、内見のタイミングが延びるとせっかくアツくなった購入希望者の気持ちも冷めてしまいます。

 

②内見時、部屋は整理整頓してきれいに。いらないものはトランクルームへ

購入希望者が買うという決断をするかどうかは、ほぼ内見時の印象で決まります。だからこそ、部屋はきちんと整理整頓し、不用品は処分するか一時的にトランクルームなどに移しておきましょう。ごちゃごちゃとした生活感丸出しの家を見て買いたいと思う人はいません。

特にキッチン、洗面所、バスルームなどの水廻りは清潔感も重要になるので、場合によってはプロのクリーニング業者に依頼してピカピカにしておくくらいの覚悟が必要です。薄暗くなった蛍光灯などもこの機会に新しいものに交換しておきましょう。

また、内見では家の中すべてを見てもらうことを前提に準備しましょう。散らかった子ども部屋やクローゼットなどは見せたくないという気持ちも理解できますが、買い手にとっては収納のサイズや容量も重要な判断材料です。特定の場所を見せなかったことが「あらぬ誤解」を招き、悪い印象を持たれてしまったり、値引き交渉の材料になったりもしますので注意しましょう。

 

③大事なお客様をお迎えする気持ちで。内見当日の対応ポイント

内見日の当日は、不動産会社の立会いのもと購入希望者がいらっしゃいます。改めて室内を掃除し、しっかり換気をしておきましょう。

内見者は、多くの物件の中から絞り込んだ上で内見に訪れますから、その時点で購入意欲はかなり高いと言えます。内見して最終的に自分のイメージとのズレがなければ購入に至る確率の高いお客様だということを念頭に置いて、感じのよい対応を心がけましょう。

 

内見に来られたお客様からは、いろいろな質問があることが予想されます。物件そのものについてはもちろん、近隣の方の状況や、子どもの学校のことなど様々な質問があるでしょう。このような質問に対しては、良い面と悪い面を合わせて、誠実にお答えすることが大切です。

もちろんプライバシーに関わるようなお話は控えるべきですが、売主が認識している物件の瑕疵(雨漏りや破損など)などをきちんと伝えないと、後々損害賠償請求されることもあり得ますので十分注意しましょう。

 

また、購入希望者が気にすることのひとつに「売却理由」があります。それが買い替えや転勤などの理由ならよいのですが、離婚やローン返済など率直に話しにくいことも多々あります。そのような時は、すべてを正直に話す必要はなく「実家で親と同居することになった」などの回答でもよいでしょう。

また、内見時に「エアコンは置いて行ってほしい」「◯◯は引き渡しまで修繕してほしい」など、様々な要望を受けることもあります。このような時には、その場で曖昧な約束はせず、要望を不動産会社に取りまとめてもらいましょう。強く要望されるとつい「まあ、いいですよ」などと言ってしまいがちですが、言った、言わないのトラブルになる可能性があります。

 

3、売却活動はしているけど、なかなか売れないときの対処

売却活動はしているけど、内見の申込みがない。また、内見があっても、なかなか売却に至らない。そんなケースも往々にしてあるものです。そんな時はどうして売れないのかと焦るものですが、ちょっと冷静になって売れない原因と対応方法を検討してみましょう。

 

① 新たな策を講じるかどうかの目安は3ヶ月

専属専任媒介と専任媒介では、契約期間の上限が3ヶ月と決められており、不動産会社はこの3ヶ月の間に何とか売却にこぎつけるための努力をします。しかしその3ヶ月が過ぎても売却できない場合、何らかの問題があることが多く、物件としても売れ残り感がでてきてしまいますので、そのままの条件で売却活動を続けることはあまり得策ではありません。

 

②売れない要因を見極める

物件が売れない原因は大きく以下の3つが考えられます。

【物件そのものに原因がある場合】

・室内外の汚れや見た目の問題、あるいはペットやタバコなどの臭い。

・修繕に多額に費用がかかる不具合がある。など

【価格が高すぎる場合】

・近隣に同程度で価格の安い物件やリーズナブルな新築物件が売り出されている。

・そもそもの査定価格が高すぎる。

【不動産会社が十分な売却活動をしていない場合】

・REINS以外の広告をしておらず、内見の申込みが入らない。

・他の不動産会社への紹介を積極的にしていない。

 

何が原因かを見極めるためには、まず内見の件数が十分かどうかを検証しましょう。

内見がたくさんあるのに売却できない場合には、Aの可能性が高いです。不動産会社に内見した方から購入を見送った理由を確認してもらい対処しましょう。

そもそも内見の申込みが入らない場合には、BかCの可能性が高いです。不動産会社に具体的な売却活動の内容を聞くとともに、自分でもインターネットなどで広告掲載が十分に行われているかどうかを確認しましょう。広告が十分なのにもかかわらず問い合わせや内見の申込みがない場合にはBの可能性が高くなります。

 

③対処の方法

なかなか売れない原因が分かったら、対応策を検討しましょう。

物件に問題があるケースでは、ある程度費用をかけて、室内をクリーニングしたり、修繕にかかるリフォーム費用を値下げしたりするなどの対処が必要になります。売主があらかじめリフォームするケースもありますが、リフォームにかけた費用を回収できる可能性は低く、買主が自分の思い通りにリフォームしたいケースもあるので、どちらかと言うと値下げの方が現実的かと思います。

価格が高いケースでは、周辺の相場や他に売出中の物件などを調査した上で、価格を下げることになります。この場合には、何度もダラダラと下げるのは逆効果になります。これ以上は下げられないというところまで一気に下げたほうがよりインパクトがあります。

最後に、不動産会社に原因があるケースです。媒介契約の更新は3ヶ月毎なので、そのタイミングで他の会社に任せる事も出来ますが、その前にしっかりと売主側の主張と方向性を確認し、双方で誤認が無かったのかを確認した方が良いでしょう。それでも納得でき無い場合、別の会社で再度査定してもらい、売り出し価格を検討しましょう。また、売却を急いでいない場合には、一旦売り止めとした上で、不動産がもっとも動く時期(1月~3月)を見計らって、再度売却活動に入るというのもひとつの方法です。