2018年基準地価 首都圏市区町村ランキング。上がった街、下がった街、その違いとは?

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

2018年9月18日に基準地価が発表になりました。27年ぶりに全国平均(全用途)が上昇に転じるなど、引き続き地価は上昇トレンドであることが確認されましたが、市区町村別に見れば、上昇エリアと下落エリアがより鮮明になったとも言えます。そこで首都圏の地価を市区町村別に集計し、伸びている街とその違いを探ってみました。

1、そもそも基準地価とは?

基準地価とは、国土利用計画法に基づき、全国約2万2000地点(基準地)の7月1日時点の土地価格を都道府県が調査し、毎年9月下旬に公表される地価指標です。都道府県などが価格審査の基準として用いるほか、一般の土地取引の目安にもなっています。

 

2、全国的には上昇傾向、特に地方圏の上昇率が高い

2018年の基準地価におけるトピックは以下の通りです。全国平均では、2013年から続く上昇トレンドが継続していることが確認されました。

 

2-1. 全国平均(全用途)が27年ぶりに上昇に転じる

バブル崩壊以降、基準地価の全国平均(全用途)はマイナスで推移してきましたが、2018年は前年比プラス0.1%とわずかではありますが、1991年以来27年ぶりのプラスに転じました。要因としては、主に訪日客の増加による、観光地・商業地の地価上昇で、住宅地に限るとマイナス0.3%となっています。しかし、住宅地においても低金利の継続等による需要の下支え効果で下落幅は縮小しています。

■地価動向(全国平均)(%)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
全用途 ▲ 1.2 ▲ 0.9 ▲ 0.6 ▲ 0.3 0.1
商業地 ▲ 1.1 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.1
住宅地 ▲ 1.2 ▲ 1.0 ▲ 0.8 ▲ 0.6 ▲ 0.3

※ 出典:国土交通省    (▲はマイナス)

 

2-2. 都市圏では上昇幅が拡大。特に地方都市の伸びが大きい

全国平均では、27年ぶりのプラスとなりましたが、実は都市圏では数年前からすでにプラスに転じており、今年は上昇幅を拡大する結果となっています。特に地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇率が、3大都市圏(東京・大阪・名古屋)を超え、大都市圏の地価上昇が地方都市へと波及していることが鮮明になりました。さらにその中でも商業地の上昇率が9%を超え、都市圏の商業地が全国の地価上昇を牽引する構図となっています。

 

■地価動向(住宅地) (%)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
東京圏 0.6 0.5 0.5 0.6 1.0
大阪圏 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1
名古屋圏 0.9 0.7 0.5 0.6 0.8
地方4市 1.3 1.7 2.5 2.8 3.9

※ 出典:国土交通省

 

■地価動向(商業地) (%)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
東京圏 1.9 2.3 2.7 3.3 4.0
大阪圏 1.5 2.5 3.7 4.5 5.4
名古屋圏 1.5 2.2 2.5 2.6 3.3
地方4市 2.6 3.8 6.7 7.9 9.2

※ 出典:国土交通省

 

3、首都圏の地価は二極化が進み、上昇地点・下落地点が鮮明に

一方、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に目を移してみると、エリアによる二極化が鮮明になっています。今回は2018年の基準地価を首都圏の市区町村ごとに集計してみました。

 

3-1. 2018年 市区町村別基準地価。都心は大幅上昇。郊外は横ばいから下落に

 

■首都圏 市区町村別 平均基準地価ランキング

※ ランキングは変動率順 (▲はマイナス) ※ 変動率は各基準地点の変動率の平均です。平均地価の変動率ではありません

(単位:円)

市区町村 地価平均(㎡) 変動率
東京都 中央区 6,010,310 9.22%
東京都 台東区 1,297,375 8.83%
東京都 荒川区 604,000 8.73%
東京都 北区 628,173 7.96%
東京都 豊島区 1,519,045 7.27%
東京都 文京区 1,183,722 7.24%
東京都 千代田区 4,907,096 7.10%
東京都 港区 3,878,750 7.08%
東京都 渋谷区 3,150,384 7.08%
東京都 墨田区 555,894 6.47%
東京都 新宿区 3,422,150 6.15%
東京都 品川区 920,347 6.07%
東京都 江東区 574,333 6.06%
東京都 板橋区 523,375 6.04%
神奈川県 横浜市西区 2,019,187 5.71%
東京都 中野区 819,428 5.47%
東京都 杉並区 653,743 5.43%
東京都 足立区 388,693 5.19%
東京都 武蔵野市 1,145,333 4.62%
東京都 江戸川区 410,175 4.59%
東京都 世田谷区 677,081 4.49%
埼玉県 さいたま市浦和区 447,066 4.39%
東京都 目黒区 1,099,375 4.15%
神奈川県 横浜市神奈川区 479,722 4.12%
埼玉県 さいたま市大宮区 638,133 3.97%
神奈川県 川崎市中原区 546,294 3.96%
千葉県 浦安市 328,500 3.61%
神奈川県 横浜市中区 663,100 3.50%
東京都 大田区 544,022 3.46%
千葉県 君津市 29,934 3.32%
東京都 葛飾区 359,137 3.31%
東京都 練馬区 435,408 3.19%
埼玉県 さいたま市南区 273,214 3.12%
東京都 立川市 643,428 3.05%
神奈川県 川崎市高津区 345,444 3.05%
千葉県 一宮町 22,200 2.98%
神奈川県 川崎市川崎区 535,000 2.97%
東京都 小金井市 442,909 2.97%
東京都 三鷹市 570,250 2.92%
神奈川県 川崎市多摩区 297,555 2.63%
埼玉県 さいたま市中央区 299,083 2.51%
神奈川県 川崎市幸区 340,636 2.45%
埼玉県 ふじみ野市 176,428 2.43%
神奈川県 横浜市港北区 432,851 2.41%
東京都 西東京市 322,111 2.40%
埼玉県 富士見市 247,561 2.39%
埼玉県 和光市 242,500 2.36%
千葉県 木更津市 34,978 2.16%
千葉県 袖ケ浦市 44,763 2.03%
埼玉県 さいたま市北区 186,538 2.00%
埼玉県 川島町 36,575 2.00%
千葉県 千葉市中央区 209,431 1.99%
東京都 稲城市 230,687 1.97%
神奈川県 横浜市南区 285,736 1.96%
神奈川県 横浜市青葉区 372,000 1.93%
千葉県 習志野市 176,857 1.91%
東京都 国分寺市 432,727 1.90%
千葉県 市川市 312,616 1.88%
神奈川県 横浜市鶴見区 302,888 1.86%
埼玉県 草加市 146,952 1.84%
東京都 調布市 402,333 1.82%
埼玉県 三芳町 147,000 1.82%
埼玉県 戸田市 247,538 1.75%
埼玉県 朝霞市 238,660 1.70%
神奈川県 川崎市宮前区 291,937 1.67%
東京都 国立市 334,571 1.64%
千葉県 千葉市美浜区 157,277 1.57%
埼玉県 川口市 242,787 1.56%
千葉県 鎌ケ谷市 107,083 1.56%
埼玉県 さいたま市緑区 166,562 1.51%
東京都 府中市 349,615 1.50%
神奈川県 横浜市都筑区 257,388 1.41%
埼玉県 新座市 224,500 1.38%
千葉県 千葉市稲毛区 163,476 1.38%
埼玉県 川越市 174,914 1.25%
神奈川県 相模原市緑区 113,833 1.22%
神奈川県 横浜市保土ケ谷区 231,500 1.20%
千葉県 船橋市 196,814 1.20%
埼玉県 志木市 212,428 1.19%
東京都 日野市 216,157 1.17%
埼玉県 越谷市 164,345 1.16%
神奈川県 横浜市泉区 218,833 1.15%
埼玉県 所沢市 204,329 1.13%
東京都 狛江市 328,000 1.11%
埼玉県 東松山市 68,075 1.07%
埼玉県 蕨市 311,250 1.06%
東京都 小平市 247,526 1.05%
東京都 東久留米市 218,846 1.05%
東京都 昭島市 203,571 0.96%
神奈川県 海老名市 150,583 0.94%
埼玉県 さいたま市見沼区 140,857 0.93%
埼玉県 白岡市 90,200 0.93%
埼玉県 八潮市 125,783 0.92%
千葉県 松戸市 177,397 0.87%
埼玉県 滑川町 50,160 0.87%
神奈川県 相模原市南区 184,980 0.84%
埼玉県 さいたま市岩槻区 95,781 0.83%
千葉県 成田市 43,315 0.82%
神奈川県 横浜市金沢区 198,470 0.80%
神奈川県 横浜市戸塚区 238,181 0.78%
東京都 東村山市 221,333 0.78%
埼玉県 杉戸町 63,160 0.77%
東京都 清瀬市 233,833 0.76%
神奈川県 横浜市栄区 189,769 0.76%
神奈川県 横浜市港南区 221,941 0.74%
神奈川県 横浜市磯子区 205,875 0.66%
神奈川県 横浜市瀬谷区 197,142 0.66%
千葉県 市原市 45,119 0.66%
埼玉県 坂戸市 75,560 0.62%
埼玉県 さいたま市桜区 149,837 0.60%
千葉県 千葉市花見川区 141,886 0.59%
東京都 羽村市 159,500 0.58%
千葉県 流山市 140,361 0.56%
神奈川県 伊勢原市 125,371 0.55%
神奈川県 横浜市旭区 209,055 0.54%
埼玉県 鶴ヶ島市 95,600 0.54%
東京都 瑞穂町 97,462 0.52%
埼玉県 上尾市 135,034 0.49%
埼玉県 加須市 36,694 0.49%
千葉県 富里市 53,466 0.48%
神奈川県 大和市 198,736 0.47%
埼玉県 吉川市 103,012 0.47%
埼玉県 桶川市 90,300 0.47%
神奈川県 相模原市中央区 157,677 0.46%
埼玉県 三郷市 124,325 0.46%
東京都 福生市 185,625 0.44%
埼玉県 北本市 80,350 0.44%
神奈川県 川崎市麻生区 242,312 0.43%
神奈川県 座間市 145,445 0.42%
埼玉県 伊奈町 77,580 0.41%
埼玉県 蓮田市 103,916 0.40%
埼玉県 幸手市 48,983 0.40%
埼玉県 さいたま市西区 119,618 0.39%
神奈川県 横浜市緑区 233,666 0.38%
神奈川県 綾瀬市 111,300 0.37%
東京都 東大和市 169,666 0.36%
神奈川県 藤沢市 248,516 0.34%
東京都 八王子市 160,220 0.34%
埼玉県 上里町 28,400 0.32%
東京都 町田市 222,296 0.27%
東京都 武蔵村山市 121,272 0.25%
埼玉県 入間市 108,733 0.25%
神奈川県 茅ヶ崎市 200,226 0.24%
埼玉県 春日部市 92,931 0.20%
千葉県 長南町 9,600 0.20%
神奈川県 厚木市 162,560 0.14%
埼玉県 狭山市 125,741 0.13%
神奈川県 箱根町 88,777 0.10%
埼玉県 久喜市 62,044 0.10%
千葉県 東金市 28,188 0.10%
千葉県 茂原市 28,000 0.07%
東京都 多摩市 234,500 0.03%
千葉県 千葉市緑区 68,350 0.02%
千葉県 大網白里市 26,450 0.02%
東京都 小笠原村 20,900 0.00%
東京都 八丈町 14,075 0.00%
東京都 大島町 12,840 0.00%
東京都 三宅村 9,033 0.00%
東京都 神津島村 7,833 0.00%
東京都 新島村 7,433 0.00%
千葉県 鴨川市 22,600 ▲0.01%
東京都 あきる野市 92,261 ▲0.08%
千葉県 館山市 30,100 ▲0.08%
神奈川県 鎌倉市 274,680 ▲0.09%
埼玉県 本庄市 40,850 ▲0.12%
千葉県 香取市 22,746 ▲0.12%
千葉県 八千代市 122,652 ▲0.13%
東京都 日の出町 60,450 ▲0.15%
千葉県 酒々井町 49,216 ▲0.16%
埼玉県 熊谷市 56,316 ▲0.18%
埼玉県 宮代町 51,800 ▲0.18%
千葉県 旭市 18,607 ▲0.18%
千葉県 睦沢町 12,250 ▲0.18%
千葉県 八街市 22,457 ▲0.19%
千葉県 千葉市若葉区 80,852 ▲0.21%
埼玉県 日高市 55,085 ▲0.23%
神奈川県 寒川町 103,740 ▲0.25%
千葉県 東庄町 13,600 ▲0.25%
埼玉県 深谷市 40,741 ▲0.27%
埼玉県 羽生市 31,700 ▲0.29%
埼玉県 鴻巣市 67,681 ▲0.31%
東京都 青梅市 104,572 ▲0.32%
千葉県 御宿町 19,100 ▲0.35%
千葉県 匝瑳市 17,650 ▲0.35%
千葉県 長生村 11,800 ▲0.39%
千葉県 多古町 11,500 ▲0.39%
千葉県 山武市 15,970 ▲0.44%
千葉県 横芝光町 13,044 ▲0.44%
千葉県 勝浦市 22,350 ▲0.46%
千葉県 柏市 150,537 ▲0.47%
埼玉県 松伏町 51,333 ▲0.47%
神奈川県 葉山町 145,071 ▲0.49%
千葉県 長柄町 10,675 ▲0.50%
埼玉県 神川町 12,285 ▲0.56%
千葉県 芝山町 9,980 ▲0.58%
埼玉県 横瀬町 33,325 ▲0.61%
千葉県 南房総市 14,786 ▲0.62%
千葉県 鋸南町 15,200 ▲0.65%
千葉県 大多喜町 8,736 ▲0.67%
千葉県 我孫子市 99,486 ▲0.68%
埼玉県 飯能市 73,033 ▲0.71%
千葉県 印西市 48,493 ▲0.71%
千葉県 銚子市 36,818 ▲0.74%
神奈川県 逗子市 203,000 ▲0.76%
千葉県 神崎町 9,850 ▲0.79%
神奈川県 清川村 32,100 ▲0.80%
埼玉県 吉見町 22,825 ▲0.80%
埼玉県 秩父市 34,861 ▲0.82%
埼玉県 行田市 35,076 ▲0.83%
千葉県 富津市 16,409 ▲0.84%
埼玉県 嵐山町 41,250 ▲0.87%
東京都 奥多摩町 29,875 ▲0.92%
千葉県 佐倉市 72,940 ▲0.96%
千葉県 白子町 10,325 ▲0.97%
埼玉県 越生町 30,625 ▲0.98%
東京都 檜原村 20,300 ▲0.99%
埼玉県 小川町 30,416 ▲1.01%
千葉県 四街道市 57,200 ▲1.05%
千葉県 いすみ市 13,992 ▲1.08%
埼玉県 美里町 14,400 ▲1.18%
埼玉県 鳩山町 30,300 ▲1.19%
埼玉県 寄居町 25,220 ▲1.31%
神奈川県 平塚市 162,224 ▲1.35%
埼玉県 小鹿野町 17,366 ▲1.38%
神奈川県 小田原市 130,303 ▲1.41%
埼玉県 毛呂山町 44,480 ▲1.44%
千葉県 野田市 56,195 ▲1.49%
千葉県 九十九里町 9,080 ▲1.51%
神奈川県 愛川町 55,325 ▲1.68%
埼玉県 長瀞町 20,280 ▲1.80%
埼玉県 皆野町 23,860 ▲1.81%
神奈川県 松田町 104,333 ▲1.90%
神奈川県 開成町 84,833 ▲1.97%
埼玉県 ときがわ町 17,133 ▲2.03%
神奈川県 横須賀市 135,836 ▲2.04%
神奈川県 秦野市 99,213 ▲2.20%
神奈川県 中井町 50,850 ▲2.20%
埼玉県 東秩父村 9,166 ▲2.22%
千葉県 栄町 34,020 ▲2.25%
千葉県 白井市 55,880 ▲2.63%
神奈川県 二宮町 111,942 ▲2.70%
神奈川県 湯河原町 84,300 ▲2.89%
神奈川県 大井町 77,275 ▲3.02%
神奈川県 三浦市 83,000 ▲3.33%
神奈川県 大磯町 112,783 ▲3.47%
神奈川県 南足柄市 64,577 ▲3.72%
神奈川県 山北町 50,133 ▲3.80%
神奈川県 真鶴町 64,050 ▲4.30%

変動率の上位(地価は上昇)20エリアのうち、実に18エリアが東京23区で、それ以外では「武蔵野市」と「横浜市西区」とがランクインしているのみです。都心の商業地が訪日客の増加等の追い風を受けて上昇していることに加え、都心部の価格上昇が台東区、荒川区、北区など23区の北東エリアに波及していることが分かります。また、それに引っ張られるように、武蔵野市、立川市などの東京市部や、横浜市、川崎市、さいたま市、浦安市など、隣接するエリアでも上昇が見られます。

一方で、変動率下位(地価は下落)20エリアを見てみると、都心から大きく離れた市区町村(神奈川県14、埼玉県4、千葉県2)がランクインしています。

 

3-3. マップで見る上昇エリアと下落エリアの違いとは

ここで上記の市区町村別の地価・変動率をマップで確認してみましょう。

【凡例】

アイコン 意味 変動率
大幅上昇 +3%超
オレンジ 上昇 +1%~3%
黄色 横ばい 0%~+1%
グリーン やや下落 ▲2%~0%
水色 下落 ▲3%~2%
大幅下落 ▲3%超

※円は、東京駅を中心として10kmごと50kmまでを表しています。

マップで見ると、上昇しているエリアと下落しているエリアがよりはっきりしてきます。要因は都心からの距離(交通アクセス)であることは明らかで、上昇しているのは都心から概ね20km圏内。30km~40kmでは上昇と横ばいが拮抗し、40kmを超えると横ばいと下落がほとんどになります。50km圏外では上昇している地点はほとんどありません。昔から「不動産は立地」と言われるように、立地と価格には非常に密接な関係があるのです。

しかし例外も見られます。例えば40km圏内に属する「さいたま市 大宮区」「立川市」「君津市」などは、3%以上の上昇となっていますし、30km圏内でも、人気の高い「横浜市」の西区、中区、神奈川区は大幅な上昇が見られます。都心からの距離が離れていても、街のもつブランド力やアクアラインなど独自の経済圏をもつエリアでは上昇しているエリアもあるわけです。千葉県の一宮町は、2020年東京オリンピックのサーフィン会場になったことをきっかけに、約3%上昇しました。地価の上昇(下落)には立地が大きく影響しますが、やはりその街のもつ魅力やその時々のトピックなども無視できない要因と言えるでしょう。

 

4、購入予算別 地価が上昇しているエリアランキング

ここまで、2018年基準地価について、上昇地点と下落地点の考察をしてきましたが、住宅購入者にとって関心が高いのは、自分の予算内ではどのあたりが狙い目なのかということではないでしょうか。

そこで、仮に100㎡(約30坪)の土地を購入する場合の予算をベースに、上昇率が高いエリアをランキングしてみました。

※順位は変動率順です。※基準地価はあくまで目安であり、実際の取引価格とは異なります。

4-1. 購入予算1,000~1,999万円台(㎡ あたり10万円台)

順位 市区町村 平均地価(円/㎡) 変動率
1 埼玉県 ふじみ野市 176,428 2.43%
2 埼玉県 さいたま市北区 186,538 2.00%
3 千葉県 習志野市 176,857 1.91%
4 埼玉県 草加市 146,952 1.84%
5 埼玉県 三芳町 147,000 1.82%
6 千葉県 千葉市美浜区 157,277 1.57%
7 千葉県 鎌ケ谷市 107,083 1.56%
8 埼玉県 さいたま市緑区 166,562 1.51%
9 千葉県 千葉市稲毛区 163,476 1.38%
10 埼玉県 川越市 174,914 1.25%

この価格帯では、都心から30km圏の埼玉県、千葉県がランキングされています。1位のふじみ野市は都心から30km以上ありますが、東武東上線のアクセスがよいため大幅な上昇となっています。

 

4-2. 購入予算2,000~2,999万円台(㎡ あたり20万円台)

順位 市区町村 平均地価(円/㎡) 変動率
1 埼玉県 さいたま市南区 273,214 3.12%
2 神奈川県 川崎市多摩区 297,555 2.63%
3 埼玉県 さいたま市中央区 299,083 2.51%
4 埼玉県 富士見市 247,561 2.39%
5 埼玉県 和光市 242,500 2.36%
6 千葉県 千葉市中央区 209,431 1.99%
7 東京都 稲城市 230,687 1.97%
8 神奈川県 横浜市南区 285,736 1.96%
9 埼玉県 戸田市 247,538 1.75%
10 埼玉県 朝霞市 238,660 1.70%

この価格帯は、都心に近づきつつも、やはり20km~30kmのエリアが多くなっています。このエリアであれば、都内への通勤時間は概ね1時間以内となります。

 

4-3. 購入予算3,000~3,999万円台(㎡ あたり30万円台)

順位 市区町村 平均地価(円/㎡) 変動率
1 東京都 足立区 388,693 5.19%
2 千葉県 浦安市 328,500 3.61%
3 東京都 葛飾区 359,137 3.31%
4 神奈川県 川崎市高津区 345,444 3.05%
5 神奈川県 川崎市幸区 340,636 2.45%
6 東京都 西東京市 322,111 2.40%
7 神奈川県 横浜市青葉区 372,000 1.93%
8 千葉県 市川市 312,616 1.88%
9 神奈川県 横浜市鶴見区 302,888 1.86%
10 東京都 国立市 334,571 1.64%

この価格帯になると、東京23区と隣接するエリアが入ってきます。1位の足立区は北千住エリアの再開発で人気が高まっており、5%を超える上昇となっています。

 

4-4. 購入予算4,000~5,999万円台(㎡ あたり40~50万円台)

順位 市区町村 平均地価(円/㎡) 変動率
1 東京都 墨田区 555,894 6.47%
2 東京都 江東区 574,333 6.06%
3 東京都 板橋区 523,375 6.04%
4 東京都 江戸川区 410,175 4.59%
5 埼玉県 さいたま市浦和区 447,066 4.39%
6 神奈川県 横浜市神奈川区 479,722 4.12%
7 神奈川県 川崎市中原区 546,294 3.96%
8 東京都 大田区 544,022 3.46%
9 東京都 練馬区 435,408 3.19%
10 神奈川県 川崎市川崎区 535,000 2.97%

1㎡あたり40万円を超えるエリアでは、23区と隣接エリアがほとんどになります。もともと人気の高いエリアが多く、上昇率も高くなっています。

 

5、不動産価格は今後ますます二極化に向かう!? 購入するならこれから伸びる街を見極めよう

 

5-1. 「不動産価格の二極化」とその背景とは

かつて「バブル」と言われた時代には、地価は下がらないものと考えられており、都心・郊外にかかわらず地価は上昇を続け、やがてバブル崩壊とともに一斉に下落に向かいました。

それから30年が経過し、今後、不動産価格はエリアにより二極化すると言われています。二極化とは、やや極端な言い方ですが、人気のあるエリアは継続的に上昇し、そうでないエリアは下落し続けるであろう、ということです。

背景には、人口減少と少子高齢化があります。人口(特に就労者人口と呼ばれる若年層)が減少すると、地域の財政は厳しくなり、これまでのように均一なインフラ投資や行政サービスが提供できなくなってきます。そうなると、都心部や駅近など人口の多い地域に投資を集中せざるを得なくなります。その結果人気エリアへの人口流入が増加し、サービスの行き届かない郊外は過疎化・高齢化が進み、ますます不人気になってしまいます。また、若い世代の共働きが増加し、職場の近くに住みたい、買物や子育てに負担のない所に住みたいなど、都心回帰の流れも郊外が過疎化する要因のひとつだと言えます。住宅購入を検討する際には、物件や価格だけでなく、今後そのエリアが発展していくかどうかもしっかりと見極める必要があります。

 

5-2. 今後発展するエリアかどうかを見極めるためのポイント

それでは、今後発展するエリアかどうかはどのように判断すればいいのでしょうか。いくつかのポイントを挙げてみました。

◆ 立地、沿線、駅

購入するエリアが今後伸びていくかどうかを見極めるために、最初に考えるべきは「立地」です。当然ですが、多くの人が住みたいと思うエリアは人気が高まり、人口が増えることによって税収が増え、官民の投資も増えるという好循環が生まれます。都心からの距離、沿線、駅はもちろん、駅からの距離、商業施設などの利便性なども影響します。

 

◆ 街の魅力・イメージ

いわゆる「住みたい街ランキング」などで上位にランクインする街は、立地以外にも独自の魅力を持っています。例えば横浜であれば、「異国情緒」「港町」といったイメージで語られることが多いですし、吉祥寺であれば「若者が集まるおしゃれな街」「井の頭公園」などのイメージで、さほど都心に近くないにもかかわらず、絶大な人気を誇っています。最近では、東京スカイツリーの完成によって地価が急上昇した墨田区、北千住エリアの再開発でそれまでのイメージが一変し、人気の街となった足立区などは記憶に新しいところです。

エリアを検討する際には、街にどんな魅力があるのか、今後新たな魅力が生まれる可能性があるかどうかをチェックしてみましょう。都市計画や再開発の予定などは、市や区などのホームページで見ることができます。

 

◆ 行政サービス

街の人気度は、立地や商業施設などのハード面だけでなく、行政サービスというソフト面にも左右されます。その中でも若いファミリーに対する「子育て支援」は年々重要になってきており、待機児童ゼロに向けた取り組みや、子どもの医療費補助などに力を入れる市区町村が増えています。千葉県流山市は、「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーで、子育て支援事業とそのPRに注力した結果、30~40代の子育てファミリーが急増し、人口増加率が県内1位、全国でもトップ10に入るほどになりました。住宅購入の際には、希望エリアの行政サービスについても調べてみるとよいでしょう。

 

5-3. 地価は上昇トレンド継続。金利もじわり上昇。住宅購入は早めに動こう

2018年の基準地価をもとに、地価が上がった街と下がった街の違いを見てきましたがいかがでしょうか。

住宅は人生で最も大きな買い物と言われ、長期のローン返済を伴いますから、将来値上がりするか値下がりするかで人生のプランまで左右してしまう可能性もあります。そういう意味でも、どのエリアで買うかはとても重要なのです。

そして、それを検討するために必要なのが生きた情報です。今回は市区町村ごとに見てきましたが、さらに細かい駅ごとの人気度や、街の将来性については、やはりその地域の人に聞いてみるのがベストです。地域に根づいている不動産会社なら、物件や価格はもちろん、再開発の計画や行政サービスなどについても常に最新の情報を持っていますので、住宅購入を検討する上でまずは気軽に相談してみるとよいでしょう。

2018年の基準地価で、地価の上昇トレンドが継続していることが確認されたことに加え、消費税の再増税も1年後に迫り、金利もじわじわと上昇しはじめていますので、来年の春に向けて住宅購入者が一斉に動き出しそうな気配です。不動産は基本的に早いもの勝ちですので、まずは情報収集だけでも早めのスタートを切ることをおすすめします。