消費税10%をチャンスに変える!住宅購入4つの支援策

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2019年10月からいよいよ消費税が10%になるそうです。政府も「リーマンショックの様なことがない限り引き上げる」と述べていますが、今から半年くらいの間でそのレベルの危機が起こる可能性は極めて低いと思われます。住宅購入者にとっては手痛い増税と、考えがちですが、もしかすると逆に大きなチャンスになるかもしれません。政府が発表した、住宅購入を支援する4つの支援策を知っておきましょう。

1、消費増税の負担を軽減する4つの支援策が出そろった。

政府は増税の影響が大きい住宅購入などに対して4つの支援策を打ち出しています。具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 

1-1. 具体的な支援策とは?

具体的な4つの支援策とは以下の通りです。 

(1)住宅ローン減税の控除期間を3年間延長(10年→13年)

(2)すまい給付金の給付額を拡充(最大30万円→50万円)

(3)次世代住宅ポイントの創設(最大60万ポイントを付与)

(4)贈与税の非課税枠を拡充(最大1,200万円→3,000万円)

政府の目的は増税負担を緩和することにより、増税前の「駆け込み」を防ぎ、増税後の景気の冷え込みを抑えることです。住宅購入者にとっては、この時期限定の大きな優遇を受けられるチャンスでもありますのでしっかり理解しておく必要があります。

 

1-2. 支援の対象となる取引とは

今回の支援策は増税の負担を緩和することが目的ですから、対象となるのは10%の消費税が課税される取引となります。具体的には、新築分譲住宅、リノベーション済み中古住宅、注文住宅、リフォームなどです。個人から購入する中古物件(いわゆる仲介物件)にはそもそも消費税がかからないため対象外となります。それではひとつずつ見ていきましょう。

 

2、住宅ローン減税の控除期間を3年間延長(10年→13年)

 

2-1. 住宅ローン減税と期間延長の意味

現行の住宅ローン控除は、住宅ローンを使って住宅を購入する場合に、購入者の金利負担を軽減するため、年末の住宅ローン残高の1%(最大年40万円×10年間※)を所得税・住民税から控除できる制度です。

※認定住宅については、最大年50万円×10年間

今回、この住宅ローン減税の適用期間が10年から13年に3年間延長されることになります。1~10年目までは現行の制度と変わりませんが、延長される3年分については以下のような基準で控除額が決まります。

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11年目~13年目の年間控除額=次のいずれか小さい額

①年末の住宅ローン残高(上限4,000万円※)の1%

②建物購入価格(上限4,000万円※)の2/3% (2%÷3年)

※認定住宅については、上限:5,000万円

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つまり条件にもよりますが、延長された3年間で消費税アップ分(2%)が戻ってくると考えればわかりやすいでしょう。

 

2-2.期間延長の条件とは

この住宅ローン減税の期間延長を受けられるのは、『2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住の用に供した場合』、つまり2020年末までに入居した場合に限られます。今回の支援は消費増税にともなう時限的なものであって、いつまでも続くわけではないということに注意しましょう。

 

3、すまい給付金の給付対象と給付額を拡充(最大30万円→50万円)

 

3-1. すまい給付金とは

すまい給付金とは、住宅ローン減税による効果が十分に及ばない収入層に対して負担軽減をはかる目的で創設された制度で、税額控除ではなく、住宅購入者に現金をダイレクトに給付する制度です。今回の支援策では、すまい給付金の対象層と給付額の両方が拡充されました。

 

3-2. 給付対象者の拡充

現行では給付対象となる年収が「約510万円以下」でしたが、消費増税後は「約775万円以下」まで広がり、給付対象となる層が拡大しました。

 

3-3. 給付額の拡充

給付額についても、現行の30万円から50万円に引き上げられ、より低所得~中間層に手厚い支援となっています。収入により給付額が異なりますので詳細は次表をご確認ください。

 

■すまい給付金の給付額

※収入は目安であり、実際には住民税の所得割額により判定されます。

 

3-4. すまい給付金の対象となる条件とは

すまい給付金は、自らが居住するための住宅に、2021年12月末までに入居した方が対象となります。また、建物についても床面積50㎡以上、かつ耐震性等に一定の水準が求められますので、必ず不動産会社、建築会社などに確認をしてください。

 

4、次世代住宅ポイントの創設

 

4-1. 次世代住宅ポイントとは

次世代住宅ポイントとは、一定の性能を有する優良な住宅を新築またはリフォームにより取得した人に、様々な商品と引き換えられるポイント(1ポイント=1円相当)を付与する制度です。付与されるポイントは新築で最大35万ポイント、リフォームで最大60万ポイントです。

 

4-2. 対象となる物件や工事内容は

ポイント付与の対象は、「環境」、「安全・安心」、「健康長寿・高齢者対応」、「子育て支援、働き方改革」に資する住宅の新築、リフォームとされており、中でも若者・子育て世代が中古住宅を購入してリフォームを行った場合には、上限特例として最大60万ポイントまで付与されます。

 

■新築

①エコ住宅(断熱等級4又は一次エネ等級4を満たす住宅)

②長持ち住宅(劣化対策等級3 かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)

③耐震住宅(耐震等級2を満たす住宅又は免震建築物)

④バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)

 

■リフォーム

①窓・ドアの断熱改修

②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

③エコ住宅設備の設置

④耐震改修

⑤バリアフリー改修

⑥家事負担軽減に資する設備の設置

⑦若者・子育て世帯による既存住宅の購入に伴う一定規模以上のリフォーム工事等

 

上記に該当すれば部分リフォームでも対象になります。工事内容ごとのポイント数は多岐にわたりますので、国土交通省のホームページをご覧いただくか、不動産会社、建築会社等に確認してみることをおすすめします。

(参考)次世代住宅ポイントの概要 ( http://www.mlit.go.jp/common/001267870.pdf )

 

4-3. 対象となる条件は

次世代住宅ポイントの付与対象となる住宅(工事)は以下の通りです。


5、贈与税の非課税枠を拡充(最大1,200万円→3,000万円)

 

5-1. 贈与税の非課税枠とは

贈与税の非課税枠とは、正確には『住宅取得等資金贈与の特例』という制度で、住宅を取得(購入・新築・増改築)するための資金を、父母や祖父母などから援助してもらう場合に、一定額までは非課税で贈与を受けられるという制度です。今回この非課税となる範囲が大幅に広がり、親などからの資金援助を受けやすくなります。

 

5-2. 非課税で贈与できる範囲とは

非課税で贈与を受けられる額は契約年によって異なります。2019年4月~2020年3月に契約した場合が最も大きく、最大3,000万円まで非課税となります。その後は年々非課税枠が縮小しますので、親などから多額の資金援助を検討している方は、少し急いだ方がいいかもしれません。

5-3. 贈与税が非課税となる条件とは

住宅取得資金贈与の特例が認められるためにはいくつかの条件があります。

まず贈与する人は父母や祖父母などの「直系尊属」に限られます(配偶者の父母は含まれません)。また、建物については50㎡以上240㎡以下で、新築、築20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)または一定の耐震基準に適合していることが条件となります。

また、贈与年の翌年3月15日までに、その全額を充てて家屋の新築、購入等をし、居住しなければなりません。その他、贈与を受ける人の年齢、所得などの制限がありますので、詳細は税理士等の専門家にご相談してみることをおすすめします。

 

6、購入の検討は早めに動いたほうがベター。必ず専門家への確認を

 

消費増税にともなう支援策、ご理解いただけましたでしょうか?

今回の消費税アップは1989年に消費税3%が施行されて以来、1997年には3%→5%、2014年には5%→8%となり、今回で3回目となりますが、過去の増税時には直前に駆け込み需要が発生し、増税後に極端に景気が冷え込むということもありました。そのような反省から、今回は特に景気への影響が大きい住宅や車などについて、非常に手厚い支援が盛り込まれました。

これから住宅購入を検討される方、中でも増税の影響を受ける新築住宅や注文住宅を検討中の方にとっては、数年に1度の大きなチャンスかもしれません。いずれも増税前後の限られた期間限定で実施されるので、タイミングを逃さないように早め早めに動いていった方がベターかと思います。

またこのような制度は、適用条件や申請手順などが非常に複雑でわかりにくく、一般の方が自分だけで対応するのはなかなか大変です。今年、住宅の購入を検討されている方は、事前に不動産会社・建築会社のスタッフや税理士など、専門家にご相談してみることをおすすめします。