コロナショックで今後の不動産価格はどうなる?

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新型コロナウィルス感染症の影響により、日本経済は大きな打撃を受けています。東京オリンピックも延期となり、いまだ自粛ムードが漂う中、これからの不動産価格はどうなるのでしょうか。直近の市況データなどから予測してみました。

 

1、外出自粛で不動産取引は大きく減少するも、足元では反転の兆し

新型コロナにより足元の不動産取引はどうなっているのか。東日本レインズのデータを元に見てみましょう。

レインズ(REINS):国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステム

 

1-1. 中古マンション

中古マンションにおいては、2020年4月に成約件数・㎡単価ともに大きく下落したものの、5月以降は持ち直し、6月の成約件数は1月を上回る水準まで回復しています。㎡単価は1月の95%水準に留まっていますが、急速に回復の兆しが見えています。

 

1-2. 中古一戸建

中古一戸建についても、成約件数が4月を底に反転し、2ヶ月連続の上昇となりました。また価格は5月まで下落が続いたものの6月には大きく上昇に転じました。

 

1-3. 新築一戸建

新築一戸建についても、中古マンションと同様に成約件数・価格ともに2ヶ月連続の上昇となっており、成約件数については過去1年間で最高となっています。

(上記3図推移:東日本レインズMarket Watch 2020年6月度)

このように、コロナショックで不動産取引が落ち込み、一部で大幅な値引き等も見られたものの、5月以降は自粛の緩和にともない回復の兆しを見せています。

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2、今後の不動産価格を予測する上での参考指標とは

次に、今後の不動産市況を予測する上で、関連性の深い指標について見ていきましょう。

 

2-1. 日経平均株価

日経平均株価と不動産価格は連動する傾向が強いと言われています。

グラフは全国の平均公示地価と日経平均株価との関係を表したものです。株価の変動から数ヶ月~1年ほど後に不動産価格が変動すると言われており、特に都市圏ではその傾向が顕著に現れます。

 

2-2. 長期金利(住宅ローン金利)

多くの人が住宅ローンを利用して家を買うことから、住宅ローン金利と不動産価格は、逆相関の関係にあり、金利が下がると不動産価格は上がる傾向にあります。

リーマンショックによる景気後退で、2008年以降、長期金利・不動産価格ともに低迷していましたが、2014年からアベノミクスによる金融緩和により金利がゼロ%近くまで下がり、不動産価格は大きく上昇しました。

 

2-3. 建築工事価格

新築マンション・一戸建の価格に大きな影響を及ぼすのが建築費です。下のグラフの通り、近年、建築資材の値上がりや東京オリンピックによる建設ラッシュ等により、建築費は上昇し続けています。

出典:建設工事費デフレーター(国土交通省)

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3、今後の不動産価格の見通しと、アフターコロナの新しいトレンド

 

足元の成約状況や、関連指標から今後の不動産価格を予測してみましょう。また、今後の市況を占う上での新しいトレンドも知っておきましょう。

 

3-1. 今のところコロナショックによる下落は一時的と見られる

前述の通り、首都圏では成約件数・価格ともに回復基調に入っており、他の都市圏においても同じような傾向が見られます。関連指標においても日経平均株価は、年初の水準までもう少しというところまで回復してきており、長期金利も引き続きゼロ%前後で推移しています。

また建築費の上昇については、オリンピック特需だけでなく、建設業界の高齢化や人手不足という構造的な問題によるところも大きく、それが改善されない限り今後も上昇が続いていくものと思われます。さらに、過去の平成バブル崩壊やリーマンショックでは、信用縮小により、金融システムが大きなダメージを受けましたが、今回のコロナショックでは金融システムにダメージはなく、資金の供給も潤沢に行われています。

こうしたことから、コロナショックによる不動産価格の下落は、今のところ一時的なものに留まりそうです。しかし、第2波、第3波などが現実のものになれば、また違った状況も起こり得るため、予断を許さない状況が続いていると言えるでしょう。

 

3-2. 今後、不動産はエリアによる選別が進む。価格の二極化とは

住宅購入を検討する上では、コロナショックにより全体の不動産価格が上がるか(下がるか?)ということよりも、どのエリアが上がるか(下がるか?)という視点を持っておきましょう。すでに不動産価格は二極化が進んでおり、上昇エリアと下落エリアがはっきり分かれつつあります。利便性の高い都心の人気はこれからも続いていくと思われますが、郊外や地方都市については、若年層の流入によって活性化していくエリアと、高齢化・少子化によりゆっくり衰退していくエリアが分かれていくでしょう。

 

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3-3. テレワークの普及で、郊外エリアや地方への注目が高まる

今回のコロナショックは、「働き方」にも大きな影響を与えています。自粛解除後も多くの企業がテレワークや分散出社を推奨し、大人数での商談や会食は控える傾向が続いています。こうした背景のもと、テレワークやオンライン会議に対応できる、ワークスペースを備えた広い家への需要が高まっており、郊外や地方(リゾートエリア)に注目が集まっています。その中でも、都心まで1時間前後のターミナル駅など、利便性が高く価格がリーズナブルな一戸建は今後人気が高まっていく可能性があります。

 

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3-4. 不動産の探し方も大きく変化。オンライン内見が当たり前に

コロナショックでもうひとつ大きく変わりつつあるのが不動産の「探し方」です。外出自粛や密室を避ける意味合いから、オンラインでの接客や内見が急速に普及しており、自宅にいながら不動産会社と打ち合わせをしたり、物件を内見したりすることができるようになりつつあります。将来的には契約手続きもオンラインで完結する時代が訪れるかも知れません。

 

 

4、住まいに「買い時」はない。価格に一喜一憂せず、自分に合った物件選びを

ここまで申し上げてきたように、コロナショックにより大きく落ち込んだ不動産取引は、足元では回復の兆しを見せていますが、首都圏では再び感染者数が増加するなど、予断を許さない状況にあります。このような状況のもと、今後の価格の動きを予測するのは非常に難しいことです。

家を買う上で価格は重要な要素ですが、長い目で見れば、いつの時代も価格は変動していますので、いわゆる「買い時」だけを追い求めるのではなく、今回のコロナをきっかけに自身のライフスタイルや、家族の要望などを見つめ直し、これからの暮らしに合った住まいを購入することが重要かと思います。

ここしばらくは景気も厳しい状況が続き、不動産市況も目まぐるしく変化していくものと思われます。オンラインでの相談や内見に対応してくれる不動産会社も増えてきました。ぜひこの機会に情報収集をスタートしてみてはいかがでしょうか。