1.横浜市西区は市内でもっとも人口の少ない区。住むよりは遊ぶ・働く街というイメージが強い
横浜市西区は、全18区のうち、唯一、人口10万人未満の区です。これは区の面積が小さいことに加え、商業施設やオフィスがその中心であり、「住む街」というよりは、「働く・遊ぶ街」というイメージが強いからでしょう。それほど大きな人口変動はなく、最近10年間で約9,000人増(約10%増)となっています。
1-1.人口・世帯数(2017/1/1現在)
人口 |
98,646人 |
平均年齢 |
44.19歳 |
世帯数 |
52,039世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
|
2008年 |
2009年 |
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
人口 |
89,349 |
92,272 |
93,022 |
94,860 |
95,986 |
96,826 |
97,251 |
97,711 |
98,573 |
98,646 |
世帯数 |
44,929 |
46,993 |
47,814 |
49,093 |
49,826 |
50,423 |
50,845 |
51,212 |
51,853 |
52,039 |
1-3.転入・転出(2016年中)
※出典:横浜市統計ポータルサイト (http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/)
2.横浜市西区の新築供給と不動産価格相場
では次に、横浜市西区で不動産を購入する場合の物件や価格などについて見てみましょう。
2-1.横浜市西区の土地価格は2013年以降、上昇傾向が継続
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。横浜市西区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。2008年のリーマンショックによる下落はあったものの、その後はほぼ横ばいで推移し、2012年12月に始まったアベノミクスにより上昇に転じています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年
1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年
7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
西区全体の地価平均(㎡)
公示地価(2017年) |
1,095,730円 |
基準地価(2017年) |
1,821,125円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
|
2008年 |
2009年 |
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
公示地価 |
787,000円 |
725,600円 |
661,400円 |
634,400円 |
606,047円 |
931,909円 |
944,478円 |
996,041円 |
998,192円 |
1,095,730円 |
基準地価 |
1,062,142円 |
922,357円 |
878,071円 |
858,785円 |
864,285円 |
903,500円 |
943,642円 |
995,000円 |
1,672,466円 |
1,821,125円 |
2016年、2017年の基準地価が大きく上昇しているのは、横浜市における商業地の地価上昇率が高かったこと、基準地点に地価の高い商業地が2016年と2017年に1地点ずつ追加されていることが要因です。
2-2.新築分譲住宅の供給は2016年に大幅減。周辺エリアの開発が進む
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。横浜市西区で2016年中に新築された建物は1069戸でした。そのうち「持ち家」(主に注文住宅)は95戸、分譲住宅(建売・マンション)は461戸でした。
持ち家 |
95戸 |
貸家 |
513戸 |
給与住宅 |
- |
分譲住宅 |
461戸 |
2-3.横浜市西区の新築供給は3年連続の増加後、2016年に減少に転じる
住宅着工についても地価と同様に2008年のリーマンショック後落ち込みが見られますが、アベノミクスで回復に転じ2015年まで上昇後、2016年に再び減少しています。2016年の減少の要因は、2013年から増加を続けてきた分譲住宅の大幅な供給減が挙げられます。一方で、西区に隣接する中区では、2016年の分譲住宅の着工数が前年比2.5倍(632戸 → 1603戸)となっており、西区の地価上昇や用地不足を理由に、分譲マンションの供給が周辺のエリアへ移ったことがうかがえます。

※出典:「神奈川県内建築着工統計」 神奈川県 県土整備局 建築住宅部 建築指導課 のデータより作成
2-3.横浜市西区の不動産価格相場。中古マンション・戸建てなら手の届きやすい物件も
横浜市西区の不動産価格相場について見てみましょう。新築マンションについてはファミリータイプで3,000万円台から1億円を超える物件まで幅広く供給されています。3.3㎡単価では200万円台後半~300万円台くらいが多いようです。
中古マンションについては、築15年以内の平均価格が5,020万円、15年超が2,117万円となっています。平均㎡単価でみても、築15年以内が90万円であるのに対し、築15年超は48万円となっています。これは隣接する中区でも同様に、築15年以内が75万円、築15年超が47万円となっており、築年数が経過するほど価格は下がる傾向にあります。
一戸建については、新築の物件よりも築浅の中古の方が平均価格はやや高くなっています。一戸建の価格は、建物よりも土地の価格に大きく影響されるため、立地のよい(地価の高い)中古物件の方が新築よりも高くなってしまうことはあり得ます。
土地については、全体の平均価格が5,026万円(㎡単価 約37万5000円)でしたが、徒歩10分以内と10分超に分けてみると、単価に1.5倍以上の差がありました。
(1)中古マンション
|
平均販売価格(万円) |
平均専有面積(㎡) |
平均 ㎡単価(万円) |
築15年以内 |
5,020万円 |
51.95㎡ |
90万円 |
築15年 超 |
2,117万円 |
44.34㎡ |
48万円 |
(2)一戸建
|
平均販売価格(万円) |
平均土地面積(㎡) |
平均建物面積(㎡) |
新築 |
4,813万円 |
96.52㎡ |
102.01㎡ |
築15年以内 |
4,963万円 |
74.99㎡ |
102.04㎡ |
築15年 超 |
4,141万円 |
119.68㎡ |
104.35㎡ |
(3)土地
|
平均販売価格(万円) |
平均土地面積(㎡) |
平均㎡単価(万円) |
徒歩10分以内 |
6,730万円 |
138.97㎡ |
48万円 |
徒歩10分超 |
3,972万円 |
132.90㎡ |
30万円 |
※東日本REINS 2018/1 ~ 2018/3のデータを集計
3.横浜市西区の教育環境
不動産を購入するとなると、子どもの教育環境も気になるところです。横浜市西区の幼稚園や学校などについて見てみましょう。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
横浜市西区には、8校の公立小学校、4校の公立中学校、1校の公立高校があります。私立の小中高校および大学・短期大学はありませんが、周辺の区には私立学校が多数あり、通学には問題ありません。東京都内に通学する方も多いようです。
|
公立 |
私立 |
幼稚園・認定こども園 |
- |
7園 |
小学校 |
8校 |
- |
中学校 |
4校 |
- |
高等学校 |
1校 |
- |
大学・短大 |
- |
- |
3-2. 待機児童の割合(2017年10月)
就学前児童数 |
4,827人 |
施設数 |
28施設 |
定員数 |
1,446人 |
利用児童数 |
1,542人 |
保留児童数 |
222人 |
待機児童数 |
43人 |
未就学児を対象とした幼稚園・認定こども園は7園あります。横浜市は待機児童の解消に力を入れており、2018年4月に向けて、認可保育所(分園含む)35 か所、幼保連携型認定こども園7か所、小規模保育事業18 か所などの整備が見込まれています。(2017年11月末時点)
4. 横浜市西区は資産価値が落ちにくく安心して購入できるエリア
冒頭に申し上げた通り、横浜は非常に人気が高くブランド力のある街です。その中でも西区は横浜の中心部を形成する区であり、不動産市場としても魅力的なエリアです。
横浜市西区での住宅購入については、物件の多くが繁華街や商業エリアに近く、価格も高いことから、住宅地としての街並みや閑静な暮らしではなく、利便性や都会的なライフスタイルを重視する、高年収の方に向いているエリアだと言えるでしょう。比較的リーズナブルに購入したいならば、築年数が経過し価格のこなれた中古マンションなどを狙ってみるのも良いかも知れません。高いブランド力とエリアの特性から、資産価値が落ちにくく安心して購入できるエリアだと言えます。