毎年50万円が戻ってくる!?住宅ローン控除のポイント

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宅購入する方の多くは「住宅ローン控除」の制度をご存知ですが、その内容については曖昧だったり、購入しようとする物件が住宅ローン控除の要件に当てはまるかどうか判断が難しかったりするケースも少なくありません。今一度、住宅ローン控除について詳しく学んでいきましょう。

1. 住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅取得支援政策のひとつで、住宅ローンを使って住宅を購入した人に対して、所得税を控除する制度です。具体的には、年末の住宅ローン残高の1%を、その年の所得税(引ききれない場合は翌年の住民税)から控除できます。仮に、住宅ローンの年末残高が3,000万円だとすると、その年の所得税から最大30万円が控除されるわけです。サラリーマンなら年末調整で30万円戻ってくるとイメージすれば分かりやすいでしょう。控除期間は最長10年間です。

現在は10年固定の金利が1%を切っていますので、当初10年間は支払う金利よりも戻ってくる税金の方が多いという、言わばマイナス金利現象も起こり得ます。

■住宅ローン控除の概要

認定長期優良住宅

・認定低炭素住宅

左記以外の住宅

最大控除額 500万円(50万円×10年) 400万円(40万円×10年)
控除率・控除期間 1% ・ 10年
住民税からの控除上限額(年) 13万6500円

適用期日:平成26年4月~平成33年12月末日までの入居が対象

 

2. 住宅ローン控除の対象となる要件(条件)とは

住宅ローン控除は、新築住宅の建設(購入)はもちろん、中古住宅の購入、リフォームなどにも適用できますので、住宅を購入される方のほとんどが対象になります。ただし、住宅の面積、築年数などに一定の要件がありますので注意しましょう。

■住宅ローン控除の対象となる要件

新築住宅

中古住宅

増改築(リフォーム)

用途 自ら居住する住宅であること
床面積 50㎡以上 リフォーム後50㎡以上
築年数

 

20年以内

(耐火建築物は25年以内)※

金額 100万円以上

※ 築年数がこれを超える物件でも「耐震基準適合証明書」等で建物の耐震性が認められれば対象となります。

 

その他にも、「借入金の償還期間が10年以上であること」、「控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下であること」等の要件もありますが、住宅ローンを使って住宅購入をされる方は、ほとんどが問題なく対象となるでしょう。

 

3. 住宅ローン控除を受けるための手続き

3-1. 1年目は忘れずに確定申告を。2年目以降は年末調整で

住宅ローン控除を受けるためには、住宅購入から6ヶ月以内に入居し、入居した年の翌年の確定申告(3月15日まで)でその申請しなければなりません。1年目に確定申告すると、税務署から「住宅借入金等特別控除申告書」という書類が、残りの9年分送られてきます。2年目以降は、その書類と金融機関の残高証明書を勤務先に提出して年末調整することができます。

3-2. 確定申告に必要な書類

住宅ローン控除を受けるためには、適用要件を満たしているかどうかを確認するため、確定申告の際に以下のような書類を提出する必要があります。(2年目以降は提出の必要はありません。)

■確定申告の必要書類

添付書類

入手・依頼先

確認事項

住民票の写し 市区町村 自ら居住していること

(6ヶ月以内)

残高証明書 金融機関 住宅ローン残高
登記事項証明書 法務局 取得年月日

床面積(50㎡以上)

請負(売買)契約書 等 本人 住宅取得の対価
給与等の源泉徴収票 勤務先 所得(税)額
中古住宅で規定の築年数を超える場合(以下のいずれか)

・耐震基準適合証明書

・既存住宅性能評価書

・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書

 

建築士等

登録性能評価機関

住宅瑕疵担保責任保険法人

耐震性を有すること

※ 土地の取得にかかわる借入がある場合は、土地の登記事項証明書や契約書が必要

※ 認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の優遇措置を申請する場合には、その証明書が必要

出典:国土交通省「すまい給付金サイト」

 

4. 住宅ローン控除で損をしないために、必ず押さえておきたい注意点

住宅ローン控除は、住宅購入者に広く利用されている制度ですが、適用方法を間違えると返済計画に影響が出たり、本来受けられたはずの控除が受けられなかったりしますので注意しましょう。

4-1. 実際に控除される額はきちんと計算しよう

住宅ローン控除は「年40万円×10年」などと紹介されることが多いため、毎年40万お金が戻ってくると勘違いしてしまうケースがあるようです。この場合、あくまでも「40万円」は年間最大控除額であり、実際の控除額は以下の3つの額の中で、もっとも金額の低いものになります。

・所得税額と住民税(一部)の合計額

・控除を受ける年の年末住宅ローン残高の1%

・40万円(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は50万円)

つまり、ローン残高がいくらであっても、支払っている税金以上にお金が戻ってくることはありませんので注意が必要です。

4-2. 個人間売買の場合は注意!消費税により控除額が異なる

住宅ローン控除は、平成26年4月の消費税の引き上げ(5%→8%)にともない、大幅に制度が拡充されています。

したがって、平成26年4月以降の取得であっても、消費税が非課税である中古住宅の個人間売買や、経過措置により5%の消費税率が適用される場合などは、下表の通り平成26年3月までの制度が適用されます。

物件にかかる消費税については、必ず不動産会社に確認してください。

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 左記以外の住宅
最大控除額 300万円(30万円×10年) 200万円(20万円×10年)
控除率・控除期間 1% ・ 10年
住民税からの控除上限額(年) 9万7500円

適用期日: ~平成26年3月

4-3. 繰上げ返済すると損をする可能性も

住宅ローン控除は、その年の12月31日時点での住宅ローン残高により控除額が決まりますので、繰上げ返済をすると控除額が減ってしまう可能性があります。繰上げ返済することによって減る「利息」と 、ローン残高が減少することによる「住宅ローン控除額の減額」を比較し、よりおトクになる方を選択しましょう。

また、繰上げ返済の時期についても、12月より1月にした方がトクになる場合があります。こちらも1ヶ月分の利息と実際の控除額とを比較した上で判断されるとよいでしょう。

4-4. 共働き世帯なら、夫婦個々に住宅ローン控除を受けられる

住宅ローン控除は、世帯ごとではなく個人ごとに申請できますので、共働き世帯の場合には、住宅を共有持分とし、夫と妻が持ち分に応じて個々に住宅ローンを組み(ペアローン)住宅ローンを返済するのであれば、夫婦個々に住宅ローン控除を受けることができます。

また、1本の住宅ローンに対して、夫と妻が連帯債務者として住宅ローンを組み、夫婦が協力し合い住宅ローンを返済する借入(フラット35など)も夫婦個々に住宅ローン控除を受けることができます。

ただし、夫が債務者となり、妻が収入合算者として連帯保証人となった場合には、妻が返済の一部を負担していたとしても、妻は住宅ローン控除を受けることはできません。

共働き夫婦の住宅購入は、それぞれの年収や将来のプランなども考慮しながら、住宅ローンの組み方や団信の加入などを検討する必要があります。

 

5. 住宅ローン控除は必ず事前にシミュレーションを

住宅ローン控除は、ローンで住宅を購入するほとんどの方が利用でき、控除額も大きいので、とても魅力的な制度です。控除を受け受けるための要件や利用する上でのポイントをしっかり理解し、事前にシミュレーションしてみるとよいでしょう。

より専門的なアドバイスを受けたい方は、住宅ローンアドバイザー等の資格を持つプロに相談してみることをおすすめします。