【2025年版】まだまだある!新築戸建が3,000万円台で買える通勤便利な街

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不動産価格の上昇が続き、マイホーム購入にあきらめムードも漂う昨今ですが、郊外エリアに目を向ければ、リーズナブルに購入できるエリアがたくさんあります。今回は、通勤に便利なリーズナブルな郊外の街を価格帯別にご紹介します。

目次

1. 不動産価格の上昇が続く中、マイホーム購入は都心部から郊外へ

世界的なインフレや円安の影響を受け、不動産価格の上昇が止まりません。
特に都心部では中古マンションの平均価格が1億円を超え、マイホーム購入のハードルは一層高くなっています。
しかし、都心から30~50km圏内の郊外エリアには、電車で30分~60分程度で通勤でき、3,000万円台から購入可能なエリアも少なくありません。

1-1. 不動産価格の上昇はしばらく続く見込み

9月17日に発表された2025年の基準地価では、全用途の全国平均が前年の+1.4%から+1.5%へと上げ幅を拡大し、不動産価格が引き続き上昇していることが確認されました。

ここ数年は都心から郊外へと上昇が広がっていましたが、今年は郊外エリアの上昇がやや落ち着き、再び都心部での上昇が目立っています。今後、この上昇トレンドが再び郊外に波及する可能性もあります。

さらに、不動産価格を押し上げているもう一つの要因が「建築費」です。建材や住宅設備の値上がりに加え、建築業界の人手不足により人件費も上昇しています。 こうした背景から、マイホーム購入を見送る方も増えていますが、コロナ明け以降のインフレは収まらず、人手不足に対する抜本的な対策も見通せないことから、不動産価格は当面「高止まり」が続くと見られます。

1-2. 住まい選びで重視される通勤時間

住まい選びの条件としてもっとも重視されることのひとつが通勤時間です。総務省の「社会生活基本調査(令和3年)」によれば、通勤・通学時間の全国平均は、往復(ドアtoドア)で1時間19分(片道 約40分)。ランキング上位はすべて首都圏で、全国平均よりも10分ほど長くなっており、毎日通勤するビジネスマンにとっては切実な問題です。

しかし近年、鉄道路線の都心乗り入れが進み、さらにテレワークや時差通勤の普及も進んだことで、通勤に対する意識が大きく変わりつつあります。

「職場にできるだけ近いほうがいい」と考える人がいる一方で、「多少距離があっても、座って快適に通勤したい」と考える人も増え、ライフスタイルや価値観が多様化しているのです。

こうした価値観の変化により、「住まい選び」や「街選び」の基準も変化しています。

最近では、郊外のターミナル駅周辺が人気を集めています。これらのエリアは、買い物や医療などの生活利便性が都心とほとんど変わらないうえに、自然が豊かで物価も比較的安く、子育て支援に積極的な自治体も多くあります。

都会の便利さと自然環境のバランスが取れた「ちょうどいい郊外の街」が注目される理由は、まさにここにあります。

1-3. 郊外エリア最大のメリットは価格の安さ、都心部の半額以下になることも

そしてマイ

郊外エリアで住まいを購入する最大の魅力は、やはり「価格の安さ」です。

新築住宅の価格が年々上昇する中でも、郊外では都心の半分以下で購入できるエリアがまだ多く存在します。

そのぶん住宅ローンの返済負担を軽減でき、教育費や趣味などに余裕をもってお金を使うことができます。

また、自然が豊かな郊外は、のびのびと子育てをしたいファミリー世帯にとって、むしろ都心以上に魅力的な住環境といえるでしょう。

そこで今回は、2025年の基準地価(住宅地)をもとに、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で“新築戸建をリーズナブルに購入できる街”をピックアップしました。

(注)新築戸建の想定価格は、以下に基づき算出しています。
  土地価格:市区町村ごとの平均基準地価を実勢価格に直し(※)、90㎡換算しています。
  建物価格:2,000万円と想定しています。
 ※基準地価は実勢価格の8割が目安なので、0.8で割り戻しています。
 ※実際の販売価格とは異なりますのでご注意ください。

2. 2,500万円~3,000万円で新築戸建が買える街

それでは早速、2,500万円~3,000万円で購入できる首都圏の街を見ていきましょう。

2-1. この価格帯は、都心から40~50キロ圏内がメイン

下表の通り、この価格帯では東京都で購入できるエリアはほとんどなく、神奈川県の西部、埼玉県の北部、千葉県の国道16号線の外側がメインとなります。いずれも都心から40~50キロのエリアで、通勤時間は平均60分くらいです。

※カッコ()内は新築一戸建の想定価格(万円)

2-2. このエリアでのおすすめは、特急、快速などの停車駅

このエリアで都心への通勤を前提に住まいを検討するなら、特急や快速などの停車駅がおすすめです。

例えば、

・小田急線「秦野」駅 … モーニングウェイ号利用で新宿駅まで約68分
・上越新幹線「熊谷」駅 … 東京駅まで約38分
・湘南新宿ライン快速「久喜」駅 … 池袋駅まで約44分
・東武スカイツリーライン「春日部」駅 … THライナー(日比谷線直通)で上野駅まで約40分
・外房線快速(京葉線直通)「鎌取」駅(千葉市緑区) … 東京駅まで約48分

また、袖ケ浦バスターミナルからは、アクアライン経由の高速バスで東京駅まで約45分と、鉄道以外のアクセスも良好です。

都心からの距離はやや離れますが、通勤時間60分以内でアクセスできる駅も多く、3,000万円以下で新築戸建を購入できるとなれば、非常に“おトク感”のあるエリアと言えるでしょう。

2-3. 物件価格2,500~3,000万円の場合のローン返済例

次に、この価格帯でのローン返済例を見てみましょう。

下表の通り、3,000万円を固定金利2.0%で借入れた場合でも、月々の返済額は10万円以下。無理のない返済計画を立てながら、マイホームの夢を実現できる現実的なラインと言えます。

2-4. このエリアで地価上昇率が高いのは千葉県エリア

住まいを購入する際は、現在の価格だけでなく、そのエリアの地価動向――すなわち「上昇基調にあるのか」「下落基調にあるのか」も重要な判断材料です。

このエリアで地価上昇率(前年比)が高い上位3市は、

 1位:白井市(+6.9%)
 2位:袖ケ浦市(+5.7%)
 3位:成田市(+5.5%)

となっており、上位9位までを千葉県の市が占めています。

一方で、神奈川県のトップは10位の三浦市(+1.5%)、埼玉県のトップは11位の北本市(+1.0%)となっています。

反対に、上昇率が低いエリアとしては、坂戸市・久喜市・東松山市・南足柄市など、埼玉県北部や神奈川県西部エリアが多く見られます。

3. 3,000万円~3,500万円で新築戸建が買える街

続いて、3,000~3,500万円の価格帯を見ていきましょう。

3-1. 東京都の多摩エリアや政令指定都市も検討可能に

価格が3,000万円を超えてくると、多摩西部の青梅市、平塚市や厚木市といった人気エリア、政令指定都市である相模原市やさいたま市などもランクインしてきます。都心からの距離は30~50キロですが、利便性の高い郊外の中堅都市が選択肢に入ってきます。

※カッコ()内は新築一戸建の想定価格(万円)

3-2. 郊外でも生活利便性が高い中心都市を選ぶことが可能

この価格帯でのおすすめは、多摩エリアでは青梅市、三浦半島では横須賀市、神奈川県西部では厚木市や小田原市、埼玉県ではさいたま市や三郷市、千葉県では千葉市若葉区や八千代市などが挙げられます。

いずれも郊外とはいえ、生活利便性の高い街として人気のエリアです。

これらの街は、買い物・教育・医療・レジャーといった生活機能が都心とほとんど変わらず、自然が豊かで物価も比較的安いという魅力があります。 言わば、「都心の利便性」と「郊外のゆとり」を兼ね備えた、いいとこ取りの街といえるでしょう。

通勤の面でもアクセスは良好で、

・小田原市 … 新幹線利用で東京駅まで約34分
・三郷市・八潮市 … つくばエクスプレスで秋葉原駅まで約20~30分
・八千代市 … 東京メトロ東西線で大手町駅まで約40分

と、都心への通勤も十分現実的な距離感です。

3-3. 物件価格3,000~3,500万円の場合のローン返済例

続いてこの価格帯のローン返済例です。

この価格帯では、固定金利では月々10万円を超えることもありますが、変動金利の場合は9万円前後と無理のない返済計画が立てられます。家賃とそれほど変わらない金額で購入できるのではないでしょうか。

3-4. この価格帯でも上昇率の高いのは千葉県

この価格帯での地価上昇率トップ3は、

 1位:鎌ケ谷市(+6.6%)
 2位:千葉市若葉区(+5.8%)
 3位:我孫子市(+4.7%)

と、やはり千葉県勢が上位を独占しています。

また、神奈川県トップは4位の綾瀬市(+2.9%)、埼玉県トップは5位の八潮市(+2.9%)となっており、千葉県の上昇率の高さが際立つ結果となりました。

さらに、この価格帯では下落しているエリアはなく、すべての地域で上昇傾向が見られます。
そのため、安心して購入を検討できる価格帯といえるでしょう。

4. 3,500万円~4,000万円で新築戸建が買える街

さらに、3,500~4,000万円の価格帯も見ていきましょう。

4-1. 八王子市、町田市、柏市などの人気エリアが選択肢に

この価格帯になると、政令指定都市以外にも、八王子市、町田市、川越市、柏市など人口30~50万人の中核市がランクインしてきます。

※カッコ()内は新築一戸建の想定価格(万円)

4-2. 都心から30キロ圏の街は通勤利便性、生活利便性ともに申し分なし

この価格帯は、都心から30キロ前後で、いわゆる住みたい街ランキングの上位に位置づけられる街も多くランクインしています。 八王子や町田などのターミナル駅、商業施設が充実している海老名市や越谷市、子育て支援に定評のある福生市や松戸市など、特徴のある街がランクインしています。都心アクセスがよく生活施設も充実した暮らしやすい街と言えるでしょう。

4-3. 物件価格3,500~4,000万円の場合のローン返済例

続いて、この価格帯のローン返済例を見てみましょう。

この価格帯になるとほとんどのケースで月々10万円を超えてきます。また、借入金額が増える分、金利による返済額の差が大きくなってくるので、金利タイプなどもしっかり検討しましょう。

4-4. このエリアで地価上昇率の高いのは千葉県と葉山町

この価格帯での地価上昇率が高いエリアは、流山市(+7.15%)、船橋市(+6.75%)、葉山町(+3.72%)

この価格帯で地価上昇率が高いエリアは、
 1位:松戸市(+7.7%)
 2位:千葉市中央区(+6.4%)
 3位:葉山町(+5.3%)

となっており、いずれも堅調な上昇を見せています。

また、東京都トップは八王子市(+3.9%)、埼玉県トップは草加市(+3.8%)です。
この価格帯でも下落しているエリアはなく、最下位の福生市でも+0.9%の上昇となっています。

5. 4,000万円~4,500万円で新築戸建が買える街

最後に4,000~4,500万円の価格帯を見ていきましょう。

5-1. 横浜・川崎、さいたま、船橋、流山などが選択肢に

※カッコ()内は新築一戸建の想定価格(万円)

この価格帯になると、多摩エリアの中心地である立川市に隣接する昭島市や、横浜市・川崎市の郊外、さいたま市、船橋市、流山市といった人気エリアが選択肢に入ってきます。

5-2. 都心まで乗り換えなしで30~40分の立地が選べる価格帯に

これらのエリアは、都心に乗り換えなしで30~40分ほどでアクセスできる通勤しやすい駅が多くあります。例えば、東久留米駅から池袋駅までは西武池袋線快速で約22分、相模大野駅(相模原市南区)から新宿駅までは小田急線快速急行で約36分、流山おおたかの森駅から秋葉原まではつくばエクスプレスで25分など、都心の主要駅にダイレクトアクセスできるのが大きなメリットです。

5-3. 物件価格4,000~4,500万円の場合のローン返済例

この価格帯のローン返済例は以下の通りです。

この価格帯になると、返済額も月11~15万とやや高くなってきますので、資金計画はより慎重に検討しましょう。

5-4. このエリアで地価上昇率は流山市がダントツ

このエリアでの地価上昇率トップ3は、

 1位:流山市(+12.5%)
 2位:千葉市美浜区(+6.2%)
 3位:大和市(+5.4%)

となっています。

流山市は、都心へのアクセスの良さと充実した子育て支援で人気が高く、大和市は、相鉄線の都心乗り入れをきっかけに地価が上昇しています。

この価格帯では、前年を上回る上昇率を示すエリアも多く、購入を検討する場合は少し早めの判断が望ましいかもしれません

6. 4,500万円~5,000万円で新築戸建が買える街

次に4,500~5,000万円の価格帯を見ていきましょう。

6-1. 東京に隣接する街や湘南エリアが選択肢に

この価格帯になると、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市などの湘南エリアや、川口市、和光市といった東京隣接エリアが視野に入ってきます。なお、千葉県の東京に隣接するエリアはこの価格帯を超えており、浦安市が6,464万円、市川市が5,464万円となっています。

6-2. 通勤が便利なことに加えて、資産価値の面でも安心して買えるエリア

これらのエリアは、通勤時間で言えば4,000~4,500万円のエリアとそれほど変わりませんが、横浜・湘南といったブランド力や、東京隣接という立地など、価格が下がりにくい強みがあるので、資産価値の面から見ても安心して買えるエリアと言えます。

6-3. 物件価格4,500~5,000万円の場合のローン返済例

この価格帯のローン返済例は以下の通りです。

この価格帯になると、返済額が月12~16万とかなり上がってきます。自己資金や金利タイプなどをしっかり検討しましょう。

6-4. このエリアで地価上昇率は湘南エリアがトップ3

この価格帯での上昇率トップ3は
 1位:茅ヶ崎市(+5.6%)
 2位:藤沢市(+5.5%)
 3位:鎌倉市(+5.4%)

となっており、湘南エリアの独占となっています。

コロナをきっかけに都内からの移住者も増えており、引き続き上昇傾向が続くと考えられます。

7. 郊外エリアの新築戸建の価格帯マップ

通勤に便利なリーズナブルな郊外エリア、いかがでしたでしょうか?ここまでご紹介したエリアをマップにまとめてみました。

 ※青=2,500~3,000万円、緑=3,000~3,500万円、黄=3,500~4,000万円、オレンジ=4,000~4,500万円、赤=4,500~5,000万円

Googleマップで見る

マップで見ると、郊外エリアにはまだまだリーズナブルに購入できるエリアが残っていることが分かりますが、近年の価格上昇により、リーズナブルなエリアが少しずつ外側に拡大しているのも事実です。通勤時間や利便性を重視するなら早めに動き出すに越したことはありません。

また、今回ご紹介した価格は市区町村ごとの平均ですので、実際の販売価格は沿線・駅、また土地の広さなどによって大きく変わります。ざっくりとした相場感がつかめたら、ご自身の働き方やライフスタイルに合わせて、具体的に物件探しをスタートしてみてはいかがでしょうか。

エリアごとの相場情報や、物件探しについては、ぜひお近くの住宅情報館までお気軽にご相談ください。