
相模原市は神奈川県の北部に位置し、県内では横浜市、川崎市に次ぐ規模の政令指定都市です。市内にはJR、小田急線、京王線の3線が乗り入れており、小田急線相模大野駅から新宿駅までは約40分。都心で働くサラリーマンのベッドタウンであると同時に、箱根や江ノ島などへのアクセスもよく、自然に囲まれてゆったり暮らしたい子育て世代にも人気の街となっています。
目次
1.相模原市の人口はほぼ横ばい、世帯数は12%増
そんな相模原市の人口は、約72万人、世帯数は約35万世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい。世帯数は12%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約2,300人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2025/1/1 現在)
| 人口 | 723,407人 |
| 世帯数 | 348,868世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
| 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
| 人口 | 721,139 | 721,477 | 722,688 | 722,863 | 722,796 | 725,514 | 726,025 | 726,031 | 724,774 | 723,407 |
| 世帯数 | 311,842 | 315,502 | 319,630 | 323,587 | 327,512 | 333,457 | 337,669 | 342,022 | 345,319 | 348,868 |

1-3.転入・転出(2024年中)
| 転入者数 | 31,376人 |
| 転出者数 | 29,108人 |
※出典:2024年人口移動報告(総務省)
2.神奈川県相模原市の不動産情報
2-1. 土地の価格は㎡あたり20万円前後。10年間で約30%の大幅上昇
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。相模原市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり19~21万円台。公示地価と基準地価に開きがあるのは、公示地価を算出する公示地点に、相模大野駅や橋本駅周辺の地価の高い地点が多く含まれるためです。最近10年間は上昇傾向が続いており、コロナ明けの2023年頃から上昇が加速しています。10年間の変動率は約30%の大幅な上昇となっています(基準地価ベース)。
| ■公示地価、基準地価とは? 公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。 同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。 |
相模原市全体の地価平均(㎡あたり)
| 公示地価(2025年) | 212,350円 |
| 基準地価(2025年) | 190,166円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
| 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
| 公示 地価 | 170,744円 | 171,911円 | 174,212円 | 177,932円 | 182,054円 | 182,270円 | 184,358円 | 190,515円 | 200,186円 | 212,350円 |
| 基準 地価 | 146,271円 | 149,697円 | 152,470円 | 157,425円 | 158,177円 | 160,029円 | 163,852円 | 170,288円 | 179,887円 | 190,166円 |

また政令指定都市である相模原市は、3つの区に分かれています。最も地価が高いのは南区ですが、上昇率では中央区がトップというように、区によって相場や動きが異なります。
相模原市平均地価(区別)
| 区 | 平均地価(㎡) | 変動率 |
| 南区 | 227,720円 | +4.31% |
| 中央区 | 190,817円 | +5.48% |
| 緑区 | 150,425円 | +2.64% |
※2025年 公示地価
マップでご覧いただけるように、JRと小田急線が乗り入れる町田駅、小田急線の急行停車駅である相模大野駅、JR横浜線と京王相模原線が乗り入れる橋本駅周辺の人気が高く、25~30万円/㎡くらい。他の駅や少し離れたエリアでは、10~20万円/㎡くらい、JR相模線沿線や駅から離れたエリアでは10万円を切るエリアも見られます。
町田駅や橋本駅の周辺では、近年値上がりが続いていますが、他の駅や駅から離れたエリアでは比較的求めやすい価格になっています。
2-2.新設住宅着工戸数は約5,400戸。分譲住宅が約4割を占める
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。相模原市で2024年中に新築された建物は5,452戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が16%、貸家(賃貸住宅)が42%、分譲住宅が41%と、約4割が分譲住宅となっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,273戸(58%)、マンションが927戸(42%)と、バランスよく供給されています。マンションは年により200戸~1,500戸くらいまで幅があるのに対し、一戸建は年1,000戸~1,400戸ほど安定して供給されています。
■相模原市の新設住宅着工戸数(2024年)
|
持ち家 |
890戸 |
|
貸家 |
2,286戸 |
|
給与住宅 |
70戸 |
|
分譲住宅 |
2,206戸 |
|
計 |
5,452戸 |

2-3.相模原市の住宅着工戸数は10年でプラス7%。分譲住宅の伸びが大きい
相模原市の住宅着工数は最近10年間でプラス7%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス35%、分譲住宅がプラス32%、賃貸住宅がプラス11%と、注文住宅の減少が大きい一方で、分譲住宅が大きく伸びています。相模原市に限らず、若いファミリー世帯の流入が多い街は、注文住宅から分譲へのシフトが見られます。
相模原市の新設着工戸数
|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
|
|
持ち家 |
1,369戸 |
1,389戸 |
1,348戸 |
1,224戸 |
1,251戸 |
1,064戸 |
1,196戸 |
1,118戸 |
937戸 |
890戸 |
|
貸家 |
2,053戸 |
1,798戸 |
2,486戸 |
2,216戸 |
1,670戸 |
1,723戸 |
1,535戸 |
1,537戸 |
1,710戸 |
2,286戸 |
|
給与住宅 |
3戸 |
2戸 |
0戸 |
4戸 |
61戸 |
0戸 |
2戸 |
14戸 |
7戸 |
70戸 |
|
分譲住宅 |
1,674戸 |
1,737戸 |
1,833戸 |
1,948戸 |
1,739戸 |
1,422戸 |
1,418戸 |
2,365戸 |
2,953戸 |
2,206戸 |
|
総計 |
5,099戸 |
4,926戸 |
5,667戸 |
5,392戸 |
4,721戸 |
4,209戸 |
4,151戸 |
5,034戸 |
5,607戸 |
5,452戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.神奈川県相模原市の不動産価格。新築一戸建が4,000万円台から購入可能
相模原市の新築マンションは4,000~6,000万円台が中心ですが、1億円を超えるタワーマンションもあり、㎡単価は80~120万円くらいと幅広く供給されています。
中古マンションは、築15~25年で平均3,558万円(49.7万円/㎡)、築25年超で平均2,621万円(39.3万円/㎡)前後が相場です。なお、調査時点で築15年以内の中古マンションは流通していませんでした。
一戸建については、新築で4,154万円、中古は築15年以内で平均3,058万円、築25年以内で2,971万円、築25年超は2,870万円となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均23.1万円/㎡、徒歩20分以内なら16.9万円/㎡、徒歩20分超で14.2万円/㎡となっています。
マンション・一戸建・土地ともに、価格の上昇が続いている上に、区や沿線によって大きく相場が変わるので、詳しくは地域の不動産会社で個別の物件をあたってみましょう。
(1)中古マンション
|
販売価格(万円) |
専有面積(㎡) |
㎡単価(万円) |
|||||
|
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
|
築15年以内 |
– |
– |
– |
– |
– |
– |
– |
|
築15~25年 |
6,780万円 |
2,450万円 |
3,558万円 |
91㎡ |
59㎡ |
71㎡ |
49.7万円 |
|
築25年 超 |
6,480万円 |
450万円 |
2,621万円 |
104㎡ |
17㎡ |
66㎡ |
39.3万円 |
(2)一戸建
|
販売価格(万円) |
土地面積(㎡) |
建物面積(㎡) |
|||||||
|
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
|
|
新築 |
6,580万円 |
2,290万円 |
4,154万円 |
216㎡ |
58㎡ |
114㎡ |
129㎡ |
67㎡ |
97㎡ |
|
築15年以内 |
4,499万円 |
1,980万円 |
3,058万円 |
139㎡ |
49㎡ |
103㎡ |
131㎡ |
82㎡ |
97㎡ |
|
築15~25年 |
5,500万円 |
1,860万円 |
2,971万円 |
305㎡ |
67㎡ |
119㎡ |
142㎡ |
70㎡ |
97㎡ |
|
築25年 超 |
4,480万円 |
1,880万円 |
2,870万円 |
165㎡ |
58㎡ |
111㎡ |
164㎡ |
57㎡ |
90㎡ |
(3)土地
|
販売価格(万円) |
土地面積(㎡) |
㎡単価(万円) |
|||||
|
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
|
徒歩10分以内 |
4,980万円 |
1,990万円 |
3,682万円 |
399㎡ |
121㎡ |
185㎡ |
23.1万円 |
|
徒歩10分~20分 |
3,580万円 |
1,480万円 |
2,031万円 |
170㎡ |
87㎡ |
126㎡ |
16.9万円 |
|
徒歩20分超・バス |
3,980万円 |
990万円 |
1,797万円 |
208㎡ |
66㎡ |
129㎡ |
14.2万円 |
※住宅情報館 2025年10月の公開物件情報を元に算出
3.相模原市の待機児童は8人。都内にも多摩エリアにも通学しやすく教育環境は良好
相模原市には、70校の公立小学校、36校の公立中学校、13校の公立高校と4校の私立高校があります。また市内には青山学院大学、相模女子大学、北里大学などのキャンパスがあり、大学が多く集まる多摩エリアや都心へのアクセスもよいことから、教育環境としてはとてもよいと言えます。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて250近い施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
|
公立 |
私立 |
|
|
幼稚園・保育園・認定こども園等 |
24施設 |
220施設 |
|
小学校 |
70校 |
2校 |
|
中学校 |
36校 |
3校 |
|
高等学校 |
13校 |
4校 |
|
大学・短大 |
0校 |
6校 |
3-2. 待機児童数(2025年4月現在)
|
待機児童数(国基準) |
8人 |
相模原市における、2025年4月の待機児童数は前年の7人から1人増えて8人でした。なお、待機児童はすべて南区で、中央区と緑区はゼロとなっています。南区で物件をお探しの方は念のため区役所等に確認してみるとよいでしょう。
4.神奈川県相模原市の住まい探しは、相模大野と橋本の2つのエリア選びからスタートしてみよう
もともと相模原市は、東京都(町田市)と隣接する旧相模原市が、多摩地域や山梨県に近い津久井町・相模湖町・城山町・藤野町と合併し、その後に政令指定都市(3区制)となったので、市の東側と西側で環境が大きく異なります。東側の都市エリアは、都心で働くビジネスマンの「ベッドタウン」、西側の山間・里山エリアは、緑あふれる「大自然」という2つの大きな魅力をもった市として発展しているのです。

相模原市は南区、中央区、緑区の3つの区からなり、都市エリアの中心となるのは小田急線の相模大野駅(南区)と、JR横浜線・京王相模原線のクロスターミナル駅である橋本駅(緑区)です。どちらも新宿まで40分前後、渋谷、池袋、東京などの主要駅にも1時間前後でアクセスできます。また相模大野駅にはステーションスクエア、ボーノ相模大野、橋本駅には、アリオ橋本、ミウィ橋本など多くのショッピング施設や飲食店などがあり、どちらも利便性が高く、とても住みやすい街です。
相模原市の住まい探しは、まずこの2つのエリアのどちらを狙っていくのかが大きなポイントになります。相模大野駅を中心とした小田急線沿線か、橋本駅を中心としたJR・京王線沿線か、ぜひ現地を訪れ、それぞれの魅力を感じてみてください。なお、JRと小田急線のクロスターミナルである町田駅は町田市に属していますが、駅の南側はすぐ相模原市に入るので、町田駅を最寄りとするエリアも多くあります。町田市と合わせて検討してみるのもよいと思います。
そして、相模原の大きなトピックが「リニア中央新幹線」です。橋本駅付近にリニア中央新幹線の駅が開業することが決まっており、当初2027年とされていた開業が遅れる見込みではあるものの、開業すれば橋本エリアを中心にヒト・モノ・カネの流れが大きく増えることは必至です。現在、新駅を中心とした大規模な開発が進んでおり、不動産価格も上昇傾向が続いています。
また、JR相模原駅の北口でも再開発の計画が進んでいます。2014年に米軍から返還された17ヘクタールに及ぶ広大な土地の利用計画が決まり、再開発に向けて動き出しました。現在のところ完成時期などは発表されていませんが、将来的には、住居・オフィス・商業施設などを含めた街づくりが進められる予定です。
相模原駅北口.jpg)
出典:相模原駅北口地区土地利用計画(相模原市)









