松戸市は千葉県の北西部に位置し、都心から約20km、電車で約30分という恵まれた立地にあり、市内にはJR常磐線、JR武蔵野線、新京成電鉄、東武鉄道、流鉄、北総鉄道の6本の鉄道が走っています。また、2022年の「共働き子育てしやすい街ランキング」で全国2位を獲得するなど、子育て支援にとても力を入れている市としても知られています。
目次
1.松戸市の人口は2%増、世帯数は12%増
そんな松戸市の人口は約50万人、世帯数は25万世帯。最近10年間で人口は約2%増、世帯数は約12%増となっています。年間の転入出者数は転入が約1,500人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2022/12/31 現在)
人口 | 497,120人 |
世帯数 | 247,529世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
人口 | 485,962 | 487,376 | 489,717 | 492,199 | 494,402 | 496,571 | 498,473 | 498,457 | 496,899 | 497,120 |
世帯数 | 220,519 | 223,461 | 226,966 | 230,406 | 233,812 | 237,151 | 240,518 | 243,039 | 244,471 | 247,529 |
※各年 前年12月31日現在(松戸市ホームページ)
1-3.転入・転出(2022年中)
転入者数 | 23,369人 |
転出者数 | 21,824人 |
※出典:2022年 人口移動報告(総務省)
2.千葉県松戸市の不動産情報
2-1.土地の価格は、㎡あたり約19万円。緩やかな上昇傾向が続く
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。松戸市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約19万円で、最近10年間では、緩やかな上昇傾向が続いており、2018年から上昇ペースが加速しています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
松戸市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2023年) | 191,925円 |
基準地価(2022年) | 193,051円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
公示
地価 |
175,278円 | 176,271円 | 171,355円 | 170,956円 | 173,141円 | 178,283円 | 183,037円 | 183,938円 | 186,477円 | 191,925円 |
基準
地価 |
171,321円 | 173,226円 | 174,944円 | 176,802円 | 177,397円 | 182,961円 | 185,730円 | 188,787円 | 193,051円 | - |
マップでご覧いただけるように、松戸市の中心である松戸駅や、JR常磐線とJR武蔵野線が接続する新松戸駅など、JR沿線で20万円/㎡を超える地点があるものの、新京成線、北総線などの沿線では、駅近でも10万円/㎡台半ば、駅から離れたエリアでは10万円/㎡を切る地点も見られ、比較的求めやすい価格帯と言えるでしょう。
2-2.新設住宅着工戸数は約3,400戸。分譲住宅が注文住宅の約2倍の供給
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。松戸市で2022年中に新築された建物は3,399戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が19%、貸家(賃貸住宅)が44%、分譲住宅が37%と、賃貸と分譲の比率が高くなっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,024戸(82%)、マンションが223戸(18%)と、分譲一戸建の供給が多くなっています。
■松戸市の新設住宅着工戸数(2022年)
持ち家 |
634戸 |
貸家 |
1,513戸 |
給与住宅 |
5戸 |
分譲住宅 |
1,247戸 |
計 |
3,399戸 |
2-3.松戸市の住宅着工数は10年間でマイナス13%。
松戸市の住宅着工数は最近10年間でマイナス13%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス32%、分譲住宅がマイナス17%、賃貸住宅がプラス3%となっています。都心アクセスのよい松戸市は若い世代の賃貸需要が大きく、賃貸からマンション・一戸建への住替えも多く見られます。こうした初めて家を買う層には、注文住宅よりも分譲住宅の方がハードルが低く、安定して供給される要因となります。2019~2020年はコロナによる落ち込みも見られるものの、2021年以降は2年連続の増加となっています。
松戸市の新設着工戸数
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
|
持ち家 |
926戸 |
788戸 |
673戸 |
689戸 |
639戸 |
676戸 |
635戸 |
590戸 |
671戸 |
634戸 |
貸家 |
1,464戸 |
1,475戸 |
1,545戸 |
1,773戸 |
1,845戸 |
1,715戸 |
1,085戸 |
1,153戸 |
1,572戸 |
1,513戸 |
給与住宅 |
19戸 |
0戸 |
25戸 |
3戸 |
8戸 |
3戸 |
1戸 |
14戸 |
9戸 |
5戸 |
分譲住宅 |
1,495戸 |
1,337戸 |
1,662戸 |
1,565戸 |
1,366戸 |
1,079戸 |
1,321戸 |
1,287戸 |
1,059戸 |
1,247戸 |
総計 |
3,904戸 |
3,600戸 |
3,905戸 |
4,030戸 |
3,858戸 |
3,473戸 |
3,042戸 |
3,044戸 |
3,311戸 |
3,399戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-3.千葉県松戸市の不動産価格。新築は3,000万円代後半~4,000万円台が相場
松戸市で販売されている新築マンションの販売価格は3,000万円台後半から4,000万円台で、㎡単価は80万円台が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均3,270万円(55.2万円/㎡)、築15~25年で平均3,134万円(41.2万円/㎡)、築25年超で平均1,681万円(27.2万円/㎡)前後が相場です。専有面積は築15~25年の物件がもっとも広く(平均77㎡)となっています。松戸市は古くから開発されてきたこともあり、中古物件の流通が多いエリアですが、築浅物件を中心に価格は大きく値上がりしていますので、マンションをお探しの方は少し急いだ方がよいかも知れません。
一戸建については、新築で4,271万円、築15年以内で4,027万円、築15~25年で3,364万円、築25年超で2,551万円となっています。一戸建もマンションと同様に価格は上昇傾向です。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均17.4万円/㎡、徒歩10~20分で平均17.6万円/㎡、徒歩20分超で平均14.8万円/㎡となっています。松戸市は多くの路線が乗り入れていて便利な一方、沿線・駅によってかなり街の雰囲気が変わるため、駅からの距離などスペックだけで判断せず、街並みや雰囲気などをご自身の目で確かめてみることをおすすめします。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
築15年以内 |
5,990万円 |
1,150万円 |
3,270万円 |
111㎡ |
22㎡ |
64㎡ |
55.2万円 |
築15~25年 |
5,480万円 |
1,480万円 |
3,134万円 |
112㎡ |
59㎡ |
77㎡ |
41.2万円 |
築25年 超 |
4,480万円 |
290万円 |
1,681万円 |
94㎡ |
15㎡ |
60㎡ |
27.2万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
|
新築 |
5,990万円 |
2,580万円 |
4,271万円 |
227㎡ |
59㎡ |
119㎡ |
112㎡ |
49㎡ |
100㎡ |
築15年以内 |
21,000万円 |
2,280万円 |
4,027万円 |
380㎡ |
70㎡ |
131㎡ |
150㎡ |
70㎡ |
101㎡ |
築15~25年 |
7,780万円 |
1,850万円 |
3,364万円 |
1,458㎡ |
78㎡ |
168㎡ |
189㎡ |
53㎡ |
109㎡ |
築25年 超 |
7,350万円 |
460万円 |
2,551万円 |
516㎡ |
34㎡ |
150㎡ |
223㎡ |
37㎡ |
103㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
徒歩10分以内 |
33,000万円 |
398万円 |
3,378万円 |
2,022㎡ |
35㎡ |
222㎡ |
17.4万円 |
徒歩10分~20分 |
20,000万円 |
140万円 |
2,825万円 |
2,040㎡ |
44㎡ |
187㎡ |
17.6万円 |
徒歩20分超・バス |
42,235万円 |
700万円 |
3,725万円 |
9,196㎡ |
63㎡ |
494㎡ |
14.8万円 |
~ 千葉県松戸市の物件を見る ~
3.松戸市は8年連続で待機児童ゼロを達成。千葉県内や都内にも通学しやすく教育環境は良好
松戸市には、45校の公立小学校、20校の公立中学校、8校の公立高校と2校の私立高校があります。市内には千葉大学松戸キャンパス、日本大学歯学部、流通経済大学、聖徳大学の4つのキャンパスがあり、都内への通学もしやすいことから、教育環境はとてもよいと言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて200を超える施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 |
私立 |
|
幼稚園・保育園・認定こども園等 |
17施設 |
215施設 |
小学校 |
45校 |
1校 |
中学校 |
20校 |
2校 |
高等学校 |
8校 |
2校 |
大学・短大 |
1校 |
3校 |
3-2. 待機児童数(2023年4月現在)
待機児童数(国基準) |
0人 |
松戸市は2023年4月現在、8年連続で「待機児童ゼロ」を達成しています。市では「東京に隣接した子育てしやすいまち」として、小規模保育施設から幼稚園への推薦制度や、送迎保育ステーションの拡充を進めています。このような子育て支援は高く評価され、日経DUALの調査「共働き子育てしやすい街ランキング」では、2020年に全国1位、2021年に全国1位、2022年に全国2位と輝かしい実績を残しており、名実ともに子育て世代に支持される街となっています。
■「共働き子育てしやすい街ランキング2022」 総合編
順位 |
自治体名 |
1位 |
豊島区(東京都) |
2位 |
松戸市(千葉県) |
3位 |
豊橋市(愛知県) |
4位 |
羽村市(東京都) |
5位 |
宇都宮市(栃木県) |
出典:日経DUAL
4.千葉県松戸市の住まい探しは、常磐線沿線からスタート。沿線ごとに違う街の雰囲気を確かめながら進めよう
松戸市の大きな魅力は、都心からわずか20kmという恵まれた立地と、6路線23駅という交通アクセスの良さでしょう。JR常磐線を使えば、松戸駅から上野駅(約20分)、東京駅(約25分)、品川駅(約33分)まで乗り換えなしで、また渋谷駅、新宿駅までは1回の乗り換えで、1時間以内に行くことができます。さらに、武蔵野線、北総線、新京成線などを使えば、千葉、埼玉方面へのアクセスもよく、武蔵野線から京葉線への直通で東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで約40分。国内最大級のショッピングセンター越谷レイクタウンも約30分と、休日のお出かけにもとても便利な街です。
■松戸市の交通アクセス
そしてもう一つの魅力は「子育て支援」の充実です。前述の通り、松戸市は「共働き子育てしやすい街ランキング」の常連で、単なる子育て支援ではなく、働くパパ・ママや保育士も含めた総合的な支援制度が評価されています。中でも「松戸市子育て世帯生活応援特別給付金」や、一部の民間保育所での「子ども食堂」の運営など、松戸市独自の取り組みが高く評価され、2022年には全国総合2位(東京都を除く1位)に選出されました。
そんな松戸市での住宅購入は、まず松戸駅、北松戸駅、馬橋駅、新松戸駅を中心とした常磐線エリアを検討してみるのがよいでしょう。都心への交通アクセスも申し分ありませんし、周辺にはショッピングモールなどの商業施設やスーパーなども多いため生活便もよく、とても暮らしやすいエリアです。
また、2021年には松戸駅周辺の新たなまちづくり構想「新拠点ゾーン整備基本計画」が発表されました。計画によれば、全体を3つのゾーンに区分し、それぞれのゾーンの相互連携による一体的な整備を進め、市内や市外から訪れる多くの人々が憩い、楽しめる場所として、公共施設と商業施設や公園が一体となったまちづくりが進められます。これらが実現されれば松戸駅だけでなく、常磐線沿線全体の価値向上にもつながるでしょう。
■松戸駅・新拠点の3つのゾーン構想
出典:新拠点ゾーン整備基本計画
このように、常磐線沿線の今後の発展が期待される一方で、松戸市には、鉄道が6路線23駅もあり、多くのエリアが駅からの徒歩圏・自転車圏でカバーされているため、乗り換えを許容できれば、新京成線や北総線沿線など選択肢は大きく広がります。さらに、都心への通勤・通学を必要としない方、移動が車中心である方は、駅近を避けてリーズナブルな広めの一戸建など探してみるのも良いかも知れません。いずれにしても、どの沿線・エリアを選ぶかで街の雰囲気が大きく変わってきますので、地域に詳しい不動産会社などで一度情報収集してみることをおすすめします。