都心まで20分なのに緑豊かで歴史と文化が息づく街。府中市の魅力と不動産市況

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府中市は東京都のほぼ中央に位置する、多摩地域の拠点都市のひとつです。古くから政治、経済、文化の要所で、現在でも東京都心、神奈川、埼玉の各地を東西南北に結ぶ交通の拠点となっています。府中駅からは京王線特急で新宿まで約20分と都心へのアクセスは抜群。市内には、けやき並木や大國魂神社などの名所旧跡も多く、多摩川に面した南側エリアには豊かな自然も残っています。府中市は利便性、歴史、自然をあわせ持った魅力的な街なのです。

目次

1.府中市の人口は3%増、世帯数は9%増

そんな府中市の人口は、約26万人、世帯数は約12万9,000世帯。最近10年間の人口は3%増、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、13,000人前後でほぼ均衡しています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口 259,924人
世帯数 128,686世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 253,288 254,551 256,748 258,000 258,654 260,011 260,232 260,255 260,253 259,924
世帯数 118,429 119,640 121,495 122,656 123,648 125,060 126,160 127,224 127,939 128,686

※各年1月1日 現在(府中市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 13,091人
転出者数 13,188人

※出典:2022年人口移動報告(総務省)

2.東京都府中市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約35~37万円。緩やかな上昇傾向が続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。府中市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約35~37万円で、最近10年間は緩やかな上昇傾向が続いています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

府中市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 353,750円
基準地価(2023年) 372,192円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

316,562円 321,062円 315,285円 320,500円 325,928円 332,125円 337,589円 337,357円 342,232円 353,750円
基準

地価

327,846円 331,769円 337,461円 343,153円 349,615円 356,192円 357,692円 361,307円 372,192円 384,407円

マップでご覧いただけるように、京王線の特急停車駅である府中駅や、武蔵野線と南武線のクロスターミナルである府中本町駅周辺の商業地で、50~60万円/㎡ を超える地点があるものの、住宅地では概ね30万円/㎡台、JR武蔵野線・南武線、西武多摩川線沿線や駅から離れたエリアでは20万円/㎡台の地点もあり、比較的検討しやすい価格帯となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,800戸。分譲住宅が全体の半数以上を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。府中市で2022年中に新築された建物は1,807戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が13%、貸家(賃貸住宅)が31%、分譲住宅が56%と、分譲住宅が約半数を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が519戸(51%)、マンションが492戸(49%)と、ほぼ半数ずつバランスよく供給されています。

■府中市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 242戸
貸家 551戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 1,014戸
1,807戸

2-3.府中市の住宅着工数は10年間でマイナス25%。

府中市の住宅着工数は最近10年間でマイナス25%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス47%、分譲住宅がプラスマイナスゼロ、賃貸住宅がマイナス41%と、注文住宅と賃貸が大きく減少する一方で、分譲住宅は一戸建が年500戸前後、マンションは年200~500戸ほど安定して供給されています。

府中市の新設着工戸数

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 456戸 397戸 340戸 353戸 353戸 305戸 320戸 322戸 373戸 242戸
貸家 941戸 701戸 768戸 774戸 806戸 582戸 705戸 422戸 526戸 551戸
給与住宅 2戸 0戸 10戸 8戸 6戸 5戸 5戸 18戸 10戸 0戸
分譲住宅 1,011戸 1,253戸 886戸 852戸 884戸 673戸 753戸 684戸 884戸 1,014戸
総計 2,410戸 2,351戸 2,004戸 1,987戸 2,049戸 1,565戸 1,783戸 1,446戸 1,793戸 1,807戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都府中市の不動産価格。新築は5,000~7,000万円くらいが相場

府中市で販売されている新築マンションは、5,000~7,000万円台と幅広く供給されており、㎡単価は70~90万円台くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均4,711万円(79.3万円/㎡)、築15~25年で平均4,024万円(61.8万円/㎡)、築25年超で平均3,127万円(49.9万円/㎡)前後となっています。新築はマンションよりも一戸建の方が割安感がありますが、駅からの距離など立地による違いを考慮しながら比較検討を進めましょう。

一戸建については、新築が5,297万円、中古は築15年以内で平均5,146万円、築25年以内で5,032万円、築25年超は4,287万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均39.0万円/㎡、徒歩20分以内なら35.7万円/㎡、徒歩20分超で32.4万円/㎡となっています。

府中市は、京王線、武蔵野線、北部ではJR中央線が最寄りとなるエリアもあり、沿線・駅によって相場も大きく変わりますので、平均的な相場を押さえつつ、個別の物件情報を当たってみることをおすすめします。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 9,580万円 1,370万円 4,711万円 112㎡ 22㎡ 60㎡ 79.3万円
築15~25年 7,699万円 1,180万円 4,024万円 96㎡ 22㎡ 66㎡ 61.8万円
築25年 超 16,800万円 720万円 3,127万円 286㎡ 17㎡ 62㎡ 49.9万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 7,880万円 3,280万円 5,297万円 158㎡ 47㎡ 101㎡ 122㎡ 57㎡ 85㎡
築15年以内 8,000万円 3,440万円 5,146万円 200㎡ 35㎡ 105㎡ 167㎡ 52㎡ 93㎡
築15~25年 12,900万円 3,150万円 5,032万円 290㎡ 68㎡ 116㎡ 330㎡ 61㎡ 109㎡
築25年 超 8,880万円 990万円 4,287万円 328㎡ 35㎡ 137㎡ 260㎡ 40㎡ 113㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 24,660万円 250万円 5,602万円 487㎡ 30㎡ 144㎡ 39.0万円
徒歩10分~20分 18,250万円 980万円 4,433万円 479㎡ 48㎡ 133㎡ 35.7万円
徒歩20分超・バス 8,500万円 2,690万円 4,304万円 202㎡ 100㎡ 129㎡ 32.4万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年10月のデータをもとに集計

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3.府中市の待機児童数は5人。都心にも多摩エリアにも通学しやすく教育環境は良好

府中市には、22校の公立小学校、11校の公立中学校、5校の公立高校、1校の私立高校があります。大学は2校の国立大学があり、中でも東京外国語大学は、日本を代表する外国語大学のひとつです。都心エリア、多摩エリアどちらにも通学しやすく教育環境は良好だと言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて100近い施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 11施設 85施設
小学校 22校 2校
中学校 11校 1校
高等学校 5校 1校
大学・短大 2校 0校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 5人

2023年4月の府中市の待機児童数は、前年の14人から9人減少し5人でした。

4.東京都府中市の住まい探しは、4路線からどの沿線を選ぶかがポイント

府中市は東京都のほぼ中央に位置し、経済、文化、交通の要所として発展してきたため、東西方向に京王線、南北方向にJR武蔵野線・南北線が走っており、交通利便性の高い街です。その中でも府中駅は京王線の特急停車駅で、新宿まで約20分。都心への通勤を前提とするなら、まずは府中駅を中心とした京王線沿線の特急・急行停車駅を中心に検討してみましょう。府中駅には、駅直結のショッピングセンター「くるる」や、2017年に再開発にともなってオープンした複合施設「ル・シーニュ(LE SIGNE)」をはじめ、2019年に閉店した伊勢丹の跡地に「ミッテン府中」と専門店街「フォーリス」が2021年オープン。ますます便利な街へと生まれ変わりました。

また利便性が高い一方、街に多くの自然と歴史が残っているのが府中のもう一つの魅力で、駅前から伸びるイチョウ並木と大國魂神社は府中市のシンボルとも言える市民の憩いの場となっています。その他にも多くの古墳群、府中の森公園、郷土の森博物館、そして東京競馬場や多摩川のサイクリングロードなどが点在し、お出かけスポットには事欠かない街です。

■府中市のシンボル「大國魂神社」

出典:大國魂神社ホームページ

日経BP社が発表した「シティブランド・ランキング ―住みよい街2023―」では、ビジネスパーソンが「住みよい街」として全国9位に、東京都の多摩エリアでは武蔵野市に次ぐ2位にランキングされました。この調査は、単なる「住みたい街」ではなく、全国の20~60代のビジネスパーソンが実際に住んでいる街を、「安心・安全」「快適な暮らし」「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」「自治体の運営」「街の活力」の8分野で評価したもので、非常にリアリティのあるランキングとなっています。府中市は、特に「生活インフラ」分野の順位が高く、「生涯学習プログラムが充実している」、「住民が利用できる運動・スポーツ施設が充実している」などが高く評価されています。

■「シティブランド・ランキング ―住みよい街2019―」総合TOP10

自治体名
1 武蔵野市(東京都)
2 千代田区(東京都)
3 中央区(東京都)
4 港区(東京都)
5 文京区(東京都)
6 長久手市(愛知県)
7 名取市(宮城県)
8 西宮市(兵庫県)
9 目黒区(東京都)
9 府中市(東京都)

出典:シティブランド・ランキング―住みよい街2023―

府中市の住まい探しは、京王線、JR武蔵野線、JR南武線、西武多摩川線の4路線からどの沿線を選ぶかがポイントになります。都心部に通勤する方は、中心駅である府中駅を起点に京王線沿線を狙ってみるのがよいと思います。特急停車駅である府中駅は、交通アクセスがよく、商業施設なども充実している利便性の高いエリアです。

一方、立川や川崎・埼玉方面への移動が多い方は、南武線と武蔵野線の乗り入れる府中本町駅を中心に探してみましょう。さらに京王線も利用したいという方は、隣接する分倍河原駅への徒歩圏エリアがおすすめです。分倍河原駅は京王線と南武線が乗り入れ、京王線の特急も停車する非常に便利な駅となっています。

JR中央線の武蔵境から府中市内の是政に通じる西武多摩川線は、都心への通勤・通学には不便ですが、他の沿線に比べて価格がリーズナブルになるので、予算を抑えたい方や電車をあまり利用しない方にはよいかも知れません。

■府中市の交通アクセス

出典:府中市ホームページ

人気の街というと、とかく「新しい」「きれい」「オシャレ」などがキーワードになりますが、利便性や生活インフラとともに、古くから街に刻まれた歴史と伝統、豊かな自然環境などが見事に調和しているのが府中の大きな魅力です。情報収集を兼ねて、ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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