新築一戸建が3,000万円台から。豊かな里山が広がる千葉県市原市の魅力と不動産市況

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市原市は千葉県中央部に位置する工業都市で、千葉県で最も広い面積をもつ市区町村でもあります。東京湾に面するエリアには大規模な工業地帯があり、石油化学プラントの数は全国トップ。またゴルフ場の数が日本一の自治体でもあります。

目次

1.市原市の人口は4%減、世帯数は8%増

そんな市原市の人口は、約27万人、世帯数は約13万世帯。最近10年間で、人口は約4%減、世帯数は約8%増となっています。年間の転入出者数は転入が200人ほど上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/9/1 現在)

人口 268,943人
世帯数 130,718世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 280,477 280,030 279,127 278,085 276,827 275,852 274,190 272,574 270,555 268,943
世帯数 121,439 122,855 123,940 125,015 126,095 127,249 128,270 129,038 129,758 130,718

※各年10月1日 ・2023年のみ9月1日現在(市原市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 10,543人
転出者数 10,340人

※出典:市原市ホームページ

2.千葉県市原市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約5万円前後。2019年から緩やかな上昇が続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。市原市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約5万円前後で、最近10年間は、2019年から上昇傾向が続いています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

市原市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 55,331円
基準地価(2023年) 49,898円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

48,668円 48,860円 49,308円 48,919円 49,586円 51,382円 52,552円 53,133円 54,104円 55,331円
基準

地価

43,771円 43,963円 44,225円 44,639円 45,119円 47,171円 48,629円 49,109円 49,898円 51,898円

マップでご覧いただけるように、市原市は西側が工業地帯、南部がゴルフ場や農地であるため、住宅地として取引されるのは主にJR内房線沿線と外房線誉田駅周辺の一部、そして京成線ちはら台駅周辺となります。そのエリアに限ってみると平均値よりもやや高い、6〜7万円/㎡くらいが相場となるでしょう。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,540戸。賃貸住宅が約4割を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。市原市で2022年中に新築された建物は1,545戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が34%、貸家(賃貸住宅)が41%、分譲住宅が23%と、賃貸が全体の約4割を占めます。分譲住宅の内訳としては、2022年はすべて一戸建でマンションの供給はありませんでしたが、前年・前々年は、100~200戸程度の供給がありました。マンションは年によりばらつきがありますが、分譲一戸建は年200~300戸ほど安定供給されています。

■市原市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 530戸
貸家 635戸
給与住宅 26戸
分譲住宅 354戸
1,545戸

2-3.市原市の住宅着工数は10年間でマイナス9%。

市原市の住宅着工数は最近10年間でマイナス9%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス36%、分譲住宅がプラス51%、賃貸住宅がプラス3%と、注文住宅が減少する一方で分譲が大きく伸びています。

市原市の新設着工戸数

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 833戸 742戸 687戸 782戸 802戸 753戸 585戸 758戸 609戸 530戸
貸家 563戸 687戸 783戸 1,030戸 841戸 751戸 650戸 897戸 745戸 635戸
給与住宅 61戸 0戸 4戸 1戸 1戸 31戸 7戸 38戸 2戸 26戸
分譲住宅 234戸 360戸 439戸 635戸 419戸 330戸 355戸 330戸 469戸 354戸
総計 1,691戸 1,789戸 1,913戸 2,448戸 2,063戸 1,865戸 1,597戸 2,023戸 1,825戸 1,545戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.千葉県市原市の不動産価格。新築は3,000万円台~4,000万円台が相場

市原市で販売されている新築マンションの販売価格は3,000万円台後半~4,000万円台が中心で、㎡単価は45~50万円台が相場のようです。中古マンションは、築15年以内で平均2,845万円(46.2万円/㎡)、築15~25年で平均1,993万円(28.0万円/㎡)、築25年超で平均848万円(15.7万円/㎡)前後が相場です。

一戸建については、新築で3,148万円、築15年以内で平均3,138万円、築15年~25年で2,468万円、築25年超で1,486万円となっています。マンション・一戸建ともに、ここ数年値上がり傾向ではありますが、都心部などと比べると上昇幅は緩やかです。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均6.9万円/㎡、徒歩20分以内なら5.5万円/㎡、徒歩20分超で平均4.1万円/㎡となっています。市原市は駅による価格差が大きいので、個別の物件をあたってみることをおすすめします。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 4,180万円 1,780万円 2,845万円 80㎡ 44㎡ 62㎡ 46.2万円
築15~25年 2,480万円 1,350万円 1,993万円 108㎡ 63㎡ 72㎡ 28.0万円
築25年 超 1,980万円 230万円 848万円 97㎡ 15㎡ 53㎡ 15.7万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 4,190万円 2,199万円 3,148万円 256㎡ 103㎡ 156㎡ 117㎡ 50㎡ 100㎡
築15年以内 6,500万円 1,500万円 3,138万円 1,196㎡ 120㎡ 258㎡ 146㎡ 76㎡ 114㎡
築15~25年 3,480万円 1,350万円 2,468万円 585㎡ 108㎡ 222㎡ 237㎡ 71㎡ 129㎡
築25年 超 8,800万円 350万円 1,486万円 2,760㎡ 79㎡ 253㎡ 543㎡ 55㎡ 109㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 7,400万円 80万円 2,235万円 1,477㎡ 87㎡ 342㎡ 6.9万円
徒歩10分~20分 6,000万円 220万円 1,832万円 11,306㎡ 102㎡ 965㎡ 5.5万円
徒歩20分超・バス 22,486万円 0万円 1,405万円 12,396㎡ 75㎡ 536㎡ 4.1万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年9月のデータをもとに集計

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3.市原市は2年連続で待機児童数ゼロを達成。都内への通学も可能

市原市には、41校の公立小学校、21校の公立中学校、高校は公立が5校、私立が2校あります。大学は市内に帝京平成大学のキャンパスがありますが、千葉県内や都心部への通学も可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて約120の施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 10施設 108施設
小学校 41校 1校
中学校 21校 0校
高等学校 5校 2校
大学・短大 0校 1校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 0人

市原市は2年連続で待機児童ゼロを達成しています。

4.千葉県市原市の住まい探しは、内房線沿線の既存住宅地と新興住宅地のどちらを選ぶかがポイント

市原市は、東京都内や千葉県内に通勤する人のベッドタウンとして発展してきました。中心となるJR内房線 五井駅からは、総武線快速で東京駅まで約1時間、品川駅まで約1時間15分です。また蘇我駅からJR京葉線に乗り換えれば幕張新都心エリア(海浜幕張駅)にアクセスできるほか、八丁堀駅から日比谷線に接続することもできます。

市原市の住まい探しは、この五井駅を含む内房線沿線の既存住宅地と、いわゆる新興住宅地にわかれます。内房線沿線であれば、五井駅、八幡宿駅、姉ヶ崎駅の周辺で、徒歩圏内で探すことも可能です。一方、新興住宅地は「辰巳台」「国分寺台」「ちはら台」などが人気ですが、ちはら台(京成線)以外は基本的にバス利用が前提となりますので、電車で都心方面に通勤する方はちょっと厳しいかも知れません。交通の利便性を選ぶか、新興住宅地の整った街並みを選ぶかは好みの分かれるところです。

千葉県で一番の広さをもつ市原市は、街から少し離れれば豊かな里山や渓谷が広がっており、東京近郊で田舎暮らしをしたいという方にも、移住先としてよい選択肢となるでしょう。市原市としても2017年度より市原市への移住・定住に対するシティプロモーションの一環として、市原市の魅力を発信しています。

(参考) 「いちはらに暮らすということ」フルバージョン

2020年~2021年のコロナ禍をきっかけに、都心から1時間ほどの郊外エリアが大きく見直され、市原市の地価も10年で約14%上昇しています。テレワークの普及などにともない、通勤重視の都心・駅近マンションから、広さと環境重視の郊外一戸建てへと住み替える方も多く見られます。そんな状況の中、市原市は東京への通勤圏でありながら、自然豊かで田舎暮らしやアウトドアも楽しめ、新築一戸建が3,000万円台前半から買える街として注目されています。地価もかなりリーズナブルですので、ちょっと広めの土地を買って、注文住宅で自分好みの家づくりもいいかも知れません。

また、八幡宿駅西口では2026年の完成を目標に、公共施設の整備を含めた「八幡宿駅西口複合施設等PFI事業」が進められています。複合施設のほかにも八幡認定こども園、オープンスペース、交流と集いの核となる広場などが設置される予定で、今後の発展が楽しみなエリアです。

ぜひこの機会にライフスタイルの見直しを兼ね、ぜひ現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

■(仮称)八幡宿駅西口複合施設等PFI事業 イメージ

出典:市原市ホームページ

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