東京まで60分。温暖で自然豊かなコンパクトシティ。静岡市の魅力と不動産市況

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

静岡市は静岡県の中央部に位置する政令指定都市で、県庁所在地としては日本一広い面積をもち、静岡県内では浜松市に次いで人口が多い市です。市街地は駿河湾に面した平野部に集中しており、北部には南アルプスの広大な山岳地帯が広がっています。

目次

1、静岡市の人口は減少傾向だが世帯数は増加

静岡市の人口は、約69万人、世帯数は約32万世帯。最近10年間の人口は約4%減、世帯数は6%増となっています。年間の転入出者数は、転出者数が約600人上回っています。

1-1、人口・世帯数(2022/1/1 現在)

人口 689,078人
世帯数 321,323世帯

1-2、人口・世帯数の推移

1-3、転入・転出(2021年中)

転入者数 21,682人
転出者数 22,267人

※出典:2021年人口移動報告(総務省)

2、静岡県静岡市の不動産情報

2-1、土地の価格は㎡あたり16万円前後。直近10年はほぼ横ばい

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。静岡市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては16万円/㎡前後で、直近10年間は、横ばい~緩やかな上昇傾向となっていましたが、2020~2021年にかけてはコロナの影響で下落しています。2021年の基準地価が上昇しているのは、この年から地価の高い地点(137万円/㎡)が追加され、平均を押し上げたためで、相場の上昇によるものではありません。また静岡市は3つの行政区があり地価も大きく異なりますので、市全体の平均だけでなく区ごとの価格も参考にしてみるとよいでしょう。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

静岡市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年) 156,947円
基準地価(2021年) 166,447円

■静岡市の区別平均地価

平均地価(㎡) 平均地価(坪) 変動率
葵区 225,982円 747,047円 +0.19%
駿河区 152,824円 505,203円 +0.01%
清水区 90,135円 297,966円 ▲1.39%

※2022年公示地価

マップでご覧いただけるように、静岡市には中心となるエリアが2つあります。ひとつは東海道新幹線の停車駅でもある静岡駅の周辺で16~20万円台/㎡、もうひとつは清水駅の周辺で10~12万円/㎡前後となっています。そしてこの2つのエリアを東西に結ぶJR東海道線と静岡鉄道沿線が10万円/㎡台前半、駅から離れた北部の市街地だと10万円/㎡を切るエリアも多く見られます。

2-2、静岡市の新設住宅着工は注文住宅が約4割。分譲住宅も一戸建が中心

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。静岡市で2021年中に新築された建物は1,996戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が43%、貸家(賃貸住宅)が39%、分譲住宅が18%と、注文住宅が全体の約4割を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建694戸(86%)、マンション114戸(14%)と、一戸建の比率が高く、マンションの供給は減少傾向にあります。静岡市は注文住宅を中心とした一戸建メインのエリアだと言えそうです。

■静岡市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家 1,996戸
貸家 1,783戸
給与住宅 10戸
分譲住宅 808戸
1,996戸

2-3、静岡市の住宅着工数は10年で5%減。注文住宅の減少が目立つ

静岡市の住宅着工数は最近10年間でマイナス5%とほぼ横ばいです。内訳としては、注文住宅がマイナス15%、分譲住宅がマイナス8%、賃貸住宅がプラス10%と、注文住宅の減少が目立ちます。

2-4、静岡市の不動産相場は一戸建マンションとも3,000~4,000万円台が中心。マンションは中古も狙い目

静岡市で販売されている新築マンションは3,000万円台後半~4,000万円台が中心で、㎡単価は60~70万円くらいが相場のようです。中古マンションは、築15年以内で平均3,820万円(50.0万円/㎡)、築15~25年で平均2,079万円(24.4万円/㎡)、築25年超で平均925万円(15.0万円/㎡)前後です。新築と築浅の物件は、ここ数年価格が上昇していますが、築15年を超えるとぐっとリーズナブルになるので、マンションをお探しの方は、少し古めの中古を買ってリノベーションという選択もあり得るでしょう。

一戸建については、新築で3,433万円、中古は築15年以内で平均3,189万円、築25年以内で2,636万円、築25年超は1,947万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均15.9万円/㎡、徒歩20分以内なら10.8万円/㎡、徒歩20分超で11.5万円/㎡となっています。静岡市はエリアによって相場が大きく変わることに加え、も車やバスによる移動も多いことから、駅距離による価格差はそれほどないようです。

~ 静岡県静岡市の物件を見る ~

3、静岡市は5年連続で待機児童数ゼロを達成。大学も多く教育環境は充実

静岡市には、85校の公立小学校、45校の公立中学校、18校の公立高校と13校の私立高校があります。静岡市は静岡県内でも保育施設や学校の数が多く、大学も国立静岡大学をはじめ、静岡県立大学、東海大学など6つの大学があり、教育環境は充実しています。

3-1、幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 41施設 94施設
小学校 85校 3校
中学校 45校 12校
高等学校 18校 13校
大学・短大 3校 3校

3-2、待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準) 0人

静岡市は、2018年から5年間連続で待機児童ゼロを達成しています。市によると、保育所等の定員拡大など、子育て環境の充実に積極的に取り組んできました結果であり、今後も引き続き待機児童ゼロを目指していくということです。

4、静岡市の住まい探しは、ライフスタイルに合わせて東海道線沿線を中心に進めよう

静岡市は、2003年に旧静岡市と旧清水市が合併してできた市で、現在は、葵区、駿河区、清水区の3区で構成されています。市の北側は南アルプスと接しており、市域の約90%が山間部です。そのため鉄道沿線の狭いエリアに、コンパクトに市街地が形成されており、商業地域や文化・教育施設と居住エリアが近く、とても住みやすい都市構造となっています。市内には、JR(新幹線・在来線)と静岡鉄道が東西に走り、東名・新東名高速のインターチェンジも多数あるため、市街地における交通の便は申し分ありません。

前述の通り、静岡市の中心となるのは、JRの静岡駅と清水駅です。静岡市での物件探しはまず、この2つのエリアを中心に検討してみるとよいでしょう。静岡駅エリアは、江戸時代に駿府城の城下町として栄えた政治・経済の中心で、交通の要所でもあります。都市型のライフスタイルを志向する方は、まず静岡駅を中心とした物件探しをおすすめします。

一方、清水エリアは、かつて東海道の宿場町として栄えた、清水港を中心とした漁業・海運・工業の街で、「まちと港が融合する都心」をキャッチフレーズにウォーターフロントの魅力を活かした街づくりが進められています。また「三保の松原」を擁する世界遺産の街、Jリーグ清水エスパルスのホームタウンでサッカーの盛んな街としても知られています。それぞれに特徴のある2つのエリアを比較しながら物件探しを進めてみるとよいと思います。

静岡市では上記2エリアに東静岡駅を加えた3エリアを「都市拠点」、草薙駅、安倍川駅、駿河区役所周辺を「地域拠点」と位置づけています。人口減少や高齢化に備え、拠点エリアに人口を集中させ、コンパクトで継続性の高い都市を作ろうとしているわけです。都市部で利便性の高い暮らしを求めるなら都心部(静岡・東静岡・清水)のマンションや一戸建、利便性を重視しつつゆとりのある一戸建を探したいなら地域拠点(草薙・安倍川・駿河区役所周辺)、さらに自然環境や広さを求めるなら駅から離れた郊外の一戸建、というように、ライフスタイルに合わせて検討を進めてみるとよいと思います。

出典:静岡市都市計画マスタープラン(概要版) https://www.city.shizuoka.lg.jp/000719034.pdf

静岡市は、富士山や南アルプスなど豊かな自然に囲まれ、伊豆や熱海などの観光地も近く、気候も温暖でとても住みやすい街です。新幹線を使えば東京駅まで60分。テレワーク中心の方は移住先としても検討できるかも知れません。

ぜひ観光を兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか?

静岡県静岡市の物件を探す