住宅購入に合わせて保険を見直してみる!団体信用生命保険について知っておこう

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住宅購入を検討しているならば、合わせて保険の見直しも行う絶好のタイミングです。住宅ローンを利用することによって、大幅に保険料を減らせる可能性があるからです。団体信用生命保険の仕組みと生命保険の見直しについてまとめてみました。

 

1、そもそも生命保険とは?その目的と種類を知っておこう

まずは生命保険の基本をおさらいしておきましょう。

 

1-1. 生命保険に入る目的とは?

生命保険に入る主な目的は、保険の対象者(被保険者)が亡くなった時に、保険金によって、残された家族がそれまでの生活を維持できるようにすることです。もちろん病気やケガの治療費のため、という目的もありますが、特に20~40代の住宅購入層では、一家の大黒柱に万一のことがあった時の家族の生活保障という目的が強いと思われます。

 

1-2. 死亡保険の種類と特徴

生命保険は「死亡保険」と「病気やケガに対する保険」があり、組み合わせて加入することも多くあります。死亡保険には主に「定期保険」、「終身保険」、「養老保険」の3種類があり、それぞれの特徴は下表の通りです。

 

■生命保険の種類と一般的な特徴

定期保険は保険料が安いので、子どもが小さい時期など一定期間に大きな保障が必要な時には有用ですが、保険料は掛捨てになります。一方、終身保険と養老保険には貯蓄性があり、解約または満期時に返戻金や満期保険金が受け取れるので、払った保険料が丸々ムダになることはありませんが保険料は高くなります。

 

1-3. 死亡保険金はどのように決めたらいい?

死亡保険では、どの種類の保険に入るかということの他に、いくらの保険に入るかという大きな問題があります。

一般的に死亡保険の保険金額は「必要保障額」に合わせて決めていきます。必要保障額とは、被保険者(主に家計を支えている人)が亡くなった後に必要になるお金のことを言い、以下の算式で計算できます。

 

■必要保障額の求め方

あくまで目安ではありますが、1年あたりの支出と収入を計算し、子どもが独立するまでの年数を掛ければ、おおよその必要保障額を算出することができます。したがって、子どもがまだ小さい、預貯金が少ない、配偶者が働いていない、などの家庭では必要補償額が大きくなります。

仮に必要補償額が5,000万円だとすれば、死亡保険の保険金額も5,000万円前後で設定します。ちなみに日本では必要以上に保険に入っている人が多いと言われていますので、ムダな保険料を払わないために、一度しっかり計算してみることをおすすめします。

 

 

2、住宅購入時に加入する団体信用生命保険とは

前置きが少し長くなりましたが、ここで住宅購入と生命保険の関係について見ていきましょう。ポイントとなるのは住宅ローン利用時に加入する「団体信用生命保険(団信)」です。

 

2-1. 団体信用生命保険(団信)とは

団信とは、住宅ローン専用の生命保険で、ほとんどの住宅ローンで加入が必須となっています。もし被保険者が住宅ローン返済中に亡くなった場合には、保険金で住宅ローンの残額が返済される制度です。団信に加入することにより、金融機関はローンを確実に回収することができ、遺族はそれまでと同じ家に負担なく住み続けることができるわけです。最近では死亡時だけでなく、病気によって働けなくなった時にもローンが完済される「三大疾病特約付き団信」などもあり、より広範囲のリスクに対応できるようになっています。

 

2-2. 団信に加入できるのは住宅購入の大きなメリット

この団信に加入できることは住宅購入の大きなメリットと言えます。もともと団信の保険料は一般の生命保険よりも安く、最近では団信保険料ゼロ(金融機関が負担)の住宅ローンも増えてきました。この場合、仮に3,000万円の住宅ローンを組むと、その時点で3,000万円の死亡保険にタダで入れたことになるわけです。

団信に加入することにより、必要保障額の計算上、遺族の支出から「住居費」を除外してよいということになりますので、生命保険の保険金額を下げることができます。これこそ住宅購入が保険を見直すチャンスである最大の理由であり、賃貸では得られない大きなメリットと言えるでしょう。

具体的には、終身の死亡保険の保障額を3,000万円下げると、月々の保険料を数万円レベルで節約できる可能性もあります。契約の条件にもよりますので、金額は保険会社のサイトでシミュレーションしてみるか、保険会社(代理店)のスタッフに確認してみることをおすすめします。

 

 

3、住宅購入時の保険見直しのポイント

では具体的にどのような手順で保険の見直しを進めればよいのでしょうか。

 

3-1.保険見直しの基本的な考え方

冒頭に申し上げた通り、保険の目的は万一の事態が発生しても、生活を維持できるようにすることですから、極論すれば十分な預貯金や不動産、株などの資産があれば、保険に入る必要はありません。また日本は社会保険(年金・健康保険)によるセーフティネットが整った国ですので、まずは手元の資産や社会保険をもってしても生活が破綻してしまうレベルのリスクに重点を置き、不必要な保険を削っていくのが見直しの基本的な考え方になります。

 

3-2. 死亡保険は必要保障額の見直しから始めよう

一般的な家庭で最も重点を置かなければならないのは、家計を支えている人の死亡リスクです。特に家計を1人で支えている場合は、死亡保険でしっかり備えておくことが重要です。

死亡保険の見直しは、必要保障額の見直しから始めてみましょう。住宅購入(団信加入)により、必要保障額から遺族の住宅費が除外できますので、その分の減額が可能です。また最近、子どもの教育費の無償化・減免の流れが出てきており、その分も減らせる可能性があります。それでも保険料の負担が重い場合には、終身保険を減らし、足りない分を保険料の安い定期保険に組み替えるという方法もあります。

 

3-3. 病気やケガのリスクにはどう備える

次に検討するのは病気やケガのリスクです。まず日本ではすべての国民が健康保険への加入を義務づけられています(国民皆保険制度)ので、保険適用診療については1割~3割の負担で済むようになっています。また、入院や手術など高額の医療費負担を軽減するための「高額療養費」制度や、病気やケガで仕事ができなくなった場合に平均給与の約2/3を受け取れる「傷病手当金」制度もあります(国民健康保険を除く)。

■高額療養費制度による自己負担限度額(70歳未満)

※1総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。

※出典:全国健康保険協会ホームページ

 

例えば、70歳未満で上記の「区分ウ」に該当する人の場合、総医療費が100万円(3割負担で30万円)であれば、1ヵ月の自己負担限度額は87,430円となり負担が大きく軽減されます。したがって、一時的な入院や手術による家計へのダメージは、(個室に入院したりしない限り)それほど大きなものにはなりません。自己負担となる医療費と 働けない間の収入減のうち、手元の預貯金等で賄えない分をカバーできるように医療保険などで備えておけばよいでしょう。

 

3-4. 三大疾病特約付団信は得か損か

通常の団信では、死亡(または高度障害)時にローンを完済することができますが、病気で働けなくなっても一切保障はありません。そこで、最近よく目にするのが「三大疾病特約付団信」です。三大疾病とはがん、急性心筋梗塞、脳卒中のことを言い、これらが原因で働けなくなるなど一定の状態になった場合に、保険金でローンが完済できる特約です。

メリットの大きい制度に見えますが、病気の種類や給付の条件が限定される上、住宅ローン金利に0.3%前後の上乗せがあります。また返済期間中はこの特約を解約できないというデメリットもありますので、長い目で見ると損になってしまうこともあります。

金利上乗せによる増額分と、一般的な医療保険等に加入した場合の保険料を比較して、どちらが自分に合っているか十分に検討しましょう。

 

 

4、保険は定期的に見直そう。保険を見直すことのメリットとは

 

ここまで申し上げたように、住宅購入は保険見直しの大きなチャンスになりますが、定期的に見直すことが、より安心で豊かな生活につながります。

 

4-1. 保険を見直すタイミングとは

保険の見直しは住宅購入時だけでなく、人生の節目節目で行ったほうがよいでしょう。

例えば、結婚や出産、子どもの入学や卒業、配偶者の退職(復職)など、家計の収入・支出が大きく動くタイミングが見直しのよい機会となります。また、子どもの成長にともない必要保障額は年々減少していきますので、定期的(例えば5年毎)に見直すという方法でもよいと思います。

 

4-2. 保険見直しで得られる効果

保険を見直すメリットは、不要な保険を削り、必要な保険をプラスすることで、その時々のリスクに備えられることです。節約できた分は旅行などの余暇に使うこともできますし、老後資金として、つみたてNISAや、iDeCo(個人年金)などで運用していくこともできます。リスクのある資産運用に抵抗がある方は、住宅ローンを繰り上げ返済してもよいでしょう。

 

いずれにしても住宅購入は保険を見直す絶好の機会となります。これから住宅を購入される方は、不動産会社のスタッフやファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。