城下町の歴史と文化があふれる住宅都市。佐倉市の魅力と不動産市況

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佐倉市は千葉県の北部、都心から約40キロに位置する市です。かつては江戸幕府の有力者が藩主をつとめる佐倉藩の城下町として栄えましたが、現在では千葉県でも有数の「住宅都市」として発展しています。中でも「ユーカリが丘」は街づくりの成功事例として広く知られており、都心部、千葉市、成田市などのベッドタウンとして人気の高い街です。

目次

1、佐倉市の人口は減少傾向、世帯数は9%増

そんな佐倉市の人口は、約17万2,000人、世帯数は約7万9,000世帯。最近10年間の人口は2%の減少、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、約300人の転出超過となっています。

1-1、人口・世帯数(2022/3/31 現在)

人口171,747人
世帯数78,763世帯

1-2、人口・世帯数の推移

1-3、転入・転出(2021年中)

転入者数4,767人
転出者数5,092人

※出典:出典:2021年人口移動報告(総務省)

2、千葉県佐倉市の不動産情報

2-1、土地の価格は㎡あたり6~7万円とリーズナブル。緩やかな下落~横ばいが続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。佐倉市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり6~7万円台で、最近10年間は、緩やかな下落傾向~横ばいが続いており、直近10年間で約7%の下落となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

佐倉市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年)63,848円
基準地価(2021年)72,940円

マップでご覧いただけるように、JR総武本線の佐倉駅と京成佐倉駅を中心とする佐倉エリアで、5~8万円/㎡くらい、京成臼井駅周辺は6~8万円/㎡前後となりますが、ユーカリが丘を含む志津エリアでは、7~10万円くらいと少し相場が上がります。いずれにしても非常にリーズナブルな水準ですので、広めの土地を購入して注文住宅を建てることも十分可能です。

2-2、佐倉市の新設住宅着工は注文住宅と分譲住宅で約9割

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。佐倉市で2021年中に新築された建物は946戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が34%、貸家(賃貸住宅)が12%、分譲住宅が54%と、分譲住宅が全体の半分以上を占めます。2021年の分譲住宅の内訳としては一戸建が234戸(45%)、マンションが281戸(55%)となっていますが、新築分譲マンションが供給されるのはほぼ10年ぶりで、例年は一戸建が年150~200戸程度供給される一戸建メインのエリアです。

■佐倉市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家318戸
貸家109戸
給与住宅4戸
分譲住宅515戸
946戸

2-3、佐倉市の住宅着工数は10年で41%減だが、マンション供給数によるばらつきが大きい

佐倉市の住宅着工数は最近10年間でマイナス41%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス29%、分譲住宅がマイナス42%、賃貸住宅がマイナス61%と大きく減少しているように見えます。しかし、これは2012年に大規模マンションの供給があったせいで、翌年2013年以降は年700~900戸くらいで安定しています。分譲一戸建の供給は150~200戸程度で安定しているものの、注文住宅は減少傾向が続いています。

2-4、佐倉市の不動産相場は2,000~3,000万円台とリーズナブル。「土地+注文住宅」も検討可能

佐倉市では新築マンションがコンスタントに供給されておらず、相場をつかむのが難しいのですが、ユーカリが丘エリアで4,000万円台~5,000万台、㎡単価50万円前後での販売となるのではないかと思われます。

中古マンションは、築15年以内で平均2,782万円(32.1万円/㎡)、築15~25年で平均2,112万円(26.8万円/㎡)、築25年超で平均1,569万円(19.7万円/㎡)前後です。ただし流通量は決して多くないので、マンションの購入を検討される方は、佐倉市だけでなく、周辺の市区町村も合わせて検討してみましょう。

一戸建については、新築で3,157万円、中古は築15年以内で平均3,178万円、築25年以内で2,650万円、築25年超は1,924万円となっています。中古の方が価格が高くなっていますが、これは平均土地面積が80㎡ほど広いことによるものです。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均7.3万円/㎡、徒歩20分以内なら5.3万円/㎡、徒歩20分超で2.9万円/㎡となっています。佐倉市は、通勤圏でありながら土地が非常にリーズナブルなので、土地を購入して注文住宅を建てたい方には魅力的なエリアだと思います。

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3、佐倉市は待機児童ゼロを達成。千葉市内や都内への通学も可能

佐倉市には、23校の公立小学校、11校の公立中学校、4校の公立高校があります。市内には敬愛大学佐倉キャンパスがありますが、都内への通学も可能です。

3-1、幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等10施設47施設
小学校23校0校
中学校11校0校
高等学校4校0校
大学・短大0校1校

3-2、待機児童数(2022年5月現在)

待機児童数(国基準)0人

佐倉市は、数年前まで佐倉地区、根郷地区に集中していた待機児童が解消され「待機児童ゼロ」を達成しています。

4、佐倉市の住まい探しは、3つのエリアの特徴をつかみながら物件探しを進めてみよう

佐倉市は、千葉県北部の北総台地のほぼ中央、都心から約40キロ、千葉市と成田空港にそれぞれ15キロの位置にあります。市内には、JR総武本線と京成線が乗り入れており、どちらの駅からも都心まで約1時間、千葉市、成田空港までは約30分でアクセスできます。佐倉市はもともと城下町として繁栄した街ですが、1970年台から大規模な区画整理事業(いわゆるニュータウン開発)が行われ、東京、千葉市、成田市のベッドタウンとして発展してきました。その中でも、街づくりに関する数々の賞を受賞している「ユーカリが丘」は有名で、今も人気の高い住宅地となっています。

現在、ユーカリが丘駅では北口再開発がおこなわれており、駅徒歩3分という好立地に地上15階・276戸のマンションをはじめ、一戸建、オフィス、多目的施設などが開発される予定となっています。

佐倉市は大きく3つの市街地に分かれています。物件探しの際は、この3つの中で自分に合うエリアを見つけることから始めてみましょう。

出典:佐倉市都市計画マスタープランをもとに作成

①佐倉・根郷エリア

市の中心である京成・JR佐倉駅周辺は、旧佐倉藩の佐倉城があったことから、今でも行政・経済の中心となっており、その周辺には古くからの住宅街が広がっています。かつての城下町の面影や、武家屋敷などが残っており、佐倉の歴史と文化を感じることができる落ち着いたエリアです。京成佐倉駅とJR佐倉駅は2キロ以上離れているため乗り換えはできません。駅周辺に大きなショッピングセンターなどはありませんが、地域のスーパーなどが点在しており日常の買い物に困ることはないでしょう。

根郷エリアはJR佐倉駅の南側に位置する、比較的新しい住宅地です。かつてはインターチェンジに近いことから工業団地が多く造成されましたが、近年、住宅地の開発が行われ、急速に人口が増えているエリアでもあります。また2015年に、JR線の北側の寺崎エリアで区画整理事業が完了したことにより、若いファミリー層の流入が増えています。

②志津・ユーカリが丘エリア

京成線の志津駅とユーカリが丘駅を中心とした大規模なニュータウンで、佐倉市の人口の約4割がこのエリアに居住しています。ユーカリが丘駅からは、新交通システム「山万ユーカリが丘線」が、ユーカリが丘内を循環しており、居住者の便利な足として利用されています。駅前には、タワーマンションと商業施設の複合施設である「スカイプラザモール」や、映画館とショッピングセンターの複合施設「ユーカリプラザ(YOU!PLA)」、「イオンタウン」などの大型商業施設があり、佐倉市の中ではもっとも都市化されたエリアと言えるでしょう。

またユーカリが丘は、ハード面だけでなく、ソフト面でも高い評価を受けています。毎年の分譲件数を一定に抑え、若い世代の居住を促進することで、街の高齢化を防いでいます。また、ユーカリが丘内での住み替えを促進するシステムなどもあり、佐倉で住宅購入を検討するなら、必ず訪れてみたいエリアです。

③臼井・千代田エリア

京成線臼井駅を挟んで北側が臼井エリア、南側が千代田エリアで、1970年代に行われた大規模な区画整理によって、良好な住宅地が形成されています。臼井エリアは、印旛沼に接する自然豊かなエリアで、毎年8月には国際印旛沼花火大会が開催され、約2万発もの花火が打ち上げられます。また印旛沼湖畔にある「佐倉ふるさと広場」は、毎年4月の「佐倉チューリップフェスタ」、7月の「風車のひまわりガーデン」、10月の「佐倉コスモスフェスタ」など、多くのイベントが開催され市民の憩いの場となっています。

千代田エリアには、1990年代に開発され高級住宅地として知られる「染井野」があり、一戸建を中心とした閑静な住宅地が広がっています。整然とした美しい街並み、区画の広くゆったりとした一戸建をお求めの方にはおすすめのエリアです。

また、市では親と子の近居・同居や、中古住宅の購入とリフォームに対して補助金が受けられる制度なども実施しています。詳しくは佐倉市のホームページなどでご確認ください。

佐倉市というと、都心から離れた郊外の街というイメージがありますが、一度現地を見に行くとそのイメージが変わります。区画整理されたきれいな街並みと自然が調和し、価格もリーズナブル。終の棲家として都心から移り住む方も多い街です。

ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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