1、佐倉市の人口・世帯数
佐倉市は千葉県の北部、都心から約40キロに位置する市です。かつては佐倉藩の城下町として栄えた街ですが、現在では千葉県でも有数の「住宅都市」として、ユーカリが丘に代表される大規模ニュータウンが形成され、都心部、千葉市、成田市などのベッドタウンとして発展しています。
そんな佐倉市の人口は、約17万5,000人、世帯数は約7万9,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は11%増となっています。年間の転入出者数は、約600人の転出超過となっています。
1-1、人口・世帯数(2020/1/1 現在)
人口 | 174,924人 |
世帯数 | 78,909世帯 |
1-2、人口・世帯数の推移
1-3、転入・転出(2019年中)
転入者数 | 5,664人 |
転出者数 | 6,234人 |
※出典:2019年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)
2、佐倉市の不動産情報
2-1、土地の価格
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。佐倉市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり6~7万円台で、最近10年間は、緩やかな下落傾向で、10年間で約14%の下落となっています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
佐倉市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2019年) | 63,465円 |
基準地価(2019年) | 72,940円 |
マップでご覧いただけるように、JR総武本線の佐倉駅と京成佐倉駅を中心とする佐倉エリアで、6~8万円/㎡くらい、京成臼井駅周辺も6~8万円/㎡前後となりますが、ユーカリが丘を含む志津エリアでは、8~10万円くらいと少し相場が上がります。いずれにしても非常にリーズナブルな水準ですので、広めの土地を購入して注文住宅を建てる等も十分選択肢に入ります。
2-2、新設住宅着工戸数(2019年)
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。佐倉市で2019年中に新築された建物は635戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が43%、貸家(賃貸住宅)が24%、分譲住宅が32%と、注文住宅中心のエリアとなっています。分譲住宅のほとんどは一戸建で、新築マンションの供給はほぼありません。
持ち家 | 274戸 |
貸家 | 154戸 |
給与住宅 | 7戸 |
分譲住宅 | 200戸 |
2-3、住宅着工戸数の推移
佐倉市の住宅着工数は最近9年間でマイナス32%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス32%、分譲住宅がマイナス27%、賃貸住宅がマイナス39%となっています。ただし一戸建は、注文住宅と分譲住宅を合わせて年400~500戸くらいがコンスタントに供給されています。佐倉市は大規模ニュータウンを中心とした一戸建のエリアと言えそうです。
2-4、佐倉市の不動産価格相場
佐倉市では新築マンションの供給がほとんどないため、マンションは中古物件を探すことになります。相場としては、築15年以内で平均2,859万円(34.8万円/㎡)、築15~25年で平均1,485万円(20.5万円/㎡)、築25年超で平均1,075万円(13.3万円/㎡)前後です。ただし流通量は決して多くないので、マンションの購入を検討される方は、佐倉市だけでなく、周辺の市区町村も合わせて検討してみることをおすすめします。
一戸建については、新築で2,748万円、中古は築15年以内で平均2,838万円、築25年以内で2,582万円、築25年超は1,750万円となっています。中古の方が価格が高くなっていますが、これは平均土地面積が80~100㎡ほど広いことによるものです。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均7.2万円/㎡、徒歩20分以内なら5.3万円/㎡、徒歩20分超で4.5万円/㎡となっています。佐倉市は、通勤圏でありながら土地が非常にリーズナブルなので、土地を購入して注文住宅を建てたい方には魅力的なエリアだと思います。
~ 千葉県佐倉市の物件を見る ~
3、佐倉市の教育環境
佐倉市には、23校の公立小学校、11校の公立中学校、4校の公立高校があります。(2019年9月現在)。私立の学校は敬愛大学佐倉キャンパスがありますが、千葉市内や都内へ通学する方も多いようです。
3-1、幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 10施設 | 42施設 |
小学校 | 23校 | 0校 |
中学校 | 11校 | 0校 |
高等学校 | 4校 | 0校 |
大学・短大 | 0校 | 1校 |
3-2、待機児童数(2019年4月現在)
待機児童数(国基準) | 29人 |
佐倉市の2019年4月現在の待機児童数は29人で、前年(15人)から14人増加しました。2017年には待機児童ゼロを達成した佐倉市ですが、保育ニーズの高まりにより再び待機児童が発生しています。しかし、待機児童の発生には偏りがあり、佐倉地区、根郷地区の1歳児に集中していますので、このエリアで検討されている方以外は、さほど気にしなくてもよさそうです。
■佐倉市 待機児童数の推移
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
37人 | 34人 | 41人 | 0人 | 15人 | 29人 |
■2019年4月1日 待機児童数
地区 | 合計 | 0歳児 | 1歳児 | 2歳児 | 3歳児 | 4歳児 | 5歳児 |
佐倉 | 11人 | 0人 | 10人 | 1人 | 0人 | 0人 | 0人 |
臼井・千代田 | 2人 | 0人 | 2人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 |
志津北部 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 |
志津南部 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 |
根郷・和田・弥富 | 16人 | 0人 | 10人 | 6人 | 0人 | 0人 | 0人 |
合計 | 29人 | 0人 | 22人 | 7人 | 0人 | 0人 | 0人 |
出典:「佐倉市立保育園の在り方に関する基本方針(第2次)(素案)」
4、佐倉市の不動産市場と住宅購入について
佐倉市は、千葉県北部の北総台地のほぼ中央、都心から約40キロ、千葉市と成田空港にそれぞれ15キロの位置にあります。市内には、JR総武本線と京成線が乗り入れており、どちらの駅からも都心まで約1時間、千葉市、成田空港までは約30分でアクセスできます。佐倉市はもともと城下町として繁栄した街ですが、1970年台から大規模な区画整理事業(いわゆるニュータウン開発)が行われ、東京、千葉市、成田市のベッドタウンとして発展してきました。その中でも、街づくりに関する数々の賞を受賞している「ユーカリが丘」は有名で、今も人気の高い住宅地となっています。
佐倉市は大きく3つの市街地に分かれています。物件探しの際は、この3つの中で自分に合うエリアを見つけることから始めてみましょう。
出典:佐倉市都市計画マスタープラン
①佐倉・根郷エリア
市の中心である京成・JR佐倉駅周辺は、旧佐倉藩の佐倉城があったことから、今でも行政・経済の中心となっており、その周辺には古くからの住宅街が広がっています。かつての城下町の面影や、武家屋敷などが残っており、佐倉の歴史と文化を感じることができる落ち着いたエリアです。京成佐倉駅とJR佐倉駅は2キロ以上離れているため乗り換えはできません。駅周辺に大きなショッピングセンターなどはありませんが、地域のスーパーなどが点在しており日常の買い物に困ることはないでしょう。
根郷エリアはJR佐倉駅の南側に位置する、比較的新しい住宅地です。かつてはインターチェンジに近いことから工業団地が多く造成されましたが、近年、住宅地の開発が行われ、急速に人口が増えているエリアでもあります。また2015年に、JR線の北側の寺崎エリアで区画整理事業が完了したことにより、若いファミリー層の流入が増えています。
②志津・ユーカリが丘エリア
京成線の志津駅とユーカリが丘駅を中心とした大規模なニュータウンで、佐倉市の人口の約4割がこのエリアに居住しています。ユーカリが丘駅からは、新交通システム「山万ユーカリが丘線」が、ユーカリが丘内を循環しており、居住者の便利な足として利用されています。駅前には、タワーマンションと商業施設の複合施設である「スカイプラザ・ユーカリが丘」や、映画館とショッピングセンターの複合施設「YOU!PLA(ユープラ)」、「イオンタウン」などの大型商業施設があり、佐倉市の中ではもっとも都市化されたエリアと言えるでしょう。
またユーカリが丘は、ハード面だけでなく、ソフト面でも高い評価を受けています。毎年の分譲件数を一定に抑え、若い世代の居住を促進することで、街の高齢化を防いでいます。また、ユーカリが丘内での住み替えを促進するシステムなどもあり、佐倉で住宅購入を検討するなら、一度は訪れてみたいエリアです。
③臼井・千代田エリア
京成線臼井駅を挟んで北側が臼井エリア、南側が千代田エリアで、1970年代に行われた大規模な区画整理によって、良好な住宅地が形成されています。臼井地区は、印旛沼に接する自然豊かなエリアで、毎年8月には国際印旛沼花火大会が開催され、約2万発もの花火が打ち上げられます。また印旛沼湖畔にある「佐倉ふるさと広場」は、毎年4月の「佐倉チューリップフェスタ」、7月の「風車のひまわりガーデン」、10月の「佐倉コスモスフェスタ」など、多くのイベントが開催され市民の憩いの場となっています。
千代田エリアには、1990年代に開発され高級住宅地として知られる「染井野」があり、一戸建を中心とした閑静な住宅地が広がっています。整然とした美しい街並み、区画の広くゆったりとした一戸建をお求めの方にはおすすめのエリアです。
佐倉市というと、都心から離れた郊外の街というイメージがありますが、一度現地を見に行くとそのイメージが変わります。区画整理されたきれいな街並みと自然が調和し、価格もリーズナブル。終の棲家として都心から移り住む方も多い街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。
千葉県佐倉市の物件を探す