
千葉ニュータウンは、千葉県印西市・白井市・船橋市にまたがる、首都圏においては多摩ニュータウンや港北ニュータウンに次ぐ大規模ニュータウンです。1960年代から計画的に開発が続けられた街には、一戸建、マンション、大型商業施設などが有機的に配置され、東洋経済新報社「住みよさランキング」で2012年から2018年まで7年連続で全国1位に輝いた人気の街です。
目次
1.千葉ニュータウン(印西市・白井市)の人口は11%増、世帯数は21%増
千葉ニュータウンの中心である印西市・白井市の人口は、合計で約17万人、世帯数は約7万1,000世帯。最近10年間の人口は11%増、世帯数は21%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約1,400人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2023/1/31現在)
| 人口 | 172,913人 | 
| 世帯数 | 71,562世帯 | 
1-2.人口・世帯数の推移

| 
 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 
| 人口 | 155,894 | 156,434 | 158,116 | 160,647 | 162,998 | 165,021 | 166,899 | 168,960 | 170,576 | 172,913 | 
| 世帯数 | 59,114 | 59,931 | 61,312 | 62,911 | 64,504 | 65,960 | 67,454 | 68,796 | 69,805 | 71,562 | 
※各年 1月31日現在(印西市・白井市ホームページ)
1-3.転入・転出(2022年中)
| 転入者数 | 7,850人 | 
| 転出者数 | 6,409人 | 
※出典:2022年 人口移動報告(総務省)
2.千葉県印西市・白井市の不動産情報
2-1.土地の価格は、㎡あたり約5~6万円。2021年から上昇に転じる
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。印西市・白井市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり5~6万円と非常にリーズナブル。2022年の基準地価が上昇しているのは、この年から白井市の基準地点に㎡あたり13万円の地点が追加されたためで、相場が急上昇したわけではありません。最近10年間は緩やかな下落傾向が続いていましたが、2021年から上昇に転じ、持ち直しの動きが見られます。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
印西市・白井市全体の地価平均(㎡あたり)
| 公示地価(2023年) | 54,899円 | 
| 基準地価(2022年) | 59,485円 | 
公示・基準地価の推移(平均/㎡)

| 
 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 
| 公示 地価 | 59,983円 | 59,439円 | 58,528円 | 53,681円 | 52,581円 | 52,142円 | 51,938円 | 52,767円 | 53,227円 | 54,899円 | 
| 基準 地価 | 55,053円 | 54,137円 | 53,357円 | 52,307円 | 52,187円 | 53,555円 | 53,271円 | 52,935円 | 59,485円 | - | 
マップでご覧いただけるように、千葉ニュータウンのメイン路線である北総線沿線の駅から近いエリアでも、商業地を除けば8~10万円/㎡台、駅から離れたエリアや、北部のJR成田線沿線では4~7万円/㎡くらいと、地価は非常にリーズナブルです。
2-2.新設住宅着工戸数は約1,000戸。注文住宅と分譲住宅で全体の8割超
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。 印西市・白井市で2022年中に新築された建物は合わせて1,007戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が44%、貸家(賃貸住宅)が17%、分譲住宅が39%と、注文住宅と分譲住宅が全体の8割超。賃貸は17%しか供給されておらず、千葉ニュータウンはファミリー向けの「買って住む街」と言えそうです。
■印西市・白井市の新設住宅着工戸数(2022年)
| 持ち家 | 448戸 | 
| 貸家 | 171戸 | 
| 給与住宅 | 0戸 | 
| 分譲住宅 | 388戸 | 
| 計 | 1,007戸 | 

2-3.印西市・白井市の住宅着工数は10年間でプラス2%。注文住宅の伸びが大きい
印西市・白井市の住宅着工数は最近10年間でプラス2%となっています。内訳としては、注文住宅がプラス29%、分譲住宅がマイナス35%、賃貸住宅がプラス272%と、注文住宅と賃貸が大きく伸びています。ただ賃貸は元々供給が少ないので伸び率は大きいですが、年171戸程度の供給しかありません。一方、注文住宅はコンスタントに供給を伸ばしており、特にコロナ禍にあった2021年には、郊外への移住ブームを背景に大きく伸長しました。
地価の高騰などもあり、多くの街で注文住宅から分譲一戸建へのシフトが見られる中、地価の安い印西市・白井市は、「広い土地を買って注文住宅」という夢が叶えやすいエリアと言えるでしょう。
印西市・白井市の新設着工戸数

| 
 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 
| 持ち家 | 346戸 | 390戸 | 404戸 | 410戸 | 465戸 | 477戸 | 574戸 | 538戸 | 703戸 | 448戸 | 
| 貸家 | 46戸 | 148戸 | 104戸 | 129戸 | 276戸 | 245戸 | 34戸 | 85戸 | 178戸 | 171戸 | 
| 給与住宅 | 0戸 | 4戸 | 1戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 4戸 | 0戸 | 
| 分譲住宅 | 600戸 | 1,696戸 | 625戸 | 742戸 | 750戸 | 818戸 | 790戸 | 689戸 | 648戸 | 388戸 | 
| 総計 | 992戸 | 2,238戸 | 1,134戸 | 1,281戸 | 1,491戸 | 1,540戸 | 1,398戸 | 1,312戸 | 1,533戸 | 1,007戸 | 
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.千葉県印西市・白井市の不動産価格。新築は3,000~4,000万円台が相場
印西市・白井市の新築マンションは3,000万円台~4,000万円台が中心で、㎡単価は50万円前後が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均3,276万円(37.3万円/㎡)、築15~25年で平均2,244万円(25.1万円/㎡)、築25年超で平均1,497万円(16.3万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築で3,388万円、中古は築15年以内で平均4,280万円、築25年以内で4,221万円、築25年超は1,834万円となっています。コロナによる郊外人気もあり、マンション・一戸建とも価格は上昇傾向です。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均9.2万円/㎡、徒歩20分以内なら8.7万円/㎡、徒歩20分超で3.6万円/㎡と駅近エリアでは大きく価格が上昇しています。逆に駅から遠いエリアはそれほど価格が上昇しておらず、非常にリーズナブルな水準にとどまっています。
(1)中古マンション
| 販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
| 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
| 築15年以内 | 4,480万円 | 2,590万円 | 3,276万円 | 100㎡ | 72㎡ | 88㎡ | 37.3万円 | 
| 築15~25年 | 3,080万円 | 1,680万円 | 2,244万円 | 104㎡ | 73㎡ | 90㎡ | 25.1万円 | 
| 築25年 超 | 3,480万円 | 250万円 | 1,497万円 | 150㎡ | 57㎡ | 90㎡ | 16.3万円 | 
(2)一戸建
| 販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
| 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | |
| 新築 | 4,990万円 | 1,999万円 | 3,388万円 | 248㎡ | 114㎡ | 169㎡ | 149㎡ | 81㎡ | 104㎡ | 
| 築15年以内 | 8,500万円 | 1,880万円 | 4,280万円 | 431㎡ | 152㎡ | 205㎡ | 185㎡ | 54㎡ | 112㎡ | 
| 築15~25年 | 6,580万円 | 1,980万円 | 4,221万円 | 1,788㎡ | 201㎡ | 399㎡ | 233㎡ | 87㎡ | 152㎡ | 
| 築25年 超 | 3,580万円 | 977万円 | 1,834万円 | 496㎡ | 115㎡ | 209㎡ | 149㎡ | 97㎡ | 119㎡ | 
(3)土地
| 販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
| 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
| 徒歩10分以内 | 4,500万円 | 210万円 | 1,887万円 | 655㎡ | 99㎡ | 226㎡ | 9.2万円 | 
| 徒歩10分~20分 | 8,500万円 | 1,350万円 | 2,790万円 | 4,532㎡ | 153㎡ | 779㎡ | 8.7万円 | 
| 徒歩20分超・バス | 4,480万円 | 200万円 | 1,632万円 | 9,855㎡ | 65㎡ | 843㎡ | 3.6万円 | 
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年5月のデータをもとに集計
3.印西市・白井市の待機児童は16人。大学は都内への通学も可能
印西市・白井市には、合わせて27校の公立小学校、14校の公立中学校、2校の公立高校と1校の私立高校があります。また市内には順天堂大学、東京基督教大学などのキャンパスがありますが、都内への通学も可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて70近くの施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
| 
 | 公立 | 私立 | 
| 幼稚園・保育園・認定こども園等 | 10施設 | 57施設 | 
| 小学校 | 27校 | 0校 | 
| 中学校 | 14校 | 1校 | 
| 高等学校 | 2校 | 1校 | 
| 大学・短大 | 0校 | 2校 | 
3-2. 待機児童数(2022年4月現在)
| 待機児童数(国基準) | 16人 | 
印西市・白井市の待機児童数は16人(印西市13人、白井市3人)となっています。下表のように両市とも前年より大きく減少していますが、小さなお子様がいる方は、念のため市役所等に確認してみるとよいでしょう。
■ 印西市・白井市の待機児童数
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
| 印西市 | 20人 | 76人 | 13人 | 
| 白井市 | 2人 | 1人 | 3人 | 
| 計 | 22人 | 77人 | 16人 | 
4.千葉県印西市・白井市の住まい探しは、「千葉ニュータウン中央駅」と「印西牧の原駅」から始めてみよう
千葉ニュータウンは千葉県北総部に位置する大規模ニュータウンで、その中心となるのが印西市と白井市です。都心から約25~45km、千葉市から約20km、成田空港まで約15kmに位置し、都内や千葉県内で働く方のベッドタウンとして発展を続けています。東洋経済新報社が毎年公表する「住みよさランキング」では、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度などが高く評価され、印西市は2012年から2018年まで7年連続の1位を獲得しました。最新の2022年ランキングでは順位こそ23位に下がったものの、千葉県では1位をキープしています。
千葉ニュータウンのメイン路線は「北総線」で、京成押上線、京浜急行、成田スカイアクセス線との直通運転により、都心部と成田空港を東西に結んでいます。中心駅である「千葉ニュータウン中央駅」からは、日本橋駅まで約40分、品川駅まで約60分、羽田空港まで約80分、成田空港まで約25分と、すべて乗り換えなしでアクセスすることができます。
千葉ニュータウンはこの北総線の駅ごとに住区が形成されており、商業施設、企業、病院、学校、公園、住宅などがバランスよく配置されています。千葉ニュータウン中央駅周辺にはオフィスビル群が建ち並び、大型商業施設も複数出店して、印西市の経済・産業の中心ともなっており、1996年には「都市景観100選」に選出されました。
そんな千葉ニュータウンは、都心部の価格高騰、新型コロナをきっかけに、再び注目が集まっています。都心へのアクセスは良好なのに地価が安く、広い一戸建を求める人には立地と価格のバランスがちょうどいいエリアなのかも知れません。また、近年の自然災害の増加により、強固な下総台地の上に位置し、巨大地震の原因となる活断層がない千葉ニュータウンは、地震に強い街としても脚光を浴び、2023年にGoogleが印西市に日本初のデータセンターを開設したことも話題となりました。
■千葉ニュータウン中央駅周辺の航空写真

出典:千葉県ホームページ
そんな千葉ニュータウンの住まい探しは、中心駅である「千葉ニュータウン中央駅」と「印西牧の原駅」からスタートしてみてはいかがでしょうか。千葉ニュータウン中央駅は特急停車駅で、都心方面にも成田空港方面にもアクセスがよい上、駅前には北総地区最大級のショッピングセンター「イオンモール千葉ニュータウン」をはじめ、アクロスプラザ、カインズなどの商業施設があり、日常の利便性も申し分ありません。また、その隣に位置する「印西牧の原駅」は、始発電車があるため、座って通勤できるのが大きなメリットです。駅前には「BIGHOPガーデンモール印西」、「牧の原モア」などの大型ショッピングモールがあり、日々の買い物はもちろん、子どもと一緒に楽しめるお出かけスポットとして人気があります。
■BIGHOPガーデンモール印西

出典:Wikipedia
まずこの2駅を中心に物件探しを進め、広さや予算に応じて、成田方面には「印旛日本医大駅」、東京方面には「小室駅」「白井駅」「西白井駅」に広げていくとよいと思います。
千葉ニュータウンは、住宅地、商業施設、学校や病院など生活に必要なものすべてが揃い、とても暮らしやすい上に、土地150㎡クラスの新築一戸建が3,000万円台で購入できる街です。
豊かな自然に囲まれ、広々とした一戸建でゆったり子育てしつつ、利便性や街並みも重視したい。そんな子育て世帯の方にぴったりの街だと思います。週末のお出かけを兼ねて、ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。
 
 












