都心アクセス抜群!自然豊かな子育ての街、江戸川区の魅力と不動産市況

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江戸川区は東京都の東端に位置する区で、都心部へのアクセスの良さ、子育て支援の充実などから若いファミリー層に人気が高く、ベッドタウンとして発展を続けています。また大きな公園が多い区としても知られており、区民1人当たりの公園面積は23区内で1位となっています。

 

目次

1.江戸川区の人口はほぼ横ばい、世帯数は9%増

そんな江戸川区の人口は、約69万人、世帯数は約36万世帯。最近10年間の人口は1%増、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約960人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2024/4/1 現在)   

人口

690,476人

世帯数

355,495世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

人口

681,951

687,856

692,801

697,371

697,801

699,776

694,630

688,602

688,501

690,476

世帯数

324,985

330,667

335,705

341,225

343,074

346,887

347,730

346,769

350,285

355,495

 ※各年4月1日現在(江戸川区ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数

36,780人

転出者数

35,819人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

2.東京都江戸川区の不動産情報

2-1. 土地の価格は㎡あたり45~47万円。10年間で約3割の大幅上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。江戸川区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約45~47万円/㎡となっており、最近10年間は上昇傾向が続いており、10年で約28%の大幅上昇となっています。(公示地価ベース)

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

江戸川区全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年)

449,725円

基準地価(2023年)

471,341円

 

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

公示

地価

352,722円

348,700円

357,582円

372,439円

392,703円

411,747円

407,835円

413,252円

427,626円

449,725円

基準

地価

361,775円

368,950円

390,275円

410,175円

437,950円

445,200円

443,097円

452,780円

471,341円

 

 

マップでご覧いただけるように、江戸川区は南北に長い形状で、北部にはJR総武線と京成線、中央部には都営新宿線、南部には東京メトロ東西線とJR京葉線が走っています。駅が多くバスの便もよいため、エリアによる価格差はそれほど大きくありませんが、各沿線の駅近エリアの住宅地で30万円台半ば~40万円/㎡、駅から離れたエリアだと20万円台後半~30万円台前半/㎡くらいが目安となります。

 

2-2.新設住宅着工戸数は6,200戸。賃貸と分譲住宅で全体の9割超を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。江戸川区で2023年中に新築された建物は6,217戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が6%、貸家(賃貸住宅)が56%、分譲住宅が38%と、賃貸が全体の5割以上を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が912戸(39%)、マンションが1,402戸(61%)と、マンションの供給量が多くなっていますが、年によっては一戸建が上回ることもあります。都心へのアクセスのよい江戸川区は、賃貸ニーズが高く、注文住宅が少ない分譲中心のエリアだと言えるでしょう。

 

■江戸川区の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家

383戸

貸家

3,496戸

給与住宅

14戸

分譲住宅

2,324戸

6,217戸

2-3.江戸川区の住宅着工数は10年間で21%増

江戸川区の住宅着工数は最近10年間でプラス21%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス44%、分譲住宅がプラス20%、賃貸住宅がプラス44%と、賃貸住宅が大きく伸びています。一方、注文住宅は減少傾向で、全体の6%となっており、子育て世代が多い江戸川区では、注文住宅から分譲住宅へのシフトが進んでいると見られます。いずれにしても、都内としては比較的リーズナブルで、新築・中古とも多くの物件が流通しており、選択肢の多いエリアだと言えそうです。

 

江戸川区の新設着工戸数

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

持ち家

688戸

543戸

535戸

527戸

521戸

495戸

404戸

462戸

461戸

383戸

貸家

2,429戸

2,328戸

2,798戸

2,969戸

3,079戸

2,380戸

1,775戸

2,423戸

2,605戸

3,496戸

給与住宅

62戸

5戸

41戸

29戸

22戸

233戸

1戸

24戸

6戸

14戸

分譲住宅

1,943戸

1,675戸

1,574戸

1,961戸

1,453戸

1,780戸

1,160戸

2,511戸

2,093戸

2,324戸

総計

5,122戸

4,551戸

4,948戸

5,486戸

5,075戸

4,888戸

3,340戸

5,420戸

5,165戸

6,217戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都江戸川区の不動産価格。新築は4,000万円台~8,000万円台まで幅広く供給

江戸川区の新築マンションは4,000~8,000万円台を中心に幅広く供給されており、㎡単価も70万円台~100万円超まで価格に幅があります。

中古マンションは、築15年以内で平均5,695万円(83.4万円/㎡)、築15~25年で平均4,731万円(64.8万円/㎡)、築25年超で平均3,407万円(52.8万円/㎡)前後です。

一戸建については、新築で5,710万円、中古は築15年以内で平均5,364万円、築25年以内で5,092万円、築25年超は3,867万円となっています。マンション・一戸建ともに流通している物件はとても多いので、最初からあまり絞り込まず、幅広く探していくことをおすすめします。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均63.2万円/㎡、徒歩20分以内なら48.0万円/㎡、徒歩20分超で43.6万円/㎡となっています。

 

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

8,800万円

3,080万円

5,695万円

86㎡

50㎡

68㎡

83.4万円

築15~25年

7,280万円

3,080万円

4,731万円

124㎡

56㎡

74㎡

64.8万円

築25年 超

10,900万円

920万円

3,407万円

196㎡

21㎡

64㎡

52.8万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

8,980万円

2,780万円

5,710万円

118㎡

29㎡

74㎡

137㎡

47㎡

97㎡

築15年以内

15,000万円

1,700万円

5,364万円

276㎡

32㎡

79㎡

193㎡

22㎡

94㎡

築15~25年

13,800万円

2,180万円

5,092万円

296㎡

33㎡

102㎡

201㎡

48㎡

100㎡

築25年 超

20,000万円

1,280万円

3,867万円

456㎡

32㎡

79㎡

334㎡

35㎡

90㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

39,880万円

1,780万円

7,503万円

734㎡

37㎡

124㎡

63.2万円

徒歩10分~20分

39,597万円

300万円

6,027万円

873㎡

12㎡

127㎡

48.0万円

徒歩20分超・バス

79,800万円

1,100万円

7,612万円

1,981㎡

11㎡

187㎡

43.6万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年6月のデータをもとに集計

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3.江戸川区は待機児童ゼロを達成。都内への通学もしやすく選択肢は多い

江戸川区には、66校の公立小学校、33校の公立中学校、7校の公立高校と3校の私立高校があります。市内には愛国短期大学など2つのキャンパスがありますが、都心部に通学する方が多いようです。また未就学児については、保育園、幼稚園など合わせて200を超える施設があります。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 

公立

私立

幼稚園・保育園・認定こども園等

36施設

185施設

小学校

66校

1校

中学校

33校

2校

高等学校

7校

3校

大学・短大

0校

1校

 

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

 

待機児童数(国基準)

0人

 

江戸川区は2年連続で待機児童数ゼロを達成しています。

4.江戸川区の住まい探しは、沿線ごとの特徴をつかみながら進めよう。小岩駅の再開発にも注目!

江戸川区は東京都の最東端に位置し、江戸川を挟んで千葉県浦安市・市川市と接する街です。東に江戸川、西に荒川、南側には東京湾と、まさに海と川に囲まれた街で水辺をテーマにした施設や公園も多くあります。また江戸川区は「子ども医療費助成制度」を、全国で初めて導入するなど、子育て支援の手厚さでも知られ、若いファミリー層が多く流入したため、区民の平均年齢は44.97歳(2024年1月現在)と東京都の平均(45.73歳)よりも若くなっています。

 

また、江戸川区は交通アクセスがよいのも大きな魅力です。区内にはJR総武線・京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線、京成本線といった多くの路線が走っており、東京(大手町)、秋葉原、上野、新宿などの主要駅に20~40分前後でアクセスすることができます。こうした交通便のよさもあり、都心に通勤する人のベッドタウンとして発展してきました。区全体が市街地となっており、駅ごとにドラッグストアやスーパー、クリニックなどがありますので、どこに住んでもとても暮らしやすい街です。

出典:江戸川区ホームページ

 

そんな江戸川区の住まい探しは、沿線・エリア選びからスタートしてみてはいかがでしょうか。大きく以下の3つに分けて検討してみるとよいと思います。

 

①JR総武線・京成線沿線の「北部エリア」

このエリアは、江戸川区の中でも古くからの住宅街が広がる歴史あるエリアです。小岩駅からは都心部まで30分前後と、アクセスの非常によいエリアですが、よく言えば下町風情の残る、悪く言えばどこか古臭いイメージのエリアでした。

しかし、このイメージを一気に変えそうなのが小岩駅の再開発です。現在、JR小岩の北口~南口の広い範囲で再開発が進んでおり、南口には大規模商業施設「FIRSTA小岩」やタワーマンションがオープンしています。また北口には複合施設と駅前広場が融合した「COIWA PARKs」の建設が進んでおり、タワーマンション、オフィス、商業施設、保育施設などがオープンする予定です。

 

■小岩駅前広場と一体化した複合施設「COIWA PARKs」 イメージ

出典:KOITTO公式サイト

 

この再開発により今までの小岩のイメージは一新され、人の流れも大きく変わるものと思われます。江戸川区では今最もホットなエリアと言えるかも知れません。このエリアでの住まい探しは小岩駅を中心に、隣の新小岩駅(葛飾区)、平井駅まで範囲を広げて物件探しを進めてみるとよいと思います。

 

②都営新宿線沿線の「中央エリア」

都営新宿線は区内に5つの駅がありますが、利便性が高いのは急行停車駅でもある船堀駅で、新宿駅までは21分。駅周辺には多くの商業施設もあり、生活便も申し分ありません。またこれまで駅から遠く不便だった江戸川区役所が、2028年に船堀駅前に移転することが決まっており、区庁舎の建設にともないタワーマンションや商業施設などが新築される予定です。

このエリアには大きな公園が点在しているのも特徴で、船堀駅と西葛西駅の中間に位置する「行船公園」には、無料で動物と触れ合うことができる自然動物園や、大きな釣り堀なども併設されています。また、「新川千本桜」と呼ばれる3キロにわたる川沿いの遊歩道や、無料でポニーの乗馬体験ができる「篠崎ポニーランド」、魚や昆虫、水生植物の観察や水遊びができる「一之江境川親水公園」など、たくさんの公園や施設があり子育てファミリーの憩いの場となっています。

 

■新川千本桜

出典:江戸川区ホームページ

 

このエリアでの住まい探しは、マンション希望なら船堀駅~一之江駅を中心に、一戸建を希望なら瑞江駅~篠崎駅まで広げて進めてみるとよいと思います。どの駅も生活利便性が高く、新宿方面に通勤する方には特におすすめです。なお都営新宿線とJR総武線の中間に位置するエリアはバス便になるため、車がない方にはやや不便です。

 

③東京メトロ東西線・JR京葉線沿線の「南部エリア」

最後に南部エリアです。このエリアは東京メトロ東西線の葛西駅・西葛西駅が中心となります。どちらも日本橋・大手町まで20分弱でアクセスできるので、都心に通勤する方にはおすすめですが、人気のエリアだけに、ラッシュ時にはかなり混雑しますので注意が必要です。

東西線の北側は古くからの住宅地が広がり、南側は区画整理で生まれた比較的新しい街並みが特徴のエリアです。

中央エリアと同様、スーパーや商業施設も点在し生活便は申し分ありません。また、東西3km、約22ヘクタールという広大な面積を誇る「総合レクリエーション公園」には、乗馬体験ができる「なぎさポニーランド」や、四季の花が咲きほこる「フラワーセンター」、バーベキュー場、野球場などあらゆる施設が揃っています。

 

■総合レクリエーション公園 フラワーセンター

出典:江戸川区ホームページ

 

さらに南側は埋立地で、JR京葉線の葛西臨海公園駅を最寄りとするエリアがあります。駅周辺の賑やかさはありませんが、東京駅まで約13分というアクセスのよさと、東京ドーム約16個分の広さを誇る葛西臨海公園が大きな魅力です。葛西臨海公園には、マグロが回遊する水槽で有名な「葛西臨海水族園」や日本最大級の大観覧車、バーベキュー広場なども併設されており、区外からも多くの方が訪れます。場所によっては東京ディズニーリゾートの花火も見えるなど、他のエリアとはちょっと違った雰囲気の漂うエリアです。

 

江戸川区は都心へのアクセスが抜群であると同時に、子どもと一緒に一日中の楽しめる大型公園が街中に点在しています。また子育て支援も手厚く、価格もリーズナブルで、これから家を買おうという子育て世帯の方にはおすすめの街です。

ぜひ3つのエリアをご自身の目で見比べながら検討を進めてみてはいかがでしょうか。

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