【2022年版】住まいの建築・購入・リフォームに使える補助金(助成金)と優遇制度

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他 注文建築_関連 資金/ローン/税制_関連
【2022年版】住まいの建築・購入・リフォームに使える補助金(助成金)&優遇制度

住まいの購入やリフォームには様々な補助金や優遇制度が用意されています。これを知っているかどうかで100万円以上の差になることも。購入後に後悔しないよう、2022年度、住まいの補助金、助成金の最新事情について知っておきましょう。

※本コラムでは給付金・助成金等を含めて「補助金」という表記で統一いたします。

※本コラムの内容以外にも細かい規定等がある場合があります。対象や要件については公式サイト等で最新情報をご確認ください。

目次

1. 住宅の新築・購入やリフォームには様々な補助金が用意されている

まず具体的な補助金の内容を解説する前に、なぜ住宅購入やリフォームに対して、こうした制度が用意されているのかを知っておきましょう。

1-1. 補助金や優遇をおこなう狙い・背景とは?

補助金や優遇制度は主に国や自治体によって運営されています。その背景としては、国内で供給される住宅の「質」を向上させることにあります。住宅は数十年に渡り使用され、国民の暮らしの基盤となる、いわば国の資産とも言えるものです。現在、世帯数に対する住宅の「数」は充足しており、日本の住宅政策は「数」よりも「質」に主眼が置かれるようになっています。

また住宅購入の中心である若年層や子育て世代の経済的負担を和らげる、いわば少子化対策としての目的もあります。

1-2. 住まいの補助金、2022年度のキーワードは「省エネ」と「子育て支援」

昨年までの住宅政策は、消費増税による負担増を軽減することに主眼が置かれていましたが、2022年の住宅政策のキーワードは「省エネ」と「子育て支援」です。

省エネについては、「2050年カーボンニュートラル(脱炭素)」という大きな目標に向かって、今年度から住宅の断熱基準が見直され、いよいよ省エネ基準の適合が義務化される予定です。子育て支援については、若者夫婦や低年齢の子どもがいる家庭への補助を手厚くするなど、より若年層と子育て世代に配慮した制度が打ち出されています。

こうした背景を理解し、上手に補助金を活用することで、快適で地球にもやさしい住まいをリーズナブルに購入できるようになるわけです。本コラムでは住まいの購入(中古含む)とリフォームで使える代表的な補助金や優遇制度などについて解説します。

2. 住宅の建築・購入に使える補助金

それでは早速、住宅の建築・購入に使える補助金について見ていきましょう。

2-1. こどもみらい住宅支援事業(新築・購入)

2022年度の目玉となる補助金が「こどもみらい住宅支援」です。

住宅の新築・購入どちらにも適用され、最大100万円の補助金が受けられます。主に若者・子育て世帯を対象とした制度で、省エネ性能の高い住宅にはより多くの補助金が支給されます。

①対象となる人

まずこの制度は「若者夫婦」または「子育て世帯」への支援を重視しており、以下に該当する人(世帯)が対象となります。

申請時点において夫婦であり、令和3年4月1日時点でいずれかが39歳以下(※)の世帯 ※昭和56(1981)年4月2日以降出生

または

申請時点において、子(※)を有する世帯 ※子は令和3年4月1日時点で18歳未満(平成15(2003)年4月2日以降出生)であること

②対象となる要件

次に対象となる要件は以下の通りです。

注文住宅の新築 または 新築住宅の購入 (中古住宅の購入は対象外)

③補助金額

支給される補助金は以下の通りです。一定の省エネ性能を満たしていることが要件となり、性能が高いほど手厚い支援が受けられます。

対象住宅住宅の省エネ性能補助金額
①    ZEH住宅
ZEH/Nearly ZEH
ZEH Ready/ZEH Oriented
強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減される性能を有する住宅100万円/戸
②高い省エネ性能等を有する住宅次のa)~c)のいずれか
a)認定長期優良住宅
b)認定低炭素建築物
c)性能向上計画認定住宅
80万円/戸
③一定の省エネ性を有する住宅断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅60万円/戸

※原則として延べ面積50㎡以上

④スケジュールおよび申請方法

最後にこどもみらい住宅支援のスケジュールと申請方法です。

工事請負契約・売買契約2023年3月31日まで
※ただし「一定の省エネ性能を有する住宅」については2022年6月30日
交付申請2023年3月31日まで
※申請時に一定以上の出来高の工事完了が確認できること
完了報告(入居後)一戸建:2023年10月31日
マンション(10階以下):2024年7月15日
マンション(11階以上):2025年5月31日

当初、契約期限・交付申請ともに2022年10月31日が期限となっていましたが、2023年3月31日までに延長されました。ただし「一定の省エネ性能を有する住宅」については、期限が2022年6月30日までに短縮されましたので、これから本制度の利用を検討する方は「ZEH住宅」または「高い省エネ性能を有する住宅」のいずれかで進めるようにしましょう。

なお、本制度の交付申請は、事前に「こどもみらい住宅事業者」として登録された住宅メーカー、分譲事業者などがおこないますので、購入者が手続きする必要はありません。交付される補助金は事業者が受領し最終的に購入者に還元されます。

2-2. ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金は、省エネ性に優れた住宅の普及を目的とした制度です。ゼロ・エネルギーとは、住宅の消費エネルギーと、太陽光パネルなどで発電したエネルギーがほぼイコール、つまり断熱性の高い住宅でエネルギーを自給自足することにより、実質的な光熱費がゼロになる住宅を言います。こどもみらい住宅支援との併用はできませんが、年齢制限などがないので、こどもみらい住宅支援の対象とならない方はこちらを検討してみましょう。

①対象となる人

注文住宅を新築 または 新築住宅を購入する人

②対象となる要件と補助金額

補助対象となる方ZEH住宅は以下の通り4つのレベルが設定されており、性能が高いほど補助金額が高くなります。

種別対象となる省エネ性能補助金額(定額)
①ZEH
(新築・購入)
20%以上の一次エネルギー消費量削減
ZEH / Nearly ZEH / ZEH Oriented
55万円/戸
②ZEH+
(新築・購入)
25%以上の一次エネルギー消費量削減
①に加え以下から2つ以上導入
・さらなる高断熱化
・HEMS(高度なエネルギーマネジメントシステム)
・電気自動車の充電設備
100万円/戸
③次世代ZEH+
(新築のみ)
②に加え以下のいずれか導入
・蓄電システム
・V2H充電設備
・燃料電池
・太陽熱温水システム
・太陽光発電10kw以上
100万円/戸
④次世代HEMS
(新築のみ)
②に加え以下のいずれか導入
・蓄電システム
・V2H充電設備
AI・IoT等による最適制御の導入
112万円/戸

上記以外にも、蓄電システム、燃料電池、太陽熱温水システムなどの導入に対して追加補助金が交付されます。

昨年に引き続き実施されている事業ですが、①のZEH住宅の補助金額がやや引き下げられ、より高いレベルでの省エネ性能が求められるようになってきました。住宅の省エネ・創エネに対する取り組みは今後も強化されていくことが予想されます。

③ZEH補助金の申請方法・スケジュール

ZEH補助金の申請は「ZEHビルダー」として登録された住宅会社、販売会社等の事業者がおこないます。ZEH補助金は、年2~4回の公募期間が設けられており、どのレベルに申し込むかによってスケジュールが異なります。住宅会社と綿密に打ち合わせをおこない、公募期間に遅れないようにプランニングを進めるようにしましょう。

3. リフォーム・リノベーションに使える補助金

次にリフォーム・リノベーションで使える補助金について見ていきましょう。なお、中古物件を買ってリフォーム・リノベーションする場合には、前項の「購入で使える補助金」と合わせて補助を受けられることもあります。

3-1. こどもみらい住宅支援事業(リフォーム)

前述のこどもみらい住宅支援事業は、リフォーム・リノベーションにも適用できます。リフォームの場合は年齢や子どもの有無などの制限がなく、誰でも利用することができます。さらに若者夫婦・子育て世帯は補助金上限が上乗せされます。

①対象となる人

住宅をリフォームする所有者

②対象となる要件

以下(1)~(3)いずれかのエコ改修工事およびそれと同時におこなう(4)~(8)の工事

③対象工事および補助金額

対象となる工事と補助金額は以下の通りです。(1)~(3)のいずれかが必須工事。(4)~(8)はそれと同時におこなう場合に補助対象となります。

対象となるリフォーム工事内容補助金額
(1)開口部の断熱改修複層ガラスへの交換
内窓の設置
外窓交換
ドア交換 など
28,000~32,000円/箇所
(2)外壁、屋根・天井又は床の断熱改修対象となる製品(断熱材)を一定量以上使った断熱工事30,000~102,000円/戸
(3)エコ住宅設備の設置対象となる製品(断熱材)を一定量以上使った断熱工事30,000~102,000円/戸
(4)子育て対応改修太陽熱利用システム
節水型トイレ
高断熱浴槽
高効率給湯機 など
5,000~24,000円/台(戸)
(5)耐震改修ビルトイン食器洗機
掃除しやすいレンジフード
浴室乾燥機
宅配ボックス
防犯性能の向上
キッチン交換&対面化 ​など
10,000~86,000円/戸
(6)バリアフリー改修手すり設置
段差解消
ホームエレベーター など
5,000~150,000円/戸
(7)空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置空気清浄機能を有する又は換気機構を有するエアコン19,000~24,000円/台
(8)リフォーム瑕疵保険等への加入7,000円/契約

※(5)は昭和56(1981)年5月31日以前に着工された住宅が対象

④補助金の上限額

リフォームの場合には、上記(1)~(8)の補助金を合計した額が交付されますが、下記の通り、世帯の形態と住宅購入の有無により上限額が決められています。

世帯の形態 既存住宅の購入 上限額(戸)
若者夫婦または子育て世帯 該当する 60万円
該当しない 45万円
一般世帯(上記以外) 該当する(安心R住宅に限る) 45万円
該当しない 30万円

「既存住宅の購入」に該当するのは、売買契約の締結が2021年11月26日以降かつ工事請負契約が、売買契約から3ヶ月以内のものです。また「安心R住宅」とは、耐震性能など一定の性能を満たす既存住宅に認定マークを付与する国の制度で、安心R住宅調査報告書が発行された住宅をいいます。

⑤申請方法とスケジュール

申請方法とスケジュールは新築の場合と同様です。ただし出来高の確認等はなく、完了報告もありません。

工事請負契約2023年3月31日まで
交付申請2023年3月31日まで
すまいの購入・売却の相談をしてみる

3-2. 既存住宅の断熱リフォーム事業(旧:断熱リノベ)

こちらも前年度に引き続き、一定の要件を満たす断熱改修に対し補助金が交付される制度で、子どもの有無や年齢の制限はありません。居住中の家をリフォームする方はもちろん、これから住宅を購入して、入居前にリフォームする方も対象となります。

①対象となる要件・人

居住する一戸建・マンションの断熱リフォーム工事(既存住宅の購入者がリフォームする場合を含む)

②対象となるリフォーム工事

高性能建材を用いた、一定の省エネ効果が見込まれる断熱リフォーム工事

③工事内容と補助金額

補助の対象となるリフォームは以下の通りで、対象費用の1/3が補助金として交付されます。断熱性の低い中古の一戸建を購入するケースなどでは有用な制度だと思います。

対象商品 補助対象 補助率 上限額

高性能建材(ガラス・窓・断熱材・玄関ドア)

購入費+工事費

補助対象経費の

1/3以内

戸建住宅:120万円/戸

集合住宅: 15万円/戸

家庭用蓄電システム 購入費 20万円
家庭用蓄熱設備 購入費+工事費 5万円
熱交換型換気設備等 購入費 5万円

④断熱リフォーム補助金の申請方法とスケジュール

本制度は、公募期間に申請をおこなう形になりますが、第1回の公募は6月3日に終了しています。年数回の公募がおこなわれる予定ですが、次回の日程はまだ発表されていません。公式サイトなどで最新情報を確認しながら進めるようにしましょう。

3-3. 長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅とは、耐震性、省エネ性、耐久性などが一定の水準を満たした長寿命な住宅です。この事業では、長期優良住宅の基準を満たすためのリフォームに対して、対象費用の1/3(最大250万円)の補助金が交付されます。この制度を利用するためには、建物検査(インスペクション)を実施すること、リフォーム履歴・維持保全計画を作成すること等が必要になります。

また、三世代同居や若者夫婦、子育て世帯、既存住宅の購入にともなうリフォームについては上限が50万円上乗せされます。

①対象となる人・要件

居住する住宅をリフォームする人(既存住宅の購入者がリフォームする場合を含む) ※リフォーム工事前のインスペクション(建物検査)、維持保全計画及びリフォームの履歴の作成が必要

②対象となるリフォーム工事

特定性能向上工事劣化対策、耐震性、省エネ性、維持管理・更新の容易性を向上する改修
その他性能向上工事外壁・屋根・バリアフリー改修 など
三世代同居対応改修工事キッチン・トイレ・浴室等の増設 など
子育て世帯向け改修工事対面キッチンへの改修・防犯カメラなどの設置 など
防災性・レジリエンス性
向上改修工事
自然災害に対応するための止水板・蓄電池等の導入 など

③補助金額

こどもみらい住宅支援と同様、工事内容によって部位ごとの補助額が決められており、補助タイプおよび世帯形態によって上限額が変わってきます。

補助タイプ適合基準補助金額上限
①評価基準型一定の評価基準に適合
(長期優良住宅の認定には満たないが一定の基準に達するもの)
100万円
(150万円)
②認定長期優良住宅型長期優良住宅の基準に適合(認定が必要)200万円
(250万円)

なお、以下の4つのいずれかに該当する場合、上限額が50万円引き上げられカッコ内の金額となります。

三世代同居対応改修工事を実施する 若者または子育て世帯(※1)が改修工事を実施する 既存住宅の購入者が改修工事を実施する (※2) 一次エネルギー消費量を省エネ基準比▲20%とする工事を実施する

※1若者:2022年4月1日時点で40歳未満。子育て世帯:2022年4月1日または申請時点で18歳未満の子を有する世帯

※2 売買契約から1年以内にリフォームを実施する場合

すまいの購入・売却の相談をしてみる

4. 住まいに関わる税金や金利の優遇制度

ここまで住まいの購入やリフォームの補助金について解説してきましたが、税金や金利などの優遇制度についても知っておきましょう。

4-1. 各種税金の優遇

①所得税・住民税(住宅ローン減税)

住宅購入支援でもっとも大きな税優遇がこの「住宅ローン減税」で、2022年度から4年間の延長が決まりました。借入をともなう新築・購入・リフォームが対象となりますが、原則として、年末のローン残高の0.7%(最大 年35万円×13年間)が所得税(住民税)から控除される制度です。以下の通り省エネ性能と居住年によって最大控除額が変わってきます。

■住宅ローン減税の控除額

・新築住宅または不動産会社が販売する中古物件

住宅の種別 居住年

ローン残高

上限額

控除率 控除期間 最大控除額
認定住宅 2022~2023年 5,000万円 0.7% 13年 455万円
2024~2025年 4,500万円 410万円
ZEH住宅 2022~2023年 4,500万円 410万円
2024~2025年 3,500万円 319万円
省エネ基準適合住宅 2022~2023年 4,000万円 364万円
2024~2025年 3,000万円 273万円
それ以外の住宅 2022~2023年 3,000万円 273万円
2024~2025年 2,000万円 10年 140万円

・中古住宅

住宅の種別 ローン残高上限額 控除率 控除期間 最大控除額
認定住宅 3,000万円 0.7% 10年 210万円
それ以外の住宅 2,000万円 140万円

※認定住宅:「長期優良住宅」または「低炭素住宅」 ※1万円未満四捨五入

上表のように、省エネ性能が高い住宅ほど上限額(最大控除額)が大きくなります。また2024年以降は一律に上限額が減額されますので、できるだけ2023年中の入居を目指して検討を進めていくとよいと思います。

②住宅ローン減税以外の所得税優遇

住宅ローン減税以外の所得税優遇制度としては、リフォーム工事をおこなった際にその工事内容により一定の金額を所得税から控除されます。

■リフォーム工事の所得税優遇

対象工事 工事内容 最大控除額(年)※
耐震・省エネ・耐久性向上リフォーム 長期優良住宅の認定取得 50万円
省エネリフォーム 省エネのみ 25万円
省エネ+太陽光発電 35万円
バリアフリーリフォーム 段差解消、手すり設置 等 20万円
耐震リフォーム 現行の耐震基準に適合させる工事 25万円
同居対応リフォーム 三世代同居のためのリフォーム 25万円

※ 控除できる期間は1年

③建物の固定資産税の軽減

新築住宅の固定資産税は、一定の期間、税額が1/2に軽減されます。ここでも長期優良住宅は軽減される期間が長くなっています。

■新築住宅の固定資産税の軽減年数

一般住宅長期優良住宅
一戸建3年間5年間
マンション5年間7年間

またリフォームでも、「長期優良住宅化リフォーム」「省エネリフォーム」、「バリアフリーリフォーム」、「耐震リフォーム」などをおこなった場合、税額が1/3~2/3軽減されます(1年のみ)。

4-2. 住宅ローン金利の優遇

住宅金融支援機構が運営する全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」では、省エネ性や耐震性の高い住宅に対して金利の優遇をおこなっています。なお、2022年10月から省エネ性に関する規定が変更されますので注意しましょう。

①フラット35S

「フラット35S」は、省エネ性や耐震性の高い住宅に対して提供される金利プランで、2つの優遇プランがあります。AプランとBプランの違いは、要件となる住宅性能で、Aプランの方がより高い基準に適合する必要があります。

■フラット35S の金利優遇

  金利引き下げ期間 引き下げ幅
金利Aプラン 当初10年間 ▲0.25%
金利Bプラン 当初5年間

また2022年4月から「フラット35 維持保全型」が新設され、長期優良住宅など維持保全・維持管理に配慮した住宅等を取得する場合に、金利優遇が受けられるようになりました。フラット35Sとの併用も可能です。

■フラット35 維持保全型の金利優遇

  金利引き下げ期間 引き下げ幅
維持保全型 当初5年間 ▲0.25%
維持保全型+金利Aプラン 当初5年間 ▲0.5%
6~10年目 ▲0.25%
維持保全型+金利Bプラン 当初10年間 ▲0.25%

さらに、地方自治体との連携による「フラット35地域連携型」を利用した場合、子育て世帯に対する金利引き下げ期間が従来の5年から10年に延長され、子育て世帯への支援がより手厚くなりました。

②フラット35リノベ

「フラット35リノベ」は、中古住宅を購入してリノベーション(リフォーム)をおこない、省エネ性能等に一定以上の向上があると認められた場合の金利プランです。AプランとBプランの違いは、要件となる住宅性能で、Aプランの方がより高い基準に適合する必要があります。

■フラット35リノベ の金利優遇

  金利引き下げ期間 引き下げ幅
金利Aプラン 当初10年間 ▲0.5%
金利Bプラン 当初5年間

③フラット35は2022年10月に制度変更を予定

フラット35は、脱炭素社会の実現に向け、金利引き下げの基準見直しを予定しています。2022年10月以降は「フラット35S(ZEH)」という上位プランが新設され、合わせて金利Aプラン、Bプランの省エネ基準も強化されます。金利の引き下げ方法もポイント制になるなど変更点が多くありますので、詳しくは不動産会社等に確認するかフラット35の公式サイトをご確認ください。

建物を見てみる

5. 補助金や優遇制度を利用するときの注意点

ここまで見てきたように、2022年の補助金や優遇制度は「省エネ」と「若者・子育て支援」に手厚いものになっています。ではこれらの制度を上手に利用するためにはどのような注意が必要なのでしょうか。

5-1. 要件や契約期限に注意。申請期限までに必要書類をしっかり準備すること

まず、もっとも重要なのは各制度を利用するための要件をしっかり確認することです。購入する住宅の構造や面積、申請者の年齢や家族構成、契約時期や入居時期など、制度により様々な要件があります。また補助を受けるためには、決められた期限までに必要書類を揃えて申請しなければなりません。建築会社や不動産会社としっかり相談しながら準備を進めましょう。

5-2. 予算がなくなると年度途中で終了することも。常に最新情報のチェックを

補助金や金利優遇は国や自治体の事業ですので、制度ごとに予算が決められています。予算がなくなれば、年度の途中でも受付が終了してしまうことがありますので注意しましょう。また予算を平準化するため申請期間を分けていることもあります。いずれも公式サイト等で最新の情報を確認しながら進めることが大切です。

5-3. 自治体独自の補助金もチェックしておこう

ここまでご紹介してきた補助金や優遇制度とは別に、各自治体においても独自の制度が提供されています。自治体のホームページなどで確認してみるとよいでしょう。

5-4. 補助金は単純に「おトク」なわけではない。使い方はプロに相談しながら進めよう

住まいに関わる補助金・助成金、ご理解いただけましたでしょうか。

ここまで申し上げてきた通り、補助金は国や自治体の住宅政策に基づいて運営されているものですので、単なる値引きや給付とは異なり、必ずしも「おトク」になるわけではありません。省エネ性や耐震性を高めるためには費用がかかりますし、そのすべてを補助金で賄えるわけではないからです。

しかし、補助金を上手に利用することによって、より高性能で長寿命な住まいが購入しやすくなるのは確かです。住宅性能を向上させることは、日々の快適な暮らしや、家族の健康、安全につながります。また光熱費の削減や金利優遇により、長い目で見れば経済的なメリットにもつながるでしょう。

いずれにしても、自分の希望条件や予算に対して、どの制度がもっとも適しているのかを判断するのはなかなか難しいものです。できるだけ早い段階から専門家に相談し、上手に活用しましょう。 ご相談はお近くの住宅情報館までお気軽にお問い合わせください。

近くの住宅情報館を探してみる