新宿まで20分。武蔵野の歴史と自然が残る、東京都国分寺市の魅力と不動産市況

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国分寺市は、多摩地域の中部に位置する市で、東京都のちょうど真ん中にあたるため「東京の重心」などとも呼ばれています。奈良時代に聖武天皇の国分寺建立が市名の由来となっている歴史ある街ですが、現在では都心へのアクセスのよい落ち着いたベッドタウンとして人気が高く、人口が増え続けている街でもあります。

 

目次

1.国分寺市の人口は8%増、世帯数は12%増

そんな国分寺市の人口は、約13万人、世帯数は約6万5,000世帯です。最近10年間の人口は、8%増、世帯数は12%増となっています。年間の転入出者数は転入者が約800人上回っており、着々と人口が増加しています。

 

1-1.人口・世帯数(2025/1/1 現在)

人口

129,500人

世帯数

64,650世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

 

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

人口

119,940

120,656

121,673

123,689

125,170

126,862

127,792

128,238

128,762

129,500

世帯数

57,511

58,019

58,844

60,111

61,163

62,339

62,992

63,479

63,950

64,650

※各年 1月1日現在(国分寺市ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数

8,163人

転出者数

7,371人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

 

2.東京都国分寺市の不動産情報

 

2-1. 土地の価格は㎡あたり約40万円台。10年間で15%の上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。国分寺市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては約41~47万円/㎡で、上昇傾向が続いています。特に2022年以降は上昇が加速しており、10年間で約15%の上昇となっています(基準地価ベース)。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

国分寺市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年)

418,347円

基準地価(2024年)

467,181円

 

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

公示

地価

358,857円

358,217円

364,173円

371,130円

379,043円

383,826円

379,608円

385,130円

398,043円

418,347円

基準

地価

407,818円

413,545円

420,090円

432,727円

439,363円

431,909円

434,818円

444,636円

467,181円

493,181円

 

 

マップでご覧いただけるように、国分寺市で地価が高いのはJR中央線と西武鉄道のクロスターミナルである国分寺駅と、JR中央線と武蔵野線が乗り入れる西国分寺駅の周辺エリアで、35~40万円/㎡前後。市の西側では国立駅が最寄りとなるエリアもありますが、相場はそれほど変わりません。西武線の恋ヶ窪駅周辺や、駅から離れた住宅地では、30万円/㎡を切るエリアも見られ、駅前の商業エリアなどを除けば比較的リーズナブルと言えます。

 

2-2.新設住宅着工戸数は約800戸。注文住宅と分譲住宅が比較的バランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。国分寺市で2024年中に新築された建物は794戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が27%、貸家(賃貸住宅)が34%、分譲住宅が36%と、比較的バランスよく供給されています。分譲住宅の内訳は、2024年はすべて一戸建でしたが、マンションも例年70~100戸程度は供給されています。

 

■国分寺市の新設住宅着工戸数(2024年)

持ち家

216戸

貸家

268戸

給与住宅

24戸

分譲住宅

286戸

794戸

2-3.国分寺市の住宅着工数は、10年間で54%減少

国分寺市の住宅着工数は最近10年間でマイナス54%となっています。内訳としては、注文住宅がプラス5%、賃貸住宅がマイナス37%、分譲住宅がマイナス74%と、分譲住宅が大きく減少していますが、2024年は新築マンションの着工がゼロであったことが主な要因です。一方、新築一戸建は年300~400戸程度、安定して供給されています。

 

国分寺市の新設着工戸数

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

持ち家

205戸

229戸

184戸

212戸

187戸

221戸

272戸

240戸

205戸

216戸

貸家

427戸

561戸

324戸

362戸

273戸

333戸

193戸

540戸

259戸

268戸

給与住宅

2戸

2戸

20戸

0戸

0戸

6戸

0戸

2戸

1戸

24戸

分譲住宅

1,088戸

872戸

371戸

733戸

326戸

430戸

506戸

592戸

437戸

286戸

総計

1,722戸

1,664戸

899戸

1,307戸

786戸

990戸

971戸

1,374戸

902戸

794戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都国分寺市の不動産価格。築浅中古マンションが大きく値上がり

国分寺市の新築マンションは、5,000~6,000万円台が中心で、㎡単価はエリアにより80~120万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均6,983万円(110.1万円/㎡)、築15~25年で平均4,651万円(72.7万円/㎡)、築25年超で平均3,114万円(49.9万円/㎡)前後が相場です。国分寺駅前のタワーマンションが、中古で流通し始めたことにより、築浅の相場が大きく上がっていますが、一般的な物件であれば3,000~5,000万円台でも探すことができます。

一戸建については、新築が5,580万円、中古は築15年以内で平均5,892万円、築25年以内で5,439万円、築25年超は4,043万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均42.8万円/㎡、徒歩20分以内なら34.4万円/㎡、徒歩20分超で30.1万円/㎡となっています。

 

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

12,480万円

1,900万円

6,983万円

90㎡

25㎡

63㎡

110.1万円

築15~25年

8,480万円

1,450万円

4,651万円

114㎡

20㎡

66㎡

72.7万円

築25年 超

10,100万円

590万円

3,114万円

100㎡

15㎡

60㎡

49.9万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

8,249万円

3,580万円

5,580万円

164㎡

52㎡

106㎡

122㎡

53㎡

92㎡

築15年以内

12,980万円

4,180万円

5,892万円

199㎡

40㎡

120㎡

173㎡

66㎡

93㎡

築15~25年

18,800万円

2,677万円

5,439万円

263㎡

79㎡

126㎡

315㎡

63㎡

102㎡

築25年 超

9,300万円

1,250万円

4,043万円

228㎡

49㎡

119㎡

173㎡

44㎡

97㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

24,980万円

1,580万円

7,061万円

685㎡

58㎡

169㎡

42.8万円

徒歩10分~20分

15,880万円

1,780万円

5,910万円

434㎡

82㎡

172㎡

34.4万円

徒歩20分超・バス

15,800万円

2,380万円

5,327万円

377㎡

75㎡

174㎡

30.1万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2025年1月のデータをもとに集計

 

3.国分寺市の待機児童数は24人。都心にも多摩エリアにも通学しやすい

国分寺市には、10校の公立小学校、5校の公立中学校、1校の公立高校と2校の私立高校があります。大学は、市内に東京経済大学、隣市の国立市には一橋大学、小金井市には東京学芸大学のキャンパスもあり、学生が多く住む街でもあります。都心にも多摩エリアにも通学しやすい環境です。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 

公立

私立

幼稚園・保育園・認定こども園等

3施設

50施設

小学校

10校

1校

中学校

5校

1校

高等学校

1校

2校

大学・短大

0校

1校

 

3-2. 待機児童数(2024年4月現在)

 

待機児童数(国基準)

24人

 

国分寺市の待機児童数は24人で、東京都ワースト5位となっています。小さなお子様がいる方は、念の為市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

4.東京都国分寺市の住まい探しは、中央線沿線のどの駅を選ぶかがポイント

国分寺市は多摩地域の中央部に位置する市です。都心までのアクセスがよく利便性の高い街であると同時に、奈良時代に聖武天皇が建立させた武蔵国分寺の史跡が残るなど、歴史ある街でもあります。

中心駅の国分寺駅は、JR中央線の特快・快速など特急以外すべての列車が停車し、通勤特快を利用すれば新宿駅まではわずか一駅20分、東京駅まで約35分とアクセスは抜群です。また隣駅の西国分寺駅からJR武蔵野線を使えば埼玉方面へのアクセスにも便利です。

2018年には駅北口の再開発とともに高層マンションや公共施設なども入る駅直結の複合施設「ミーツ国分寺」がオープン。南口にも「セレオ国分寺」、「国分寺マルイ」といった複合施設をはじめ、マルエツ、西友、オーケーといった庶民的なスーパーから、北野エース、成城石井、クイーンズ伊勢丹などちょっと高級志向のスーパーまで、駅周辺はとても多くのお店や飲食店で賑わっています。吉祥寺や立川などにも近いので、日常の買い物から贈答品などまで買い物に困ることはありません。

 

■国分寺マルイ

出典:国分寺マルイ公式サイト

 

一方で、駅から少し離れると「武蔵野国分寺公園」、「国分寺公園」などの公園や、名水百選にも選ばれた「真姿の池湧水群」、清流沿いの遊歩道「お鷹の道」など、武蔵野の風情あふれる自然が残っており、周辺には落ち着いた住宅地が広がっています。

 

■お鷹の道

出典:国分寺市ホームページ

 

このように、都市の利便性と自然・歴史がほどよくミックスした国分寺市での住まい探しは、どの駅を選ぶかからスタートしてみてはいかがでしょうか。

国分寺市にはJR中央線、西武国分寺線、西武多摩湖線の3路線が乗り入れていますが、メインとなるのは中央線です。中心駅の国分寺駅は新宿・東京方面へのアクセスがもっともよく、駅前の商業施設なども充実しています。マンション・一戸建ともに流通量も多いので、利便性を最優先したい方、マンションをご希望の方は、まず国分寺駅からスタートしてみるとよいでしょう。ただし相場は市内でもっとも高くなります。

隣の西国分寺駅は、国分寺駅に比べると少し地味なイメージになりますが、駅前には「にしこくマイン」や「LEGA」などの複合施設があり、東武ストアやオーケーなどのスーパーもあります。また2025年1月には、西国分寺駅前に市役所の新庁舎が完成し、ますます便利になっています。東京方面よりも埼玉方面へのお出かけが多い方は、武蔵野線が使える西国分寺駅からスタートしてみるのもよいと思います。駅周辺にはマンションもありますが、駅に近いエリアにも一戸建の住宅地が形成されており、一戸建メインで探したい方、予算を抑えて探したい方などは、恋ヶ窪駅(西武国分寺線)と合わせて検討してみましょう。

さらに隣駅の国立駅は国立市に属していますが、駅の北側エリアは国分寺市になります。国立駅は北口・南口ともに、閑静な一戸建の住宅地が広がっており、市のシンボルでもある「大学通り」のある南口エリアは、高級住宅地としても知られています。また国立市は文教地区に指定されているため繁華街がなく、街全体が落ち着いた雰囲気でおしゃれなお店なども多くあります。国分寺市と国立市と横断的に探してみるとよいでしょう。

 

■国立駅前の大学通り(国立市)

吉祥寺や立川のような華やかさはないものの、中央特快の停車駅で都心へのアクセスは抜群。治安もよく落ち着いた街並みの国分寺市。大きな公園や史跡など休日のお出かけスポットも多い街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか 。

 

 

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