新宿まで20分。武蔵野の歴史と自然が残る東京都国分寺市の魅力と不動産市況

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国分寺市は、多摩地域の中部に位置する市で、東京都のちょうど真ん中にあたるため「東京の重心」などとも呼ばれています。奈良時代に聖武天皇の国分寺建立が市名の由来となっている歴史ある街ですが、現在では都心へのアクセスのよい落ち着いたベッドタウンとして人気が高く、人口が増え続けている街でもあります。

目次

1.国分寺市の人口は10年で8%増、世帯数は13%増

そんな国分寺市の人口は、約13万人、世帯数は約6万3,000世帯です。最近10年間の人口は、8%増、世帯数は13%増となっています。年間の転入出者数は転入者が約660人上回っており、順調に人口が増加しています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口 128,238人
世帯数 63,479世帯

1-2.人口・世帯数の推移

  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 118,697 119,379 119,940 120,656 121,673 123,689 125,170 126,862 127,792 128,238
世帯数 56,351 56,960 57,511 58,019 58,844 60,111 61,163 62,339 62,992 63,479

※各年 1月1日現在(国分寺市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 8,202人
転出者数 7,536人

※出典:2022年 人口移動報告(総務省)

2.東京都国分寺市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり約38~44万円台。直近10年で約13%上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。国分寺市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約38~44万円台となっており、最近10年間は上昇傾向が続き、10年で約13%の上昇となっています。(公示地価ベース)

■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

国分寺市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2022年) 385,130円
基準地価(2022年) 444,636円

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
公示

 

地価

340,166円 354,285円 358,857円 358,217円 364,173円 371,130円 379,043円 383,826円 379,608円 385,130円
基準

 

地価

397,000円 401,363円 407,818円 413,545円 420,090円 432,727円 439,363円 431,909円 434,818円 444,636円

マップでご覧いただけるように、国分寺市で地価が高いのはJR中央線と西武鉄道のクロスターミナルである国分寺駅と、JR中央線と武蔵野線が乗り入れる西国分寺駅の周辺エリアで、35~40万円/㎡前後。市の西側では国立駅が最寄りとなるエリアもありますが、相場はそれほど変わりません。西武線の恋ヶ窪駅周辺や、駅から離れた住宅地では、20~30万円/㎡程度まで相場が下がりますので、駅前の商業エリアなどを除けば比較的リーズナブルと言えるのではないでしょうか。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,400戸。注文住宅は少なく、分譲住宅が4割以上を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。国分寺市で2022年中に新築された建物は1,374戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が18%、貸家(賃貸住宅)が39%、分譲住宅が43%と、分譲住宅と賃貸がそれぞれ約4割を占め、注文住宅の比率は2割以下となっています。分譲住宅は、一戸建が465戸(79%)、マンションが127戸(21%)と一戸建の比率が高くなりますが、マンションも年100戸程度は供給されています。

 

■国分寺市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家

240戸

貸家

540戸

給与住宅

2戸

分譲住宅

592戸

1,374戸

 

2-3.国分寺市の住宅着工数は10年間で19%増。分譲住宅の伸びが大きい

国分寺市の住宅着工数は最近10年間でプラス19%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス6%、賃貸住宅がプラス27%、分譲住宅がプラス31%と、注文住宅が減少する一方で分譲住宅が伸びています。分譲マンションは年によるバラツキが大きいですが、一戸建は300~500戸安定して供給されており、コロナ禍にあった2021~2022年も数を伸ばしています。

 

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 254戸 209戸 205戸 229戸 184戸 212戸 187戸 221戸 272戸 240戸
貸家 425戸 356戸 427戸 561戸 324戸 362戸 273戸 333戸 193戸 540戸
給与住宅 19戸 2戸 2戸 2戸 20戸 0戸 0戸 6戸 0戸 2戸
分譲住宅 453戸 430戸 1,088戸 872戸 371戸 733戸 326戸 430戸 506戸 592戸
総計 1,151戸 997戸 1,722戸 1,664戸 899戸 1,307戸 786戸 990戸 971戸 1,374戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都国分寺市の不動産価格。新築は5,000~6,000万円台が相場

国分寺市の新築マンションは、4,000万円台後半~7,000万円台まで幅広く供給されており、㎡単価は80万円前後が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均5,482万円(80.3万円/㎡)、築15~25年で平均4,427万円(74.2万円/㎡)、築25年超で平均2,547万円(47.1万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築が5,979万円、中古は築15年以内で平均7,495万円、築25年以内で5,292万円、築25年超は4,974万円となっています。一戸建は中古物件の方が、土地面積が広いため価格が高くなっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均37.9万円/㎡、徒歩20分以内なら33.4万円/㎡、徒歩20分超で30.3万円/㎡となっています。

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 29,800万円 1,300万円 5,482万円 120㎡ 22㎡ 64㎡ 80.3万円
築15~25年 5,980万円 2,080万円 4,427万円 81㎡ 22㎡ 62㎡ 74.2万円
築25年 超 5,980万円 250万円 2,547万円 89㎡ 13㎡ 53㎡ 47.1万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 7,980万円 3,780万円 5,979万円 155㎡ 66㎡ 111㎡ 112㎡ 53㎡ 94㎡
築15年以内 12,980万円 3,990万円 7,495万円 344㎡ 99㎡ 174㎡ 245㎡ 91㎡ 131㎡
築15~25年 9,500万円 3,590万円 5,292万円 379㎡ 91㎡ 156㎡ 162㎡ 73㎡ 107㎡
築25年 超 9,480万円 1,000万円 4,974万円 270㎡ 53㎡ 125㎡ 227㎡ 49㎡ 95㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 18,800万円 980万円 7,033万円 378㎡ 24㎡ 185㎡ 37.9万円
徒歩10分~20分 13,800万円 2,555万円 5,171万円 363㎡ 62㎡ 163㎡ 33.4万円
徒歩20分超・バス 4,480万円 3,980万円 4,310万円 230㎡ 115㎡ 156㎡ 30.3万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年1月のデータをもとに集計

 

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3.国分寺市の待機児童は都内ワースト2位。大学は都心にも多摩エリアにも通学しやすい

国分寺市には、10校の公立小学校、5校の公立中学校、1校の公立高校と2校の私立高校があります。大学は、市内に東京経済大学、隣市の国立市には一橋大学、小金井市には東京学芸大学のキャンパスもあり、学生が多く住む街でもあります。また都心にも多摩エリアにも通学しやすい環境です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

  公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 3施設 46施設
小学校 10校 1校
中学校 5校 1校
高等学校 1校 2校
大学・短大 0校 1校

3-2.待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準) 25人

国分寺市の待機児童数は25人で、都内では町田市に次ぐワースト2位となっています。小さなお子様がいる方は念のため市役所等に確認してみるとよいでしょう。

4.東京都国分寺市の住まい探しは、中央線沿線のどの駅を選ぶかがポイント

国分寺市は多摩地域の中央部に位置する市です。都心までのアクセスがよく利便性の高い街であると同時に、奈良時代に聖武天皇が建立させた武蔵国分寺の史跡が残るなど、歴史ある街でもあります。
中心駅の国分寺駅は、JR中央線の特快・快速など特急以外すべての列車が停車し、通勤特快を利用すれば新宿駅まではわずか一駅20分、東京駅まで約35分とアクセスは抜群です。また隣駅の西国分寺駅からJR武蔵野線を使えば埼玉方面へのアクセスにも便利です。
2018年には駅北口の再開発とともに高層マンションや公共施設なども入る駅直結の複合施設「ミーツ国分寺」がオープン。南口にも「セレオ国分寺」、「国分寺マルイ」といった複合施設をはじめ、マルエツや西友などの庶民的なスーパーから、北野エース、成城石井、クイーンズ伊勢丹などちょっと高級志向のスーパーまで、駅周辺はとても多くのお店や飲食店で賑わっています。吉祥寺や立川などにも近いので、日常の買い物から贈答品などまで買い物に困ることはありません。

■国分寺マルイ

出典:国分寺マルイ公式サイト

一方で、駅から少し離れると「武蔵野国分寺公園」、「国分寺公園」などの公園や、名水百選にも選ばれた「真姿の池湧水群」、清流沿いの遊歩道「お鷹の道」など、武蔵野の風情あふれる自然が残っており、周辺には落ち着いた住宅地が広がっています。

■お鷹の道

出典:国分寺市ホームページ

このように、都市の利便性と自然・歴史がほどよくミックスした国分寺市での住まい探しは、どの駅を選ぶかからスタートしてみてはいかがでしょうか。
国分寺市にはJR中央線、西武国分寺線、西武多摩湖線の3路線が乗り入れていますが、メインとなるのは中央線です。中心駅の国分寺駅は新宿・東京方面へのアクセスがもっともよく、駅前の商業施設なども充実しています。マンション・一戸建ともに流通量も多いので、利便性を最優先したい方、マンションをご希望の方は、まず国分寺駅からスタートしてみるとよいでしょう。ただし相場は市内でもっとも高くなります。
隣の西国分寺駅は、国分寺駅に比べると少し地味なイメージになりますが、駅前には「LEGA」という複合施設があり、東武ストアやオーケーストアなどのスーパーもあります。東京方面よりも埼玉方面へのお出かけが多い方は、武蔵野線が使える西国分寺駅からスタートしてみてはいかがでしょうか。駅周辺にはマンションもありますが、駅に近いエリアにも一戸建の住宅地が形成されており、一戸建メインで探したい方、予算を抑えて探したい方などは、恋ヶ窪駅(西武国分寺線)と合わせて検討してみるとよいと思います。
さらに隣駅の国立駅は国立市に属していますが、駅の北側エリアは国分寺市になります。国立駅は北口・南口ともに、閑静な一戸建の住宅地が広がっており、市のシンボルでもある「大学通り」のある南口エリアは、高級住宅地としても知られています。また国立市は文教地区に指定されているため繁華街がなく、街全体が落ち着いた雰囲気でおしゃれなお店なども多くあります。国分寺市と国立市と横断的に探してみるとよいでしょう。

■国立駅前の大学通り(国立市)

吉祥寺や立川のような華やかさはないものの、中央特快の停車駅で都心へのアクセスは抜群。治安もよく落ち着いた街並みの国分寺市。大きな公園や史跡など休日のお出かけスポットも多い街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか 。

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