日野市は都心から約35キロに位置し、八王子と立川という多摩の主要都市に隣接する街です。古くは甲州街道の宿場町として栄え、現在は都心に通勤する方のベッドタウンとして発展しています。都心までは約30分という利便性と、多摩の豊かな自然が融合する魅力的な街で、子育てファミリーの人気が高まっています。
目次
1.日野市の人口は4%増、世帯数は11%増
そんな日野市の人口は、約19万人、世帯数は約9万世帯。最近10年間の人口は4%増、世帯数は11%増となっています。また年間の転入出者数は、転入者が約800人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)
人口 |
187,494人 |
世帯数 |
93,257世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
人口 |
180,975 |
182,765 |
183,589 |
184,667 |
185,393 |
186,346 |
187,027 |
187,304 |
187,254 |
187,494 |
世帯数 |
84,008 |
85,408 |
86,257 |
87,444 |
88,402 |
89,585 |
90,870 |
91,736 |
92,594 |
93,257 |
※各年1月1日現在(日野市ホームページ)
1-3.転入・転出(2023年中)
転入者数 |
9,261人 |
転出者数 |
8,473人 |
※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)
2.東京都日野市の不動産情報
2-1. 土地の価格は㎡あたり約22~23万円。直近10年間で11%上昇
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。日野市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては約22~23万円/㎡で、直近10年間は緩やかな上昇が続いていましたが、2023年から上昇が加速しており、10年間の上昇率は11%となっています(基準地価ベース)。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
日野市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2024年) |
234,936円 |
基準地価(2024年) |
221,526円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
公示 地価 |
206,500円 |
207,511円 |
209,782円 |
213,239円 |
216,586円 |
218,630円 |
216,217円 |
216,456円 |
228,086円 |
234,936円 |
基準 地価 |
208,368円 |
210,315円 |
212,789円 |
216,157円 |
217,368円 |
212,947円 |
212,000円 |
214,473円 |
221,526円 |
231,473円 |
マップでご覧いただけるように、市内にはJR中央線と京王線、多摩都市モノレールが走っており、中央線沿線の日野駅、豊田駅周辺エリアでは25~30万円/㎡前後、京王線・多摩都市モノレールの高幡不動駅の周辺エリアでは20万円台前半/㎡くらいが相場となります。その他の駅、また駅から離れたエリアでは10~20万円/㎡前後の地点も見られます。
2-2.新設住宅着工戸数は、約1,300戸。全体の4割以上が賃貸住宅
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。日野市で2023年中に新築された建物は1,284
戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が20%、貸家(賃貸住宅)が46%、分譲住宅が34%と、学生が多い多摩エリアらしく賃貸住宅が全体の4割を超えています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が383戸(89%)、マンションが49戸(11%)と、一戸建中心のエリアとなっており、マンションは年に数十戸~200戸くらいが平均となります(2018年は例外的に800戸ほどの供給)。
■日野市の新設住宅着工戸数(2023年)
持ち家 |
255戸 |
貸家 |
596戸 |
給与住宅 |
1戸 |
分譲住宅 |
432戸 |
計 |
1,284戸 |
2-3.日野市の住宅着工数はほぼ横ばい。分譲住宅の戸数は新築マンションに左右される
日野市の住宅着工数は最近10年間でマイナス1%とほぼ横ばいです。内訳としては、注文住宅がマイナス1%、分譲住宅がマイナス28%、賃貸住宅がプラス38%と、分譲住宅が減少していますが、前述の通り新築マンションの供給に左右されやすい一方、一戸建は年300~400戸ほど安定して供給されています。
日野市の新設着工戸数
|
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
持ち家 |
258戸 |
317戸 |
301戸 |
326戸 |
321戸 |
322戸 |
257戸 |
289戸 |
345戸 |
255戸 |
貸家 |
433戸 |
541戸 |
616戸 |
495戸 |
758戸 |
525戸 |
638戸 |
305戸 |
457戸 |
596戸 |
給与住宅 |
0戸 |
1戸 |
3戸 |
84戸 |
1戸 |
8戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
1戸 |
分譲住宅 |
603戸 |
584戸 |
474戸 |
521戸 |
1,333戸 |
600戸 |
393戸 |
541戸 |
606戸 |
432戸 |
総計 |
1,294戸 |
1,443戸 |
1,394戸 |
1,426戸 |
2,413戸 |
1,455戸 |
1,288戸 |
1,135戸 |
1,408戸 |
1,284戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.東京都日野市の不動産価格。新築は4,000~5,000万円台が中心
日野市の新築マンションは、4,000~5,000万円台が中心で、㎡単価は60~70万円台が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均4,066万円(67.0万円/㎡)、築15~25年で平均3,613万円(47.3万円/㎡)、築25年超で平均1,589万円(28.6万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築で4,692万円、中古は築15年以内で平均4,493万円、築25年以内で3,594万円、築25年超は3,032万円となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均24.1万円/㎡、徒歩20分以内なら23.3万円/㎡、徒歩20分超で19.1万円/㎡となっています。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
築15年以内 |
6,280万円 |
1,800万円 |
4,066万円 |
77㎡ |
23㎡ |
62㎡ |
67.0万円 |
築15~25年 |
4,980万円 |
1,530万円 |
3,613万円 |
126㎡ |
27㎡ |
78㎡ |
47.3万円 |
築25年 超 |
3,280万円 |
330万円 |
1,589万円 |
102㎡ |
15㎡ |
55㎡ |
28.6万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
|
新築 |
6,580万円 |
2,850万円 |
4,692万円 |
221㎡ |
66㎡ |
118㎡ |
145㎡ |
54㎡ |
93㎡ |
築15年以内 |
14,880万円 |
2,680万円 |
4,493万円 |
294㎡ |
81㎡ |
132㎡ |
236㎡ |
65㎡ |
99㎡ |
築15~25年 |
6,980万円 |
1,700万円 |
3,594万円 |
271㎡ |
81㎡ |
146㎡ |
178㎡ |
47㎡ |
94㎡ |
築25年 超 |
9,800万円 |
600万円 |
3,032万円 |
397㎡ |
42㎡ |
149㎡ |
236㎡ |
48㎡ |
106㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
徒歩10分以内 |
8,990万円 |
800万円 |
3,529万円 |
2,238㎡ |
27㎡ |
184㎡ |
24.1万円 |
徒歩10分~20分 |
17,000万円 |
200万円 |
3,769万円 |
734㎡ |
66㎡ |
187㎡ |
23.3万円 |
徒歩20分超・バス |
7,000万円 |
1,780万円 |
2,954万円 |
393㎡ |
79㎡ |
161㎡ |
19.1万円 |
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年9月のデータをもとに集計
~東京都日野市の物件を見る~
3.日野市の待機児童数は26人。周辺に多くの大学があるが、都心への通学も可能
日野市には、17校の公立小学校、8校の公立中学校、3校の公立高校があります。市内には明星大学、東京都立大学、実践女子大学などのキャンパスがありますが、八王子市など隣接エリアにも多くの大学があります。もちろん都心部への通学も可能で、教育環境としてはとてもよいといえるでしょう。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
|
公立 |
私立 |
幼稚園・保育園・認定こども園等 |
12施設 |
64施設 |
小学校 |
17校 |
0校 |
中学校 |
8校 |
0校 |
高等学校 |
3校 |
0校 |
大学・短大 |
1校 |
3校 |
3-2. 待機児童数(2024年4月現在)
待機児童数(国基準) |
26人 |
日野市の2024年4月現在の待機児童数は26人でした。前年の33人から減少していますが、小さなお子様がいる方は、念の為市役所等に確認してみるとよいでしょう。
4.東京都日野市の住まい探しは、日野、豊田、高幡不動の3駅を中心に検討を進めよう
日野市は都心から約35キロ、府中市と八王子市に挟まれた、東京都のほぼ真ん中に位置する街で、かつては甲州街道の宿場町として栄え、現在は都心で働く人たちのベッドタウンとして発展を続けています。北部には多摩川、中央部に浅川が流れる自然豊かな街で、新選組の副長として活躍した土方歳三が生まれ育った地としても知られています。
市内にはJR中央線や京王線、多摩モノレールなど12の駅があり、都心部へのアクセスは抜群です。JR日野駅や豊田駅から新宿駅までは乗り換えなしで約30分、東京駅へも45分。新宿駅で乗り換えれば、池袋や渋谷など都心の主要駅にも40~60分ほどでアクセスできます。また京王線の高幡不動駅からは、特急利用で新宿まで約34分。さらに、多摩エリアの主要駅、八王子駅や立川駅にも10分以内と、移動や買い物にとても便利な街です。
出典:日野市ホームページ
市内には、日野市のシンボルとも言える関東三大不動のひとつ「高幡不動尊」や、「多摩動物公園」、「多摩丘陵自然公園」といった自然公園が多数あります。多くの施設が駅から徒歩で行けるのも魅力で、多摩の大自然と歴史を肌で感じながら暮らせるのが大きな魅力です。
出典:高幡不動尊金剛寺 公式サイト
そんな日野市での住まい探しは、豊田、日野、高幡不動の主要3駅を比較検討してみましょう。
JR中央線の豊田駅周辺のエリアは、駅から徒歩3分に大型商業施設「イオンモール多摩平の森」があり、イオンのほか約110もの専門店が入っています。また、豊田駅は中央線の始発駅なので、毎日座って通勤できるのも大きな魅力です。
駅周辺にはマンション、少し離れると一戸建を中心とした住宅地が形成されており、新築・中古とも流通量は豊富です。車を持たずに生活できる、利便性が高く物件の選択肢も多いエリアです。
■イオンモール多摩平の森
出典:イオンモール公式サイト
日野駅周辺エリアは、大きなショッピングモールがないため、豊田駅と比べるとやや賑やかさには欠けますが、その分落ち着いた雰囲気があり、駅近から低層の住宅地が広がっているので、一戸建メインで検討している方にはよいと思います。
駅周辺にはいなげや、イオンフードスタイルなどのスーパーが点在しているので、日々の買い物に困ることはありませんし、ルミネ、高島屋、伊勢丹など多くの商業施設がある立川駅まで1駅ですので、むしろ豊田駅よりも便利かも知れません。
高幡不動駅は、京王線と多摩モノレールが乗り入れるターミナルで、特急を利用すれば新宿までわずか8駅・34分でアクセスできます。また、通勤時間帯には、座席指定列車「京王ライナー」も運行されていますので、ゆっくり座って通勤することもできます。
駅には京王ストア、書店、ドラッグストア、飲食店などが入る複合施設「京王高幡ショッピングセンター」があるので買い物にも便利。また徒歩圏に「高幡不動尊」、「多摩丘陵自然公園」など自然豊かな寺院や公園などが点在しており、3駅の中ではもっとも自然を感じられるエリアです。京王線をメインに利用したい方、モノレールを使って立川や多摩センターへアクセスしたい方などにはおすすめです。
日野市での物件探しは、この3駅を中心にエリア選びを進めながら、要望や予算に合わせて、モノレール沿線や他の駅に広げていくとよいと思います。
日野市は、立川や八王子などと異なり大きな繁華街がなく治安がよいので、小さな子どものいる方、騒がしいのが苦手な方などにもおすすめの街です。また多摩エリアには学校が多く、教育環境がよいことも子育てファミリーにとっては大きな魅力と言えるでしょう。
多摩の大自然の囲まれながら落ち着いて暮らせるファミリー世帯に人気の街、日野市。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか?