青梅市は東京都西部に位置する西多摩地域最大の市で、立川市、八王子市、多摩市と共に東京多摩地域の業務核都市の一つに指定されています。JR青梅線の青梅駅周辺は、かつて青梅街道の宿場町として栄えたエリアですが、現在は市東部の河辺駅周辺に良好な住宅地・商業地が形成されており街の中心となっています。市の北部・西部は丘陵や山地となっており、都内から日帰り登山やハイキングができる行楽地、また日本の市民マラソンの先駆けとも言える「青梅マラソンの開催地」としても有名な街です。
目次
1.青梅市の人口は5%減、世帯数は10年で9%増
そんな青梅市の人口は、約13万人、世帯数は約6万4,000世帯。最近10年間の人口は5%減、世帯数は6%増となっています。年間の転入出者数は、約250人転入が上回っています。
1-1.人口・世帯数(2022/1/1 現在)
人口 | 131,124人 |
世帯数 | 64,324世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
1-3.転入・転出(2021年中)
転入者数 | 4,394人 |
転出者数 | 4,141人 |
※出典:2021年人口移動報告(総務省)
2.東京都青梅市の不動産情報
2-1.土地の価格は㎡あたり10万円前後。最近10年はほぼ横ばい
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。青梅市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり10万円前後で、最近10年間は、上下の動きはあるもののほぼ横ばいとなっています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
青梅市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2022年) | 103,828円 |
基準地価(2021年) | 101,263円 |
マップでご覧いただけるように、青梅市で地価が高いエリアは、JR青梅線の小作駅(羽村市)~河辺駅周辺の住宅地で、13~16万円/㎡前後、東青梅駅以西のエリアでは10~12万円/㎡前後となります。多摩川を超えたエリアでは10万円を切る地点も点在しています。
2-2.東京都青梅市の新設住宅着工は約650戸。注文住宅と分譲一戸建がメインのエリア
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。東京都青梅市で2021年中に新築された建物は649戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が34%、貸家(賃貸住宅)が37%、分譲住宅が29%と、バランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としてはすべて一戸建で2014年以来、新築マンションの供給はありません。
■青梅市の新設住宅着工戸数(2021年)
持ち家 | 222戸 |
貸家 | 237戸 |
給与住宅 | 3戸 |
分譲住宅 | 187戸 |
計 | 649戸 |
2-3.青梅市の住宅着工数は10年間ほぼ横ばい
青梅市の住宅着工数は最近10年間でほぼ横ばいとなっています。内訳としては、注文住宅がマイナス7%、分譲住宅がマイナス30%、賃貸住宅がプラス63%と、落ち込んだ分譲住宅を賃貸がカバーする形となっています。分譲一戸建は2021年にコロナの影響で一時的に減少していますが、例年200~300戸安定して供給されています。
2-4.東京都青梅市の不動産相場は2,000万円台後半~3,000万円台とリーズナブル
青梅市の新築マンションは、ほとんど供給がなく、マンションは中古を中心に探すことになります。相場としては、築15年以内で平均2,745万円(39.8万円/㎡)、築15~25年で平均2,052万円(30.9万円/㎡)、築25年超で平均1,028万円(20.2万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築で3,365万円、中古は築15年以内で平均3,249万円、築25年以内で2,289万円、築25年超は1,810万円となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均7.0万円/㎡、徒歩20分以内なら8.5万円/㎡、徒歩20分超で6.7万円/㎡となっています。青梅線は住宅地が形成されている小作駅や河辺駅と、それ以外のエリアで大きく相場が異なるので注意しましょう。
~東京都青梅市の物件を見る~
3. 東京都青梅市の待機児童2人。多摩エリアや都心への通学も可能
青梅市には、17校の公立小学校、11校の公立中学校、2校の公立高校があります。大学は市内に明星大学青梅キャンパスがありますが、大学の多い多摩エリアにも近く、都心部への通学も可能です。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 0施設 | 49施設 |
小学校 | 17校 | 0校 |
中学校 | 11校 | 0校 |
高等学校 | 2校 | 0校 |
大学・短大 | 0校 | 1校 |
3-2. 待機児童数(2021年4月現在)
待機児童数(国基準) | 2人 |
青梅市の2021年4月現在の待機児童数は2人で、昨年の4人から2人減少しました。
待機児童ゼロは達成できていないものの、それほど心配することはなさそうです。
4.東京都青梅市の住まい探しは市の東側を中心に。小作駅~河辺駅からスタートしてみよう
青梅市は東京都心から西へ約50kmに位置し、東京都で4番目の広さをもつ西多摩エリア最大の街です。市域の3分の2は丘陵や山林で、市の東側に広がる平地に市街地が形成されています。市内にはJR青梅線が東西に走っており、立川から奥多摩エリアまでを繋いでいます。もともとの中心地は青梅街道の宿場町とした栄えた青梅駅周辺でしたが、現在では河辺駅や隣接する羽村市の小作駅周辺に商業施設などが集積し、良好な住宅地が形成されています。
一方、青梅駅から西に進むと奥多摩の大自然が広がっており、名峰・御岳山をはじめとする山々でのハイキングやキャンプ、渓谷での釣りやラフティングなど、東京とは思えないほどの雄大な自然とアクティビティが楽しめます。
■大自然が広がる御岳山ハイキングコース
出典:青梅市観光協会
JR青梅線で、河辺駅から立川駅までは約25分、新宿まで約55分、東京駅までは約1時間10分程度(特快利用)と、やや時間はかかりますが都心への通勤・通学も可能です。また青梅駅・河辺駅は始発駅となっているため、ゆっくり座って通勤できるのも大きな魅力と言えるでしょう。買い物などの利便性は駅によって大きく変わりますが、河辺駅や青梅駅などでは駅前の商業施設や地域のスーパーが充実していますので不便を感じることはありません。青梅駅以西のエリアでは、お店の数が少なくなるので、車での生活を前提に検討を進めてみましょう。
そして青梅市のもうひとつの魅力は「子育て支援」です。青梅市は、日経xwoman(クロスウーマン)が発表した「共働き子育てしやすい街ランキング2021」で、全国8位(東京都では2位)にランクインしており、前年の全国9位(東京都6位)から、さらに順位を上げての2年連続トップ10入りを果たしています。青梅市の「子育て支援」が高く評価されたポイントは以下の通りです。
青梅市での住まい探しは、JR青梅線の河辺駅~小作駅からスタートしてみてはいかがでしょうか。
市内ではもっとも開発が進んだエリアで、マンション・一戸建ともに多くの物件が流通しています。2007年には河辺駅北口前の再開発により、駅前のペデストリアンデッキが整備され、河辺タウンビルがオープンしました。ビルA棟にはイオンスタイルをはじめとする各種専門店や飲食店が入っています。またB棟には温泉施設「梅の湯」や青梅市中央図書館などが入っており、市外からの行楽客なども多く訪れる人気スポットとなっています。
■河辺タウンビル(A棟)
出典:Wikipedia
河辺駅~小作駅エリアで希望の物件が見つからない場合には、東青梅駅~青梅駅エリアまで範囲を広げてみましょう。
このエリアは、マンションは少ないですが、JRの南側に一戸建メインの住宅地が広がっています。相場もやや下がるので、広めの一戸建を希望される方にはよい選択肢になると思います。
最後に青梅駅エリアのトピックとしては、2021年04月に認可された「青梅駅前地区市街地再開発」事業です。
都の資料によれば、「『子育て世代から高齢者まで、みんなが健やかに暮らせるまち』をコンセプトに、子育て世代の定住促進に寄与するファミリー向け住戸を中心とした良質な都市型住宅を整備する」としています。具体的には青梅駅の南側エリア、約0.5ヘクタールを再開発し、13階建のビルを建設する予定で、1階は商業施設、2階は公益施設、3〜13階はマンションとなる予定です。また駅周辺には、人々の憩いや交流の場となる滞留空間を整備し、青梅駅前から旧青梅街道まで連続するにぎわいの形成を図るとしています。整備完成は2年後の2024年、これをきっかけにレトロ感が漂う青梅駅前の風景は一変するかも知れません。今後の発展が楽しみなエリアです。
■青梅駅前再開発イメージパース
出典:青梅駅前地区 市街地再開発事業「計画概要」(東京都)
都心まで約1時間の通勤圏でありながら奥多摩の雄大な自然に恵まれ、全国トップクラスの子育て支援を誇る青梅市。平日は都心に通勤、休日はアウトドアと、郊外暮らしを存分に楽しめそうな街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。
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