泉区は横浜市の南西部に位置し、藤沢市、大和市などと接する街で、持ち家率・一戸建率が横浜市1位となっています。区内には相鉄いずみ野線と横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れていますが、相鉄線の都心乗り入れにより、利便性が格段に向上し、ファミリー世帯の人気が急上昇しています。
目次
1.横浜市泉区の人口は3%減、世帯数は6%増
そんな泉区の人口は、約15万人、世帯数は約7万1,000世帯。最近10年間の人口は3%減、世帯数は6%増となっています。年間の転入出者数は、5,700人前後でほぼ均衡しています。
1-1.人口・世帯数(2024/1/31 現在)
人口 |
151,247人 |
世帯数 |
71,269世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
人口 |
155,717 |
155,162 |
154,884 |
154,154 |
153,465 |
152,967 |
152,784 |
152,625 |
151,896 |
151,247 |
世帯数 |
67,308 |
67,701 |
68,166 |
68,363 |
68,733 |
69,256 |
69,943 |
70,524 |
70,885 |
71,269 |
※各年 1月31日現在(横浜市ホームページ)
1-3.転入・転出(2023年中)
転入者数 |
5,709人 |
転出者数 |
5,657人 |
※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)
2.横浜市泉区の不動産情報
2-1. 土地の価格は㎡あたり21~23万円台。直近10年間で約17%の上昇
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。泉区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり21~23万円前後で、最近10年間は緩やか上昇が続いていましたが、2023年ごろから上昇ペースが上がり、10年間で約17%の上昇となっています(基準地価ベース)。なお、前年からの上昇率は+4.17%、横浜市18区の中で10位となっています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
泉区全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2024年) |
213,290円 |
基準地価(2024年) |
230,416円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
公示 地価 |
195,761円 |
196,535円 |
198,064円 |
200,451円 |
202,580円 |
203,161円 |
202,741円 |
203,967円 |
210,333円 |
213,290円 |
基準 地価 |
209,583円 |
212,916円 |
216,000円 |
218,833円 |
221,000円 |
217,958円 |
219,458円 |
221,833円 |
230,416円 |
245,692円 |
マップでご覧いただけるように、相鉄いずみの線、ブルーラインともそれほど大きな価格差はありません。特急停車駅であるいずみ野駅周辺で20~25万円/㎡台くらい、ファミリー世帯に人気のブルーライン立場駅周辺でも20~25万円/㎡くらいが相場となっており、少し駅から離れると10万円台のエリアも点在しています。
2-2.新設住宅着工戸数は約1,000戸。分譲住宅が全体の4割超
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。横浜市泉区で2023年中に新築された建物は1,057戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が18%、貸家(賃貸住宅)が37%、分譲住宅が45%と、分譲住宅が全体の4割以上を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が345戸(73%)、マンションが125戸(27%)と、一戸建がメインとなっています。
■泉区の新設住宅着工戸数(2023年)
持ち家 |
192戸 |
貸家 |
395戸 |
給与住宅 |
0戸 |
分譲住宅 |
470戸 |
計 |
1,057戸 |
2-3.泉区の住宅着工数は10年間で30%増。賃貸と分譲が大きな伸び
泉区の住宅着工数は最近10年間でプラス30%と大きく伸びています。内訳としては、注文住宅がマイナス28%、分譲住宅がプラス49%、賃貸住宅がプラス72%と、注文住宅が減少する一方で、賃貸と分譲住宅が増加しています。2019年に相鉄線とJR線が直通運転を開始し、さらに2023年に東急線との直通運転が実現したことで、供給戸数も右肩上がりとなっています。
横浜市泉区の新設着工戸数
|
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
持ち家 |
266戸 |
279戸 |
223戸 |
255戸 |
222戸 |
257戸 |
242戸 |
281戸 |
247戸 |
192戸 |
貸家 |
229戸 |
296戸 |
272戸 |
329戸 |
300戸 |
410戸 |
235戸 |
339戸 |
381戸 |
395戸 |
給与住宅 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
0戸 |
1戸 |
0戸 |
分譲住宅 |
316戸 |
303戸 |
320戸 |
405戸 |
388戸 |
377戸 |
367戸 |
306戸 |
310戸 |
470戸 |
総計 |
811戸 |
878戸 |
815戸 |
989戸 |
910戸 |
1,044戸 |
844戸 |
926戸 |
939戸 |
1,057戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.横浜市泉区の不動産価格。新築住宅は4,000~5,000万円台が中心
泉区の新築マンションは4,000万円台後半~6,000万円台が中心で、㎡単価は80~90万円台が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均3,680万円(55.8万円/㎡)、築15~25年で平均3,658万円(45.5万円/㎡)、築25年超で平均3,215万円(37.6万円/㎡)前後が相場で、新築よりもかなり安い水準で流通しているようです。
一戸建については、新築で4,584万円、中古は築15年以内で平均4,220万円、築25年以内で4,276万円、築25年超は4,284万円となっています。一戸建も値上がりが続く中で4,000万円台とリーズナブルな相場となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均28.7万円/㎡、徒歩20分以内なら19.0万円/㎡、徒歩20分超で17.4万円/㎡となっています。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
築15年以内 |
4,180万円 |
3,180万円 |
3,680万円 |
73㎡ |
62㎡ |
67㎡ |
55.8万円 |
築15~25年 |
5,800万円 |
1,790万円 |
3,658万円 |
90㎡ |
70㎡ |
79㎡ |
45.5万円 |
築25年 超 |
7,400万円 |
1,180万円 |
3,215万円 |
188㎡ |
57㎡ |
85㎡ |
37.6万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
|
新築 |
7,398万円 |
2,780万円 |
4,584万円 |
191㎡ |
53㎡ |
103㎡ |
117㎡ |
51㎡ |
93㎡ |
築15年以内 |
9,970万円 |
2,690万円 |
4,220万円 |
331㎡ |
77㎡ |
124㎡ |
180㎡ |
61㎡ |
96㎡ |
築15~25年 |
10,990万円 |
1,980万円 |
4,276万円 |
298㎡ |
55㎡ |
128㎡ |
186㎡ |
56㎡ |
105㎡ |
築25年 超 |
13,000万円 |
1,430万円 |
4,284万円 |
361㎡ |
67㎡ |
162㎡ |
264㎡ |
60㎡ |
114㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
徒歩10分以内 |
11,580万円 |
1,290万円 |
4,506万円 |
1,250㎡ |
76㎡ |
192㎡ |
28.7万円 |
徒歩10分~20分 |
7,000万円 |
580万円 |
3,369万円 |
1,610㎡ |
79㎡ |
223㎡ |
19.0万円 |
徒歩20分超・バス |
6,680万円 |
480万円 |
2,911万円 |
1,970㎡ |
100㎡ |
301㎡ |
17.4万円 |
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年10月のデータをもとに集計
~神奈川県横浜市泉区の物件を見る~
3.横浜市泉区は待機児童ゼロを達成。都心への通学も十分可能
泉区には、14校の公立小学校、8校の公立中学校、3校の公立高校と1校の私立高校があります。大学は市内にフェリス女学院大学のキャンパスがありますが、都内への通学も十分可能です。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
|
公立 |
私立 |
幼稚園・保育園・認定こども園等 |
2施設 |
71施設 |
小学校 |
14校 |
0校 |
中学校 |
8校 |
0校 |
高等学校 |
3校 |
1校 |
大学・短大 |
0校 |
1校 |
3-2. 待機児童数(2024年4月現在)
待機児童数(国基準) |
0人 |
横浜市泉区は、前年に引き続き、待機児童ゼロを達成しています。
4.横浜市泉区の住まい探しは、沿線・駅選びからスタートしてみよう
泉区は横浜市の南西部に位置する区で、横浜市の中でも郊外エリアにあたります。港町横浜のイメージとは異なり、のどかな田園風景が広がる自然豊かなベッドタウンです。かつては「横浜のチベット」とも言われ、あまり注目されなかった泉区が、にわかに脚光を浴びたのが2019年にスタートした相鉄線とJR線との直通運転です。相鉄新横浜線の開業により、渋谷、目黒など都心部へのダイレクトアクセスが実現し、利便性が大きく向上しました。さらに2023年には新横浜駅への直通運転と東急東横線への直通運転が実現し、都心部のみならず新幹線へのアクセスも大幅に向上しました。相鉄線いずみ野駅からは、新横浜駅まで約20分、横浜駅まで約24分、渋谷駅まで約50分、都心の主要駅に1時間前後でアクセスすることができます。また、区内には横浜市営地下鉄ブルーラインも乗り入れています。区内にある4駅はすべて快速停車駅で、戸塚、関内、横浜などの主要駅にアクセス可能です。
こうした利便性の向上にともない、相鉄線沿線では大規模な再開発が進んでいます。中でも泉区最西端のゆめが丘駅には、2024年夏に約130のテナントや映画館、屋上広場を備えた大規模ショッピングモール「ゆめが丘ソラトス」が開業。今後、総合病院や公園などもオープンする予定となっており、暮らしやすい街へと変貌しつつあります。新築マンションや一戸建の開発も進められており、泉区で今もっとも注目されるエリアとなっています。
■ゆめが丘ソラトス
出典:相鉄グループ公式サイト
そんな泉区での住まい探しは、沿線・駅選びからスタートしてみてはいかがでしょうか?
泉区には相鉄いずみ野線、市営地下鉄ブルーラインの2路線9駅が乗り入れています。
出典:「いずみくらし」(横浜市)
相鉄いずみ野線は、全域に良好な住宅地が広がっていますが、比較的早く開発が始まった緑園都市駅~いずみ中央駅では、駅近エリアから一戸建を中心とした閑静な住宅地が形成されており、とても住環境のよいエリアです。
緑園都市から弥生台にかけては、まるで海外ドラマで見るようなおしゃれな一戸建が建ち並ぶ、街並みの美しいエリアです。また、いずみ野駅は泉区で唯一の特急停車駅で、交通アクセスを優先したい方向け。泉中央駅は区役所や横浜市泉公会堂など公共施設が集まっている便利なエリアです。
一方、ゆめが丘エリアは、まさに再開発による街づくりがスタートしたエリアで、これから住宅や商業施設などが建設される「これからの街」です。ゆめが丘駅は、緑園都市や弥生台のような「田園都市」の雰囲気と対照的に「未来都市」の雰囲気をもっており、そのユニークな外観から「関東の駅百選」に選ばれています。また地下鉄ブルーラインの下飯田駅にも近いので、2路線を利用できるのも大きなメリットと言えるでしょう。周辺にはまだ農地も多く残りますが、これからの発展が楽しみなエリアです。
■ゆめが丘駅
出典:相鉄グループ公式サイト
市営地下鉄ブルーライン沿線は、地下鉄ということもあり、駅前の商業施設などは相鉄線沿線には及びませんが、スーパー、ドラッグストアなどが数多く点在しており、日常の買い物に困ることはありません。ブルーラインは、戸塚駅でJR線と接続するため、東海道線、上野東京ライン、湘南新宿ライン、横須賀・総武線など多くの路線が利用できます。戸塚駅までは、もっとも遠い下飯田駅からでも10分弱なので、JRをメインに利用したい方にはとても便利な路線です。
沿線全域に住宅地が広がっていますが、マンションは少なく一戸建中心のエリアとなります。まずは商業施設の多い、踊場駅~立場駅の間で物件探しを進めてみましょう。
泉区は、横浜市の中でもっとも農地面積が広く、自然が豊かでのどかなエリアです。価格もリーズナブルでファミリー世帯にはおすすめの街ですが、相鉄線の都心乗り入れや再開発によって急速に人気が高まっています。価格も上昇傾向ですので、ご購入をお考えの方は、ぜひお早めに地域の不動産会社にご相談ください。