海と山に囲まれてスローライフ。神奈川県小田原市の魅力と不動産市況

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小田原市は神奈川県西部の中心都市で、戦国時代には「城下町」として発展し、江戸時代には東海道の「宿場町」として栄え、明治期には政財界人や文化人たちの「別荘地、居住地」としても愛されてきた歴史ある街です。

山や海が近く、雄大な自然と温暖な気候に恵まれた小田原市は、東海道新幹線をはじめ、JR東海道線、小田急線、伊豆箱根鉄道、箱根登山鉄道など多くの在来線も乗り入れており、住まいとしてはもちろん別荘地や観光地としても、とても人気がある街です。

目次

1.小田原市の人口は4%減、世帯数は10%増

そんな 小田原市の人口は、約18万7,000人、世帯数は約8万4,000世帯。最近10年間の人口は4%減、世帯数は5%増となっています。年間の転入出者数は転入者が約800人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口 187,166人
世帯数 83,788世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 195,958 194,818 193,944 193,245 192,116 190,999 190,022 188,709 188,025 187,166
世帯数 79,782 80,322 79,214 80,100 80,685 81,260 81,917 82,028 82,945 83,788

※各年1月1日 現在(小田原市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 7,863人
転出者数 7,102人

※出典:小田原市ホームページ

2.神奈川県小田原市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり12万円台とリーズナブル。緩やかな下落傾向

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。小田原市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり12万円台後半で、最近10年間は緩やかな下落傾向となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

小田原市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 127,076円
基準地価(2022年) 125,815円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

143,577円 142,595円 136,742円 132,402円 131,377円 130,145円 129,452円 128,046円 126,931円 127,076円
基準

地価

135,153円 134,119円 133,211円 131,303円 130,303円 129,319円 127,450円 126,500円 125,815円

マップでご覧いただけるように、小田原駅の周辺の商業地域を除けば、JR線、小田急線沿線の比較的駅に近いエリアでも10~12万円/㎡前後、少し駅から離れると10万円/㎡を切るエリアも多く、土地価格は非常にリーズナブルだと言えるでしょう。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,360戸。注文住宅と分譲住宅がバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。 小田原市で2022年中に新築された建物は1,361戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が36%、貸家(賃貸住宅)が35%、分譲住宅が29%とバランスよく供給されています。首都圏近郊の住宅地が注文住宅から分譲戸建にシフトしていく中、小田原市は比較的注文住宅の比率が高いエリアと言えそうです。これは、他のエリアと比較して地価が安いことや、セカンドハウスとしての需要など、一般の住宅地とは異なる背景があるからでしょう。また、分譲住宅の内訳としては、一戸建が335戸(84%)、マンションが65戸(16%)と、一戸建が中心となっています。

■小田原市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 491戸
貸家 469戸
給与住宅 1戸
分譲住宅 400戸
1,361戸

2-3.小田原市の住宅着工数は10年間でマイナス4%。注文住宅から分譲住宅へのシフトが鮮明

小田原市の住宅着工数は最近10年間でマイナス4%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス24%、分譲住宅がプラス26%、賃貸住宅がプラス4%と、注文住宅から分譲住宅へのシフトが進んでいます。特に、分譲一戸建は、2020年の163戸から2022年には約2倍の335戸に大きく伸びています。

小田原市の新設着工戸数

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 645戸 575戸 560戸 508戸 530戸 521戸 603戸 536戸 563戸 491戸
貸家 450戸 387戸 543戸 510戸 509戸 431戸 512戸 478戸 443戸 469戸
給与住宅 1戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 1戸 1戸
分譲住宅 318戸 286戸 217戸 242戸 285戸 238戸 186戸 394戸 257戸 400戸
総計 1,414戸 1,248戸 1,320戸 1,260戸 1,324戸 1,190戸 1,301戸 1,408戸 1,264戸 1,361戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.神奈川県小田原市の不動産価格。新築マンションが4,000万円~5,000万円台、一戸建は3,000万円台から

小田原市で販売されている新築マンションは4,000万円~5,000万円台が中心で、㎡単価は70万円くらいが相場のようです。中古マンションは、築15年以内で平均4,268万円(56.4万円/㎡)、築15~25年で平均2,851万円(40.2万円/㎡)、築25年超で平均1,202万円(19.7万円/㎡)前後が相場です。

一戸建については、新築で3,184万円、中古は築15年以内で平均3,502万円、築15年~25年で2,833万円、築25年超で3,516万円となっています。築25年超の相場が高くなっているのは、平均土地面積が約100㎡広いためです。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均10.7万円/㎡、徒歩20分以内なら9.3万円/㎡、徒歩20分を超は平均8.1万円/㎡となっています。

都心の価格高騰を背景に、小田原市でも新築~築浅のマンションは大きく値上がりしています。一戸建も、マンションほどではないものの上昇傾向ですので、検討は少し急いだ方がよいかも知れません。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 6,850万円 2,490万円 4,268万円 82㎡ 67㎡ 75㎡ 56.4万円
築15~25年 7,000万円 1,580万円 2,851万円 88㎡ 59㎡ 70㎡ 40.2万円
築25年 超 2,590万円 280万円 1,202万円 80㎡ 28㎡ 60㎡ 19.7万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 4,390万円 2,280万円 3,184万円 323㎡ 89㎡ 138㎡ 116㎡ 82㎡ 99㎡
築15年以内 7,000万円 1,970万円 3,502万円 660㎡ 80㎡ 187㎡ 200㎡ 72㎡ 115㎡
築15~25年 5,800万円 1,400万円 2,833万円 439㎡ 102㎡ 167㎡ 267㎡ 81㎡ 116㎡
築25年 超 18,000万円 499万円 3,516万円 893㎡ 68㎡ 265㎡ 477㎡ 58㎡ 154㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 6,800万円 91万円 2,039万円 2,112㎡ 61㎡ 218㎡ 10.7万円
徒歩10分~20分 45,000万円 350万円 2,762万円 3,011㎡ 74㎡ 355㎡ 9.3万円
徒歩20分超・バス 3,200万円 450万円 1,411万円 577㎡ 94㎡ 201㎡ 8.1万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年8月のデータをもとに集計

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3. 小田原市の待機児童数は9人。昨年の6人からやや増加傾向

小田原市には、25校の公立小学校、11校の公立中学校、4校の公立高校、2校の私立高校があり、大学は市内に関東学院大学など2つのキャンパスがあります。都内への通学は新幹線や特急を使わないとやや厳しいですが、神奈川県内の大学への通学は可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて約70施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 10施設 58施設
小学校 25校 0校
中学校 11校 1校
高等学校 4校 2校
大学・短大 0校 2校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 9人

小田原市の2023年4月現在の待機児童数は9人でした。前々年の5人、前年の6人から、やや増加傾向にありますので、小さなお子様のいる方は念のため市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

4.神奈川県小田原市の住まい探しは、働き方や暮らし方を見直しながら検討してみよう

小田原市の中心駅である小田原駅からは、新幹線で品川まで約30分、東京まで約40分、在来線でも新宿まで約1時間30分で行くことができます。在来線での通勤となるとやや厳しい面もありますが、小田急線沿線の駅近物件やJR東海道線の通勤特急「湘南」の停車駅であれば通勤圏内と言えるでしょう。もちろん神奈川県央部から横浜あたりまでなら1時間前後で十分通勤が可能です。

小田原での住宅購入を考えることは、住まいを買うということと同時に、自分の働き方や人生の楽しみ方など、ライフスタイルを見直すよい機会でもあります。もともと海や山に近く、温暖で自然豊かな小田原は、通勤の問題さえクリアできればとても魅力的な街で、休日には箱根、熱海、伊豆など、日帰りで温泉を楽しめる立地です。自然豊かな街でゆったりと暮らし、仕事と趣味のバランスをとりながら人生を楽しみたい。そんなライフスタイルを志向する方にとっては、まさに休日が待ち遠しくなるような楽園になる可能性を持っているわけです。

アフターコロナの住まい探しでは、都心への通勤とテレワークが可能な郊外の一戸建が注目されています。その中でも小田原市は、価格がリーズナブルで都心へのアクセスがよく、自然豊かな郊外都市として、大きな注目を浴びています。

■小田原市のシンボル「小田原城」

出典:小田原城公式サイト

下表のように、小田原市の平均地価は、都心部の1/7程度、神奈川県の主要都市と比べても1/3程度。都心部の地価が高騰する中で、価格的な魅力がより際立ちます。

■平均地価の比較(㎡あたり/円)

市区町村 地価平均
東京都 中野区 94万4,056円
東京都 北区 76万0,036円
東京都 世田谷区 74万7,349円
東京都 杉並区 69万5,883円
東京都 大田区 68万8,867円
東京都 江東区 66万3,125円
東京都 練馬区 47万2,454円
東京都 足立区 41万5,154円
東京都 葛飾区 39万6,687円
東京都 立川市 47万6,675円
東京都 町田市 24万8,905円
神奈川県 川崎市 40万8,867円
神奈川県 横浜市 35万2,262円
神奈川県 小田原市 12万7,076円

※出典:2023年 公示地価

毎月のローン返済を気にしながら都心に住むよりも、小田原でリーズナブルに暮らしながら、余ったお金で海や温泉に行く。そんなライフスタイルを考えてみるのも楽しいですね。温暖で自然が豊かな街でスローライフを楽しみたい、でも週に何回かは東京に出社。そんな方にぜひおすすめしたい街が小田原です。ご自身のライフスタイルとともに検討してみてはいかがでしょうか。

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