2つの再開発が進行する子育て世帯に人気の街。東京都小平市の魅力と不動産市況

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小平市は東京都のほぼ中央、多摩エリアに位置する市です。西武鉄道とJRの4線が乗り入れ、都心アクセスは良好。自然が豊かで暮らしやすく、子どもの転入数は東京市部で町田市、八王子市に次ぐ3位となっています。また一橋大学、津田塾大学、武蔵野美術大学など、市内に6つの大学がある学園都市でもあります。

目次

1.小平市の人口は6%増、世帯数は11%増

そんな小平市の人口は、約20万人、世帯数は約9万6,000世帯。最近10年間の人口は6%増、世帯数は11%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約1,700人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)   

人口196,924人
世帯数95,738世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

人口

186,339

186,958

188,609

189,885

191,308

193,596

194,869

195,543

195,361

196,924

世帯数

86,026

86,611

88,016

88,967

90,166

91,602

92,815

93,638

94,183

95,738

※各年1月1日 現在(小平市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数11,322人
転出者数9,636人

※出典:2022年人口移動報告(総務省)

2.東京都小平市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約25万円。緩やかな上昇が続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。小平市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約25万円で、最近10年間は、コロナによる一時的な下落はあったものの緩やかな上昇傾向となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

小平市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年)249,302円
基準地価(2022年)251,263円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

公示

地価

235,210円

237,000円

237,523円

239,790円

242,674円

244,860円

247,395円

245,534円

246,279円

249,302円

基準

地価

237,210円

239,052円

241,315円

244,684円

247,526円

250,263円

249,631円

249,421円

251,263円

マップでご覧いただけるように、市内には西武新宿線・国分寺線・多摩湖線・拝島線、JR武蔵野線が乗り入れており、南部にはJR中央線を最寄りとするエリアもあります。地価が高いのは、都心に接続する西武新宿線とJR中央線の駅近エリアで25~27万円/㎡前後、西武国分寺線とJR武蔵野線沿線は少し相場が下がって22~25万円/㎡くらい、西武拝島線沿線では20万円/㎡を切るエリアも見られます。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,160戸。分譲住宅が約半数を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。小平市で2022年中に新築された建物は1,163戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が29%、貸家(賃貸住宅)が25%、分譲住宅が46%と、分譲の比率が高くなっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が492戸(91%)、マンションが46戸(9%)と、ほとんどが一戸建となっています。ただし数年に1回、新築マンションが1,000戸以上供給されることもあり、年によりばらつきがあります。一方、分譲一戸建は年400~500戸程度が安定供給されています。

■小平市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家331戸
貸家294戸
給与住宅0戸
分譲住宅538戸
1,163戸

2-3.小平市の住宅着工数は10年間でマイナス34%。

小平市の住宅着工数は最近10年間でマイナス34%となっています。内訳としては、注文住宅がプラス7%、分譲住宅がマイナス44%、賃貸住宅がマイナス23%と、分譲が大きく減少しています。注文住宅は年200~300戸台で安定していますが、分譲住宅は、コロナ禍の反動で増えた2021年を除き、マンション・一戸建ともに減少傾向です。

小平市の新設着工戸数

 

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

持ち家

310戸

361戸

312戸

333戸

192戸

362戸

291戸

286戸

385戸

331戸

貸家

384戸

543戸

525戸

405戸

371戸

599戸

554戸

297戸

337戸

294戸

給与住宅

112戸

71戸

0戸

2戸

0戸

2戸

19戸

1戸

1戸

0戸

分譲住宅

964戸

959戸

1,281戸

1,742戸

412戸

859戸

440戸

447戸

1,392戸

538戸

総計

1,770戸

1,934戸

2,118戸

2,482戸

975戸

1,822戸

1,304戸

1,031戸

2,115戸

1,163戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都小平市の不動産価格。新築は4,000万円~5,000万円台が相場

小平市の新築マンションは4,000万円台~5,000万円台が中心で、㎡単価は70万円台が相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均4,789万円(67.0万円/㎡)、築15~25年で平均3,483万円(51.9万円/㎡)、築25年超で平均2,166万円(36.4万円/㎡)前後となっています。築年数による価格差が大きいので、築古のマンションを買ってリノベーションという選択もよいかも知れません。

一戸建については、新築が5,171万円、中古は築15年以内で平均4,880万円、築25年以内で3,607万円、築25年超は3,366万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均31.1万円/㎡、徒歩20分以内なら30.1万円/㎡、徒歩20分超で28.3万円/㎡と、公示地価等よりも高い相場で取引されているようです。

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

7,000万円

2,980万円

4,789万円

77㎡

64㎡

71㎡

67.0万円

築15~25年

5,980万円

1,240万円

3,483万円

91㎡

19㎡

68㎡

51.9万円

築25年 超

4,780万円

320万円

2,166万円

123㎡

14㎡

58㎡

36.4万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

6,780万円

3,580万円

5,171万円

166㎡

41㎡

102㎡

115㎡

52㎡

86㎡

築15年以内

7,660万円

2,580万円

4,880万円

198㎡

54㎡

118㎡

171㎡

62㎡

97㎡

築15~25年

6,380万円

1,980万円

3,607万円

188㎡

67㎡

103㎡

131㎡

58㎡

90㎡

築25年 超

6,500万円

880万円

3,366万円

202㎡

28㎡

103㎡

181㎡

42㎡

97㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

8,180万円

980万円

3,855万円

265㎡

41㎡

125㎡

31.1万円

徒歩10分~20分

7,560万円

980万円

3,831万円

298㎡

32㎡

130㎡

30.1万円

徒歩20分超・バス

7,490万円

1,380万円

3,985万円

194㎡

75㎡

135㎡

28.3万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年8月のデータをもとに集計

~東京都小平市の物件を見る~

3. 小平市は待機児童数ゼロを達成。都内、多摩エリアへの通学も便利で教育環境は良好

小平市には、19校の公立小学校、8校の公立中学校、高校は公立と私立が3校ずつあります。小平市は私立の小学校、中学校をはじめ、一橋大学、津田塾大学、武蔵野美術大学、嘉悦大学などのキャンパスもある学園都市です。都内や多摩エリアにも通学しやすく、教育環境としてはとてもよいと言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて約80施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等9施設72施設
小学校19校2校
中学校8校3校
高等学校3校3校
大学・短大1校5校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準)0人

小平市の待機児童数は、2021年の86人から2022年には3人へ大きく減少し、2023年にゼロを達成しました。

4.東京都小平市の住まい探しは、どの沿線・駅を選ぶかが大きなポイント

小平市は東京都のほぼ真ん中、多摩エリアの北部に位置する街です。名前の通り起伏が少なく、市の周囲を玉川上水と野火止用水緑地に囲まれた自然豊かな街で、子育て世帯が多く暮らす街でもあります。また一橋大学、津田塾大学をはじめ大学が6校ある学園都市でもあり、若者が多く活気ある街となっています。 市内には西武新宿線・拝島線・国分寺線・多摩湖線、JR武蔵野線が乗り入れており、中心駅である小平駅からは、西武新宿駅まで約30分。西武国分寺線・多摩湖線からは、国分寺駅を経由してJR中央線を利用することも可能です。

出典:一般社団法人 こだいら観光まちづくり協会

このように、利便性の高さと豊かな自然が調和した小平市は、子育て世帯の人気が高く、2022年の年少者(0-14歳)転入数は、23区を除くと、町田市、八王子市に次ぐ3位。また、ARUHI株式会社の「本当に住みやすい街大賞」では、花小金井駅が2021年に8位、2022年に7位にランクインしています。特に評価が高いのは、都心へのアクセスとリーズナブルな価格、そして子育て環境です。80ヘクタール(日比谷公園の約5倍)という広さをもち、子ども向けのアスレチックや遊具も充実した「都立小金井公園」や、プラネタリウムや観察・実験・工作が楽しめる体験型ミュージアム「多摩六都科学館」など、子どもの好奇心を刺激し親子で一緒に楽しめる施設があるのも小平市の大きな魅力でしょう。

■多摩六都科学館

出典:多摩六都科学館 公式サイト

そんな小平市での住まい探しは、どの沿線・駅を選ぶかがポイントになります。

出典:一般社団法人 こだいら観光まちづくり協会

都心へのアクセスと利便性を重視するなら、西武新宿線沿線の小平駅~花小金井駅を中心に物件探しを進めましょう。花小金井駅は2006年に北口地区の再開発が完了し、大規模な賃貸住宅やスーパー「いなげや」、市民センターなどの公共施設が整備されました。一方で南口は駅の近くから住宅地が広がり、ところどころに農地も残るエリアでこれからの発展が期待されます。小平駅の南口はマンションや商業施設の建ち並ぶエリアですが、北口は小平霊園の参道がすぐ近くにある静かなエリアです。しかし、この北口エリアでは再開発の計画が進められており、駅前広場やデッキなどが整備される予定です。

西武多摩湖線の青梅街道駅~一橋学園駅は、どちらも小ぢんまりした駅で、駅前から一戸建の住宅地が広がるのどかなエリアです。商業施設などは少なく利便性はやや落ちますが、静かな環境でゆったり暮らしたいという方にもおすすめです。また、青梅街道駅は武蔵野線の新小平駅と、一橋学園駅は中央線の国分寺駅と2駅利用が可能です。

西武国分寺線の小川駅、高野台駅の周辺は大学・高校が多くあり、学生が多く住むエリアです。商店街や若者向けの個性的な店が多いエリアですが、府中街道沿いには大型スーパーや家電量販店なども軒を連ねています。現在は駅近くから一戸建の住宅地が広がるエリアですが、小川駅の北口エリアでは2023年から再開発が始まり、駅前広場や27階建の高層マンションなども建築される予定です。

■小川駅北口再開発の完成イメージ

出典:小平市ホームページ

このように、利便性の高い西武新宿線沿線と、これからの発展が楽しみな再開発エリアのどちらを選ぶか、ぜひ現地を訪れて検討してみましょう。

都市の利便性と豊かな自然がほどよく調和した暮らしやすい街、小平市。2つの再開発事業が進み、これからの発展も期待できます。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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