都市の利便性と歴史・文化が共存する街。草加市の魅力と不動産市況

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草加市は埼玉県の南東部に位置し、東京都足立区と隣接する人口約25万人の市です。江戸時代には宿場町として栄えた草加市ですが、現在では市の中央部を走る東武伊勢崎線(スカイツリーライン)が、東京メトロ日比谷線、半蔵門線と直通運転しており、都心へのアクセスがよいベッドタウンとして発展しています。

目次

1.草加市の人口は3%増、世帯数は14%増

そんな草加市の人口は、約25万人、世帯数は約12.3万世帯。最近10年間の人口は3%増、世帯数は14%増となっています。年間の転入出者数は、転入者数が約900人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口 250,966人
世帯数 123,178世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 244,289 245,389 245,878 247,040 247,991 248,488 249,645 250,225 250,824 250,966
世帯数 108,150 109,575 111,058 112,819 114,578 116,123 118,129 120,033 121,575 123,178

※各年1月1日 現在(草加市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 11,571人
転出者数 10,664人

※出典:2022年人口移動報告(総務省)

2.埼玉県草加市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約15~16万円。10年間で9%上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。草加市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約15~16万円で、最近10年間は、コロナ禍による一時的な下落はあったものの2022年から再び上昇に転じ、10年間で約9%の上昇となっています。(公示地価ベース)

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

草加市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 155,365円
基準地価(2023年) 158,230円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

142,891円 142,908円 139,987円 140,651円 143,592円 147,280円 150,312円 149,585円 151,085円 155,365円
基準

地価

143,809円 144,090円 142,477円 143,978円 146,952円 150,165円 150,078円 150,621円 153,143円 158,230円

マップでご覧いただけるように、市を南北に縦断している東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の草加駅、獨協大学前(旧:草加松原)駅、谷塚駅の周辺が人気の高いエリアで、15~20万円/㎡くらいが相場です。また隣接する足立区の見沼代親水公園駅(舎人ライナー)が最寄駅になるエリアもあり、10~15万円/㎡前後、市の北部で隣接する越谷市の南越谷駅や、越谷レイクタウン駅が最寄駅となるエリアでは、9~12万円/㎡前後となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約2,500戸。分譲住宅が全体の約6割を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。草加市で2022年中に新築された建物は2,470戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が13%、貸家(賃貸住宅)が28%、分譲住宅が59%と、分譲住宅が約6割を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が472戸(32%)、マンションが994戸(68%)となっており、マンションの供給が多いように見えますが、2022年は例年よりも新築マンションの供給が多かった年で、平均的には一戸建が400~500戸、マンションが50~150戸程度と一戸建がメインのエリアです。

■草加市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 307戸
貸家 697戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 1,466戸
2,470戸

2-3.草加市の住宅着工数は10年間でほぼ横ばい

草加市の住宅着工数は最近10年間ほぼ横ばいとなっています。内訳としては、注文住宅がマイナス20%、分譲住宅がプラス66%、賃貸住宅がマイナス54%と、注文住宅と賃貸の減少分を分譲住宅がカバーしていますが、前述の通り、2022年はマンションの供給が多かったため、それを除くと20~30%程度の減少となっています。

草加市の新設着工戸数

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 385戸 391戸 321戸 337戸 278戸 298戸 330戸 315戸 346戸 307戸
貸家 1,529戸 896戸 855戸 1,883戸 1,322戸 980戸 727戸 664戸 678戸 697戸
給与住宅 2戸 1戸 2戸 1戸 0戸 0戸 0戸 0戸 1戸 0戸
分譲住宅 551戸 1,130戸 504戸 532戸 909戸 538戸 1,037戸 615戸 615戸 1,466戸
総計 2,467戸 2,418戸 1,682戸 2,753戸 2,509戸 1,816戸 2,094戸 1,594戸 1,640戸 2,470戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.埼玉県草加市の不動産価格。新築は3,000万円台~6,000万円台まで幅広く供給

草加市で販売されている新築マンションは、3,000~6,000万円台まで幅広く供給されており、㎡単価は50万円台後半~70万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均4,202万円(55.0万円/㎡)、築15~25年で平均3,121万円(42.7万円/㎡)、築25年超で平均2,233万円(35.3万円/㎡)前後となっています。都心部の価格上昇が草加市にも波及し、ここ数年、新築・中古ともマンション価格の上昇が続いています。

一戸建については、新築が4,435万円、中古は築15年以内で平均4,096万円、築25年以内で3,430万円、築25年超は2,227万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均36.2万円/㎡、徒歩20分以内なら24.4万円/㎡、徒歩20分超で16.9万円/㎡となっています。なお、徒歩10分以内には、地価の高い商業地も含まれるため平均値が上がっていますが、住宅地に限れば20~25万円/㎡くらいが相場になると思われます。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 4,980万円 3,680万円 4,202万円 87㎡ 71㎡ 77㎡ 55.0万円
築15~25年 4,498万円 1,750万円 3,121万円 96㎡ 60㎡ 73㎡ 42.7万円
築25年 超 4,980万円 380万円 2,233万円 103㎡ 16㎡ 63㎡ 35.3万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 6,480万円 2,380万円 4,435万円 197㎡ 42㎡ 118㎡ 133㎡ 62㎡ 101㎡
築15年以内 7,280万円 2,680万円 4,096万円 191㎡ 59㎡ 120㎡ 162㎡ 79㎡ 107㎡
築15~25年 7,999万円 2,280万円 3,430万円 281㎡ 90㎡ 130㎡ 226㎡ 84㎡ 120㎡
築25年 超 4,200万円 480万円 2,227万円 232㎡ 43㎡ 100㎡ 164㎡ 41㎡ 94㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 17,596万円 498万円 4,551万円 378㎡ 59㎡ 122㎡ 36.2万円
徒歩10分~20分 7,480万円 980万円 2,916万円 411㎡ 52㎡ 121㎡ 24.4万円
徒歩20分超・バス 12,000万円 700万円 2,986万円 1,593㎡ 47㎡ 241㎡ 16.9万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年11月のデータをもとに集計

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3.草加市の待機児童数は21人。都内への通学も十分可能

草加市には、21校の公立小学校、11校の公立中学校、4校の公立高校があります。また大学は市内に獨協大学がありますが、都内への通学も十分可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて80を超える施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 19施設 65施設
小学校 21校 0校
中学校 11校 0校
高等学校 4校 0校
大学・短大 0校 1校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 21人

2023年4月の草加市の待機児童数は、前年の13人から8人増加し21人でした。なお、待機児童はすべて1歳児で、0歳児および2歳児以上の待機児童数はゼロとなっています。

4.埼玉県草加市の住まい探しは、草加駅と獨協大学前駅からスタートしてみよう

草加市は埼玉県の南部、東京都足立区に接する、いわゆる埼玉都民のベッドタウンとして人気の高い街です。東武伊勢崎線(スカイツリーライン)は、東京メトロ日比谷線・半蔵門線に乗り入れており、草加駅から大手町駅や日比谷駅まで約40分、渋谷まで約50分と、都心へのアクセスは抜群です。

市内には東武伊勢崎線の駅が4駅ありますが、市の都市計画によると、中心となる草加駅周辺は商業施設と住宅地が共存する地域、新田駅と獨協大学前駅(旧:松原団地駅)周辺は住宅を中心とした地域、谷塚駅周辺は、工場と住宅が共存する地域と位置づけられています。それぞれの駅の特徴を踏まえながら物件探しをしてみるとよいでしょう。

この中で注目しておきたいのは、獨協大学前駅(旧:松原団地駅)です。1962年に入居が開始され、当時「東洋最大のマンモス団地」と言われた草加松原団地は、近年建て替え事業が進み、「コンフォール松原」として生まれ変わりました。

駅から2分ほどの広大な敷地には、住戸棟と自然環境を活かした中庭空間や「風のみち」、「緑のプロムナード」などが計画的に配置され、美しく暮らしやすい街となっています。ソライエシティ、ソライエテラスなどの新築マンションの建築も相次ぎ、2023年3月には、ショッピングモール「TOBU icourt(トーブ イコート)」もオープンしました。「多世代交流推進モデル地区」として位置づけられたコンフォール松原には、若いファミリー世帯の流入も多く、今後ますます発展していくことが期待されるエリアです。

■コンフォール松原「緑のプロムナード」

出典:UR都市機構

一方で、もともと草加市は日光道中2番目の宿場町として栄えた歴史があり、松尾芭蕉の「おくのほそ道」にも謳われた国指定名勝「草加松原」をはじめ、歴史的な建物や街並みが数多く残っています。市では、団地の建替などによるリニューアルを図ると同時に、既存の空き家や空き店舗を活用した「そうかリノベーションまちづくり事業」を推進しています。草加駅東口周辺(旧道沿道)エリアは「リノベーション推進モデル地区」に指定され、古い建物をリノベーションしたおしゃれなカフェやレストランなどが続々とオープンしています。

■おくのほそ道の風景地 草加松原

出典:草加市ホームページ

都心へのアクセスもよく、駅前にはショッピング施設も充実しておりファミリーにおすすめの草加市。そんな立地としての魅力に加え、歴史や文化を大切にし、古いものと新しいものをうまく融合させながら発展していることに大きな魅了を感じます。情報収集を兼ねて、ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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