都市の利便性と豊かな自然がほどよく調和する街。厚木市の魅力と不動産市況

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厚木市は神奈川県のほぼ中央部に位置する市です。小田急線の本厚木駅から新宿まで、特急ロマンスカーで約45分、急行でも約1時間でアクセスできます。東京メトロ千代田線、JR常磐線への直通運転もしているため、都内への通勤も十分可能ですが、市内にも多くの企業が誘致されており、昼間人口が夜間人口より30,000人以上多い、郊外ではめずらしい市でもあります。

目次

1.厚木市の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増

そんな厚木市の人口は、22万4,000人、世帯数は約10万5,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増となっています。年間の転入出者数は、転出が約940人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)

人口 224,060人
世帯数 105,135世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
人口 225,714 225,541 225,693 225,204 224,677 223,743 223,771 224,095 224,058 224,060
世帯数 95,824 96,767 98,145 99,336 100,377 101,098 101,734 103,411 104,921 105,135

※各年10月1日現在 2024年のみ1月1日現在(厚木市ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数 9,731人
転出者数 8,789人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

2.神奈川県厚木市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約16~18万円台。コロナ明けから上昇が加速

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。厚木市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約16~18万円台/㎡となっており、最近10年間は緩やかな上昇傾向が続いていましたが、コロナ明けの2022年から上昇が加速しています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

厚木市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 163,406円
基準地価(2023年) 187,210円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

148,500円 148,313円 148,822円 148,567円 148,847円 149,531円 152,495円 153,567円 156,605円 163,406円
基準

地価

160,550円 159,482円 160,067円 161,575円 162,560円 165,353円 165,867円 170,439円 176,446円 187,210円

マップでご覧いただけるように、小田急線の本厚木駅の周辺が最も地価が高く、住宅地でも15~23万円/㎡くらい、隣の愛甲石田駅だと15万円/㎡前後が相場ですが、駅から離れたエリアだと、10万円/㎡を切るエリアも見られます。ちなみに小田急線の厚木駅は、厚木市ではなく海老名市になります。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,400戸。一戸建とマンションがバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。厚木市で2023年中に新築された建物は1,367戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が19%、貸家(賃貸住宅)が45%、分譲住宅が36%と、分譲と賃貸の割合が高くなっています。分譲住宅の内訳は、一戸建が255戸(52%)、マンションが240戸(48%)とバランスよく供給されていますが、マンションは年によりばらつきがあります。一方、一戸建は年200~300戸安定して供給されています。

■厚木市の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家 262戸
貸家 609戸
給与住宅 1戸
分譲住宅 495戸
1,367戸

2-3.厚木市の住宅着工数は10年間で7%減

厚木市の住宅着工数は最近10年間でプラス1%とほぼ横ばいです。内訳としては、注文住宅がマイナス46%、分譲住宅がプラス43%、賃貸住宅がプラス18%と、注文住宅の減少を分譲住宅がカバーする構造となっています。全体の着工数は2021~2022年に大きく伸びましたが、2023は減少し、コロナ前の水準を回復するには至っていません。

厚木市の新設着工戸数

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
持ち家 487戸 493戸 518戸 458戸 480戸 561戸 521戸 446戸 380戸 262戸
貸家 515戸 603戸 770戸 694戸 596戸 529戸 369戸 656戸 732戸 609戸
給与住宅 0戸 0戸 8戸 8戸 0戸 0戸 0戸 0戸 1戸 1戸
分譲住宅 345戸 311戸 263戸 254戸 719戸 701戸 319戸 186戸 480戸 495戸
総計 1,347戸 1,407戸 1,559戸 1,414戸 1,795戸 1,791戸 1,209戸 1,288戸 1,593戸 1,367戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.神奈川県厚木市の不動産価格。新築マンションは4,000万円台後半~6,000万円台が中心

厚木市で販売されている新築マンションは4,000万円台後半~6,000万円台が中心で、㎡単価は70~80万円前後が相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,197万円(53.4万円/㎡)、築15~25年で平均3,024万円(41.1万円/㎡)、築25年超で平均1,187万円(20.8万円/㎡)前後が相場です。マンションは都心部の価格上昇が郊外に波及し、厚木市の相場も上昇傾向となっています。

一戸建については、新築で平均3,488万円、中古は築15年以内で平均3,740万円、築25年以内で2,936万円、築25年超は650万円となっています。一戸建とマンションの価格差が大きいので、新築希望の方は並行して探してみるのもよいと思います。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均40.5万円/㎡、徒歩20分以内なら22.8万円/㎡、徒歩20分超で10.7万円/㎡となっています。ただし、駅近の土地には商業地が含まれているため、住宅地に限定してみると、25~30万円/㎡くらいが相場です。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 6,980万円 1,600万円 3,197万円 87㎡ 32㎡ 61㎡ 53.4万円
築15~25年 4,380万円 1,990万円 3,024万円 92㎡ 54㎡ 74㎡ 41.1万円
築25年 超 2,780万円 280万円 1,187万円 109㎡ 15㎡ 61㎡ 20.8万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 5,298万円 2,380万円 3,488万円 231㎡ 54㎡ 124㎡ 121㎡ 71㎡ 99㎡
築15年以内 10,000万円 1,930万円 3,740万円 660㎡ 92㎡ 177㎡ 214㎡ 73㎡ 109㎡
築15~25年 13,800万円 1,200万円 2,936万円 735㎡ 69㎡ 166㎡ 174㎡ 45㎡ 106㎡
築25年 超 4,800万円 650万円 1,951万円 559㎡ 60㎡ 169㎡ 252㎡ 48㎡ 105㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 21,000万円 1,980万円 10,467万円 395㎡ 61㎡ 224㎡ 40.5万円
徒歩10分~20分 12,780万円 1,280万円 4,173万円 551㎡ 80㎡ 198㎡ 22.8万円
徒歩20分超・バス 7,990万円 150万円 1,973万円 4,776㎡ 41㎡ 344㎡ 10.7万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年1月のデータをもとに集計

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3.厚木市の待機児童数は3年連続でゼロを達成。神奈川県内、都心への通学も可能

厚木市には、23校の公立小学校、13校の公立中学校、6校の公立高校と1校の私立高校があります。大学は神奈川工科大学、松蔭大学など4つのキャンパスがありますが、神奈川県内や都内への通学も十分可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 4施設 87施設
小学校 23校 1校
中学校 13校 0校
高等学校 6校 1校
大学・短大 0校 4校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 0人

厚木市は2023年4月現在、3年連続で待機児童ゼロを達成しています。また厚木市は子育て支援に力を入れている市としても知られており、「日経DUAL 共働き子育てしやすい街ランキング2023」(日経BP社)では、3年連続の県内1位(全国11位)に輝いています。

4.神奈川県厚木市の住まい探しは、本厚木駅を起点に海老名市まで広げて物件探しを進めよう

厚木市は都心から約40キロとやや距離はあるものの、小田急線本厚木駅から新宿まで約1時間と十分通勤圏と言えます。また本厚木駅始発の電車も多くあるため、毎朝座って職場や学校に通えるのも大きな魅力です。また車での移動が中心の方も東名高速道路や圏央道のICに近く、とても便利な街です。

本厚木駅北口側の駅前には「本厚木ミロード」、シネコンなどを備えた複合施設「アミューあつぎ」、「小田急マルシェ本厚木」などの大型商業施設や、「OKストア」、「イオン厚木店」といったスーパーも多く、日常の買い物などは駅周辺で済ませることができます。

■本厚木ミロード

出典:本厚木ミロード公式サイト

一方少し駅から離れると、雄大な自然を感じることができるのが、厚木の大きな魅力といえるでしょう。市内には七沢温泉、飯山温泉、広沢寺温泉などで日帰り温泉を楽しむこともできますし、相模川、中津川などではアユ釣りを楽しむこともできます。さらに少し足を伸ばせば小田急線で箱根まで約50分と週末の小旅行も手軽に楽しめます。

この利便性の高さと、雄大な自然を併せ持っているのが厚木の最大の魅力ではないでしょうか。

■県立七沢森林公園

出典:厚木市観光協会

また、都心部の価格上昇やコロナをきっかけとした郊外人気もあり、厚木市(本厚木駅)は、『LIFULLHOME’S住みたい街ランキング2024(首都圏版)』で、「借りて住みたい街」 第1位、「買って住みたい街」第6位にランクインしています。このランキングは、アンケート方式ではなく、不動産情報サイトで実際に検索されている駅をランキングしており、本厚木駅が、生活利便性が高く、余暇を過ごすアクティビティも豊富なエリアとして高く評価されています。

買って住みたい 借りて住みたい
1 勝どき(都営大江戸線) 本厚木(小田急線)
2 平塚(JR東海道本線) 葛西(東京メトロ東西線)
3 大宮(JR京浜東北線) 八王子(JR中央線)
4 八王子(JR中央線) 大宮(JR京浜東北線)
5 八街(JR総武本線) 三鷹(JR中央線)
6 本厚木(小田急線) 柏(JR常磐線)

出典: LIFULLHOME’S住みたい街ランキング2024(首都圏版)

厚木市の不動産購入は、マンション、一戸建どちらも検討が可能ですが、マンションは本厚木駅周辺の供給が多く、新築の数も限られているため、マンションに絞って検討するなら厚木市だけでなく周辺の海老名市なども視野に入れて物件探しをしてみる方がよいでしょう。一戸建は毎年安定して供給されているので、最初からあまり物件を絞り込まず、幅広く検討してみることをおすすめします。また、都内でなく市内で働く方や、車での移動が中心の方は、少し駅から離れた住宅地なども検討してみるとよいでしょう。

都心に約1時間でアクセスできる立地でありながら、利便性が高く、雄大な自然を感じることができる厚木市。都内に通勤する方はもちろん、神奈川県内にお勤めの方にもおすすめの街です。情報収集を兼ねてぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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