1、宮城県仙台市の人口・世帯数
杜の都とも呼ばれ宮城県の県庁所在地である仙台市は、東北最大の政令指定都市です。中心となる仙台駅は東北・山形新幹線を始め、JR東北本線、常磐線、仙石線、仙山線が乗り入れ、東北の政治・経済・文化・交通の中心となっています。市には仙台駅を中心に放射状に青葉区・宮城野区・若林区・太白区・泉区の5つの区があり、2020年の仙台市の人口は約106万人、世帯数は51万7,000世帯。最近10年間で約3万7,000人(約4%)、5万3,000世帯(約11%)の増加となっています。年間の転入出者数は約1,900人転入者が上回っています。
1-1.人口・世帯数(2020/1/1 現在)
人口 | 1,064,060人 |
世帯数 | 517,251世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
1-3.転入・転出(2019年中)
転入者数 | 10,750人 |
転出者数 | 8,877人 |
※出典:仙台市ホームページ
2、宮城県仙台市の不動産情報
2-1.土地の価格
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。仙台市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり22~28万円と幅があり、最近10年間は、40~50%と大幅な上昇となっています。2020年の基準地価は、コロナ禍により全国的に地価上昇にブレーキがかかりましたが、仙台市においては上昇傾向を維持しており、都市部を中心に力強い動きが見られます。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
仙台市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2020年) | 228,709円 |
基準地価(2020年) | 281,995円 |
また仙台市は区によって地価の相場が大きく異なるため、購入を検討する際には、区別の平均地価なども参考にするとよいでしょう。
仙台市平均地価(区別)
順位 | 行政区 | 平均地価(㎡) | 変動率 |
1位 | 青葉区 | 548,238円 | +6.77% |
2位 | 宮城野区 | 227,995円 | +4.12% |
3位 | 太白区 | 147,368円 | +5.52% |
4位 | 若林区 | 142,575円 | +4.22% |
5位 | 泉区 | 108,262円 | +3.08% |
※出典:2020年基準地価
マップでご覧いただけるように、仙台駅を中心とする青葉区では、40~50万円台/㎡を超える地点も見られますが、JR線や地下鉄沿線などでは、10~20万円台/㎡、少し駅から離れたエリアでは10万円/㎡を切る地点も多く見られます。都心部を除けば比較的検討しやすい価格帯と言えるでしょう。
2-2.新設住宅着工戸数(2019年)
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。仙台市で2019年中に新築された建物は10,893戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が17%、貸家(賃貸住宅)が54%、分譲住宅が29%と、賃貸住宅が半数以上を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,939戸(61%)、マンションが1,241戸(39%)と、一戸建の比率が高くなっています。2011年の震災の影響もあり、賃貸住宅の比率が高い仙台市ですが、分譲住宅が年間3,000戸以上供給され、中古物件の流通も十分。物件の選択肢は非常に多いと言えるでしょう。
持ち家 | 1,840戸 |
貸家 | 5,842戸 |
給与住宅 | 31戸 |
分譲住宅 | 3,180戸 |
2-3.住宅着工戸数の推移
仙台市の住宅着工数は最近10年間でプラス83%と大きく伸びています。内訳としては、注文住宅がマイナス23%、賃貸住宅がプラス196%(約3倍)、分譲住宅がプラス104%(約2倍)となっています。持ち家は震災の復興需要により2012年、2013年に着工数が増加しましたが、2016年から減少傾向となっています。一方で分譲住宅は震災後から増加傾向を維持しており、注文住宅と対照的に2017年以降さらに供給を伸ばしています。震災で大きな被害を受けた県内外からの移住、またそのような需要を見込んだ開発業者の供給が増えたことが理由のひとつと考えられます。
2-4.仙台市の不動産価格相場
仙台市の新築マンションは都心部で5,000万円台~8,000万円台、郊外で3,000万円台~5,000万円台と、エリアやグレードによって大きく異なるため、相場というよりは個別の販売情報を当たってみることをおすすめします。中古マンションは、築15年以内で平均3,772万円(50.0万円/㎡)、築15~25年で平均2,379万円(31.9万円/㎡)、築25年超で平均1,358万円(22.6万円/㎡)前後が相場ですが、こちらもエリアによってかなり差があります。
一戸建については、新築、中古とも多くの物件が流通しています。相場としては、新築で3,441万円、中古は築15年以内で平均3,654万円、築25年以内で3,326万円、築25年超は2,486万円となっています。中古でも販売価格はそれほど変わらず。土地・建物の面積が広くなる傾向にあります。また少し郊外に出れば駅近の新築マンションとさほど価格差がないため、車を中心に移動される方は、郊外の一戸建も選択肢のひとつになるでしょう。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均18.2万円/㎡、徒歩20分以内なら13.1万円/㎡、徒歩20分超で7.3万円/㎡となっています。エリアを吟味すれば、駅10分以内で「土地+注文住宅」でも十分検討できるでしょう。更にリーズナブルに購入したいという方は、車での移動を前提に郊外の土地も検討してみるとよいと思います。
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3、仙台市の教育環境(2020年4月現在)
仙台市には、121校の公立小学校、66校の公立中学校、19校の公立高校があり、国公立の大学は東北大学、宮城大学、宮城教育大学の3校があります。私立校も下記の通り、市内に小学校から大学までありますので、教育環境としてはよいと言えるでしょう。未就学児については、市内の幼稚園、認定こども園、保育所など計400を超える施設があり、それぞれ特徴のある教育をおこなっています。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 37施設 | 415施設 |
小学校 | 121校 | 4校 |
中学校 | 66校 | 7校 |
高等学校 | 19校 | 14校 |
大学・短大 | 3校 | 21校 |
3-2. 待機児童数(2020年4月現在)
待機児童数(国基準) | 91人 |
仙台市の待機児童数は91人で前年の121人から30人減少しました。市は待機児童解消を目指し、2019年度に12施設を増やし、入所定員を688人分拡充しました。あわせて若手保育士等に対する独自の助成、事業者に対して保育士用の宿舎借り上げ費用の補助などの取り組みを行っています。
4、宮城県仙台市の不動産市場と住宅購入について
仙台市は東北最大の都市であると同時に、全国的に見ても、福岡市、広島市などと並ぶ中核都市であり、震災を経てなお、仙台駅を中心とした再開発、地下鉄東西線の開通(2015年12月)などにより、発展し続けている都市でもあります。2011年の震災による復興需要に加え、低金利政策やインバウンド増加などにより仙台市の地価は10年間で約1.5倍に上昇しました。そして2020年は新型コロナの影響で、全国的に地価の上昇に急ブレーキがかかったものの、仙台市中心部においては、5%を超える上昇が継続しています。
このような市況の中で、購入のタイミングが難しい面もありますが、仙台市が東北で唯一の政令指定都市であること、今後も発展が見込まれることなどを考えれば、慎重になりすぎる必要はないかも知れません。むしろ、現在の低金利がいずれ適正な水準に戻ること、新型コロナもワクチンの開発などにより訪日客が戻ってくれば、再び活況を取り戻す可能性が高いこと、2019年の消費税増税により住宅ローン減税などの税制優遇が拡大したことなどを考えると、総合的な判断としては「買い時」と言えるかも知れません。
いずれにしても、2020年現在、全体として不動産価格の上昇は続いていると考えられますし、その波は仙台市周辺のベッドタウンにも波及し始めています。仙台市で住宅購入を検討する方は、地域の不動産会社などから常に最新の情報を入手しておくようにしましょう。
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