都市と自然が共存するアクセス抜群のベッドタウン。習志野市の魅力と不動産市況

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習志野市は千葉県の北西部に位置する市です。市域が狭く、船橋市、千葉市、幕張新都心などと隣接しているため、知名度としては今ひとつですが、人口密度は浦安市、市川市に次ぐ県内3位で、松戸市や船橋市を上回っています。中心となるJR総武線の津田沼駅からは、東京駅まで約30分、品川まで約40分とアクセスも良好で、都心から約25キロのベッドタウンとして人気の高い街です。

 

目次

1.習志野市の人口は6%増、世帯数は15%増

そんな習志野市の人口は、約17万人、世帯数は約8万世帯。最近10年間の人口は6%増、世帯数は15%増となっています。年間の転入出者数は、9,000人前後でほぼ均衡しています。

 

1-1.人口・世帯数(2023/1/末 現在)  

人口

174,674人

世帯数

83,019世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

人口

165,201

166,540

168,933

171,881

172,579

173,156

173,906

175,151

175,183

174,674

世帯数

72,320

73,821

75,393

77,326

78,280

79,316

80,495

81,977

82,585

83,019

※各年1月末日 現在(習志野市ホームページ)

 

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数

8,976人

転出者数

9,047人

※出典:2022年人口移動報告(総務省)

 

2.千葉県習志野市の不動産情報

 

2-1.土地の価格は、㎡あたり約18~20万円。最近10年間で24%の大幅上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。習志野市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約18~20万円で、最近10年間は上昇傾向が続いており、10年で約24%と大きく上昇しています。(公示地価ベース)

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

習志野市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年)

209,189円

基準地価(2023年)

187,071円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

公示

地価

168,092円

170,880円

170,870円

170,760円

174,625円

180,100円

188,553円

197,586円

200,920円

209,189円

基準

地価

168,307円

170,230円

172,307円

173,071円

176,857円

180,214円

181,928円

182,714円

187,071円

188,400円

マップでご覧いただけるように、中心駅であるJR総武線の津田沼駅周辺では、30万円/㎡を超えるエリアも見られるものの、京成線やJR京葉線の周辺では概ね10万円/㎡台となっており、比較的検討しやすい価格と言えるでしょう。

 

2-2.新設住宅着工戸数は約1,100戸。賃貸住宅が約半分を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。習志野市で2022年中に新築された建物は1,103戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が19%、貸家(賃貸住宅)が47%、分譲住宅が34%と、賃貸住宅が約半数を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が186戸(50%)、マンションが188戸(50%)とバランスよく供給されていますが、マンション・一戸建ともに減少傾向で、特に分譲マンションはここ数年、100戸台の供給が続いています。

 

■習志野市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家

212戸

貸家

515戸

給与住宅

2戸

分譲住宅

374戸

1,103戸

2-3.習志野市の住宅着工数は10年間でマイナス54%。

習志野市の住宅着工数は最近10年間でマイナス54%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス33%、分譲住宅がマイナス69%、賃貸住宅がマイナス42%と全体的に減少傾向で、コロナ明けの2022年においても低水準が続いています。

 

習志野市の新設着工戸数

 

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

持ち家

316戸

294戸

240戸

313戸

244戸

299戸

250戸

203戸

253戸

212戸

貸家

893戸

641戸

609戸

855戸

810戸

699戸

614戸

510戸

450戸

515戸

給与住宅

0戸

1戸

6戸

0戸

21戸

0戸

0戸

9戸

0戸

2戸

分譲住宅

1,191戸

693戸

346戸

961戸

513戸

380戸

339戸

404戸

380戸

374戸

総計

2,400戸

1,629戸

1,201戸

2,129戸

1,588戸

1,378戸

1,203戸

1,126戸

1,083戸

1,103戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

 

2-4.千葉県習志野市の不動産価格。新築は4,000~8,000万円台まで幅広く供給

習志野市で販売されている新築マンションは、4,000万円台~8,000万円台まで幅広く供給されており、㎡単価も60~100万円と幅があります。

中古マンションは、築15年以内で平均5,715万円(73.1万円/㎡)、築15~25年で平均2,909万円(41.7万円/㎡)、築25年超で平均1,967万円(27.5万円/㎡)前後となっています。築15年を超えると価格がぐっと安くなるので、マンションを検討される方は、中古を買ってリノベーションという選択もあるかも知れません。

一戸建については、新築が4,509万円、中古は築15年以内で平均3,875万円、築25年以内で5,094万円、築25年超は3,629万円となっています。新築・中古ともJR線沿線と京成線沿線で価格差が大きいため、エリアと予算を吟味しながら物件探しを進めてみるとよいと思います。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均32.8万円/㎡、徒歩20分以内なら17.2万円/㎡、徒歩20分超で16.4万円/㎡となっています。

 

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

12,980万円

2,480万円

5,715万円

110㎡

55㎡

78㎡

73.1万円

築15~25年

5,998万円

1,110万円

2,909万円

137㎡

25㎡

71㎡

41.7万円

築25年 超

3,950万円

280万円

1,967万円

111㎡

32㎡

70㎡

27.5万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

6,780万円

2,998万円

4,509万円

216㎡

83㎡

124㎡

130㎡

80㎡

100㎡

築15年以内

5,980万円

2,770万円

3,875万円

226㎡

63㎡

115㎡

152㎡

61㎡

104㎡

築15~25年

8,950万円

3,280万円

5,094万円

187㎡

101㎡

133㎡

173㎡

92㎡

124㎡

築25年 超

7,800万円

490万円

3,629万円

232㎡

63㎡

144㎡

170㎡

49㎡

111㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

24,800万円

480万円

4,757万円

450㎡

66㎡

155㎡

32.8万円

徒歩10分~20分

6,980万円

360万円

2,736万円

564㎡

34㎡

171㎡

17.2万円

徒歩20分超・バス

6,280万円

280万円

2,412万円

274㎡

63㎡

150㎡

16.4万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年10月のデータをもとに集計

 

~千葉県習志野市の物件を見る~

 

3.習志野市の待機児童数は8人。隣接市や都内への通学も十分可能

習志野市には、16校の公立小学校、7校の公立中学校、3校の公立高校と1校の私立高校があります。中でも市立習志野高校は、公立ながら甲子園の常連校として知られ、吹奏楽部も全国トップレベルの名門校です。

また大学は市内に日本大学(生産工学部)、千葉工業大学がありますが、隣接市や都内への通学も十分可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて約60施設があります。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 

公立

私立

幼稚園・保育園・認定こども園等

23施設

41施設

小学校

16校

0校

中学校

7校

1校

高等学校

3校

1校

大学・短大

0校

2校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

 

待機児童数(国基準)

8人

習志野市の待機児童数は、前年の16人から8人減少し8人でした。新たな施設の整備、開設により、待機児童数は減少傾向にありますが、心配な方は市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

4.千葉県習志野市の住まい探しは、3つのエリアに分けて検討を進めてみよう

習志野市は都心から約25キロに位置し、千葉市(花見川区・美浜区)、船橋市、八千代市などと接するベッドタウンです。

千葉県では2番目に小さな市ですが、市内にはJR総武線、JR京葉線、京成線、新京成線と多くの路線が乗り入れており、とても交通の便がよい街です。中心駅である津田沼駅は、総武線の各駅停車と快速が停車し、各駅停車なら秋葉原や新宿へ、快速なら東京や品川に30~50分でダイレクトアクセスできます。快速、各駅停車ともに「津田沼」駅が始発となる電車が多く、座って移動できるのも大きな魅力です。また、JR京葉線の新習志野駅から東京までは約30分、京成津田沼駅から成田空港までは約45分、新京成線の新津田沼駅からは松戸駅など千葉県北部方面にも便利に移動することができます。

津田沼駅周辺には駅直結のペリエ津田沼をはじめ、ミーナ津田沼、イオンモール津田沼、モリシア津田沼、イトーヨーカドー津田沼店など多くのショッピング施設や飲食店などが立ち並び、県内有数の繁華街となっています。また少し足をのばせば、国内最大級のショッピングモール「イオンモール幕張新都心」や、「ららぽーとTOKYO-BAY」、「IKEA Tokyo-Bay」、「コストコ幕張店」など、週末のお買い物スポットにも事欠かない街です。

 

習志野市での住まい探しは、まず市内を3つに分けて進めてみてはいかがでしょうか。

習志野市は大きく分けて、街の中心部で商業施設・文教施設などが集積する津田沼駅周辺、埋立地を中心としたJR新習志野駅周辺の湾岸エリア、京成線・新京成線沿線の北部エリアに分けることができます。

 

(1) 津田沼駅周辺エリア

津田沼駅周辺には、JR総武線の津田沼駅、京成本線の京成津田沼駅、新京成線の新津田沼の3つの駅が隣接しています。商業施設や飲食店などが立ち並ぶ、いわゆる繁華街はJR津田沼駅の北口側で、繁華街を抜けると古くからの住宅地が広がっています。一方、今注目されているのは南口側で、2013年に35ヘクタールもの広大な区画整理事業により誕生した「奏の杜(かなでのもり)」エリアです。JRと京成線に挟まれるこのエリアに、ショッピングセンター、マンション、一戸建、公園などを含む新しい街が生まれました。利便性を重視しつつも、繁華街の喧騒を避け、落ち着いた雰囲気の住まいを求めるなら、この「奏の杜」を中心に、京成谷津駅あたりまでをターゲットに物件探しを進めてみるとよいと思います。

 

■津田沼駅南口「奏の杜」の街並み

出典:奏の杜 公式サイト

 

(2)新習志野駅周辺の湾岸エリア

JR新習志野駅周辺の湾岸エリアは、もともと潮干狩りやノリの養殖が盛んな遠浅の海岸でしたが、1960~70年代にこの海岸が埋め立てられ、袖ヶ浦団地、秋津団地、香澄団地などの住宅団地が作られました。新習志野エリアは津田沼駅周辺とはうって変わって閑静な住宅街となっており、道路・公園・学校なども計画的に整備された美しい街並みで落ち着いて暮らせるエリアです。

このエリアのトピックは、2023年3月に開業したJR京葉線の幕張豊砂駅(住所は千葉市美浜区)です。新習志野駅と海浜幕張駅の間に位置するこの駅は、イオンモール幕張新都心やコストコの目の前に位置し、将来的に駅北側への自由通路が開通すれば、香澄団地は徒歩圏となります。幕張豊砂駅の開業にともないエリア全体の利便性が向上し、発展が期待できます。隣接する幕張新都心エリアとともに検討してみてはいかがでしょうか。

 

■幕張豊砂駅

出典:Wikipedia

 

(3)京成沿線の北部エリア

京成沿線の北部エリアは、ところどころに農地も残る自然豊かなエリアで、一戸建を中心とした昔ながらの住宅地が広がっています。津田沼駅周辺のような華やかさはありませんが、静かで落ち着いたエリアです。他の2エリアと比べると価格がリーズナブルなので、予算を抑えたい方、千葉県内にお勤めの方などは、あえて中心部を避けてこのエリアで物件探しを進めてみるのもよいかも知れません。このエリアを検討される際は、新京成線や東葉高速鉄道を最寄りとする、船橋市や八千代市まで広げてみるのもよいと思います。

 

千葉県の住みたい街として人気の高い船橋市や千葉市に挟まれ、やや知名度の低い習志野市ですが、交通アクセスと生活利便性は申し分なく、再開発や新駅の開業などで今後の発展も期待できる街です。また市内には、水鳥の生息地として日本で初めてラムサール条約に登録された「谷津干潟」など、貴重な自然も残されており、都市と自然がほどよく調和した魅力的な街となっています。ぜひ休日のショッピングを兼ねて現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

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