調布市は東京都のほぼ中央、多摩エリア東部に位置する市です。中心となる京王線調布駅からは新宿まで特急で約15分、明大前から井の頭線に乗り継げば、渋谷にも約25分と都心へのアクセスは抜群です。一方、市内には深大寺などの名所旧跡や神代植物公園など手つかずの自然も残っており、便利なのにゆったり暮らせると、ファミリー世帯に人気の高い街です。

1.調布市の人口は7％増、世帯数は11％増

そんな調布市の人口は、約24万人、世帯数は約12万世帯。最近10年間の人口は7%増、世帯数は11％増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約850人上回っています。

1-1.人口・世帯数（2023/1/1 現在）

人口	238,505人
世帯数	122,585世帯

1-2.人口・世帯数の推移

	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年
人口	223,691	224,191	226,413	229,886	232,473	235,169	237,054	237,815	237,939	238,505
世帯数	110,610	111,273	112,992	115,223	117,099	118,804	120,286	121,296	121,783	122,585

※各年1月1日 現在（調布市ホームページ）

1-3.転入・転出（2022年中）

転入者数	13,641人
転出者数	12,793人

※出典：2022年人口移動報告（総務省）

2.東京都調布市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約42～45万円。10年間で18％の大幅上昇

土地の価格（地価）については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。調布市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約42～45万円で、最近10年間は上昇傾向が続いており、10年でプラス18％と大きく上昇しています。（公示地価ベース）

■公示地価、基準地価とは？

公示地価とは、地価公示法に基づき、国（国土交通省）が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

調布市全体の地価平均（㎡あたり）

公示地価（2023年）	422,893円
基準地価（2023年）	449,476円

公示・基準地価の推移（平均/㎡）

	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年
公示 地価	359,209円	365,348円	367,255円	374,446円	381,872円	391,042円	402,319円	401,425円	406,914円	422,893円
基準 地価	373,666円	379,666円	385,190円	393,380円	402,333円	412,285円	414,666円	417,571円	429,857円	449,476円

マップでご覧いただけるように、調布市を東西に横断する京王線の沿線では、駅から近いエリアで35～40万円/㎡、駅から少し離れたエリアでは20万円/㎡台後半から30万円/㎡台くらいが相場となっています。中心となるのは特急停車駅である調布駅ですが、駅による価格差はそれほど大きくないようです。市の北部にはJR中央線の三鷹駅や武蔵境駅が最寄となるエリアもあります。

2-2.新設住宅着工戸数は約2,500戸。約6割を分譲住宅が占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。調布市で2022年中に新築された建物は2,470戸でした。内訳としては、持ち家（注文住宅）が13％、貸家（賃貸住宅）が27％、分譲住宅が60％と、全体の6割を分譲住宅が占めています。分譲住宅の内訳としては一戸建が407戸（27%）、マンションが1,077戸（73%）と、2022年はマンションの比率が高くなっていますが、マンションは年により200戸前後から1,000戸以上まで供給数に差があります。一方、分譲一戸建ては、年400～500戸ほど安定して供給されています。

■調布市の新設住宅着工戸数（2022年）

持ち家	328戸
貸家	656戸
給与住宅	2戸
分譲住宅	1,484戸
計	2,470戸

2-3.調布市の住宅着工数は10年間34％減

調布市の住宅着工数は最近10年間でマイナス34%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス28％、分譲住宅がマイナス22％、賃貸住宅がマイナス53%と、すべてのカテゴリでマイナスとなっていますが、年によるばらつきが大きいため、一概に減少傾向とは言えません。住宅地としてのニーズは高いエリアなので、今後も一定の供給数は見込めると思われます。

調布市の新設着工戸数

	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年
持ち家	453戸	316戸	302戸	271戸	277戸	322戸	285戸	349戸	400戸	328戸
貸家	1,391戸	611戸	1,244戸	731戸	746戸	702戸	1,030戸	503戸	388戸	656戸
給与住宅	10戸	0戸	1戸	5戸	12戸	22戸	1戸	5戸	43戸	2戸
分譲住宅	1,894戸	699戸	1,046戸	679戸	1,054戸	691戸	1,265戸	974戸	693戸	1,484戸
総計	3,748戸	1,626戸	2,593戸	1,686戸	2,089戸	1,737戸	2,581戸	1,831戸	1,524戸	2,470戸

※出典：国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都調布市の不動産価格。新築は4,000～8,000万円台まで幅広く供給

調布市で販売されている新築マンションは4,000万円台後半～8,000万円台まで幅広く供給されており、㎡単価は90～100万円と非常に高い水準となっています。

中古マンションは、築15年以内で平均6,101万円（87.3万円/㎡）、築15～25年で平均5,092万円（66.6万円/㎡）、築25年超で平均2,835万円（49.2万円/㎡）前後が相場です。近年の新築マンションの価格高騰により、築浅の中古マンション価格も上昇しています。

一戸建については、新築で5,968万円、中古は築15年以内で平均5,976万円、築25年以内で5,540万円、築25年超で5,991万円となっており、築年数による価格差は小さいですが、築古になるほど土地が広くなります。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均56.5万円/㎡、徒歩20分以内なら44.0万円/㎡、徒歩20分を超えると36.6万円/㎡となっており、公示地価等よりもだいぶ高く取引されているようです。

（1）中古マンション

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
築15年以内	8,480万円	2,680万円	6,101万円	107㎡	26㎡	72㎡	87.3万円
築15～25年	6,980万円	2,980万円	5,092万円	101㎡	48㎡	77㎡	66.6万円
築25年 超	6,880万円	680万円	2,835万円	125㎡	17㎡	58㎡	49.2万円

（2）一戸建

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			建物面積（㎡）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	最大	最小	平均
新築	9,230万円	3,580万円	5,968万円	166㎡	57㎡	96㎡	130㎡	43㎡	80㎡
築15年以内	15,000万円	4,250万円	5,976万円	176㎡	55㎡	102㎡	137㎡	57㎡	88㎡
築15～25年	13,000万円	1,550万円	5,540万円	255㎡	36㎡	121㎡	211㎡	42㎡	99㎡
築25年 超	21,800万円	1,680万円	5,991万円	485㎡	47㎡	143㎡	256㎡	63㎡	112㎡

（3）土地

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
徒歩10分以内	27,800万円	2,480万円	8,618万円	423㎡	50㎡	152㎡	56.5万円
徒歩10分～20分	10,800万円	1,700万円	5,257万円	391㎡	51㎡	131㎡	44.0万円
徒歩20分超・バス	9,800万円	1,880万円	5,441万円	365㎡	40㎡	161㎡	36.6万円

※REINS（不動産流通標準情報システム） 2023年12月のデータをもとに集計

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3.調布市の待機児童数は14人。都心にも多摩エリアにも通学しやすい好環境

調布市には、20校の公立小学校、8校の公立中学校、3校の公立高校と4校の私立高校があります。大学は国立の電気通信大学をはじめ、市内に4校のキャンパスがありますが、都心方面にも大学の多い多摩エリアにも通学しやすく教育環境は良好と言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園等あわせて約100施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

	公立	私立
幼稚園・保育園・認定こども園等	8施設	91施設
小学校	20校	2校
中学校	8校	4校
高等学校	3校	4校
大学・短大	1校	3校

3-2. 待機児童数（2023年4月現在）

待機児童数（国基準）

14人

2023年4月の調布市の待機児童数は、前年から2人減少し14人でした。市の発表によると、待機児童はすべて1歳児で、0歳および2歳以上の待機児童はゼロとなっています。

4.東京都調布市の住まい探しは、雰囲気の異なる9つの駅からどこを選ぶかがポイント

調布市は東京都のほぼ中央に位置し、世田谷区、三鷹市、府中市などと接する、多摩エリアでもっとも23区寄りの街です。市を横断する京王線を使えば、都心方面にも多摩方面にもアクセスしやすく、新宿までわずか15分、渋谷にも30分以内で行くことができます。

中心となる調布駅は2012年の再開発にともない駅と線路が地下化され、それまで南北に分断されていた駅周辺の環境が一変しました。北口にはパルコ、西友などの商業施設をはじめ、「天神通り商店街」、「調布百店街」など、昔ながらの活気ある商店街が広がっています。また駅や線路の跡地には、2017年、「トリエ京王調布」が誕生しました。トリエ京王調布はA館（成城石井などの食品やアパレルの専門店街）、B館（ビックカメラ）、C館（イオンシネマ）という3つの建物で構成され、調布の新しいランドマークとしていつも多くの人で賑わっています。

こうした立地のよさと、再開発で生まれ変わった駅周辺の魅力により、2022年度の乗降客数は、京王線内で新宿に次ぐ2位（約109,000人/日）、井の頭線を含めても新宿、渋谷、吉祥寺に次ぐ4位となっています。

■トリエ京王調布（A館）

出典：Wikipedia

このように、再開発や大型商業施設のオープンなどで、ますます人気が高まっている調布市ですが、駅前の繁華街を抜けると落ち着いた住宅街が広がっており、由緒ある寺社や豊かな自然が多く残っているのも大きな魅力です。中でも国宝「釈迦如来倚像」を所蔵する深大寺は、調布のシンボルとして親しまれており、名物「深大寺そば」を目当てに市外からも多くの人が訪れます。

■深大寺の参道

出典：Wikipedia

また、都内唯一の植物公園「神代植物公園」や「野川公園」、市の南部を流れる多摩川周辺などは、子ども連れのファミリーに人気のスポットで休日には多くの人で賑わいます。

調布市での住まい探しは、まずエリアの検討からスタートしてみてはいかがでしょうか？

交通や買い物のアクセスを重視するなら、特急停車駅である調布駅の周辺エリアから探してみることをおすすめします。

一方、利便性は多少犠牲にしても、繁華街の騒々しさを避け、落ち着いた住環境を希望する方は、沿線の他の駅を探してみるとよいでしょう。市内には京王本線が調布駅を含め8駅、京王相模原線の京王多摩川駅を入れて9つもの駅あり、どの駅にもそれぞれ特徴があります。調布駅以外でも、駅前のスーパーやコンビニなどは充実していますので、日常の買い物に困ることはありません。むしろ利便性が少し落ちる分、価格もリーズナブルになりますので、あえて調布駅を外して検討してみるのもよいと思います。

また、バスや自転車が利用できる方は、あえて国道20号線（甲州街道）より北のエリアを狙ってみるのもよいかも知れません。自然が豊かで大きな公園もあり、三鷹や吉祥寺などの駅にアクセスできる物件もあります。

都心へのアクセスのよさと利便性の高さ、由緒ある名所旧跡や落ち着いた住環境がほどよく調和し、若い子育て世代から絶大な支持を受ける調布市。隣接する三鷹市、府中市、武蔵野市などとともに検討してみてはいかがでしょうか？

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