データで見る不動産購入 【埼玉県 和光市】

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和光市は埼玉県南端の市で、東南側を東京都板橋区・練馬区と、北西側を埼玉県戸田市、朝霞市と接しています。都心から15~20kmに位置し、都内の主要駅に30分ほどでアクセスできます。埼玉県では蕨市、志木市に次いで小さな市ですが、東武東上線・東京メトロ有楽町線・東京メトロ副都心線の3線が乗り入れており、都心通勤者のベッドタウンとして発展しています。

そんな和光市の人口は、約8万4,000人、世帯数は約4万2,000世帯。最近10年間では、人口は7%増、世帯数は14%増と、小さい市ながら着実に増加しています。年間の転入出者数は約120人の転入超過となっています。

 

目次

1.埼玉県和光市の人口・世帯数

 

1-1.人口・世帯数(2021/1/1 現在)

人口 84,161人
世帯数 42,434世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

1-3.転入・転出(2020年中)

転入者数 7,091人
転出者数 6,968人

※出典:2020年人口移動報告(総務省)

 

2.埼玉県和光市の不動産情報

 

2-1.土地の価格

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。和光市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約25~30万円/㎡となっており、都心の価格上昇の波を受け、じわじわと上昇しています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

和光市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年) 299,000円
基準地価(2021年) 252,833円

 

マップでご覧いただけるように、中心駅である和光市駅周辺がもっとも相場が高く、30~35万円/㎡前後。少し駅から離れたエリア、成増駅からアクセスできるエリアで20万円/㎡前後、市の北部では20万円/㎡を切るエリアも見られます。

 

2-2.新設住宅着工戸数(2020年)

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。和光市で2020年中に新築された建物は440戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が14%、貸家(賃貸住宅)が60%、分譲住宅が26%と、賃貸住宅が半分以上を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建80戸、マンション34戸(長屋建含む)となっています。このように和光市は都心に近く交通便がよいため、賃貸住宅の比率が高くなっています。購入検討の際には隣接する朝霞市、志木市なども合わせて検討することをおすすめします。

 

持ち家 60戸
貸家 266戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 114戸

 

2-3.住宅着工戸数の推移

和光市の住宅着工数は最近10年間でマイナス40%となっており、内訳としては、注文住宅がマイナス34%、分譲住宅がマイナス72%、賃貸住宅がプラス14%と、分譲住宅のマイナス幅が大きくなっています。2020年はコロナの影響による分譲戸数の減少が見られるため、コロナ禍収束後には再び上昇に転じる可能性もあります。

 

2-4.和光市の不動産価格相場

和光市の新築マンションは、4,000万円台後半~5,000万円台が中心で、㎡単価は70万円くらいが相場のようです。中古マンションは、築15年以内で平均4,157万円(55.5万円/㎡)、築25年以内で3,345万円(49.0万円/㎡)、25年超で2,577万円(38.1万円/㎡)となっています。新築マンションの供給数は少ないので、マンションを検討される方は、新築と中古を並行して探してみるとよいでしょう。

一戸建については、新築で平均4,300万円、中古は築15年以内で平均4,828万円、築25年以内で3,065万円、築25年超は3,029万円となっています。ただし、調査時点での物件数が少ないため、平均値だけでなく個別の価格をあたっていることをおすすめします。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均36.0万円/㎡、徒歩20分以内なら24.9万円/㎡、徒歩20分超で24.7万円/㎡となっており、特に駅近の物件は、公示価格などよりもやや高く取引されていることがうかがえます。

 

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3.和光市の教育環境

和光市には、9校の公立小学校、3校の公立中学校、2校の公立高校があります。市内に私立の小中高校はありません。また大学は目白大学大学院国立埼玉病院キャンパスがありますが、国立埼玉病院と連携した看護師育成に特化した学校のため、一般の大学は埼玉県内や都内に通学する方が多いようです。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 1施設 49施設
小学校 9校 0校
中学校 3校 0校
高等学校 2校 0校
大学・短大 0校 1校

 

3-2. 待機児童数(2021年4月現在)

 

待機児童数(国基準) 39人

 

和光市における、2021年4月現在の待機児童数は39人で、前年の55人から16人減少しています。しかし、埼玉県内では、朝霞市(43人)に次ぐワースト2位となっており、今後の改善が期待されます。小さなお子様のいる方は、念の為、市役所等に問い合わせてみることをおすすめします。

 

 

4.埼玉県 和光市の不動産市場と住宅購入について

和光市は埼玉県の最南端に位置する街で、東京都に突き出すような形で板橋区・練馬区と隣接しており、地理的にはほぼ東京都と言える立地にあります。さいたま市や川口市などと比べると市域も狭く、知名度は今ひとつですが、都内に通勤する人のベッドタウンとして注目されている街でもあります。

その大きな理由のひとつは、抜群の交通アクセスです。中心となる和光市駅には、東武東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線(東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線直通)の3路線が乗り入れています。和光市駅から池袋駅までは東武東上線急行利用で最短13分。池袋からは有楽町線で銀座方面へ、副都心線で新宿・渋谷方面へ、そして東横線経由で横浜方面へも乗り換えなしでアクセスできます。しかも和光市駅は、東京メトロの始発駅なので、毎日座って通勤できるのも大きな魅力と言えるでしょう。

出典:和光市ホームページ

 

このように、都心アクセスが抜群の和光市駅は、東武東上線の乗降客数が池袋駅に次ぐ2位となっており、人気の高さがうかがえます。

■東武東上線の乗降客数トップ5 (1日平均)

駅名 乗降人員(人)
池袋 330,544
和光市 129,324
朝霞台 119,009
川越 87,676
志木 77,230

出典:東武鉄道

 

そして和光市が注目されるもう一つの理由が、和光市駅周辺の再開発です。これまで和光市駅は南口に商業施設が集中しており、北口はどこか寂しい雰囲気のあるエリアでした。しかし、2020年に、駅直結の複合商業施設「EQUiA PREMIE(エキア プレミエ)和光」が南口にグランドオープン。北口には、2023年に商業施設とタワーマンションの複合ビル(34階建)が、また2026年には駅前ロータリーに3階建ての「医療モール」がオープンする予定となっています。

こうした再開発により、これまで「アクセスはいいけどちょっと寂しい」イメージだった和光市駅が、便利で活気ある駅にガラリと生まれ変わる可能性が高いのです。

不動産情報サイト「SUUMO」の、『閲覧数が急上昇した街ランキング2020』では、和光市は立川、西大井、代官山などを抑えて、堂々の第1位を獲得しています。こちらは賃貸物件の閲覧数ランキングですが、住みたい街として和光市の注目度が急上昇しているのは間違いないでしょう。

 

■SUUMO 閲覧数が急上昇した街ランキング2020

順位 駅名
1 和光市(有楽町線)
2 立川(中央線)
3 西大井(横須賀線)
4 代官山(東横線)
5 祐天寺(東横線)

※出典:SUUMO

 

和光市での住まい探しは、中心駅である和光市駅周辺からスタートしてみることをおすすめします。和光市駅は池袋に近いせいか、駅前に大規模な商業エリアがなく、駅徒歩圏に住宅地が形成されています。そのため、大宮・浦和・川口などと比べて駅前がやや寂しい代わりに、駅近物件が豊富なところが和光市の魅力となっています。すでに開発が進み、成熟した住宅街が広がっている東武東上線の南側エリアと、再開発をきっかけにこれから住宅の供給が増えていくことが予想される北側エリア。まずはこのどちらを選ぶかがポイントになると思います。買い物の利便性や市役所などへのアクセスを重視する方、またマンションをご希望の方は南側エリアを中心に物件探しを進めましょう。一方、静かな環境で一戸建をご希望の方は北側エリアを中心に進めてみるとよいと思います。また、車での移動が中心の方や市内にお勤めの方は、外環道「和光IC」や関越道「練馬IC」、国道254号線(川越街道)に近い、市の南側エリアがおすすめです。

最後に、和光市での物件探しで気をつけたい点としては、流通している物件がとても少ないことです。特に一戸建をお探しの方は、時間に余裕をもって探すか、周辺の朝霞市・志木市・新座市などと合わせ、広いエリアで検討してみることをおすすめします。

都心から20km圏内に位置し、都内の主要駅に30分前後でアクセス可能な和光市。市内では再開発が進み、向こう数年で大きな変貌を遂げようとしています。都市化が進む一方、荒川の河川敷や「和光樹林公園」など多くの自然も残されており、都内で働く子育てファミリーにおすすめしたい街です。ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか?

 

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