多くの文豪も移り住んだ風光明媚な水辺の街。我孫子市の魅力と不動産市況

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多くの文豪も移り住んだ風光明媚な水辺の街。我孫子市の魅力と不動産市況

我孫子市は千葉県の北西部に位置する市で、江戸時代には水戸街道の宿場町、近年では東京のベッドタウンとして発展している街です。東京まで40分弱とアクセスが良好な一方、利根川、手賀沼に挟まれた風光明媚な水辺の街で、志賀直哉、武者小路実篤など多くの文豪が居を構えた文化都市としても知られています。

目次

1.我孫子市の人口は2%減、世帯数は10年で9%増

そんな我孫子市の人口は、約13万人、世帯数は約6万7,000世帯。最近10年間の人口は2%減、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は転入者が460人ほど上回っています。

1-1.人口・世帯数(2022/4/1 現在)

人口131,147人
世帯数60,722世帯

1-2.人口・世帯数の推移

千葉県我孫子市の人口・世帯数
2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
人口133,923133,558133,044132,715132,401132,231132,167132,002131,559131,147
世帯数55,95956,46656,84557,36257,82258,53959,16059,64360,11460,722

※各年4月1日現在

1-3.転入・転出(2021年中)

転入者数4,769人
転出者数4,303人

※出典:我孫子市ホームページ

2.千葉県我孫子市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり9~10万円。最近10年は横ばいからやや上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。我孫子市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり9~10万円前後、最近10年間はほぼ横ばいですが、2020年以降やや上昇しています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

我孫子市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2022年)91,545円
基準地価(2022年)102,740円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
公示地価97,648円101,278円100,031円93,854円93,017円92,488円92,214円91,782円91,434円91,545円
基準地価90,366円100,433円100,653円100,153円99,540円99,486円99,500円98,813円99,466円102,740円
千葉県我孫子市の公示・基準地価の推移

マップでご覧いただけるように、我孫子市で地価が高いのは、中心駅であるJR常磐線と成田線のターミナル駅である我孫子駅周辺で、10~13万円/㎡くらい、また良好な住宅地が形成されているJR天王台駅周辺も同じくらいの水準となっています。一方、成田線の湖北駅、新木駅、布佐駅周辺エリアでは、相場がぐっと下がり3~5万円/㎡台となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約800戸。注文住宅、分譲住宅ともバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。我孫子市で2021年中に新築された建物は812戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が33%、貸家(賃貸住宅)が34%、分譲住宅が33%と、非常にバランスよく供給されています。分譲住宅はすべて一戸建で、マンションの供給は直近10年で2017年の1回しかありません。一方、一戸建は年200~250戸程度コンスタントに供給されています。我孫子市は注文住宅、分譲一戸建がバランスよく供給される、一戸建メインの街と言えそうです。

■我孫子市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家267戸
貸家276戸
給与住宅0戸
分譲住宅269戸
812戸
我孫子市住宅新設着工戸数

2-3.我孫子市の住宅着工数は10年間で26%の伸び。特に分譲住宅の伸びが大きい

我孫子市の住宅着工数は最近10年間でプラス26%となっています。内訳としては、注文住宅がプラス9%、分譲住宅がプラス67%、賃貸住宅がプラス16%と、すべてのカテゴリで増加しています。2019~2020年はコロナによる落ち込みが見られるものの、多くの街で着工数が減少する中、我孫子市の人気の高さがうかがえます。

我孫子市の新設着工戸数

2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年
持ち家246戸315戸250戸251戸208戸252戸234戸229戸217戸267戸
貸家267戸237戸204戸207戸138戸235戸208戸74戸45戸276戸
給与住宅0戸0戸0戸0戸0戸0戸0戸0戸1戸0戸
分譲住宅161戸205戸204戸261戸229戸525戸280戸264戸264戸269戸
総計644戸724戸661戸650戸655戸1,012戸722戸567戸527戸812戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

千葉県我孫子市の住宅着工戸数の推移

2-4.千葉県我孫子市の不動産価格はマンション・一戸建ともに3,000万円台が中心

我孫子市の新築マンションはここ数年供給がありませんが、分譲当時は3,000万円台が中心で、㎡単価は40万円台後半だったようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,615万円(42.0万円/㎡)、築15~25年で平均3,291万円(39.1万円/㎡)、築25年超で平均2,022万円(24.7万円/㎡)前後が相場となっています。

一戸建については、新築で3,476万円、中古は築15年以内で平均3,863万円、築25年以内で2,877万円、築25年超は1,727万円となっています。一戸建もマンションもほぼ同じくらいの水準で、一戸建は築年数が古いほど土地が広くなる傾向があります。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均7.2万円/㎡、徒歩20分以内なら7.0万円/㎡、徒歩20分超で6.0万円/㎡となっています。我孫子市は駅による価格差が大きいので、駅ごとの相場も確認しておくとよいでしょう。

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 4,880万円 2,270万円 3,615万円 111㎡ 68㎡ 85㎡ 42.0万円
築15~25年 4,280万円 1,550万円 3,291万円 103㎡ 66㎡ 84㎡ 39.1万円
築25年超 4,380万円 350万円 2,022万円 110㎡ 56㎡ 82㎡ 24.7万円

(2)一戸建て

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 5,980万円 1,999万円 3,476万円 241㎡ 100㎡ 149㎡ 141㎡ 71㎡ 106㎡
築15年以内 8,800万円 1,980万円 3,863万円 241㎡ 110㎡ 165㎡ 208㎡ 95㎡ 115㎡
築15~25年 5,280万円 720万円 2,877万円 253m 105㎡ 173㎡ 159㎡ 92m 122㎡
築25年超 3,340万円 530万円 1,727万円 591m 85㎡ 237m 311㎡ 71㎡ 125㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 22,300万円 280万円 3448万円 24,559㎡ 99㎡ 1,541㎡ 7.2万円
徒歩10分~20分 17,500万円 150万円 2,195万円 1,906m 80㎡ 379㎡ 7.0万円
徒歩20分超・バス 2,850万円 150万円 1,213万円 462㎡ 128m 223㎡ 6.0万円

REINS(不動産流通標準システム)2022年10月のデータをもとに集計

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3. 我孫子市は待機児童ゼロを達成。大学は市内に2校。都内への通学も十分可能

我孫子市には、13校の公立小学校、6校の公立中学校、2校の公立高校と2校の私立高校があります。大学は市内に中央学院大学と川村学園女子大学の2校がありますが、都内への通学も十分可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等3施設34施設
小学校13校0校
中学校6校0校
高等学校2校2校
大学・短大0校2校

3-2. 待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準)0人

我孫子市は2022年4月現在、待機児童ゼロを達成しています。

4.千葉県我孫子市の住まい探しは、利便性の高い我孫子駅と天王台駅からスタートしてみよう

我孫子市は千葉県の北西部、柏市や松戸市と同じ、いわゆる東葛エリアに位置する市です。北を利根川、南を手賀沼に挟まれた水辺の街で、江戸時代には水戸街道の宿場町として栄えました。明治~大正にかけては、風光明媚な手賀沼のほとりに、柔道家の嘉納治五郎や、志賀直哉や武者小路実篤などの文豪も居を構え、多くの文化遺産が残されています。

現在では、JR常磐線と成田線が乗り入れるベッドタウンとして発展しており、中心駅である我孫子駅からは上野東京ラインで上野駅まで約33分、東京駅まで約40分でアクセスすることができます。また、常磐線は東京メトロ千代田線、小田急線と直通運転しているため、大手町、霞が関、表参道など都心の主要駅にもダイレクトにアクセスすることができます。さらに我孫子駅は始発駅なので、毎日座って通勤できるのも嬉しいポイントです。

我孫子駅周辺には約60店舗の専門店を有する「あびこショッピングプラザ」や、「アビイクオーレ」などのショッピングモール、地域のスーパーやドラッグストアなどがありますので、日常の買い物は駅周辺で十分済ませることができます。休日にはすこし足を伸ばして、柏駅や都内に出かけてみるのもよいかも知れません。

■あびこショッピングプラザ

あびこショッピングプラザ

出典:あびこショッピングプラザ公式Facebookページ

このように通勤にも買い物にも便利な我孫子市ですが、子育て支援も充実しています。我孫子市は「待機児童ゼロ」を実に35年間も継続しており、「新規入園率(※)」は95%で首都圏トップ(2019年日本経済新聞社調査)。また、全小学校に学童保育を完備しており、「あびっこクラブ」という放課後や土曜日などに、子どもたちが安全に安心して過ごせる施設も運営されています。

我孫子市のシンボルである手賀沼のほとりには、ミニ鉄道・レンタサイクル・ボートなどが楽しめる「手賀沼公園」や、日本で唯一の「鳥の博物館」など、休日に子どもとお出かけできるスポットも点在しており、共働きファミリーも安心して子育てできる環境が整っています。

※「新規入園率」とは:既存児童の継続利用を除いた新規申込数のうち、実際に何人が入園できたかを示す。認可保育施設の入りやすさの目安。

■我孫子市のシンボル「手賀沼」と親水公園

我孫子市のシンボル「手賀沼」と親水公園

我孫子市での住まい探しは、中心駅である我孫子駅~天王台駅エリアからスタートしてみましょう。

両駅とも常磐線快速の停車駅で、商業施設も充実しており、マンション・一戸建ともに流通量の多いエリアです。市内では最も利便性の高いエリアで、その分相場も高めになりますが、マンションをお探しの方は、この2駅から物件探しを進め、隣接する柏市や松戸市方面に範囲を広げてみるのもよいと思います。

一方、市の東側エリアは、我孫子駅で分岐する成田線沿線で探すことになります。我孫子駅の隣駅である東我孫子駅は、天王台駅に近く住環境もそれほど変わりませんが、湖北駅以東は農地も増え、自然豊かな環境に変わってきます。物件は広めの敷地にゆったりと建つ一戸建が中心となり、大規模な商業施設などは少なくなります。価格は我孫子~天王台エリアに比べるとぐっとリーズナブルになりますので、ゆったりとした一戸建を購入したい方は成田線沿線まで範囲を広げて探してみるとよいでしょう。沿線の南側には区画整理によって生まれた閑静な住宅街が広がっていますので、静かな住環境を求める方、車中心の生活の方、予算を抑えたい方などにおすすめです。

最後に我孫子市は市外からの転入者が住宅を取得した場合に、最大15万円の補助金制度や、中古住宅を購入し、あわせて我孫子市リフォーム補助金制度を活用する場合の金利優遇など、移住支援にも力を入れています。詳しくは我孫子市ホームページでご確認ください。

我孫子市ホームページ(住まいに関わる助成・補助など)

柏市、流山などに比べるとあまり知名度のない我孫子市ですが、利便性が高く、利根川、手賀沼など豊かな自然に囲まれた、子育てファミリーにおすすめの街です。新築物件も3,000万円台から購入可能です。ぜひ住まい探しの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?

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