東村山市は多摩エリアの北部に位置する市で、北側を埼玉県所沢市と接しています。市内には9つの駅があり、都心方面、埼玉方面へのアクセスに優れるベッドタウンとして発展しています。志村けんさんの「東村山音頭」をきっかけに全国にその名を知られるようになった東村山ですが、手打ちうどんを温かいだし汁につけて食べる「武蔵野うどん」や、昭和の街並みを再現した「西武園ゆうえんち」なども有名で見どころの多い街です。

1.東村山市の人口はほぼ横ばい、世帯数は10年で7％増

そんな東村山市の人口は、約15万人、世帯数は約7万5,000世帯。最近10年間の人口は横ばい、世帯数は7％増となっています。年間の転入出者数は転入者が約1,000人上回っています。

1-1.人口・世帯数（2022/4/1 現在）

人口	151,695人
世帯数	74,846世帯

1-2.人口・世帯数の推移

	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年
人口	152,863	152,088	151,412	150,858	150,739	151,018	150,789	151,255	151,575	151,695
世帯数	70,137	70,199	70,446	70,795	71,410	72,222	72,676	73,418	74,210	74,846

1-3.転入・転出（2021年中）

転入者数	7,133人
転出者数	6,152人

※出典：2021年 人口移動報告（総務省）

2.東京都東村山市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり約22万円。緩やかな上昇傾向が続く

土地の価格（地価）については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。東村山市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり22万円前後で、最近10年間は緩やかに上昇しています。

■公示地価、基準地価とは？

公示地価とは、地価公示法に基づき、国（国土交通省）が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

東村山市全体の地価平均（㎡あたり）

公示地価（2022年）	217,656円
基準地価（2022年）	222,933円

公示・基準地価の推移（平均/㎡）

	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年
公示地価	195,277円	210,260円	211,304円	203,965円	213,656円	215,906円	217,718円	219,500円	217,000円	217,656円
基準地価	209,133円	212,000円	213,733円	215,800円	219,533円	221,333円	222,800円	221,400円	221,133円	222,933円

マップでご覧いただけるように、東村山市で地価が高いのは、中心駅である西武新宿線の東村山駅と、久米川駅の周辺エリアで、20万円台後半/㎡。市の南部、西武多摩湖線の八坂駅、萩山駅周辺で、20万円台前半/㎡。市の北部、JR武蔵野線の新秋津駅周辺で、10万円台後半～20万円/㎡くらいが相場となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,193戸。分譲住宅が半数を占める一戸建中心の街

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。東村山市で2021年中に新築された建物は1,193戸でした。内訳としては、持ち家（注文住宅）が23％、貸家（賃貸住宅）が26％、分譲住宅が51％と、分譲住宅が全体の半数以上を占めます。分譲住宅の内訳としては一戸建が477戸（79％）、マンションが125戸（21％）と、一戸建の割合が高くなっています。

■東村山市の新設住宅着工戸数（2021年）

持ち家	278戸
貸家	312戸
給与住宅	1戸
分譲住宅	602戸
計	1,193戸

2-3.東村山市の住宅着工数は10年間で78％増。分譲一戸建が大きく伸びる

東村山市の住宅着工数は最近10年間でプラス78％となっています。内訳としては、注文住宅がプラス81％、分譲住宅がプラス105％（約2倍）、賃貸住宅がプラス39％と、すべてのカテゴリーで増加しています。中でも分譲一戸建は、2012年の263戸から2021年の477戸へと約1.8倍の大きな伸びとなっています。

東村山市の新設着工戸数

	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年
持ち家	154戸	255戸	242戸	180戸	182戸	179戸	163戸	228戸	210戸	278戸
貸家	224戸	405戸	209戸	250戸	212戸	501戸	183戸	249戸	114戸	312戸
給与住宅	0戸	1戸	10戸	0戸	5戸	5戸	1戸	26戸	0戸	1戸
分譲住宅	294戸	531戸	572戸	673戸	734戸	792戸	480戸	570戸	437戸	602戸
総計	672戸	1,192戸	1,033戸	1,103戸	1,133戸	1,477戸	827戸	1,073戸	761戸	1,193戸

※出典：国土交通省　住宅着工統計

2-4.東京都東村山市の不動産価格はマンション・一戸建ともに3,000～4000万円台が中心

東村山市の新築マンションは、3,000～4,000万円台が中心で、㎡単価は60万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,990万円（57.6万円/㎡）、築15～25年で平均3,159万円（45.9万円/㎡）、築25年超で平均1,748万円（31.4万円/㎡）前後が相場となっています。

一戸建については、新築で4,227万円、中古は築15年以内で平均4,406万円、築25年以内で3,371万円、築25年超は2,814万円となっており、マンション・一戸建ともに価格は上昇傾向です。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均24.6万円/㎡、徒歩20分以内なら23.7万円/㎡、徒歩20分超で17.4万円/㎡となっています。

（1）中古マンション

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
築15年以内	5,980万円	2,890万円	3,990万円	87㎡	36㎡	70㎡	57.6万円
築15～25年	4,680万円	1,980万円	3,159万円	87㎡	56㎡	68㎡	45.9万円
築25年超	3,499万円	450万円	1,748万円	108㎡	16㎡	56㎡	31.4万円

（2）一戸建て

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			建物面積（㎡）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	最大	最小	平均
新築	5,380万円	2,890万円	4,227万円	163㎡	68㎡	115㎡	112㎡	56㎡	90㎡
築15年以内	9,980万円	2,450万円	4,406万円	356㎡	69㎡	138㎡	146㎡	57㎡	93㎡
築15～25年	5,480万円	2,180万円	3,371万円	209㎡	61㎡	109㎡	129㎡	72㎡	90㎡
築25年超	6,500万円	800万円	2,814万円	223㎡	33㎡	122㎡	252㎡	57㎡	98㎡

（3）土地

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
徒歩10分以内	28,800万円	300万円	4,259万円	640㎡	39㎡	162㎡	24.6万円
徒歩10分～20分	31,000万円	450万円	3,675万円	1,046㎡	27㎡	150㎡	23.7万円
徒歩20分超・バス	4,900万円	980万円	2,690万円	374㎡	55㎡	168㎡	17.4万円

※REINS（不動産流通標準システム）2022年1月のデータをもとに集計

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3. 東村山市の待機児童数は前年から大幅減少。市内に大学はないが都内・多摩エリアにも通学可能

東村山市には、15校の公立小学校、7校の公立中学校、2校の公立高校と3校の私立学校があります。市内に大学がありませんが、23区内や大学の多い多摩エリアにも十分通学可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

	公立	私立
幼稚園・保育園・認定こども園等	5施設	42施設
小学校	15校	0校
中学校	7校	3校
高等学校	2校	3校
大学・短大	0校	0校

3-2. 待機児童数（2022年4月現在）

待機児童数（国基準）

7人

東村山市の2022年4月現在の待機児童数は7人でした。前年の39人から大幅に減少しており、待機児童ゼロ達成までもう一歩といったところです。

4.東京都東村山市の住まい探しは、通勤地に合わせた路線選びがポイント

東村山市は、多摩エリアの北端に位置する、埼玉県所沢市と接する自然豊かな街で、昼間人口比率が80％という典型的なベッドタウンです。

市内には西武鉄道とJRあわせ8路線（9駅）が乗り入れ、中心駅である東村山駅からは、西武新宿線で高田馬場駅まで約30分、西武新宿駅まで約40分。西武国分寺線を利用すれば、国分寺でJR中央線に乗り換えて東京駅まで約1時間。秋津駅から西武池袋線を利用すれば、池袋駅まで約30分と、都内の主要駅に30分～1時間でアクセスできます。

■東村山市の鉄道路線

出典：東村山市ホームページ

また東村山市は、2021年に昭和の街並みを再現してリニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」、トトロの舞台である七国山のモデルとなった「八国山緑地」、多摩湖沿いのサイクリングロード、そして少し足を伸ばせば、50ヘクタールの広さを誇る「所沢航空記念公園」、西武ライオンズの本拠地である「西武ドーム」など、休日に子どもと1日中楽しめる施設が多いのも大きな魅力です。

■所沢航空記念公園の「熱気球体験」

出典：所沢航空記念公園 公式サイト

東村山市の住まい探しは、通勤地に合わせてどの路線・駅を選ぶかがポイントになるでしょう。

都心にお勤めで利便性を重視する方は、西武線3路線が乗り入れ、急行、通勤急行、特急などすべての列車が停車する東村山駅か、隣の久米川駅を中心に物件探しを進めてみましょう。一戸建・マンションともに流通しており人気の高いエリアですが、市内ではもっとも相場が高いエリアでもあります。また、池袋方面や埼玉方面へのアクセスが多い方は、西武池袋線の秋津駅、JR武蔵野線の新秋津駅の周辺エリアを狙ってみましょう。

市の都市計画マスタープランによれば、「東村山駅」、「久米川駅」、「秋津駅・新秋津駅」を中心核と位置づけており、今後このエリアを中心に、街が発展していくと思われます。

最後に、JR中央線沿線に通勤の方は、西武多摩湖線の萩山駅、八坂駅、武蔵大和駅や、西武国分寺線の小川駅（小平市）の周辺を中心に、西武新宿線と拝島線が接続する小平駅（小平市）まで範囲を広げて探してみてはいかがでしょうか。

中心エリアに比べるとやや賑やかさにかける面もありますが、落ち着いた雰囲気で価格もリーズナブルなので、車での移動が中心の方や、広めの一戸建を求める方にはよいと思います。

東村山市は、都心へのアクセスが抜群で自然も豊か。レジャースポットも多く子育てファミリーにはおすすめの街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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