データで見る不動産購入【東京都 三鷹市】

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目次

1、東京都三鷹市の人口・世帯数

 

三鷹市は新宿まで15分という立地にありながら、井の頭恩賜公園、野川公園など多くの公園が点在し自然豊かな緑あふれる街です。また、太宰治、山本有三など、多くの文豪が暮らした「文士の街」としても知られ、歴史、文化、自然が調和したファミリー層に人気の街です。

そんな三鷹市の人口は、約19万人、世帯数は約9万6,000世帯。最近10年間の人口は6%増、世帯数は10%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約1,200人上回っています。

 

1-1、人口・世帯数(2021/1/1 現在)

人口 190,126人
世帯数 95,814世帯

 

1-2、人口・世帯数の推移

1-3、転入・転出(2020年中)

転入者数 12,349人
転出者数 11,083人

※出典:三鷹市 ホームページ

 

2、東京都三鷹市の不動産情報

 

2-1、土地の価格

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。三鷹市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり50~60万円、最近10年間で、約28%(公示地価ベース)の上昇となっています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

三鷹市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年) 529,604円
基準地価(2020年) 597,062円


マップでご覧いただけるように、JR中央線の三鷹駅と吉祥寺駅、京王井の頭線の周辺では50~60万円/㎡となっていますが、京王線(本線)寄りのエリアや、少し駅から離れたエリアでは30万円/㎡台と比較的リーズナブルで、調布市寄りのエリアでは20万円/㎡台のエリアも見られます。駅周辺の地価が全体の相場を押し上げていますが、住宅地であれば十分検討できるエリアです。

 

2-2、新設住宅着工戸数(2020年)

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。三鷹市で2020年中に新築された建物は1,227戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が22%、貸家(賃貸住宅)が42%、分譲住宅が36%と、賃貸住宅と分譲住宅の割合が高くなっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が374戸、マンションが66戸と、2020年は一戸建の割合が高くなっていますが、下表のように年によってばらつきがあり、全体としてはバランスよく供給されています。

 

持ち家 267戸
貸家 519戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 441戸

 

2-3、住宅着工戸数の推移

三鷹市の住宅着工数は最近10年間でマイナス11%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス9%、分譲住宅が横ばい、賃貸住宅がマイナス19%となっていますが、下表の通り、2020年の着工数が例年より落ち込んだことを反映したもので、平均1,500~1,600戸程度が安定して供給されています。

 

2-4、三鷹市の不動産価格相場

三鷹市の新築マンションは5,000万円台後半~6,000万円台が中心で、㎡単価は100万円前後のようです。中古マンションは、築15年以内で平均6,042万円(93.2万円/㎡)、築15~25年で平均4,935万円(70.5万円/㎡)、築25年超で平均2,037万円(53.6万円/㎡)前後と、マンション相場は新築・中古ともに高水準で人気の高さがうかがえます。

一戸建については、新築で5,431万円、中古は築15年以内で平均5,415万円、築25年以内で6,613万円、築25年超は9,405万円となっています。築古の価格が高くなっていますが、これは土地面積が広いためで、地価が高いエリアでは、建物よりも土地の広さによって価格が大きく変動するため、平均よりも個別の物件をあたってみるとよいでしょう。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均53.2万円/㎡、徒歩20分以内なら41.7万円/㎡、徒歩20分超で34.4万円/㎡となっています。

 

 

 

3、三鷹市の教育環境

三鷹市には、15校の公立小学校、7校の公立中学校、私立の小中一貫校として明星学園があります。三鷹市は公立の小中一貫教育に力を入れており、市内に私立高校や大学も多く、さらに都心や多摩地区への通学もしやすいことから、教育環境は非常によいと言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて100以上の施設があります。

 

3-1、幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 52施設 57施設
小学校 15校 1校
中学校 7校 2校
高等学校 1校 3校
大学・短大 0校 4校

 

3-2、待機児童数(2020年4月現在)

 

待機児童数(国基準) 92人

 

三鷹市における、2020年4月現在の待機児童数は92人となっています。待機児童ゼロは達成していないものの、2019年の114人、2018年の190人からは大幅に減少しています。

 

 

4、東京都三鷹市の不動産市場と住宅購入について

三鷹市は、北部にJR中央線、南部に京王本線、東部には京王井の頭線、西部には西武多摩川線と、街の周辺を4つの路線がぐるりと囲んでいます。中心駅はJR三鷹駅で、中央線と総武線の各駅・快速・通勤快速・中央特快すべての停車駅となっています。また総武線は東京メトロ東西線との直通運転を行っており、大手町や日本橋にもダイレクトアクセスできます。中央特快を使えば新宿まで2駅約13分、東京までは6駅約27分と都心へのアクセスは申し分ありません。各路線の最寄り駅までは少し距離がありますが、1998年に開業した「みたかシティバス」が市内全域をカバーしており、市民の便利な足として利用されています。

こうした交通アクセスのよさに加え、「井の頭恩賜公園」や「野川公園」をはじめとする、水と緑に恵まれた公園や豊かな自然が多いのも三鷹市の大きな魅力です。市の西側で、かつてワサビ田があった「大沢の里」には、昔ながらの田園風景が残されており、古民家や水車小屋、初夏には蛍の飛ぶ姿も見られます。

 

■大沢の里古民家

出典:三鷹市ホームページ

 

また、三鷹市は行政への市民参加が活発な街としても知られています。「自分たちのまちは自分たちの手で」をキャッチフレーズとする「みたか市民プラン21会議」や、行政・大学・企業・市民などによる官民共同プロジェクト「あすのまち三鷹」などは高く評価され、2005年度には「インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤー」世界1位に選出されました。また、2008年には、日経新聞・日経産業地域研究所による「行政サービス調査」において、「行政革新度調査」と「行政サービス水準調査」で「日本一」に選ばれています。

 

三鷹市での住まい選びは、路線・エリア選びから始めてみてはいかがでしょうか。都心への通勤・通学を重視するなら、JR線沿線、三鷹駅を中心に隣接する吉祥寺駅と武蔵境駅(ともに武蔵野市)周辺をメインに物件探しを進めるとよいでしょう。

渋谷へのアクセスを重視する方や、閑静な一戸建を求める方は、京王井の頭線沿線がおすすめです。井の頭公園駅、三鷹台駅を中心に、急行が停まる久我山駅(杉並区)くらいまで範囲を広げて探してみるとよいと思います。井の頭線沿線は、三鷹駅や吉祥寺駅のような賑やかさはありませんが、落ち着きのある住宅地が広がっています。

予算を抑えたい方や、自然が多い環境を求める方は、京王本線の仙川駅、つつじヶ丘駅の周辺エリアや、西武多摩川線に近い西側のエリアを中心に、調布市や府中市まで範囲を広げて探してみるとよいと思います。

 

三鷹市は交通アクセスや生活利便性が高く、自然が豊かで落ち着いた住みやすい街です。子育て世帯が多く、小中一貫教育や、自治体と大学のコラボレーションなどにも力を入れており、教育環境は都内トップクラスと言えるのではないでしょうか。井の頭恩賜公園や三鷹の森ジブリ美術館へのお出かけを兼ねて、ぜひ地域に詳しい不動産会社などで情報収集してみてはいかがでしょうか。