子育て世帯のマイホーム。あなたは一戸建・マンションどっちが向いている?

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マイホームを購入する際に「一戸建か?マンションか?」という選択は、言わば永遠のテーマ。賃貸なら気軽に住み替えられますが、購入となるとなかなかそうもいきません。そこで今回は、ご自身のライフスタイルを振り返りつつ、物件選びのヒントになるQ&Aと解説をご用意しました。巻末にチェックシートもつけていますのでぜひご活用ください。

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目次

1、大切なのは自身のライフスタイルに合うかどうか

一般的に物件を探す際には、価格やローン返済額といった条件が基準となることが多いのですが、これだけで物件を選んでしまうと後悔することにもなりかねません。確かに、首都圏の新築マンションと新築一戸建の販売価格を比較してみると、新築マンションの平均価格が6,000万円台なのに対し、新築一戸建の平均価格は4,000万円台と、その差に大きな開きはあるのですが、大切なのは新居でどんな暮らしがしたいのか、自分のライフスタイルに合うのはどんな家なのかという視点です。

1-1. 一戸建かマンションか、メリットだけで答えは出しにくい

一戸建もマンションもそれぞれにメリットがあります。例えばマンションは立地がよくて便利だとか、ワンフロアで暮らしやすいなど。また一戸建は子どもが騒いでも気にならない、駐車場代がかからないなど。多くのメディアでそれぞれのメリットが語られています。しかし実際のところ、メリットだけを比較してもなかなか答えは出せず、物件選びを一層難しくしているのが現状ではないでしょうか。

1-2. 自分はどんな暮らしがしたいのか、自問自答してみよう

こうしたメリット(デメリット)をいくら知ってもなかなか答えが出せないのは、自分自身(もしくはご家族)の好みや暮らし方がイメージできてないからです。

そこで今回は、簡単なQ&Aでご自身・ご家族のライフスタイルを振り返り、物件選びのヒントとなるチェックリストと解説をご用意しました。

物件探しを始める前に、新居での暮らしのイメージや、将来の働き方、また子どもの教育方針などを話し合ってみましょう。より納得感の高い住まい探しにつながると思います。

2、あなたは一戸建向き?マンション向き?【プラン・間取り】編

それでは早速「プラン・間取り編」からはじめてみましょう。それぞれ2つの選択肢から、自分の考えに近いものを選んでみてください。

Q. 間取りで優先したいのは「家の広さ・部屋数」or 「生活導線」?
A.「家の広さ・部屋数」:一戸建      「生活動線」:マンション

ファミリータイプの一戸建とマンションの平均的な床面積を比較した場合、一戸建は100~120㎡くらい、マンションは65~80㎡くらいなので、単純に一戸建の方が40㎡(20~25帖分)ほど広くなります。したがって、広さや部屋数を優先するなら一戸建、コンパクトな暮らしやすさを優先するならマンションがおすすめです。

ただし部屋数の多い一戸建は、廊下や上下階の移動で生活動線が長くなりがち。マンションはフラットなワンフロアで生活動線がよく、どこにいても家族の気配が感じられるメリットもあります。

Q. 子どもにはそれぞれの個室が「必要」or「不要」?
A. 必要:一戸建             不要:マンション

子どもに独立した個室を与えるかどうかは賛否両論あるところですが、思春期にはプライベートな空間がほしくなる子どもが多いようです。

前の質問とも関連しますが、子ども一人ひとりに個室を与えたい方は、部屋数の多い一戸建が向いています。一方、子どもに個室は必要ないという方や、きょうだいでの共用でも構わないという方はマンションでもよいと思います。

ただし、子ども部屋の使用期間は10~15年くらいと思ったより短く、子どもが独立した後に持て余してしまうことも多いので、他の用途に転用しやすい間取りを検討してみるとよいでしょう。

Q. どちらかというと「こだわり派」 or 「無難派」?
A. こだわり派:一戸建(注文住宅)              無難派:マンション・建売住宅

自分の好きな音楽やファッションなどが、人とは違うものを好む「こだわり派」か、どちらかというと無難なものを選びがちな「無難派」か、振り返ってみましょう。こだわり派の方は一戸建、中でも設計の自由度が高い注文住宅をおすすめします。一方、あまりこだわりがなくコスパ重視の方は、マンションや建売住宅が向いています。

個性派でマンションを希望する場合には、「中古マンション+リノベーション」でこだわりの空間を実現するという選択肢もあります。

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3、あなたは一戸建向き?マンション向き?【暮らし方】編

次に、ご自身の暮らし方の傾向ついて見ていきましょう。

Q. 犬や猫などのペットを「飼いたい」 or 「飼わない」?
A. 飼いたい:一戸建       飼わない:マンション

犬や猫などペットとのコミュニケーションは、子どもの成長にもよい影響を与えると言われます。住まいを購入する時点でペットを飼うと決めている方、特に大型犬や多頭飼いしたい方には一戸建をおすすめします。自由にペットが飼えるマンションはまだ少なく、「ペット可」とされるマンションでも管理規約で「小型犬のみ」や「1匹まで」といった制限がある場合が多いからです。一戸建ならこうした制限もありませんし、鳴き声などを気にすることなくペットとの暮らしを楽しむことができます。

Q. 日々の暮らしは「利便性重視」or 「ゆったり自然重視」?
A. 利便性重視:マンション           自然重視:一戸建

この質問は、物件というより住まいの立地に関係するものですが、日々の暮らしの中で、移動や買い物などの効率、利便性を重視される方は、ターミナル駅周辺の駅近マンションなどが向いています。一方、都会だと落ち着かないという方や、多少不便でも自然に囲まれてゆったり子育てしたいという方は、郊外や少し駅から離れた一戸建が向いているでしょう。

Q. 友だちを家に「呼びたい」or 「呼びたくない」?
A. 呼びたい:一戸建       呼びたくない:マンション

友だちを家に呼んで遊んだり、パーティをしたりするのが好きな方は一戸建の方が向いているでしょう。一戸建の方が広いですし、リビングなどのゲストゾーンと、寝室などのプライベートゾーンを区分しやすいからです。一方、家に人を入れるのがあまり好きでない方は、共用施設の充実したマンションを選ぶとよいでしょう。キッズルームやゲストルームなどがあれば、プライベートを守りながら存分に交流することができます。

Q. 休日の過ごし方は「インドア派」 or 「アウトドア派」?
A. インドア派:マンション  アウトドア派:一戸建

一概には言えませんが、余暇を家で過ごすことが多いインドア派の方は、部屋からの眺望や日当たりがよいマンションが向いていると思われます。一方、アウトドア派の方は、庭で水遊びやバーベキューなどが気兼ねなく楽しめる一戸建が向いているでしょう。一戸建は、かさばる釣り道具やキャンプ道具などの収納スペースが作りやすいといった利点もあります。

Q. ママ友・パパ友は「多いほうがいい」or「少なくてもいい」?
A. 多い方がいい:(新築)マンション           少なくていい:一戸建

同じ子育て世帯でも、ママ友・パパ友との付き合い方は人それぞれです。ママ友・パパ友が多い方がいい、家族ぐるみで付き合える友だちがたくさんほしいという方は、文字通り“同じ屋根の下”で同年代が多く住むマンションがよいかも知れません。一方、ママ友・パパ友と一定の距離を置きたいタイプの方は、あまり頻繁に顔を合わせない一戸建がよいのではないでしょうか。なお、新築マンションや大型の分譲地など、同時期に分譲される物件には同年代の子育てファミリーが集まる傾向があります。

Q. 家のメンテ・改修などは「DIYでしたい」 or 「プロにお任せ」?
A. DIYでしたい:一戸建              プロにお任せ:マンション

これも一概には言えませんが、家の改修やメンテナンスを自分でやってみたいという方は、一戸建の方が楽しめる可能性が高いです。マンションは、構造体はもちろん、サッシや玄関ドア、バルコニーなどの共用部は自由に変更できませんし、DIYする場合には作業スペースが確保しにくく、騒音や匂いといった問題もあります。反面、一戸建は、ほとんどの箇所を自由にいじることができ、騒音や匂いもそれほど気にならないので、気兼ねなくDIYを楽しみたい方は一戸建をおすすめします。

Q. 家を買ったら「終の棲家にしたい」or 「いずれ住み替えたい」?
A. 終の棲家:一戸建       いずれ住み替えたい:マンション

購入した住まいを「終の棲家」と考えている方は一戸建、いずれ住み替えたいという方はマンションを中心に検討してみるとよいでしょう。もちろんマンションを終の棲家として購入してもよいのですが、いざ住み替えるとなった場合には、マンションの方が「売りやすい」、「貸しやすい」という事情があるからです。

また、立地・管理のよいマンションは、資産価値が維持されやすく、賃貸ニーズも高い傾向があります。将来、実家に帰る予定がある方など、住み替え前提で購入する場合には、売りやすい、貸しやすいという視点を持って物件探しを進めましょう。

4、あなたは一戸建向き?マンション向き?【仕事・働き方】編

続いて仕事・働き方編です。

Q. 仕事の通勤形態は「毎日通勤」or 「テレワーク」?
A. 毎日通勤:駅近マンション        テレワーク:一戸建

オフィスに毎日通勤するかテレワークかは、住まい選びに大きく影響します。毎日通勤する方は、ターミナル駅の駅近マンションなど交通アクセスよい物件や、座って通勤できる始発駅などがおすすめです。一方テレワーク中心の方は、駅距離よりも、書斎やワークスペースがしっかり確保できる一戸建をおすすめします。

Q. 夫婦の働き方は「夫婦ともにフルタイム」or「どちらかがパートタイム」?
A. 夫婦ともにフルタイム:マンション          どちらかがパートタイム:一戸建

夫婦ともにフルタイムに近い働き方なら、通勤や保育園の送り迎え、買い物などが自宅の周辺で完結できる利便性の高い駅近マンションがおすすめです。また子どもが大きくなり、一人で過ごす時間が増えても、セキュリティの高いマンションは安心感があります。

一方、専業主婦(夫)の方やパートタイムなどで、在宅時間が長ければ、多少駅から遠い一戸建でも大丈夫でしょう。

Q. 転勤などによる引っ越しが「ある」or「ない」?
A. ある:マンション          ない:一戸建

転勤により家族帯同での引っ越しの可能性がある方は、転勤中に貸しやすいマンションがおすすめです。一戸建はマンションに比べて借り手が少なく、転勤中に空き家になってしまう可能性があります。また、夫が単身赴任となった場合でも、セキュリティの高いマンションは安心感があります。

5、あなたは一戸建向き?マンション向き?【街選び】編

最後に街選び・エリア選びについて考えてみましょう。

Q. 住むとしたら「賑やかな繁華街の近く」or「閑静な住宅街」?
A. 賑やかなエリア:(駅近)マンション         閑静な住宅街:(駅から離れた)一戸建

商業施設や飲食店の多い賑やかなエリアに住みたいという方はターミナル駅を中心に、閑静な住宅街で暮らしたいという方は、駅から少し離れた住宅地や、小さな駅を中心に物件探しを進めてみるとよいでしょう。一般的に駅近の賑やかなエリアにはマンションが多く、駅から離れた閑静な住宅街は一戸建中心の街が多くなります。

Q. お出かけや買い物は「マイカー」or 「電車・バス」?
A. マイカー:(郊外)一戸建          電車・バス:(都市部・駅近)マンション

マイカーを持っている、または持つ予定の方は、駐車場付の一戸建をおすすめします。何より駐車場代がかかりませんし、敷地内の駐車場なら荷物の出し入れも楽です。一方、電車・バスなど公共交通がメインの方は、駅やバス停に近い方がなにかと便利です。バス便の場合には、路線図や時刻表などもチェックしておきましょう。

Q. 子どもが大学に進学したら「自宅通学」or 「一人暮らし」?
A. 自宅通学:都市部~近郊エリア            一人暮らし:郊外も可

先のことになるかも知れませんが、子どもが成長して大学に進学した時に、自宅から通学するか一人暮らしも視野に入れるか検討しておきましょう。自宅通学を前提とするなら、マンション・一戸建を問わず、都市部に近い交通アクセスのよいエリアを選んだ方が学校選びの自由度が上がります。

東京の多摩エリアのように、郊外に大学が集中する地域もあり、子どもが小さいうちに決めるのは難しいですが、できるだけ選択肢を狭めないよう配慮してあげるとよいと思います。

Q. ご近所づきあいは「好き・得意」or 「苦痛・苦手」?
A. 好き・得意:エリアの限定なし    苦痛・苦手:同年代が多い新興エリア

「向こう三軒両隣」という言葉もあるように、家を買えば多かれ少なかれ発生するのが「ご近所づきあい」。昔のような家族ぐるみのつきあいは減っていますが、町内会や子どものイベントなどで上手におつき合いしていきたいものです。

こうしたご近所づきあいが好きな方、苦にならない方は、特にエリアの限定なく物件探しを進めて大丈夫です。一方あまり得意でない方、苦痛に感じる方は、できるだけ同年代の多い新築マンションや新興住宅地などを選ぶとよいと思います。

一概には言えませんが、古くからの街は年長者も多く、住民同士のコミュニティができ上がっていたり、暗黙のルールがあったりします。一方、新築マンションや新しい分譲地などは、同年代の住民がほぼ同時期に転入しますので、しがらみもなくフラットにつき合いやすい傾向があります。

6、ライフスタイルを見直して、後悔のないマイホーム購入を

いざマイホーム購入となると、とかく間取りや価格だけに目が行きがちになりますが、ご自身のライフスタイルを見直し、どんな暮らしがしたいのかを考えてみることが大切です。

もちろん、すべてに白黒つけられるものではありませんが、人生でもっとも大きな買い物とも言われるマイホーム、後悔のないように家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

ここまでのQ&Aを「チェックシート」の形でまとめてみました。ご活用いただければ幸いです。

  一戸建向き マンション向き
 ①プラン・間取り 
間取りで優先したいのは □広さ・部屋数 □生活導線
子どもにはそれぞれの個室が □必要 □不要
どちらかというと □個性派 □無難派
 ②暮らし・ライフスタイル 
犬や猫などのペットを □飼いたい □飼わない
住まいの立地は □ゆったり自然重視 □利便性重視
友だちを家に □呼びたい □呼びたくない
余暇の過ごし方は □アウトドア派 □インドア派
ママ友・パパ友は □少なくていい □多い方がいい
家のメンテ・改修は □DIYでやりたい □プロにお任せ
購入する家は □終の棲家としたい □いずれ住み替えたい
 ③仕事・働き方 
通勤形態は □テレワーク中心 □毎日通勤
夫婦の働き方は □どちらかパートタイム □ともにフルタイム
転勤などによる引っ越しが □ない □ある
 ④街・エリア選び 
住むとしたらどちら □閑静な住宅街
駅から離れた一戸建
□賑やかな繁華街
駅近マンション
お出かけや買い物は □マイカー
郊外の駐車場付一戸建
□電車・バス
都市部・駅近マンション
子どもが大学に進学したら □一人暮らしでもよい
郊外も含めて検討可
□自宅から通学
都市部~近郊エリア
ご近所づきあいは □好き・得意
エリアの限定なし
□苦痛・苦手
新築マンション・新興住宅地
 

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