野田市は千葉県の最北端に位置し、三方を河川に囲まれた自然豊かな街です。また日本最大の醤油の生産地、キッコーマン醤油のお膝元としても知られています。流山市や柏市と比べるとやや地味な印象がありますが、周辺市の価格上昇の影響もあり、広い一戸建をリーズナブルに購入できる街として子育てが世代の注目が集まっています。

1.野田市の人口はほぼ横ばい、世帯数は12％増

そんな野田市の人口は、約15万人、世帯数は約7万世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は12％増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約1,100人上回っています。

 

1-1.人口・世帯数（2024/1/1 現在）   

人口	153,815人
世帯数	72,238世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年	2024年
人口	155,900	155,295	155,050	154,784	154,727	154,373	154,140	153,844	153,661	153,815
世帯数	64,450	65,186	66,094	66,981	67,961	68,859	69,752	70,360	71,249	72,238

 ※各年1月1日現在（野田市ホームページ）

 

1-3.転入・転出（2023年中）

転入者数	5,742人
転出者数	4,617人

※出典：2023年 住民基本台帳人口移動報告（総務省）

 

2.千葉県野田市の不動産情報

 

2-1. 土地の価格は㎡あたり5～6万円台。2023年から上昇に転じる

土地の価格（地価）については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。野田市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては5～6万円台/㎡で、直近10年間は緩やかな下落基調が続いていましたが、2023年ごろから上昇に転じています。

 

■公示地価、基準地価とは？

公示地価とは、地価公示法に基づき、国（国土交通省）が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

野田市全体の地価平均（㎡あたり）

公示地価（2024年）	62,202円
基準地価（2023年）	55,190円

 

公示・基準地価の推移（平均/㎡）

	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年	2024年
公示 地価	61,888円	62,452円	61,905円	61,181円	60,810円	59,921円	58,860円	58,194円	59,492円	62,202円
基準 地価	60,036円	57,810円	57,085円	56,195円	55,160円	54,020円	53,125円	53,370円	55,190円	－

 

 

 

マップでご覧いただけるように、市の南部を走る東武アーバンパークライン沿線が、最も地価が高く、5万円台後半～6万円台/㎡。鉄道駅のない北部エリアだと、2～4万円/㎡前後が相場となっています。

 

2-2.新設住宅着工戸数は1,000戸。分譲住宅が全体の4割超

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。野田市で2023年中に新築された建物は1,000戸でした。内訳としては、持ち家（注文住宅）が30％、貸家（賃貸住宅）が26％、分譲住宅が44％と分譲住宅の割合が高くなっています。分譲住宅の内訳としては一戸建が388戸（89％）、マンションが48戸（11％）と、一戸建がメインのエリアで、新築マンションはほとんど供給されません。一方、一戸建は年200～400戸ほど供給されています。

 

■野田市の新設住宅着工戸数（2023年）

持ち家	299戸
貸家	260戸
給与住宅	5戸
分譲住宅	436戸
計	1,000戸

 

2-3.野田市の住宅着工数は10年間で4％増

野田市の住宅着工数は最近10年間でプラス4％となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス1％、分譲住宅がプラス3％、賃貸住宅がプラス11%となっています。コロナ禍にあった2020年は一旦大きく減少しましたが、2021～2022年は反動で大幅な伸びとなり、2023年は例年並みの年1,000戸前後まで回復しています。

 

野田市の新設着工戸数

	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年
持ち家	301戸	338戸	300戸	323戸	383戸	358戸	278戸	339戸	362戸	299戸
貸家	235戸	280戸	276戸	203戸	277戸	259戸	193戸	203戸	653戸	260戸
給与住宅	0戸	1戸	0戸	1戸	1戸	0戸	1戸	0戸	2戸	5戸
分譲住宅	423戸	340戸	378戸	555戸	391戸	397戸	261戸	428戸	387戸	436戸
総計	959戸	959戸	954戸	1,082戸	1,052戸	1,014戸	733戸	970戸	1,404戸	1,000戸

※出典：国土交通省 住宅着工統計

 

2-4.千葉県野田市の不動産価格。新築は2,000万円台後半～3,000万円台と非常にリーズナブル

野田市の新築マンションは2,000万円台後半～4,000万円台、㎡単価は50～60万円台が相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,995万円（60.6万円/㎡）、築15～25年で平均2,219万円（27.7万円/㎡）、築25年超で平均1,268万円（18.2万円/㎡）前後です。

一戸建については、新築で2,749万円、中古は築15年以内で平均2,951万円、築25年以内で2,420万円、築25年超は1,252万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均9.1万円/㎡、徒歩20分以内なら7.7万円/㎡、徒歩20分超で4.1万円/㎡となっています。

 

（1）中古マンション

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
築15年以内	4,188万円	3,798万円	3,995万円	67㎡	64㎡	66㎡	60.6万円
築15～25年	2,780万円	1,730万円	2,219万円	100㎡	69㎡	80㎡	27.7万円
築25年 超	1,698万円	750万円	1,268万円	85㎡	63㎡	70㎡	18.2万円

（2）一戸建

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			建物面積（㎡）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	最大	最小	平均
新築	5,200万円	1,760万円	2,749万円	964㎡	106㎡	172㎡	113㎡	52㎡	102㎡
築15年以内	5,620万円	1,480万円	2,951万円	592㎡	123㎡	191㎡	203㎡	81㎡	107㎡
築15～25年	5,990万円	1,200万円	2,420万円	942㎡	100㎡	206㎡	288㎡	87㎡	120㎡
築25年 超	3,280万円	290万円	1,252万円	912㎡	70㎡	176㎡	167㎡	50㎡	102㎡

（3）土地

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
徒歩10分以内	22,600万円	250万円	2,225万円	3,564㎡	85㎡	315㎡	9.1万円
徒歩10分～20分	6,720万円	380万円	1,768万円	2,655㎡	90㎡	277㎡	7.7万円
徒歩20分超・バス	4,380万円	120万円	990万円	5,492㎡	68㎡	415㎡	4.1万円

※REINS（不動産流通標準情報システム） 2024年7月のデータをもとに集計

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3.野田市は待機児童数ゼロを達成。大学は都内だけでなく埼玉方面への通学も可能

野田市には、20校の公立小学校、11校の公立中学校、3校の公立高校と2校の私立高校があります。市内に東京理科大学 野田キャンパスがありますが、都内はもちろん、千葉県内、埼玉県内への通学も可能です。未就学児は、保育園、認定こども園、幼稚園など合わせて45施設があります。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

	公立	私立
幼稚園・保育園・認定こども園等	12施設	33施設
小学校	20校	0校
中学校	11校	1校
高等学校	3校	2校
大学・短大	0校	1校

 

3-2. 待機児童数（2024年4月現在）

 

待機児童数（国基準）

0人

 

野田市は2023年4月現在、3年連続で待機児童ゼロを達成しています。

4.野田市の住まい探しは、東武アーバンパークライン沿線を中心に進めよう

野田市は千葉県の最北端、千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」の鼻の先にある街で、東を利根川、西を江戸川、南を利根運河と三方を運河で囲まれた珍しい地形の街です。こうした水運に恵まれた野田市は、江戸時代には物流の玄関口としてにぎわい、日本最大の醤油の生産地としても発展してきました。首都圏の方なら、学校の社会科見学などで、野田市のキッコーマン工場を訪れたことがあるのではないでしょうか？

 

■チーバくん

出典：千葉県ホームページ

 

野田市は、東京都心から約30kmに位置しながら、都心に直接乗り入れる路線がないため、東武アーバンパークラインから、流山おおたかの森駅でつくばエクスプレス（TX）に、または柏駅でJR常磐線への乗り換えが必要になります。中心駅である野田市駅からは、TX経由で秋葉原まで約50分、常磐線経由で上野駅まで約55分でアクセスすることができます。

 

また、野田市は自然が豊かで、子どもといっしょに遊べるレジャー施設が多くあります。

「日本さくら名所100選」に選定されている「清水公園」は、東京ドーム6個分という広大な敷地をもつ公園で、日本最大級のフィールドアスレチック、バーベキュー・キャンプ場、ポニー牧場、釣り堀をもつ野田市のシンボルとなっています。さらに、2022年には清水公園の隣に「のだしこども館」がオープンしました。屋外には、水遊びや大型遊具、芝生広場、屋内にはプレイルーム、音楽スタジオ、調理コーナー、パソコンコーナー、創作コーナーなどがあり、あらゆる年代の子どもが親と一緒に遊べる施設となっています。

 

■清水公園のフィールドアスレチック

出典：清水公園公式サイト

 

また、三方を川で囲まれた地形を生かし、利根川、江戸川、利根運河の堤防に1周約60kmにも及ぶサイクリングロードが整備されており、休日には市外からも多くの人が訪れています。

 

■サイクリングロード

出典：野田市観光協会

 

そんな野田市での住まい探しは、東武アーバンパークライン沿線を中心に進めてみましょう。

市内には東武アーバンパークラインの駅が6駅ありますが、中心となるのが野田市駅です。駅周辺には、市役所や図書館など市の施設が集まっているので、車を持たずに生活される方には便利な駅です。隣の愛宕駅周辺まで含めて検討を進めてみると良いと思います。

また、市内でもっとも流山市に近い梅郷駅の周辺にも良好な住宅地が形成されていますので、つくばエクスプレスや常磐線へのアクセスを重視する方は、梅郷駅～運河駅（流山市）を中心に物件探しを進めてみるとよいでしょう。

逆に自然豊かな環境を重視する方は、清水公園駅～七光台駅のエリアがおすすめです。周辺には農地も残る、ゆったりとしたエリアで、清水公園から徒歩圏のエリアにも閑静な住宅地が広がっています。

最後に市の北部に位置する関宿エリアは、江戸時代に関宿藩の城下町として栄えたエリアで、野田の歴史や文化を感じながら暮らしたいという方にはおすすめです。ただし、市の北部には鉄道が通っていないため、車で生活する方向けのエリアと言えるでしょう。東武沿線に比べて価格もぐっとリーズナブルになります。

 

南北に細長い野田市は、エリアによって様々な顔をもつユニークな街です。流山市や柏市などで価格が上昇していることもあり、広めの一戸建をリーズナブルに購入したいという、子育てが世代の流入が増えています。自然が豊かで新築一戸建が3,000万円台から購入できる野田市。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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