横浜までわずか3分なのにレトロな街。横浜市保土ケ谷区の魅力と不動産市況

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

保土ケ谷区は横浜市のほぼ真ん中に位置する区で、かつては東海道の宿場町として栄えた街です。横浜駅まで3分、東京駅まで35分という好立地でありながら、どこかレトロな雰囲気のある街で、「ハマのアメ横」と呼ばれる商店街や、箱根駅伝の難所「権太坂」がある区としても有名です。

目次

1.保土ケ谷区の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増

そんな保土ケ谷区の人口は、約20.5万人、世帯数は約10万世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約900人上回っています。

 

1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)   

人口

205,757人

世帯数

101,108世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

人口

204,774

205,224

206,621

206,515

205,577

205,939

207,649

206,631

205,852

205,757

世帯数

91,946

92,705

94,013

94,817

95,306

96,671

99,152

99,615

100,131

101,108

 ※各年 1月1日現在(保土ケ谷区ホームページ)

2.横浜市保土ケ谷区の不動産情報

 

2-1. 土地の価格は㎡あたり23~25万円台。直近10年間で約12%の上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。保土ケ谷区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり23~25万円くらいで、最近10年間は上昇基調が続いており、直近10年間で約12%上昇しています。(公示地価ベース)。また、前年からの上昇率は+3.44%、横浜市18区の中で8位となっています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

保土ケ谷区全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年)

229,454円

基準地価(2023年)

257,875円

 

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

公示

地価

204,068円

203,272円

204,333円

205,818円

208,848円

212,818円

213,151円

215,878円

220,666円

229,454円

基準

地価

220,250円

224,875円

227,750円

231,500円

236,000円

237,312円

241,000円

246,750円

257,875円

 

 

マップでご覧いただけるように、保土ケ谷区で地価が高いエリアは、JR横須賀線の保土ヶ谷駅、相鉄線の天王町駅、星川駅など、横浜駅に近いエリアで、20~25万円台/㎡前後、横浜駅から離れたエリアだとやや下がって20~25万円/㎡前後となります。駅から遠いエリアでは10万円台/㎡の地点も見られます。

 

2-2.新設住宅着工戸数は約1,100戸。注文住宅は少なく、分譲住宅が全体の約50%超を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。横浜市保土ケ谷区で2023年中に新築された建物は1,102戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が16%、貸家(賃貸住宅)が30%、分譲住宅が54%と、分譲住宅が全体の半分以上を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が376戸(63%)、マンションが219戸(37%)と、一戸建が多いですが、比較的バランスよく供給されています。新築マンション、新築一戸建ともに毎年コンスタントに供給されており、選択肢の多いエリアだと言えそうです。

 

■保土ケ谷区の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家

177戸

貸家

328戸

給与住宅

2戸

分譲住宅

595戸

1,102戸

 

2-3.保土ケ谷区の住宅着工数は10年間で35%減。注文住宅と賃貸が減少

保土ケ谷区の住宅着工数は最近10年間でマイナス35%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス31%、分譲住宅がマイナス26%、賃貸住宅がマイナス49%と、注文住宅と賃貸の減少が目立ちます。

 

保土ケ谷区の新設着工戸数

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

持ち家

255戸

239戸

250戸

205戸

179戸

203戸

157戸

207戸

235戸

177戸

貸家

640戸

529戸

665戸

1,079戸

1,013戸

662戸

609戸

584戸

516戸

328戸

給与住宅

0戸

1戸

0戸

0戸

0戸

0戸

0戸

0戸

1戸

2戸

分譲住宅

804戸

693戸

528戸

595戸

805戸

787戸

496戸

720戸

602戸

595戸

総計

1,699戸

1,462戸

1,443戸

1,879戸

1,997戸

1,652戸

1,262戸

1,511戸

1,354戸

1,102戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

 

2-4.横浜市保土ケ谷区の不動産価格。新築住宅は6,000~8,000万円台が中心

保土ケ谷区の新築マンションは7,000万円台~8,000万円台が中心で、㎡単価は100~110万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,957万円(72.9万円/㎡)、築15~25年で平均3,301万円(47.1万円/㎡)、築25年超で平均1,981万円(30.6万円/㎡)前後が相場です。マンションは新築と中古の価格差が大きいので、中古を購入してリノベーションという選択もよいかも知れません。

一戸建については、新築で4,907万円、中古は築15年以内で平均4,675万円、築25年以内で4,145万円、築25年超は3,681万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均35.6万円/㎡、徒歩20分以内なら22.4万円/㎡、徒歩20分超で18.0万円/㎡となっています。

 

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

5,480万円

2,060万円

3,957万円

91㎡

20㎡

58㎡

72.9万円

築15~25年

5,180万円

1,660万円

3,301万円

106㎡

20㎡

72㎡

47.1万円

築25年 超

34,000万円

350万円

1,981万円

761㎡

16㎡

62㎡

30.6万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

7,380万円

2,780万円

4,907万円

288㎡

47㎡

109㎡

143㎡

54㎡

99㎡

築15年以内

19,800万円

3,048万円

4,675万円

565㎡

55㎡

127㎡

160㎡

58㎡

97㎡

築15~25年

11,000万円

2,180万円

4,145万円

900㎡

67㎡

159㎡

243㎡

77㎡

112㎡

築25年 超

18,750万円

578万円

3,681万円

1,075㎡

48㎡

197㎡

656㎡

46㎡

118㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

13,000万円

560万円

4,598万円

263㎡

36㎡

140㎡

35.6万円

徒歩10分~20分

12,800万円

280万円

3,544万円

563㎡

28㎡

167㎡

22.4万円

徒歩20分超・バス

33,000万円

780万円

3,902万円

9,718㎡

72㎡

489㎡

18.0万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年8月のデータをもとに集計

~神奈川県横浜市保土ヶ谷区の物件を見る~

3.保土ケ谷区は待機児童ゼロを達成。都心への通学も十分可能

保土ケ谷区には、21校の公立小学校、8校の公立中学校、4校の公立高校と1校の私立高校があります。大学は、市内に横浜国立大学がありますが、都内への通学も十分可能です。未就学児は、保育園、認定こども園、幼稚園など合わせて80を超える施設があります。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 

公立

私立

幼稚園・保育園・認定こども園等

3施設

79施設

小学校

21校

0校

中学校

8校

0校

高等学校

4校

1校

大学・短大

1校

0校

 

3-2. 待機児童数(2024年4月現在)

 

待機児童数(国基準)

0人

 

保土ケ谷区は、前年に引き続き、待機児童ゼロを達成しています。

4.横浜市保土ケ谷区の住まい探しは、エリアを3つに分けて検討してみよう

保土ケ谷市は、横浜市のほぼ真ん中に位置する街で、かつては東海道の宿場町として栄えた街です。現在でも、国道1号線(旧東海道)、国道16号線、町田・八王子方面を結ぶ保土ケ谷バイパス、東京方面へは第三京浜など、各方面への幹線道路が乗り入れる交通の要衝となっています。また、箱根駅伝の難所としておなじみの「権太坂」があることでも知られています。

市内には、JRと相鉄線が乗り入れており、JR横須賀線(湘南新宿ライン)の保土ケ谷駅からは、隣駅の横浜駅まで3分、東京駅まで約35分、新宿駅まで約40分でダイレクトにアクセスすることができます。また相鉄線がJR・東急東横線と直通運転をスタートしたことで、西谷駅からは乗換えなしで新宿駅まで約45分、渋谷駅までは約40分と、都心へのアクセスが大幅に改善されました。さらに、通勤・通学だけでなく、JRを使えば鎌倉にも乗換なしで約20分と、週末のお出かけのアクセスも抜群です。

保土ケ谷は、大都会横浜の隣に位置しながらも、どこか下町情緒のただよう街で、市内には個性的な商店街なども残っています。中でも洪福寺松原商店街は、「ハマのアメ横」と呼ばれる、横浜随一の規模を誇る商店街です。鮮魚、野菜、日用品、パン屋さんなど個性的な商店が軒を連ね、いつも多くの人で賑わっています。こうした人情味あふれるレトロな雰囲気の中で暮らせるのも保土ケ谷の大きな魅力と言えるでしょう。

 

■洪福寺松原商店街

出典:観光かながわNow(神奈川県観光協会)

 

また、保土ケ谷区には、子どもから大人まで楽しめるスポットがたくさんあります。

東京ドーム約7個分の広さがあり、野球場・サッカー場・プール・アスレチック広場などさまざまな施設が設置されている「保土ケ谷公園」、子どもといっしょにトランポリン体験ができる「ぽこトランポリン横浜」、木のぬくもりを感じながら、ネット階段や吊り橋、登り棒などで自由に遊ぶことができる「川島町公園こどもログハウス(アドベンチャーハウス)」など、子どもと一緒に1日中過ごせるレジャー施設が多くあります。

 

■川島町公園こどもログハウス(アドベンチャーハウス)の吊り橋

出典:川島町公園こどもログハウス 公式サイト

 

そんな保土ケ谷区での住まい探しは、エリアを大きく3つに分けて検討してみましょう。

1つ目は、JR保土ケ谷駅の周辺エリアです。JR保土ケ谷駅は横浜にも都心にもアクセス抜群ですが、実は相鉄線天王町駅とは徒歩10分程度の距離にあり、両駅が利用可能です。JRと相鉄線の間には、マンションと一戸建の混在した良好な住宅地が広がっており、選択肢の多いエリアです。保土ヶ谷駅直結の「シァル保土ヶ谷」、「ビーンズ保土ヶ谷」、「イオン天王町ショッピングセンター」など買い物便も申し分なく、スーパーや飲食店なども多いので、利便性重視の方は、JR保土ヶ谷駅、相鉄線 天王町駅~星川駅を囲んだエリアを中心に物件探しを進めてみましょう。

 

2つ目は相鉄線の上星川駅周辺エリアです。保土ヶ谷駅や天王町駅に比べると、やや利便性は下がりますが、その分自然が豊かなので、静かな環境でゆったり暮らしたい方にはおすすめのエリアです。上星川駅から15分ほどにある「陣ケ下渓谷公園」は、西谷浄水場の北側に広がる自然の渓谷で、横浜とは思えない秘境のような光景が広がります。園内には本格的なトレッキングコースや蛍が見られる渓流などもあり、区外からも多くの人が訪れます。相鉄線の和田町駅~上星川駅を中心に物件探しを進めてみましょう。

 

■陣ケ下渓谷公園

出典:Kanagawa Travel Info(神奈川県)

 

そして、3つ目は相鉄線の西谷駅周辺エリアです。特徴としては上星川駅周辺と同じく、自然豊かで落ち着いた住宅地が広がるエリアですが、西谷駅が注目される理由は、相鉄線の都心乗り入れの起点駅だからです。西谷駅と新横浜駅を結ぶ「相鉄新横浜線」から、JR線・東急東横線を使って新宿・渋谷方面へ。また、相鉄本線で横浜方面へと、どこに出るにも便利で、新幹線も利用しやすい駅です。また、横浜からはもっとも遠い駅になるので、価格も比較的リーズナブル。新線の開業にともなって、これからの発展が楽しみなエリアです。

 

■相鉄線の都心乗り入れ

出典:相鉄線ホームページ

 

横浜駅までわずか1駅の距離にありながら、豊かな自然と、どこか懐かしい雰囲気に包まれた保土ケ谷区。新築・中古、マンション・一戸建と、物件の選択肢も多い街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の物件を探す