綾瀬市は神奈川県のほぼ中央に位置する市です。隣接する海老名市や藤沢市と比べると知名度は低いですが、自然が豊かで、独自の子育て支援制度が有名で、ファミリー層に人気の街です。
そんな綾瀬市の人口は、約8万4,000人、世帯数は約3万5,000世帯。最近10年間では、人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増となっています。年間の転入出者数は約150人の転出超過となっています。
目次
1、神奈川県綾瀬市の人口・世帯数
1-1、人口・世帯数(2021/1/1 現在)
人口 | 84,073人 |
世帯数 | 35,310世帯 |
1-2、人口・世帯数の推移
1-3、転入・転出(2020年中)
転入者数 | 3,310人 |
転出者数 | 3,459人 |
※出典:2020年人口移動報告(総務省)
2、神奈川県綾瀬市の不動産情報
2-1、土地の価格
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。綾瀬市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約11~12万円/㎡前後とリーズナブルで、最近10年間は緩やかな下落傾向~横ばいが続いています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
綾瀬市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2021年) | 121,675円 |
基準地価(2021年) | 112,222円 |
マップでご覧いただけるように、綾瀬市には鉄道駅がなく、隣接市の駅が最寄りとなります。相鉄線の大和駅、さがみ野駅、海老名駅が最寄りとなる市の北部エリアでは13~15万円台/㎡と相場は高めで、駅から離れた南部の住宅地では、10~12万円/㎡と求めやすい価格となっています。
2-2、新設住宅着工戸数(2020年)
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。綾瀬市で2020年中に新築された建物は418戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が41%、貸家(賃貸住宅)が17%、分譲住宅が42%と、注文住宅と分譲住宅で全体の8割を占めます。2020年の分譲住宅の内訳は、一戸建131戸、マンション45戸ですが、2011~2019年の間にマンションの新規着工はなく、分譲住宅はすべて一戸建となっています。綾瀬市は注文住宅と分譲一戸建を中心としたエリアだと言えそうです。
持ち家 | 171戸 |
貸家 | 71戸 |
給与住宅 | 0戸 |
分譲住宅 | 176戸 |
2-3、住宅着工戸数の推移
綾瀬市の住宅着工数は最近10年間でマイナス35%となっており、内訳としては、注文住宅がマイナス20%、分譲住宅がマイナス34%、賃貸住宅がマイナス56%と全カテゴリで大きくマイナスとなっています。
2-4、綾瀬市の不動産価格相場
前述の通り、綾瀬市では、近年新築マンションの供給が少ないため、マンション購入は中古物件を検討することになります。
近隣の海老名市、藤沢市、大和市なども合わせて探してみましょう。下記の相場データも、調査時点で築25年以内のマンションが数件しか流通していないため、物件を探す際には地域の不動産会社などで、個別の物件をあたってみることをおすすめします。
一戸建については、新築で3,346万円、中古は築15年以内で平均3,351万円、築25年以内で2,654万円、築25年超は1,893万円となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均18.7万円/㎡、徒歩20分以内なら13.9万円/㎡、徒歩20分超で14.7万円/㎡となっており、車で生活する方が多いためか、徒歩10分を超えるとそれほど価格差は生じないようです。
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3、綾瀬市の教育環境
綾瀬市には、10校の公立小学校、5校の公立中学校、2校の公立高校、1校の私立高校があります。市内に大学はなく、神奈川県内や都内に通学する方が多いようです。
3-1、幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 2施設 | 21施設 |
小学校 | 10校 | 0校 |
中学校 | 5校 | 0校 |
高等学校 | 2校 | 1校 |
大学・短大 | 0校 | 0校 |
3-2、待機児童数(2021年4月現在)
待機児童数(国基準) | 15人 |
綾瀬市における、2021年4月現在の待機児童数は15人で、前年の27人から12人減少しています。
4、神奈川県 綾瀬市の不動産市場と住宅購入について
綾瀬市は神奈川県のほぼ中央に位置する小さな市で、隣接する海老名市や藤沢市と比べると、目立たない印象のある街ですが、自然が豊かで子育てしやすい街としてファミリー層に人気があります。
綾瀬市は首都圏では珍しい鉄道駅がない街で、市外北側を走る相鉄本線の、相模大塚駅(大和市)、さがみ野駅(座間市)、かしわ台駅(海老名市)、南部を走る小田急江ノ島線の長後駅(藤沢市)などが最寄りとなります。これらの各駅から徒歩圏となるエリアには、一戸建を中心とした良好な住宅地が形成されています。
また鉄道がない分、市内のバス網がとても充実しており、海老名駅をはじめ市外の各駅に向かうバスや、市内を循環するコミュニティバスなどが運行しているため、それほど不便は感じません。市域からもっとも近いかしわ台駅からは、横浜まで約30分、新宿・東京も約70分でアクセスすることができます。さらに、交通情報でおなじみの「東名綾瀬バス停」を利用すれば、高速バスで名古屋、静岡、河口湖、箱根方面や都内のターミナル駅に移動することも可能です。
このような背景もあり、かつて綾瀬市は市の外縁部から市街地が形成され、ドーナツ型の都市が形成されていました。そこで中心部の街の賑わいや利便性を高めるため、「タウンセンター計画」が推進され、市役所周辺に大型ショッピングモール「綾瀬タウンヒルズ」を始めとする商業施設や飲食店、住宅地などの出店・開発が進んでいます。
■綾瀬タウンヒルズ
出典:Wikipedia
また綾瀬市がファミリー層に人気な理由は、独自の「子育て支援」が充実していることにあります。
幼児向けには、ベビーカーなどの子育て用品の購入費助成、紙おむつの支給、電動自転車の貸し出しなど、他にはあまりない制度を運営しています。また神奈川県では珍しい、小~中学校の完全給食、全小学校に放課後児童クラブ「あやせっ子ふれあいプラザ」を設置など、共働きファミリーが子育てしやすい環境づくりに力を入れています。また経済面では、高校生や専門学校生を対象に、「給付型奨学金」を給付するなど、幅広く支援をおこなっています。
綾瀬市での住まい探しは、まずエリア選びから始めてみてはいかがでしょうか。都内に電車で通勤・通学する方は、相鉄本線が利用できる市の北部エリアを中心に物件探しを進めてみるとよいでしょう。このエリアには、パワーセンターPAT綾瀬、フレスポ綾瀬などのショッピング施設や、駅周辺には地域密着のスーパーなどもあり、毎日の買い物に困ることはありません。また少し足を伸ばせば、海老名駅前のビナウォークやららぽーと海老名、コストコ座間倉庫店などのショッピング施設も近く、休日のお出かけにも便利なエリアです。
一方、バス移動がさほど苦にならない方や車での生活が中心の方には、タウンセンター計画で区画整理が進み、良好な住宅地が形成されている、市の中心部もおすすめです。約70店舗のテナントが入る「綾瀬タウンヒルズ」は市内最大のショッピングモールとして多くの市民が利用しています。2020年には東名高速の「綾瀬スマートインターチェンジ」も開通し、車での移動にもとても便利なエリアだと思います。
そして、綾瀬市での住まい探しで注意しなければならないのは、市域の約20%を占める厚木基地の騒音です。厚木基地は、自衛隊と米軍が共用する基地で、頻繁に飛行機が離着陸します。このため行政で窓の防音設備や冷暖房機器の費用負担が行われていますが、内見の時などにしっかり確認された方がよいでしょう。
綾瀬市は、西に大山・丹沢連峰を望み、晴れた日には遠くに富士山を望める自然豊かな街で、価格もリーズナブル。広めの土地を買って一戸建でゆったりと暮らしたい子育てファミリー層におすすめの街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。
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