船橋市は千葉県北西部に位置する中核市で、千葉県では千葉市に次ぎ2番目に人口の多い市です。JR総武線快速で東京駅まで約30分。市内にはららぽーとTOKYO-BAY、IKEAなどの大型商業施設もあり、都心で働く人たちのベッドタウンとして発展し続けています。
目次
1.船橋市の人口は4%増、世帯数は13%増
そんな船橋市の人口は、約65万人、世帯数は約31.6万世帯。最近10年間で、人口は約4%、世帯数は約13%増加しています。年間の転入出者数は年約30,000人前後で転入数が約3,200人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2023/1/末 現在)
人口 | 647,037人 |
世帯数 | 315,830世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
人口 | 619,551 | 622,988 | 626,809 | 630,937 | 635,517 | 639,598 | 642,938 | 644,966 | 645,718 | 647,037 |
世帯数 | 279,300 | 283,125 | 287,785 | 292,269 | 297,274 | 301,667 | 305,583 | 309,524 | 312,455 | 315,830 |
※各年1月末日 現在(船橋市ホームページ)
1-3.転入・転出(2022年中)
転入者数 | 32,048人 |
転出者数 | 28,876人 |
※出典:2022年人口移動報告(総務省)
2.千葉県船橋市の不動産情報
2-1.土地の価格は、㎡あたり約22~24万円。10年間で約3割の大幅上昇
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。船橋市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約22~24万円で、最近10年間は上昇傾向が続いており、10年で28%と大きく上昇しています。(公示地価ベース)
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1 月1 日時点の土地価格を判定して、1 ㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7 月1 日時点の土地価格を判定して、1 ㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
船橋市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2023年) | 225,136円 |
基準地価(2023年) | 242,185円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
公示
地価 |
175,897円 | 178,919円 | 180,438円 | 182,236円 | 186,695円 | 194,781円 | 205,208円 | 206,350円 | 211,609円 | 225,136円 |
基準
地価 |
181,636円 | 184,355円 | 188,172円 | 192,023円 | 196,814円 | 206,189円 | 211,131円 | 213,746円 | 221,495円 | 242,185円 |
マップでご覧いただけるように、船橋市にはJR総武線・武蔵野線・京葉線、京成線・新京成線、東武野田線、東葉高速鉄道など非常に多くの路線が乗り入れています。中でも人気が高いのはJR総武線と東葉高速鉄道の沿線で、20~30万円/㎡、京成・新京成線、東武野田線沿線は10~20万円/㎡くらいが相場です。また駅から離れたエリアでは10万円/㎡を切るエリアも存在します
2-2.新設住宅着工戸数は約5,800戸。分譲住宅が全体の約半数を占める
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。船橋市で2022年中に新築された建物は5,794戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が20%、貸家(賃貸住宅)が33%、分譲住宅が47%と、分譲住宅が約半数を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,213戸(45%)、マンションが1,498戸(55%)と、バランスよく供給されています。ただし、2022年は、例年500~700戸の新築マンションが約1,500戸に増えていますのでご注意ください。一方、一戸建は年1,300~1500戸が安定して供給されています。
■船橋市の新設住宅着工戸数(2022年)
持ち家 | 1,133戸 |
貸家 | 1,930戸 |
給与住宅 | 20戸 |
分譲住宅 | 2,711戸 |
計 | 5,794戸 |
2-3.船橋市の住宅着工数は10年間でプラス17%。
船橋市の住宅着工数は最近10年間でプラス17%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス6%、分譲住宅がプラス56%、賃貸住宅がマイナス5%と、分譲住宅が大きく伸びていますが、前述の通り、2022年はマンションの大量供給があったため、それを除くとほぼ横ばいといったところです。しかし、多くの自治体で着工戸数が減少する中で、横ばいをキープしていることからも船橋市の人気の高さがうかがえます。
船橋市の新設着工戸数
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
持ち家 | 1,201戸 | 1,065戸 | 1,017戸 | 1,081戸 | 1,076戸 | 1,091戸 | 983戸 | 1,111戸 | 1,252戸 | 1,133戸 |
貸家 | 2,027戸 | 1,836戸 | 1,902戸 | 2,103戸 | 2,582戸 | 2,345戸 | 2,338戸 | 1,628戸 | 1,727戸 | 1,930戸 |
給与住宅 | 4戸 | 2戸 | 39戸 | 5戸 | 0戸 | 21戸 | 3戸 | 1戸 | 21戸 | 20戸 |
分譲住宅 | 1,741戸 | 2,325戸 | 1,881戸 | 1,902戸 | 1,845戸 | 2,586戸 | 2,071戸 | 1,748戸 | 1,879戸 | 2,711戸 |
総計 | 4,973戸 | 5,228戸 | 4,839戸 | 5,091戸 | 5,503戸 | 6,043戸 | 5,395戸 | 4,488戸 | 4,879戸 | 5,794戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-3.千葉県船橋市の不動産価格。新築は3,000万円台~5,000万円台まで幅広く供給
船橋市で販売されている新築マンションは、3,000~5,000万円台まで幅広く、㎡単価は70~80万円くらいが相場ですが、エリアによってかなり差があります。
中古マンションは、築15年以内で平均3,764万円(55.6万円/㎡)、築15~25年で平均3,602万円(47.7万円/㎡)、築25年超で平均2,042万円(32.6万円/㎡)前後となっています。
一戸建については、新築が4,005万円、中古は築15年以内で平均3,815万円、築25年以内で3,435万円、築25年超は2,447万円となっています。マンション・一戸建ともに、全体として価格は上昇傾向で、エリアによっても差がありますので、地域に詳しい不動産会社に個別に確認してみることをおすすめします。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均20.7万円/㎡、徒歩20分以内なら15.2万円/㎡、徒歩20分超で8.6万円/㎡となっています。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
築15年以内 | 5,980万円 | 1,150万円 | 3,764万円 | 94㎡ | 21㎡ | 69㎡ | 55.6万円 |
築15~25年 | 7,390万円 | 1,500万円 | 3,602万円 | 105㎡ | 58㎡ | 75㎡ | 47.7万円 |
築25年 超 | 4,890万円 | 180万円 | 2,042万円 | 106㎡ | 16㎡ | 64㎡ | 32.6万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | |
新築 | 6,390万円 | 2,390万円 | 4,005万円 | 215㎡ | 45㎡ | 113㎡ | 120㎡ | 65㎡ | 98㎡ |
築15年以内 | 18,200万円 | 1,600万円 | 3,815万円 | 505㎡ | 49㎡ | 135㎡ | 192㎡ | 58㎡ | 101㎡ |
築15~25年 | 17,800万円 | 1,388万円 | 3,435万円 | 476㎡ | 83㎡ | 131㎡ | 260㎡ | 79㎡ | 111㎡ |
築25年 超 | 8,900万円 | 600万円 | 2,447万円 | 1,096㎡ | 58㎡ | 145㎡ | 284㎡ | 28㎡ | 102㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
徒歩10分以内 | 23,000万円 | 290万円 | 3,951万円 | 2,696㎡ | 47㎡ | 219㎡ | 20.7万円 |
徒歩10分~20分 | 39,600万円 | 200万円 | 2,786万円 | 2,183㎡ | 61㎡ | 190㎡ | 15.2万円 |
徒歩20分超・バス | 8,000万円 | 185万円 | 1,588万円 | 3,024㎡ | 61㎡ | 272㎡ | 8.6万円 |
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年11月のデータをもとに集計
~ 千葉県船橋市の物件を見る ~
3.船橋市の待機児童数は9人。市内に3つの大学があり、都内への通学も可能で教育環境は良好
船橋市には、55校の公立小学校、26校の公立中学校、11校の公立高校と5校の私立高校があります。中でも県立船橋高校は県内有数の進学校、市立船橋高校はサッカーや野球などのスポーツ名門校として知られています。また大学は市内に日本大学、東邦大学など3つのキャンパスがありますが、都内への通学も十分可能で、教育環境はとてもよいと言えるでしょう。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて200を超える施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 27施設 | 189施設 |
小学校 | 55校 | 1校 |
中学校 | 26校 | 1校 |
高等学校 | 11校 | 5校 |
大学・短大 | 0校 | 3校 |
3-2. 待機児童数(2023年4月現在)
待機児童数(国基準) | 9人 |
2023年4月の船橋市の待機児童数は、前年の28人から19人減少して9人でした。
4.千葉県船橋市の住まい探しは、市内を3つのエリアに分けて検討を進めてみよう
不動産情報サイトLIFULL HOME’Sが発表した「首都圏 買って住みたい街ランキング2023(行政区版)」で3位にランキングされた船橋市。前年の5位から順位を上げ、千葉県からは唯一、船橋市だけがトップ10入りしています。また、このランキングはアンケート形式でなく、住宅購入検討者からの問合わせが多かった街のランキングであるため、単なる希望や憧れではなく、現実的な検討対象としての人気の高さがうかがえます。ではなぜそれほど船橋市が評価されるのでしょうか?
まず挙げられるのは交通アクセスの良さでしょう。船橋市には実に9路線、35もの駅があります。JR総武線の船橋駅からは、快速で東京駅まで約25分、品川駅まで約35分、またJR京葉線の南船橋駅からは、東京駅まで約25分でアクセスできます。さらに東葉高速鉄道は東京メトロ東西線直通で、北習志野駅から大手町駅まで約40分。そして東西に走るこの3路線に交差する形でJR武蔵野線、東武アーバンパークライン、新京成線が走っています。また市の北端には印西市、白井市とともに千葉ニュータウンを形成する、北総線の小室駅があります。
出典:船橋市 魅力発信サイト「FUNABASHI Style」
第2の理由としては生活利便性が挙げられます。市内には「ららぽーとTOKYO-BAY」をはじめ「IKEA Tokyo-Bay」、船橋駅直結の「東武百貨店」、「イオンモール船橋」などの大型商業施設やスーパーが点在し、買い物便は申し分ありません。また市の北部には東京ドーム約8個分の広さを誇り、市外からもたくさんの人が訪れる「ふなばしアンデルセン公園」、市の南部には潮干狩りやバーベキューが楽しめる「ふなばし三番瀬海浜公園」など、子どもとのお出かけスポットにも事欠きません。
■ふなばしアンデルセン公園のフィールドアスレチック
出典:ふなばしアンデルセン公園公式サイト
そんな便利な船橋市ですが、不動産価格は比較的リーズナブルで、新築一戸建が3,000万円台から購入可能です。流通している物件も多く、新築・中古、一戸建・マンションと選択肢が多いのも魅力ではないでしょうか。
そんな船橋市での住宅購入は、まずエリア選びからスタートしてみましょう。以下のように市全体を大きく3つに分けて検討してみるとよいと思います。
①中部エリア=JR総武線沿線(JR総武線 西船橋駅~津田沼駅)
船橋市の中部で古くから商業の中心でもあるエリア。東京駅まで快速で約25分。成熟した住宅地が広がっており、2018年に閉店した船橋西武の跡地では大規模な再開発が進行中。
②南部エリア=JR京葉線沿線(JR京葉線 南船橋駅)
ららぽーと、IKEAなど大型ショッピング施設が並ぶ湾岸エリア。東京駅まで快速で約25分。新築マンションも多く供給され、2023年11月には「三井ショッピングパーク ららテラス TOKYO-BAY」がオープン。また、2024年春には、大型多目的アリーナ「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)」の開業も予定されている、これからの発展が楽しみなエリア。
③北部エリア=東葉高速鉄道、武蔵野線、京成・新京成線、東武野田線、北総線の沿線
大きな公園や農地も残る自然豊かなエリア。都心には40~60分前後。鉄道の利便性はやや落ちるが、のどかな田園風景が残るエリアで、中心駅は新京成線と東葉高速鉄道のクロスターミナルである北習志野駅。
価格相場は①>②>③の順番で下がりますが、沿線・駅などによっても変わってきますので、ざっくりとエリアを決めたら、その地域をよく知る不動産会社などを訪ね、情報収集しながら要望を絞り込み、物件探しに進んでいくとよいでしょう。船橋市は全体としてとても便利で暮らしやすい街ですが、エリアによってかなり雰囲気が変わる街でもあります。ぜひ現地を訪れ、ご自身の目で確かめてみてください。