データで見る不動産購入 【埼玉県 ふじみ野市】

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ふじみ野市は埼玉県の南部、都心から約30キロに位置する市です。中心駅は東武東上線の上福岡駅で、東京メトロ有楽町線・南北線と直通運転しているため都心へのアクセスがよく、準急を使えば池袋駅まで約30分、渋谷駅まで約1時間で行くことができます。1950年代に東洋一とも言われた霞ヶ丘団地、上野台団地などが建設され、都心のベッドタウンとして発展してきました。そんなふじみ野市の住まいと不動産市況について見ていきましょう。

 

目次

1.ふじみ野市の人口は10年で5%増と増加傾向。世帯数は14%増

ふじみ野市の人口は、約11万人、世帯数は約5万世帯。最近10年間の人口は5%増、世帯数は14%増となっており、年間の転入出者数は、転入者が260人ほど上回っています。

1-1.人口・世帯数(2022/1/1 現在)

人口 114,279人
世帯数 53,465世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

1-3.転入・転出(2021年中)

転入者数 4,784人
転出者数 4,523人

※出典:2021年人口移動報告(総務省)

 

2.埼玉県ふじみ野市の不動産情報

 

2-1.土地の価格は㎡あたり20万円前後。上福岡駅・ふじみ野駅周辺で高い

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。ふじみ野市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約19~20万円台/㎡で、直近10年間は、緩やかな上昇傾向が続いていましたが、2020年以降は新型コロナの影響もありやや値下がりしています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

ふじみ野市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年) 205,400円
基準地価(2021年) 190,142円

 

 


マップでご覧いただけるように、地価が高いのは東武東上線の上福岡駅とふじみ野駅の周辺で、18~20万円/㎡くらい、駅から少し離れた住宅地では、14~16万円/㎡くらいまで下がってきます。なお、ふじみ野駅の所在地はふじみ野市ではなく隣接する富士見市になります。

 

2-2.ふじみ野市はマンション、一戸建がバランスよく供給されているエリア

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。ふじみ野市で2021年中に新築された建物は603戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が31%、貸家(賃貸住宅)が36%、分譲住宅が33%と、非常にバランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が166戸(85%)、マンションが30戸(15%)となっていますが、2020年には700戸を超える大型の新築マンションの供給がありました。マンションは年により供給数にバラつきがありますが、一戸建は安定して年200戸前後供給されています。

 

■ふじみ野市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家 187戸
貸家 220戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 196戸
603戸

2-3.住宅着工戸数は緩やかな減少傾向

ふじみ野市の住宅着工数は最近10年間でマイナス46%となっており、内訳としては、注文住宅がマイナス33%、分譲住宅がマイナス58%、賃貸住宅がマイナス41%と、すべてのカテゴリでマイナスとなっています。下のグラフのように新築マンションの供給数が多い年は着工数も大きく伸びますが、全体としては減少傾向だといえるでしょう。

 

2-4.ふじみ野市の不動産価格相場。中古の実勢価格はマンション・一戸建ともに3,000万円台半ば

ふじみ野市で販売されている新築マンションは、4,000~5,000万円台が中心で、㎡単価は60万円前後が相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,305万円(47.1万円/㎡)、築15~25年で平均3,044万円(37.7万円/㎡)、築25年超で平均1,903万円(27.1万円/㎡)前後が相場です。

一戸建については、新築で3,818万円、中古は築15年以内で平均3,753万円、築25年以内で3,405万円、築25年超は2,571万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均36.6万円/㎡、徒歩20分以内なら23.8万円/㎡、徒歩20分超で15.1万円/㎡となっています。駅近エリアの実勢価格は公示地価などの指標よりもやや高いようです。

 

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3.ふじみ野市の教育環境。待機児童はほぼ解消。大学は都内への通学も十分可能

ふじみ野市には、13校の公立小学校、6校の公立中学校、1校の公立高校があります。市内に文京学院大学ふじみ野キャンパスがありますが、埼玉県内や都内への通学も十分可能です。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 5施設 30施設
小学校 13校 0校
中学校 6校 0校
高等学校 1校 0校
大学・短大 0校 1校

 

3-2. 待機児童数(2021年4月現在)

 

待機児童数(国基準) 1人

 

ふじみ野市は2021年4月現在、待機児童は1名でした。前年の5名から4名減って待機児童ゼロまでもう少しといったところです。ふじみ野市は2012年度に一度、「待機児童ゼロ」を達成していますが、希望者数の増加に受入れ人数の拡大が追いつかず、わずかに待機児童ゼロを達成できていない状況です。小さなお子様がいる方は、念の為市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

4.ふじみ野市の住まい探しは、2つの駅の特徴を知るところから始めよう

埼玉県ふじみ野市は、2005年に上福岡市と大井町の合併により誕生した新しい市です。市の中央部を東武東上線が南北に縦断し、旧上福岡市の中心駅である上福岡駅と、1993年に開業したふじみ野駅(所在は富士見市)の2駅が利用できます。上福岡駅からは池袋駅まで東武線で約28分、東京メトロ有楽町線直通で、有楽町まで45分、南北線直通で新宿駅まで33分、渋谷駅まで38分と都心へのアクセスは申し分ありません。また渋谷駅から東急東横線にも直通運転されているため、横浜・みなとみらい方面へも乗り換えなしでアクセスすることができます。

また、ふじみ野市は駅から比較的近いエリアに、一戸建を中心とした閑静な住宅地が広がり、その周辺に保育園や学校、スーパーや商業施設、大きな公園や医療施設などがコンパクトにまとまっており、世代を問わずとても暮らしやすい街であるという評価を受けています。特に商業施設は充実しており、2020年にオープンした「イオンタウンふじみ野」、2021年にリニューアルオープンした「トナリエふじみ野」、2006年に上福岡駅西口の再開発で誕生した複合施設「ココネ上福岡」など、徒歩圏に大型のショッピング施設や小規模スーパーがたくさんあり、日々の買い物にはとても便利です。休日には隣接する富士見市の「ららぽーと富士見」などに足を伸ばしてみるのもよいかも知れません。

 

ふじみ野市での住まい探しは、まずどの駅を選ぶかを検討してみましょう。「上福岡駅」は1950年代に大規模団地が開発され、ベッドタウンとして人口が急増したころからの中心駅で、駅周辺エリアにはかつての大規模団地をリニューアルしたURのマンションをはじめ多くのマンションがあり、少し離れたエリアには一戸建を中心とした低層の住宅地が広がっています。駅周辺には昭和のころからの店舗も残り、成熟した雰囲気のある街ですが、駅前の再開発により「ココネ上福岡」などの大型複合施設も生まれ、古いものと新しいものが混在した街というイメージです。

■ココネ上福岡

出典:Wikipedia

 

一方、1993年に開業した東武線で2番目に新しい「ふじみ野駅」は、東武線の準急・急行・快速はもちろん、池袋までノンストップで行けるTJライナーや、東急東横線直通のFライナーなど、ほぼすべての列車が停車するので、東京方面へのアクセスは抜群によいのが大きな魅力です。また羽田空港や成田空港に向かう高速バスも発着しています。

どちらの駅も一戸建は新築・中古ともに流通していますが、新築マンションの供給が少ないため、中古を並行して探すことをおすすめします。また隣接する富士見市や川越市なども視野に入れて物件探しを進めてみるとよいと思います。

 

■トナリエふじみ野

出典:トナリエふじみ野公式サイト

 

ふじみ野市には有名な観光地こそありませんが、都心への交通便、日々の買い物便は申し分なく、子どもと1日中遊べる大型の公園やショッピングモールなどがコンパクトにまとまったとても暮らしやすい街です。

郊外の一戸建を検討されている子育て世帯の皆様は、ぜひ積極的に検討してみることをおすすめします。

 

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