23区なのに自然豊かで暮らしやすいベッドタウン。東京都練馬区の魅力と不動産市況

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練馬区は東京都の北西部に位置する区で東京区部・市部・埼玉県南部に隣接しています。区内には西武線、都営大江戸線、東武線など多くの路線が乗り入れ、都心部へのアクセスは抜群な一方で、公園の数や緑被率は23区ナンバーワン。自然豊かなベッドタウンとして子育てファミリーに人気の高い街です。

目次

1.練馬区の人口は10年で4%増、世帯数は11%増と増加傾向

そんな 練馬区の人口は、約74万人、世帯数は約38万5,000世帯。最近10年間の人口は4%増、世帯数は11%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約1,000人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口738,914人
世帯数385,142世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年
人口711,212714,656719,109723,711728,479732,433739,435740,099738,358738,914
世帯数347,096350,732355,564360,633365,725370,567377,837380,495381,830385,142
※各年 1月1日現在(練馬区ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数43,832人
転出者数42,747人
※出典:2022年 人口移動報告(総務省)

2.東京都練馬区の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり約40万円台後半。10年で19%の上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。練馬区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約47~48万円で、最近10年間は上昇傾向が続き、10年で19%の上昇となっています。2020~2022年はコロナ禍で横ばいが続いていましたが、2023年に入り再び上昇傾向となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

練馬区全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年)472,454円
基準地価(2022年)467,387円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年
公示 地価396,809円401,357円394,236円404,590円418,763円435,136円451,181円446,363円452,245円472,454円
基準 地価392,673円395,918円407,204円419,734円435,408円453,448円456,979円457,959円467,387円

マップでご覧いただけるように、練馬区には西武線、東武線、都営大江戸線の3路線が乗り入れていますが、人気が高いのは、西武池袋線沿線の江古田駅~中村橋駅間で45~55万円/㎡、東京メトロ有楽町線・副都心線が乗り入れる平和台駅周辺エリアが40~45万円/㎡くらい、区の南部を走る西武新宿線の上石神井駅、武蔵関駅周辺エリアで35~40万円/㎡前後が相場となっています。駅から離れたエリアでは20万円台/㎡の地点も見られます。

2-2.新設住宅着工戸数は約5,600戸。賃貸住宅と分譲住宅で全体の85%を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。練馬区で2022年中に新築された建物は5,610戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が15%、貸家(賃貸住宅)が48%、分譲住宅が37%と、約半数が賃貸となっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,092戸(53%)、マンションが986戸(47%)とバランスよく供給されています。

■練馬区の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家838戸
貸家2,674戸
給与住宅5戸
分譲住宅2,093戸
5,610戸

2-3.練馬区の住宅着工数は10年間でマイナス10%。注文住宅が大きく減少

練馬区の住宅着工数は最近10年間でマイナス10%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス30%、賃貸住宅がプラス2%、分譲住宅がマイナス13%と、注文住宅が大きく減少しています。練馬区は一戸建・マンションがバランスよく供給される、分譲住宅メインのエリアだと言えそうです。

練馬区の新設着工戸数

 2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
持ち家1,200戸984戸829戸898戸881戸804戸813戸781戸916戸838戸
貸家2,625戸3,402戸2,723戸3,168戸3,921戸3,769戸3,196戸2,374戸2,787戸2,674戸
給与住宅22戸198戸6戸30戸24戸8戸119戸17戸48戸5戸
分譲住宅2,406戸2,819戸3,355戸2,331戸3,297戸3,107戸2,103戸2,339戸3,138戸2,093戸
総計6,253戸7,403戸6,913戸6,427戸8,123戸7,688戸6,231戸5,511戸6,889戸5,610戸
※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都練馬区の不動産価格。新築は5,000~6,000万円台が相場

練馬区の新築マンションは5,000万円台~6,000万円台が中心で、㎡単価は90万円前後と高額になっています。

中古マンションは、築15年以内で平均4,722万円(89.6万円/㎡)、築15~25年で平均4,706万円(76.0万円/㎡)、築25年超で平均2,765万円(58.2万円/㎡)前後と、築浅物件の相場が上昇しています。

一戸建については、新築で6,908万円、中古は築15年以内で平均8,630万円、築25年以内で6,674万円、築25年超は4,535万円となっています。地価の上昇にともない、新築物件の土地面積は狭くなる傾向があるようです。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均65.4万円/㎡、徒歩20分以内なら51.6万円/㎡、徒歩20分超で38.6万円/㎡となっており、公示地価などよりもやや高い相場で取引されているようです。

(1)中古マンション


販売価格(万円)

専有面積(㎡)

㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

8,980万円

1,480万円

4,722万円

84㎡

21㎡

53㎡

89.6万円

築15~25年

8,980万円

1,250万円

4,706万円

102㎡

18㎡

62㎡

76.0万円

築25年 超

6,490万円

680万円

2,765万円

137㎡

14㎡

47㎡

58.2万円

(2)一戸建

 

販売価格(万円)

土地面積(㎡)

建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

15,400万円

3,480万円

6,908万円

166㎡

35㎡

92㎡

197㎡

45㎡

94㎡

築15年以内

26,000万円

3,480万円

8,630万円

341㎡

34㎡

123㎡

194㎡

52㎡

108㎡

築15~25年

23,900万円

1,400万円

6,674万円

303㎡

34㎡

113㎡

259㎡

57㎡

106㎡

築25年 超

19,000万円

800万円

4,535万円

314㎡

31㎡

102㎡

283㎡

33㎡

92㎡

(3)土地



販売価格(万円)

土地面積(㎡)

㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

28,000万円

1,320万円

8,586万円

335㎡

29㎡

136㎡

65.4万円

徒歩10分~20分

40,000万円

998万円

7,289万円

1,060㎡

48㎡

149㎡

51.6万円

徒歩20分超・バス

32,000万円

1,880万円

6,372万円

660㎡

51㎡

160㎡

38.6万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年4月のデータをもとに集計

3. 練馬区は待機児童ゼロを達成。区内に3つの大学があり教育環境は良好

練馬区には、66校の公立小学校、35校の公立中学校、9校の公立高校と4校の私立高校があります。また区内に武蔵野音楽大学、日本大学芸術学部、武蔵大学の3つのキャンパスがありますが、都内への通学もしやすく教育環境は良好です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて300を超える施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等63施設247施設
小学校66校1校
中学校35校3校
高等学校9校4校
大学・短大0校3校

3-2. 待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準)0人

2022年4月現在、練馬区は3年連続で待機児童ゼロを達成しています。

練馬区は保育需要の増大により、2014年4月には待機児童数が487人に上りましたが、区独自の幼保一元化施設で

ある「練馬こども園」の創設等により、9年間で約8,500人の定員増を図り、3年連続での待機児童ゼロを実現しています。

4.東京都練馬区の住まい探しは、沿線ごとの特徴をふまえたエリア選びからスタートしてみよう

練馬区は東京23区の北西部に位置し、東は杉並区、中野区などの区部、西は西東京市、武蔵野市などの市部、そして北は埼玉県南部の市(新座市・朝霞市など)と隣接する街です。

区内には、西武鉄道が4路線(池袋線、豊島線、新宿線、有楽町線)、東京メトロが2路線(有楽町線、副都心線)、そして東武東上線、都営大江戸線と多くの路線が乗り入れており、池袋駅、新宿駅、渋谷駅、有楽町駅など、都内の主要駅はもちろん、東京メトロと相互乗り入れする東急線を使えば、横浜、みなとみらい方面へもダイレクトにアクセスできます。

また商業施設も充実しており、練馬駅周辺には駅直結の「エミオ練馬」や「Coconeri(ココネリ)」、光が丘駅には「光が丘IMA」、「リヴィン光が丘店」、石神井公園駅には「エミオ石神井公園」、大泉学園駅には「リヴィンオズ大泉店」というように沿線ごとに核となる大型商業施設があり、地域のスーパーや昔ながらの商店街、飲食店も多数点在していますので、生活利便性が非常に高い街です。

一方、23区内にある便利な街でありながら、公園の数は23区ナンバーワン、緑被率 (緑に覆われている率) も23区内ナンバーワン、農地面積も23区ナンバーワンで、緑と自然が豊かな街としても知られています。中でも練馬区で最大、6ヘクタールもの広大な敷地をもつ「光が丘公園」は、芝生広場や噴水広場、野球場、サッカー場、テニスコート、バーベキュー場など、様々な施設があり、休日には多くの人で賑わう、区民の憩いの場となっています。

■光が丘公園のイチョウ並木

そんな練馬区での住まい探しは、エリア選びからスタートしてみましょう。大きく4つのエリアに分けて検討を進めてみてはいかがでしょうか。

①練馬駅エリア

中心駅である練馬駅周辺は、もっとも交通利便性、生活利便性が高いエリアです。西武池袋線・有楽町線・豊島線・都営大江戸線の4路線が乗り入れており、池袋駅へ約10分、東京メトロ直通で有楽町駅(有楽町線)や渋谷駅(副都心線)まで約30分、都営大江戸線で新宿駅まで約20分と、都内のどこに行くにも30分ほどでアクセスできる非常に便利な立地です。また、区役所や文化ホールなど公共施設も近く、駅前にはスーパー、ドラッグストア、保育所、病院などが入る複合施設「ココネリ」もあります。利便性を最優先に検討する方は、まず練馬駅を中心とする池袋線沿線から物件探しをスタートしてみるとよいと思います。

■練馬駅の複合施設「ココネリ」

出典:ココネリ公式サイト

②光が丘エリア

都営大江戸線の始発・終着駅である光が丘駅は、子育てファミリーにおすすめのエリアです。

光が丘駅は始発駅であるため、新宿、飯田橋、六本木、大門(浜松町)などの主要駅に座って通勤できるのが大きな魅力で、帰りが遅くなっても寝過ごすこともありません。また「光が丘IMA」をはじめ、スーパーや飲食店なども多く、商業施設の充実ぶりは練馬区一とも言われています。休日には広大な「光が丘公園」で、スポーツやバーベキューなど大人も子どもも一日中楽しめるエリアで、練馬駅の繁華街のような騒々しさもなく、子育てファミリーに安心のエリアです。

③石神井公園エリア

練馬駅や光が丘駅よりも、さらに豊かな自然が感じられるのが石神井公園駅の周辺エリアです。西武池袋線の急行停車駅なので、練馬駅と同様に都内へのアクセスは抜群。駅周辺はスーパー激戦区で物価も安く、とても暮らしやすいエリアです。そして、駅名にもなっている「石神井公園」は、石神井池と三宝寺池の2つの大きな池からなる広大な公園で、野球場、テニスコート、野外ステージなどの施設がありボート遊びも楽しめます。駅から少し離れると、閑静な一戸建の住宅街が広がっており、ゆったり一戸建で暮らしたい方にはおすすめのエリアです。

④大泉学園エリア

大泉学園駅の周辺エリアは、ところどころに農地も残る、のどかで自然豊かなエリアです。各駅停車しか停まりませんが、池袋や新宿へのアクセスはよく、周辺には一戸建を中心とした閑静な住宅街が形成されています。「グランエミオ大泉学園」、「ゆめりあフェンテ」など商業施設も充実しており、美しい街並みと落ち着いた雰囲気で人気のあるエリアです。こうした暮らしやすさからARUHI社の「本当に住みやすい街大賞2022」では関東エリア4位にランキングされています。

また大泉学園エリアの大きなトピックは、都営大江戸線の延伸です。現在光が丘駅まで整備されている都営地下鉄大江戸線が大泉町・大泉学園町を通り、JR武蔵野線東所沢駅へ延伸する計画で、練馬区内では、(仮称)土支田駅、(仮称)大泉町駅、(仮称)大泉学園町駅の3つの新駅を整備する予定です。これが実現すれば、練馬区北西部の鉄道空白地帯が都心につながることになり、大きな発展が期待できます。

■都営大江戸線の延伸計画

出典:練馬区ホームページ

都心へのアクセスが抜群で、自然豊かな練馬区。2020年に閉園した「としまえん」の跡地には、2023年6月、ハリーポッターの制作の裏側が見られるテーマパーク「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」がオープンすることも決まっています。

ぜひお出かけを兼ねて現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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