子育て世帯の流入が関西1位!奈良県奈良市の魅力と不動産市況

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奈良市は、奈良県の北部に位置する県庁所在地で、奈良時代に都がおかれた歴史ある街です。市内には東大寺、興福寺、春日大社などの世界遺産や重要文化財も多く、国内外から多くの観光客が訪れます。そんな観光地のイメージの強い奈良市ですが、実は大阪、京都のベッドタウンとして人気が高く「住む街」としても注目される街です。

目次

1.奈良市の人口は約35万人。人口は緩やかな減少傾向

そんな奈良市の人口は約35万人、世帯数は16万7,000世帯で、最近10年間で人口は4%減、世帯数は6%増となっています。年間の転入・転出者数は、転入者が460人ほど上回っています。

1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)

人口351,418人
世帯数166,772世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年
人口364,969363,756362,074360,459358,896357,171356,027354,721353,158351,418
世帯数157,147158,154159,027160,033161,239162,119163,545164,844165,784166,772
※各年 1月1日現在(奈良市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数11,176人
転出者数10,711人
※出典:2022年 人口移動報告(総務省)

2.奈良県奈良市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり約14万円台。コロナ前に回帰の兆し

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。奈良市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約14万円台となっており、最近10年間は2018年頃から上昇傾向が続き、コロナ禍で一時的に落ち込みましたが、2023年の公示地価は再び上昇に転じています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

奈良市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年)140,345円
基準地価(2022年)149,784円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年
公示 地価126,137円127,965円124,632円128,250円130,496円134,400円140,537円137,411円137,067円140,345円
基準 地価123,703円125,759円127,802円129,928円146,510円147,498円149,128円146,895円149,784円

マップでご覧いただけるように、地価が高いのはJR奈良駅と近鉄奈良線の沿線で、10~15万円/㎡くらい、市北部の近鉄京都線沿線や、けいはんな線の学研奈良登美ヶ丘駅の周辺では10~13万円/㎡くらい、その他の沿線では8~10万円/㎡くらいが相場で、駅前の商業地域などを除けば比較的求めやすい価格となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,800戸。注文住宅と分譲住宅がバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。奈良市で2022年中に新築された建物は1,792戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が35%、貸家(賃貸住宅)が31%、分譲住宅が33%と、非常にバランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が406戸(69%)、マンションが179戸(31%)と、一戸建の比率が高くなっています。

■奈良市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家634戸
貸家555戸
給与住宅18戸
分譲住宅585戸
1,792戸

2-3.奈良市の住宅着工数は10年間でマイナス33%。一戸建は年400~500戸コンスタントに供給

奈良市の住宅着工数は最近10年間でマイナス33%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス21%、賃貸住宅がマイナス35%、分譲住宅がマイナス43%と分譲住宅が大きく減少しています。これは2013年に548戸の新築マンションの供給があったことが要因で、マンションの供給数は年に数十戸~300戸くらいまで年によりばらつきがあります。一方、分譲一戸建は年400~500戸コンスタントに供給されています。

奈良市の新設着工戸数

 2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年
持ち家798戸696戸674戸704戸659戸621戸694戸566戸659戸634戸
貸家853戸526戸523戸795戸843戸696戸477戸380戸595戸555戸
給与住宅1戸0戸2戸2戸48戸0戸9戸39戸1戸18戸
分譲住宅1,032戸408戸914戸666戸593戸622戸742戸444戸754戸585戸
総計2,684戸1,630戸2,113戸2,167戸2,143戸1,939戸1,922戸1,429戸2,009戸1,792戸
※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.奈良県奈良市の不動産価格。新築は3,000~5,000万円が相場

奈良市の新築マンションは3,000万円~5000万円くらいが中心で、㎡単価は60万円台前半くらいが相場です。

中古マンションは、築15年以内で平均3,402万円(45.7万円/㎡)、築15~25年で平均2,488万円(30.5万円/㎡)、築25年超で平均1,289万円(18.2万円/㎡)前後が相場です。新築と中古の価格差があるので、リーズナブルにマンションを買いたい方は、中古をメインに探してみるとよいかも知れません。

一戸建については、新築で3,618万円、中古は築15年以内で平均4,611万円、築25年以内で4,226万円、築25年超は2,716万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均16.3万円/㎡、徒歩20分以内なら10.8万円/㎡、徒歩20分超で7.8万円/㎡となっています。

(1)中古マンション


販売価格(万円)

専有面積(㎡)

㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

7,200万円

980万円

3,402万円

88㎡

33㎡

72㎡

45.7万円

築15~25年

5,380万円

1,280万円

2,488万円

118㎡

64㎡

82㎡

30.5万円

築25年 超

4,180万円

150万円

1,289万円

119㎡

25㎡

71㎡

18.2万円

(2)一戸建


販売価格(万円)

土地面積(㎡)

建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

4,980万円

2,080万円

3,618万円

243㎡

73㎡

157㎡

119㎡

56㎡

100㎡

築15年以内

13,600万円

1,990万円

4,611万円

721㎡

91㎡

216㎡

227㎡

78㎡

119㎡

築15~25年

34,980万円

980万円

4,226万円

976㎡

51㎡

221㎡

537㎡

79㎡

138㎡

築25年 超

15,000万円

280万円

2,716万円

2,794㎡

37㎡

296㎡

423㎡

46㎡

132㎡

(3)土地


販売価格(万円)

土地面積(㎡)

㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

14,800万円

300万円

4,178万円

1,001㎡

45㎡

308㎡

16.3万円

徒歩10分~20分

42,100万円

140万円

3,367万円

3,765㎡

57㎡

351㎡

10.8万円

徒歩20分超・バス

42,100万円

50万円

2,801万円

6,682㎡

68㎡

378㎡

7.8万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年3月のデータをもとに集計

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3. 奈良市には学校が多く教育環境は充実

奈良市には、42校の公立小学校、22校の公立中学校、11校の公立高校と7校の私立高校があります。また私立の小中学校も多く、大学も国立が2校、県立が1校、私立が5校と、たくさんの学校がある教育環境の充実した街です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等36施設70施設
小学校42校4校
中学校22校5校
高等学校11校7校
大学・短大3校5校

3-2. 待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準)8人

2022年4月現在、奈良市の待機児童数は8人で、前年の22人、前々年の33人から大きく減少しています。

4.奈良県奈良市の住まい探しは、通勤地と街の雰囲気を考慮した沿線選びから始めてみよう

奈良時代に平城京が置かれた古都・奈良市は観光地のイメージが強い街ですが、近年住む街としても注目されています。

特に子育て世帯からの人気が高く、2022年の年少人口(0~14歳)の転入超過数は関西1位、全国12位となっています。また、「日経xwoman(クロスウーマン)」が発表した「共働き子育てしやすい街ランキング2022」でも、奈良市は関西1位、全国6位にランクインしています。特にキャリア支援を含む「少子化対策・住みやすさ」の項目で評価が高く、前年(関西2位・全国17位)から大きく順位を上げました。

市内にはJR線と近鉄線が乗り入れており、市内主要駅からは乗り換えなしで、京都・大阪に30分~60分ほどでアクセスできます。また「イオンモール」、「ミ・ナーラ」、「ならファミリー」などの大型ショッピングモールやスーパーなども多数点在しているので、買い物などの生活便も申し分ありません。

■大型ショッピングモール「ミ・ナーラ」

出典:Wikipedia

さらに、2037年の開業を目指している「リニア中央新幹線」の新駅候補地として奈良市付近が有力視されており、2023年から選定が本格化する見込みです。もし市内に駅ができれば、奈良と東京が1時間弱で結ばれることとなり、大きな発展が期待できます。

そんな奈良市での住まい探しは、沿線・エリア選びからスタートしてみてはいかがでしょうか。

交通や買い物の利便性を最優先するなら、近鉄・JR奈良駅、近鉄新大宮駅、大和西大寺駅の周辺エリアを中心に物件探しを進めてみましょう。中でも特急・急行などすべての電車が停車する大和西大寺駅は、大阪にも京都にも40分ほどでアクセスでき、商業施設や飲食店なども充実しているので、車がなくても快適に生活することができます。マンションをご希望の方、もこのエリアがおすすめです。

大阪方面へのアクセスを重視する方は、近鉄学園前駅~富雄駅周辺、さらに隣接する生駒市まで範囲を広げてみるとよいと思います。奈良や西大寺よりもぐっと落ち着いた雰囲気で、きれいな街並みと豊かな自然が広がる街です。価格もリーズナブルになるので、大阪方面にお勤めで一戸建をご希望の方にはおすすめです。

一方、京都方面へのアクセスを重視する方は、市北部に位置する近鉄京都線の高の原駅周辺がおすすめです。このエリアは計画的に開発されたニュータウンで、美しい街並みと緑地が整備され、子育てファミリーが暮らしやすい環境となっています。

奈良市は、交通、買い物などの利便性が高い街であると同時に、全国トップクラスの子育てしやすい街でもあります。また、教育に力を入れている都市でもあり、市内には多くの教育機関や文化施設があります。大阪や京都よりも価格もリーズナブルで、これから住まいを購入しようという子育てファミリーにはぜひおすすめしたい街です。

東京圏から奈良市に移住される方には、単身60万円、世帯100万円が交付される「奈良市移住支援金」や、まずは試しに住んでみたいという方への「お試し移住支援」など、移住支援も充実しています。

(参考)奈良市の移住支援制度 歴史ある観光地であると同時に、住む街としても魅力的な奈良市。観光を兼ねてぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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