データで見る不動産購入 【大阪府 和泉市】

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和泉市は大阪府の南西部(泉州地域)に位置する市で、天王寺まで20分、難波まで30分。新大阪駅、大阪駅は、40分。関西空港は20分と、どこに行くにもアクセスがよく、都会でありながら、昔ながらの里山風景も残っている「トカイナカ」をキーワードに、子育て世代の人気を集める街です。そんな和泉市の住まいと不動産市況について見ていきましょう。

 

目次

1.大阪府和泉市の人口はほぼ横ばい。世帯数は9%増

 

和泉市の人口は、約18万5,000人、世帯数は約8万世帯。最近10年間の人口は横ばい、世帯数は9%増となっており、年間の転入出者数は、5,800前後でほぼ均衡しています。
 

1-1.人口・世帯数(2021/12/31 現在)

人口 184,615人
世帯数 80,862世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

 

1-3.転入・転出(2021年中)

転入者数 5,805人
転出者数 5,844人

※出典:2021年人口移動報告(総務省)

 

2.大阪府和泉市の不動産情報

 

2-1.土地の価格は㎡あたり8万円前後とリーズナブル

 

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。和泉市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、8万円台/㎡前後で、直近10年間は、ほぼ横ばいとなっています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

和泉市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年) 83,350円
基準地価(2021年) 81,846円

 

 

 

マップでご覧いただけるように、地価が高いのは泉北高速鉄道の和泉中央駅周辺と、JR阪和線の沿線エリアで、8~10万円/㎡くらい、駅から少し離れた住宅地では、6万円/㎡台の地点も見られますが、それほど大きく下がるわけではないようです。

 

2-2.和泉市の新設住宅着工は6割以上が注文住宅。一戸建中心の街で新築マンションは少ない

 

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。和泉市で2021年中に新築された建物は764戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が65%、貸家(賃貸住宅)が15%、分譲住宅が20%と、全体の6割以上が注文住宅となっています。分譲住宅の内訳としてはすべて一戸建で、新築マンションの供給は数年に1回程度と多くはありません。

 

■和泉市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家 492戸
貸家 116戸
給与住宅 2戸
分譲住宅 154戸
764戸


 

2-3.住宅着工数は注文住宅が伸長。新築一戸建も年150~200戸が安定供給

 

和泉市の住宅着工数は最近10年間でマイナス24%となっており、内訳としては、注文住宅がプラス8%、分譲住宅がマイナス67%、賃貸住宅がプラス41%です。分譲住宅が大きく減少しているように見えますが、これは2012年に200戸を超える新築マンションの供給があったためで、一戸建の供給数は年150~200戸で安定しています。また注文住宅も年400戸前後安定して供給されていることから、和泉市は一戸建、特に注文住宅を中心としたエリアであると言えるでしょう。


 

2-4.和泉市の不動産価格相場。実勢価格はマンション・一戸建とも3,000万円前後が中心

 

和泉市で販売されている新築マンションは、3,000万円台が中心で、㎡単価は40万円台半ばくらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,021万円(38.0万円/㎡)、築15~25年で平均1,556万円(21.8万円/㎡)、築25年超で平均1,266万円(17.6万円/㎡)前後が相場です。マンションは新築と中古の価格差があるので、中古を買ってリノベーションという選択肢もおもしろいかも知れません。

一戸建については、新築で3,118万円、中古は築15年以内で平均2,919万円、築25年以内で2,723万円、築25年超は1,903万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均12.2万円/㎡、徒歩20分以内なら6.7万円/㎡、徒歩20分超で6.9万円/㎡となっており、駅からの距離による価格差が大きいようです。

 

 

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3.和泉市の教育環境。待機児童数はこの1年で大幅に減少。

 

和泉市には、21校の公立小学校、11校の公立中学校、3校の公立高校があります。市内に桃山学院大学のキャンパスがありますが、大阪市内への通学も十分可能です。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 9施設 26施設
小学校 21校 0校
中学校 11校 0校
高等学校 3校 0校
大学・短大 0校 1校

 

3-2. 待機児童数(2021年4月現在)

 

待機児童数(国基準) 15人

 

和泉市は2021年4月現在、待機児童は15名でした。前年は51人(大阪府ワースト)でしたが、利用定員を444名増やしたことで、待機児童数は大きく減少しました。しかし利用希望者の増加もあり、まだゼロは達成できていません。小さなお子様がいる方は市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

4.和泉市は「買って住みたい街」としてじわじわと人気が上昇中。購入には市独自の補助金も

 

和泉市は大阪府の南部(泉州地域)に位置する市で、近年子育て世代を中心に人気が高まっている街です。

その大きな魅力のひとつは交通アクセスです。市内にはJR阪和線の「和泉府中駅」と、泉北高速鉄道の「和泉中央駅」があり、どちらも大阪中心部まで30~50分前後でアクセスできます。また和泉中央駅は始発駅なので、座ってゆったり通勤できるのも大きな魅力でしょう。

出典:和泉市シティプロモーションサイト「ココロトリコイズミ」

 

また、和泉府中駅周辺は2015年に再開発により駅が橋上化され、歩行者デッキや駅前広場が新設されるなど、大きく生まれ変わりました。駅前には昔ながらの商店街「ロードインいずみ」をはじめ、「イオン」「コノミヤ」「イズミヤ」などのスーパーもあり、生活便も申し分ありません。一方、和泉中央駅周辺エリアは最近開発されたいわゆるニュータウンで、若い子育て世代が多く暮らす活気ある街です。駅前には大型ショッピングセンター「エコールいずみ」、和泉中央駅直結の「イズミヤ」、駅から少し離れますが「ららぽーと和泉」、「コストコ和泉倉庫店」「ビバモール泉中央」などのショッピングモールも点在し、日々のお買い物はもちろん、休日のお出かけにも楽しいエリアです。また、和泉市の都市公園数は府内第5位で、休日に子どもと一緒に遊べる公園がたくさんあります。

 

■中央公園(和泉市)

出典:和泉市シティプロモーションサイト「ココロトリコイズミ」

 

このような都市の利便性と自然豊かな郊外の魅力を兼ね備えた和泉市は、買って住みたい街として人気が高く、LIFULLHOME’Sが発表した「買って住みたい街ランキング2022(近畿圏編)」では、大阪、京都、兵庫の総合ランキングで11位にランクインしました。新型コロナの影響で郊外の広い一戸建人気が高まるとともに、18位(2020年)→14位(2021年)→11位(2022年)と、年々じわじわと順位を上げています。

 

和泉市での住まい探しは、和泉府中駅を中心とした北西部エリアと、和泉中央駅を中心とした中央エリア、まずこの2つのエリアのどちらをメインにするか検討してみましょう。

北西部エリアは和泉府中駅を中心にマンション・一戸建が混在した市街地が形成されています。リニューアルされた駅の周辺には、市役所や警察署、病院など公共施設が集まっており、治安もよく便利で暮らしやすいエリアです。また、快速・特急の停車駅なので、大阪・京都方面や関西空港へ頻繁にお出かけになる方にはおすすめです。商店街、地域スーパー、個人経営の飲食店など昔ながらの街並みが残っており、ニュータウンにはないウェットな雰囲気が感じられるエリアだと思います。毎年秋には、泉州地域伝統の「だんじり祭」が行われ、和泉だんじり大連合の勇壮なやりまわしが披露されます。

一方中央エリアは、和泉中央駅を中心とした新しい街で、大学や企業、商業施設や住宅地などが計画的に配置された美しい街並みが特徴のエリアです。反面、個人店や商店街などは少なく、買い物はショッピングモールなどが中心となります。マンション・一戸建とも、1992年にUR都市機構が開発した住宅都市「トリヴェール和泉」内の「いぶき野」、「はつが野」エリアが物件探しの中心となるでしょう。

 

■トリヴェール和泉の街並み

 

■はつが野の街並み

 

出典:和泉市シティプロモーションサイト「ココロトリコイズミ」

 

中央エリアは、場所によっては駅から遠く、やや利便性が落ちるという難点はありますが、自然に恵まれた美しい街並みと住環境、小中一貫校などの教育環境、子育て世代が多く暮らす安心感など、北西部エリアにはない魅力があります。

 

最後に、和泉市では住宅を新築・耐震リフォームをする方向けに独自の補助金制度を設けています。和泉市で住宅を購入する際には検討してみるとよいと思います。

 

■いずもくで建てよう支援事業

和泉市の木材(愛称「いずもく」)を一定量以上用いて住宅・店舗等を建てると、最大40万円の補助金を受けられます。

https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/kakukano/sangyoubu/sangyosinkositu/nourin/izumoku/sumaidukuri.html

 

■木造住宅の耐震改修補助制度

木造住宅の耐震改修に最高100万円の補助金が受けられます。(昭和56年以前に工事着手した木造住宅が対象)

https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/kurasitetu/sumai/taishin/1324364263336.html

 

交通アクセス、生活便ともに申し分なく、大阪のベッドタウンとして人気が高まる和泉市。都心のマンションから郊外の広い一戸建に住み替えたいという方にはぜひおすすめしたいエリアです。一度、現地に詳しい不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。

 

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