TX沿線の開発で子育て世帯の流入が続く、千葉県柏市の魅力と不動産市況

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

柏市は千葉県の北西部に位置する人口約43万人の中核市で、千葉県内では常に「住みたい街」の上位にランキングされる人気の街です。市内には東京メトロ千代田線に接続するJR常磐線、ファミリー層に人気のつくばエクスプレス(TX)、船橋と大宮を南北に結ぶ東武アーバンパークラインの3線が乗り入れています。これまで都内で働く会社員や近郊の大学生のベッドタウンとして発展してきましたが、2015年の上野東京ラインの開通やTX沿線の開発が進み、さらに人気が高まっています。

目次

1.柏市の人口は10年で7%増、世帯数は18%増と増加傾向

そんな柏市の人口は、約43万人、世帯数は約20万世帯。最近10年間の人口は7%増、世帯数は18%増と大きく伸びています。年間の転入出者数は、転入が約2,500人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2022/12/31 現在)

人口 433,733人
世帯数 203,482世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

人口

404,074

406,281

409,001

412,690

416,433

420,028

424,920

428,587

431,267

433,733

世帯数

172,804

175,624

178,576

181,921

185,500

189,088

193,327

197,045

200,040

203,482

※各年 前年12月31日現在(柏市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 20,757人
転出者数 18,278人

※出典:2022年 人口移動報告(総務省)

2.千葉県柏市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約16万円台。10年で9%の上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。柏市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約16万円台で、最近10年間はじわじわと上昇が続き、10年で9%の上昇となっています(公示地価ベース)。コロナが終息に向かった2022~2023年にかけて、上昇が加速しています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

柏市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 169,828円
基準地価(2022年) 161,576円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

 

地価

155,186円 155,207円 154,529円 156,729円 157,380円 159,517円 160,852円 161,128円 162,476円 169,828円
基準

 

地価

136,355円 144,144円 150,736円 148,816円 150,537円 152,256円 152,810円 155,218円 161,576円

マップでご覧いただけるように、JR常磐線の柏駅、南柏駅と、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅にごく近いエリアでは40万円/㎡を超える地点もありますが、少し離れた住宅地では、10万円台が中心の求めやすい価格帯になっています。またJRとつくばエクスプレス沿線は高く、東武アーバンパークライン沿線は安い傾向があります。

2-2.新設住宅着工戸数は約3,500戸。一戸建は注文と分譲がバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。柏市で2022年中に新築された建物は3,522戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が23%、貸家(賃貸住宅)が31%、分譲住宅が46%と、約半数が分譲となっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が1,042戸(65%)、マンションが560戸(35%)となっており、注文住宅と分譲(建売)一戸建がバランスよく供給されています。柏市では、一戸建が注文と分譲合わせて1,800~2,000戸、新築マンションが年200~500戸くらい安定して供給されています。

■柏市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 810戸
貸家 1,106戸
給与住宅 4戸
分譲住宅 1,602戸
3,522戸

 

2-3.柏市の住宅着工数は10年間でプラス5%。TX沿線の開発で安定した供給が続く

柏市の住宅着工数は最近10年間でプラス5%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス8%、分譲住宅がプラス62%、賃貸住宅がマイナス25%と、分譲住宅が大きく伸びています。近年ますます人気が高まっているTX沿線の開発が進み、一次取得者層(初めて家を購入する層)向けの新築供給が伸びているものと思われます。

柏市の新設着工戸数

 

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

持ち家

885戸

714戸

680戸

726戸

777戸

777戸

843戸

854戸

990戸

810戸

貸家

1,477戸

1,280戸

1,076戸

1,828戸

1,661戸

1,610戸

873戸

1,488戸

1,057戸

1,106戸

給与住宅

1戸

3戸

0戸

9戸

104戸

17戸

2戸

4戸

11戸

4戸

分譲住宅

989戸

3,525戸

1,464戸

1,659戸

1,717戸

1,678戸

2,301戸

1,380戸

1,110戸

1,602戸

総計

3,352戸

5,522戸

3,220戸

4,222戸

4,259戸

4,082戸

4,019戸

3,726戸

3,168戸

3,522戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-3.千葉県柏市の不動産価格。新築は4,000~5,000万円台が相場

柏市の新築マンションは3,000万円台後半~5,000万円台が中心で、㎡単価は60万円台が相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均5,040万円(65.4万円/㎡)、築15~25年で平均3,420万円(43.8万円/㎡)、築25年超で平均1,660万円(22.9万円/㎡)前後が相場です。

一戸建については、新築で3,963万円、中古は築15年以内で平均4,006万円、築25年以内で3,177万円、築25年超は2,010万円となっています。昨今の不動産価格の上昇で、柏市でも新築~築浅物件が大きく値上がりしています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均20.1万円/㎡、徒歩20分以内なら16.1万円/㎡、徒歩20分超で10.1万円/㎡となっています。沿線や駅からの距離で大きく価格が変わるので、車での移動が中心の方はあえて駅から離れたエリアを狙ってみるのもよいかも知れません。

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

9,680万円

2,180万円

5,040万円

121㎡

54㎡

76㎡

65.4万円

築15~25年

6,080万円

1,580万円

3,420万円

111㎡

65㎡

79㎡

43.8万円

築25年 超

3,490万円

350万円

1,660万円

150㎡

18㎡

75㎡

22.9万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

5,980万円

2,670万円

3,963万円

340㎡

70㎡

125㎡

148㎡

69㎡

102㎡

築15年以内

22,800万円

1,980万円

4,006万円

457㎡

76㎡

140㎡

197㎡

77㎡

104㎡

築15~25年

11,700万円

1,490万円

3,177万円

304㎡

80㎡

151㎡

207㎡

79㎡

115㎡

築25年 超

4,500万円

480万円

2,010万円

558㎡

61㎡

167㎡

210㎡

51㎡

109㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

16,960万円

550万円

3,207万円

457㎡

65㎡

154㎡

20.1万円

徒歩10分~20分

9,060万円

182万円

2,442万円

1,997㎡

44㎡

186㎡

16.1万円

徒歩20分超・バス

8,350万円

100万円

1,817万円

9,810㎡

45㎡

315㎡

10.1万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年5月のデータをもとに集計

~ 千葉県柏市の物件を見る ~

3.柏市は2015年から8年連続で待機児童ゼロ。都内への通学も可能で教育環境は良好

柏市には、42校の公立小学校、21校の公立中学校、9校の公立高校、5校の私立高校があります。また公立高校の中でも、県立東葛飾高校は、千葉高校・船橋高校とともに千葉県公立御三家といわれる中高一貫の進学校です。

大学については、柏の葉エリアに東京大学、千葉大学のキャンパスがある他、公立、私立合わせて7つもの大学があり、都内への通学もしやすいことから、教育環境はとてもよいと言えるでしょう。

未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて100以上の保育施設があり、柏市が運営する子育てサイト「はぐはぐ柏」には、子育てに関する医療、遊び、施設などカテゴリ別に様々な情報が掲載されています。

こどもをはぐくむ柏市子育てサイト「はぐはぐ柏」 : https://www.city.kashiwa.lg.jp/haguhagu/

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

  公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 22施設 96施設
小学校 42校 0校
中学校 21校 3校
高等学校 9校 5校
大学・短大 3校 4校

3-2. 待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準) 0人

柏市は子育て支援にとても力をいれており、2015年以降8年連続で待機児童数ゼロを達成しています。

4.千葉県柏市の住まい探しは、JR常磐線とつくばエクスプレス、どちらを選ぶかが大きなポイント

柏市の大きな魅力は、都心へのアクセスです。市内にはJR常磐線、つくばエクスプレス(TX)、東武線の3線が乗り入れ、JR柏駅からは、特別快速で東京まで約32分、品川まで40分。TX柏の葉キャンパス駅からは、秋葉原まで33分(いずれも乗換なし)というアクセスの良さです。

そしてもう一つは充実したショッピング施設などの「利便性」です。JR柏駅には高島屋、マルイ、ドン・キホーテ、ビックカメラなどの大型店舗、幹線道路沿いにもイオンモール柏、セブンパークアリオ柏などのショッピングモール、TX柏の葉キャンパス駅には、ららぽーと柏の葉など、大型の商業施設が点在しています。また日常の買い物も京北スーパー、イトーヨーカドー、マルエツなどが軒を連ねていますので、ほとんどの買い物は市内で済ませることができます。

柏市では「都市計画マスタープラン」の中で、JR柏駅とTX柏の葉キャンパス駅を「都市拠点」と位置づけており、今後この2つのエリアを中心に開発・発展を続けていくものと思われます。したがって、柏市での住まい探しは、まず「柏駅エリア」と「柏の葉駅エリア」のどちらを狙うかということから考えてみるとよいでしょう。市の中心である柏駅を軸に、松戸市などを含めた常磐線沿線を狙うか、柏の葉キャンパス駅を軸に、流山市まで含めたTX沿線を狙うかが大きなポイントになります。柏駅エリアは成熟した街並みと新築・中古を含めた流通量の多さが魅力。TX沿線は比較的新しい街並みで、子育て世代の流入が多く、新築・築浅の物件が多いのが特徴です。ぜひ現地を訪れ、ご自身の目で、それぞれの違いと魅力を感じてほしいと思います。

利便性が高く、TX沿線の発展も楽しみな柏市。新築・中古、一戸建・マンションすべてのジャンルで流通量は多く、物件の選択肢の多い街です。価格も都心よりはリーズナブルで初めて住まいを購入するファミリーにおすすめです。とは言え、価格は上昇傾向が続いていますので、購入を検討している方は少し急いだ方がいいかも知れません。

地域に詳しい不動産会社に、早めにご相談してみることをおすすめします。

 

千葉県柏市の物件を探す