平塚市は神奈川県のほぼ中心に位置する市で、湘南エリアの中心地でもあります。JR東海道線で横浜まで約30分、東京まで約1時間、都心で働く方のベッドタウンでありながら、南には相模湾、北には丹沢・大山山麓、西には富士山や箱根と豊かな自然に恵まれた街もあります。
そんな平塚市の人口は、約26万人、世帯数は約11万世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は約6%増加しています。年間の転入出者数は約6,000人弱で転入数がやや上回っています。
1、平塚市の人口・世帯数
1-1.人口・世帯数(2019/1/末 現在)
人口 | 257,879人 |
世帯数 | 111,134世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
1-3.転入・転出(2018年中)
転入者数 | 5,922人 |
転出者数 | 5,575人 |
※出典:平塚市ホームページ
2、平塚市の不動産情報
2-1.土地の価格
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。平塚市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり約15万円~16万円で、最近10年間では緩やかな下落傾向となっています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
平塚市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2018年) | 154,838円 |
基準地価(2018年) | 162,224円 |
平塚市の中心は市の南部を走るJR東海道線の平塚駅です。地価で見ると平塚駅周辺と駅の南側のエリアが人気で、㎡あたり17~20万円程度。平塚駅の北側から東海道新幹線くらいまでのエリアは、㎡あたり10~17万円となります。
さらに北側には、隣接する伊勢原市、秦野市から小田急線でアプローチできるエリアがありますが地価は10万円を切るところが多くなります。
2-2.新設住宅着工戸数(2018年)
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。平塚市で2018年中に新築された建物は1,827戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が32%、貸家(賃貸住宅)が35%、分譲住宅が33%と、ほぼ1/3ずつとなっています。分譲住宅の内訳は、一戸建が506戸、マンションが100戸と一戸建が大きく上回っています。平塚市は注文住宅、分譲住宅がバランスよく供給されている一戸建中心のエリアだと言えそうです。
持ち家 | 587戸 |
貸家 | 634戸 |
給与住宅 | 0戸 |
分譲住宅 | 606戸 |
2-3.住宅着工戸数の推移
平塚市の住宅着工数は最近8年間でプラス2%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス29%、分譲住宅がプラス27%、賃貸がプラス32%と、注文住宅が大幅にマイナスとなっている分を賃貸と分譲がカバーする形となっています。また分譲住宅はマンションが減少(152戸→100戸)し、一戸建が増加(327戸→506戸)しています。
分譲住宅の内訳
2011年 | 2018年 | |
一戸建 | 327戸 | 506戸 |
共同住宅 | 152戸 | 100戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.平塚市の不動産価格相場
平塚市で販売されている新築マンションは3,000~4,000万円がボリュームゾーンで、㎡単価は40万円台が相場のようです。中古マンションは、築15年以内で平均2,735万円(37.3万円/㎡)、築15~25年で平均2,123万円(30.1万円/㎡)、築25年超で平均1,199万円(21.3万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築で約3,000万円、中古は築15年以内で平均3,426万円、築25年以内で2046万円、築25年超は1,965万円となっています。人気のある平塚駅周辺には古くからの一戸建が多く、新築はやや駅から離れたエリアが多いため、新築よりも駅近の中古の方が価格が高いという現象が起こっていると思われます。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均27.3万円/㎡、徒歩20分以内なら20.0万円/㎡、徒歩20分を超えると10.7万円/㎡となっています。
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3、平塚市の教育環境
平塚市には、29校の公立小学校、17校の公立中学校、6校の公立高校、1校の私立高校があります(2019年3月現在)。大学は市内に東海大学と神奈川大学の湘南平塚キャンパスがありますが、都内の大学に通学することも十分可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて60以上の施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 12施設 | 54施設 |
小学校 | 29校 | - |
中学校 | 17校 | - |
高等学校 | 6校 | 1校 |
大学・短大 | - | 2校 |
3-2. 待機児童数(2018年10月1日)
待機児童数(国基準) | 117人 |
出典:平塚市ホームページ
平塚市における、2018年10月現在の待機児童数は117人です。2016年は164人、2017年は163人だったので、大幅に減少していますが、まだまだ改善の余地は大きいと言えます。市では「子ども・子育て支援事業計画」を2015年3月に策定し、認定こども園、保育所、小規模保育などを整備することにより、待機児童の解消を進めるとしています。
また事業の2018年度に事業の見直しを行い、利用者のニーズの高い、病児・病後児保育やファミリー・サポート・センター事業の充実を図っていくことが検討されています。
4、平塚市の不動産市場と住宅購入について
平塚市は神奈川県のほぼ中心に位置するため、都心へほぼ1時間という立地でありながら、周辺は湘南の海と丹沢の山々などの自然環境に恵まれ、少し足をのばせば箱根や富士山などへのお出かけにも便利な街です。平塚に暮らす人からよく聞かれる「ほどよい田舎」という言葉から、都会過ぎず田舎過ぎず気候も温暖で暮らしやすいイメージが伝わってきます。中心となるJR東海道線の平塚駅からは東京方面の始発もあり、座って通勤できるのも大きな魅力です。
また、平塚のもうひとつの魅力は街のイベントではないでしょうか。毎年7月に開催される「湘南ひらつか七夕まつり」や毎年8月に開催される「湘南ひらつか花火大会」は有名で、毎年県外からも多くの人が訪れています。市内にはJリーグ湘南ベルマーレのホームグラウンドである「Shonan BMW スタジアム平塚」もあり、多くのサッカーファンで賑わいます。
平塚の不動産市場としての魅力は、とても暮らしやすい街でありながら、比較的価格がリーズナブルなことではないでしょうか。新築一戸建が3,000万円前後で購入できますし、2,000万台で中古を購入してリノベーションという方法もあります。またエリアによっては、少し広めの土地を購入して注文住宅を新築しても、3,500~4,000万円で十分検討できます。限られた予算の中でも多くの選択肢から検討できるのが平塚の魅力です。
平塚市にはJR東海道線の平塚駅しかないため、物件選びについては、まずご自身の生活スタイル(移動手段)からエリアを絞ってみてはいかがでしょうか。電車通勤で駅から徒歩圏に住みたい方、車を持たず徒歩で生活したい方は、平塚駅周辺エリア(中心地域・南部地域)がおすすめです。駅の南側(南部地域)は海に近い人気のエリアで、古くからの一戸建が多く、マンションは少ないエリアです。駅の北側(中心地域)は、ラスカ平塚、ららぽーとなどの商業施設も多く、利便性が高い反面、落ち着いた住宅地は少なくマンションが中心となります。いずれにしても平塚駅周辺は価格が高めになります。
■地域別の方針
バスでの移動が苦にならない方、車での移動が中心の方は、エリアを広げて検討してみるとよいでしょう。概ね東海道新幹線あたりまでが検討の中心になります。市の北東側のエリア(東部・北部地域)は、国道129号線が縦断しているため、ロードサイドにはケーズデンキ、ユニクロ、ドン・キホーテなどの商業施設も多く、北部地域にある大神地区は平塚市における「北の核」として「ツインシティ大神」というプロジェクトが行われており、新規分譲地が多いエリアです。
市の北側中央部(中部地域)は、比較的古くからの街並みが残る一戸建中心のエリアです。バス便もよく、公園やスーパーなども多いので子育て世代のファミリーにはおすすめですが、大規模分譲地は少ないエリアです。
最後に市の西側(旭地域)は、大規模な住宅団地もあり土地が広く、土地を買って注文住宅を建てたい方にはおすすめです。
このように平塚市での住宅購入は、選択肢が多い分、そこからどのように絞り込んでいくかが難しくなります。ご自身やご家族の仕事やライフスタイル、子育て環境、ご予算などを整理し、地域の不動産会社に相談してみることをおすすめします。