平塚市は神奈川県のほぼ中央に位置する市で、鎌倉市や藤沢市と並ぶ湘南エリアの中心地でもあります。JR東海道線で横浜まで約30分、東京まで約1時間、都心で働く方のベッドタウンでありながら、南に相模湾、北には丹沢・大山山麓、西には富士山や箱根と豊かな自然に恵まれた街で、コロナ以降、都心からの移住者も増え人気が高まっています。
目次
1.平塚市の人口は横ばい、世帯数は9%増
そんな平塚市の人口は、26万世帯、世帯数は約11万5,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約1,700人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2023/1/1 現在)
人口 | 257,649人 |
世帯数 | 114,942世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
人口 | 258,076 | 256,970 | 258,273 | 258,141 | 258,381 | 257,879 | 257,713 | 258,298 | 257,631 | 257,649 |
世帯数 | 105,774 | 106,319 | 107,596 | 108,679 | 110,140 | 111,134 | 112,394 | 112,358 | 113,453 | 114,942 |
※各年1月1日 現在(平塚市ホームページ)
1-3.転入・転出(2022年中)
転入者数 | 10,047人 |
転出者数 | 8,371人 |
※出典:平塚市ホームページ
2.神奈川県平塚市の不動産情報
2-1.土地の価格は、㎡あたり約15~16万円。コロナ以降上昇に転じる
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。平塚市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約15~16万円台/㎡となっており、最近10年間は緩やかな下落傾向が続いていましたが、コロナによる郊外人気もあり、2022年から上昇に転じています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
平塚市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2023年) | 155,778円 |
基準地価(2023年) | 163,181円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
公示
地価 |
166,790円 | 165,669円 | 162,045円 | 157,257円 | 155,910円 | 154,838円 | 154,107円 | 152,919円 | 152,713円 | 155,778円 |
基準
地価 |
169,096円 | 167,993円 | 166,660円 | 164,781円 | 162,224円 | 160,951円 | 158,503円 | 157,572円 | 158,357円 | 163,181円 |
マップでご覧いただけるように、平塚市の中心駅であるJR東海道線の平塚駅周辺と駅の南側のエリアが人気で、㎡あたり17~23万円程度。平塚駅の北側から東海道新幹線くらいまでのエリアは、㎡あたり10~18万円前後となります。
さらに北側には、隣接する伊勢原市、秦野市から小田急線でアプローチできるエリアがありますが、地価は10万円を切るところが多くなります。
2-2.新設住宅着工戸数は約1,660戸。注文住宅と分譲住宅がバランスよく供給
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。平塚市で2022年中に新築された建物は1,661戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が34%、貸家(賃貸住宅)が28%、分譲住宅が37%と、非常にバランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としては一戸建が443戸(71%)、マンションが178戸(29%)と、一戸建が中心のエリアですが、年によってはマンションが一戸建を上回ることもあります。
■平塚市の新設住宅着工戸数(2022年)
持ち家 | 561戸 |
貸家 | 466戸 |
給与住宅 | 13戸 |
分譲住宅 | 621戸 |
計 | 1,661戸 |
2-3.平塚市の住宅着工数は10年間でマイナス17%
平塚市の住宅着工数は最近10年間でマイナス17%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス30%、分譲住宅がプラス5%、賃貸住宅がマイナス23%と、注文住宅から分譲住宅へのシフトがうかがえます。またここ数年、新築マンションの供給も増えてきていることからも人気が高まってきていることがわかります。
平塚市の新設着工戸数
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
持ち家 | 802戸 | 625戸 | 785戸 | 708戸 | 622戸 | 587戸 | 563戸 | 515戸 | 528戸 | 561戸 |
貸家 | 602戸 | 616戸 | 747戸 | 686戸 | 838戸 | 634戸 | 742戸 | 390戸 | 656戸 | 466戸 |
給与住宅 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 | 8戸 | 0戸 | 2戸 | 13戸 |
分譲住宅 | 590戸 | 290戸 | 666戸 | 690戸 | 529戸 | 606戸 | 586戸 | 560戸 | 1,309戸 | 621戸 |
総計 | 1,994戸 | 1,531戸 | 2,198戸 | 2,084戸 | 1,989戸 | 1,827戸 | 1,899戸 | 1,465戸 | 2,495戸 | 1,661戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.神奈川県平塚市の不動産価格。新築は4,000~5,000万円台が中心
平塚市で販売されている新築マンションは、価格は4,000万円台~5,000万円台が中心で、㎡単価は60~70万円前後が相場のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均3,411万円(55.0万円/㎡)、築15~25年で平均3,281万円(46.2万円/㎡)、築25年超で平均1,402万円(27.0万円/㎡)前後となっています。
一戸建については、新築が3,688万円、中古は築15年以内で平均3,489万円、築25年以内で3,009万円、築25年超は2,065万円となっています。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均25.8万円/㎡、徒歩20分以内なら20.9万円/㎡、徒歩20分超で12.7万円/㎡となっています。平塚市にはJR東海道線の平塚駅しかないため、駅周辺の地価が高く、駅から離れると相場が半分ほどに下がるため、車が中心の方はあえて駅から離れたエリアを狙ってみてもよいかも知れません。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
築15年以内 | 4,750万円 | 1,390万円 | 3,411万円 | 86㎡ | 54㎡ | 63㎡ | 55.0万円 |
築15~25年 | 4,280万円 | 1,980万円 | 3,281万円 | 89㎡ | 57㎡ | 72㎡ | 46.2万円 |
築25年 超 | 3,290万円 | 270万円 | 1,402万円 | 95㎡ | 16㎡ | 52㎡ | 27.0万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | |
新築 | 6,380万円 | 2,380万円 | 3,688万円 | 227㎡ | 57㎡ | 120㎡ | 116㎡ | 80㎡ | 99㎡ |
築15年以内 | 7,500万円 | 2,170万円 | 3,489万円 | 476㎡ | 59㎡ | 142㎡ | 234㎡ | 79㎡ | 106㎡ |
築15~25年 | 12,500万円 | 680万円 | 3,009万円 | 606㎡ | 90㎡ | 155㎡ | 308㎡ | 53㎡ | 115㎡ |
築25年 超 | 4,780万円 | 280万円 | 2,065万円 | 495㎡ | 59㎡ | 161㎡ | 201㎡ | 52㎡ | 106㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 | 最小 | 平均 | 最大 | 最小 | 平均 | 平均 | |
徒歩10分以内 | 14,500万円 | 1,380万円 | 4,449万円 | 440㎡ | 80㎡ | 203㎡ | 25.8万円 |
徒歩10分~20分 | 6,300万円 | 1,150万円 | 3,216万円 | 308㎡ | 55㎡ | 160㎡ | 20.9万円 |
徒歩20分超・バス | 49,500万円 | 200万円 | 2,383万円 | 27,394㎡ | 72㎡ | 401㎡ | 12.7万円 |
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年12月のデータをもとに集計
~ 神奈川県平塚市の物件を見る ~
3.平塚市の待機児童数は6人。神奈川県内、都心への通学も可能
平塚市には、29校の公立小学校、16校の公立中学校、5校の公立高校、1校の私立高校があります。大学は市内に東海大学と神奈川大学湘南平塚キャンパスがありますが、都内への通学も十分可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて70近い施設があります。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 8施設 | 58施設 |
小学校 | 29校 | 0校 |
中学校 | 16校 | 0校 |
高等学校 | 5校 | 1校 |
大学・短大 | 0校 | 2校 |
3-2. 待機児童数(2023年4月現在)
待機児童数(国基準) | 6人 |
2023年4月現在、平塚市の待機児童は6人となっています。2021~2022年はゼロを達成していましたが、入所申込数が前年より79人増加したことなどの要因で増加しています。市によると、今後保育所の新規開園などで定員を増やしていく予定とのことです。
4.神奈川県平塚市の住まい探しは、ライフスタイルに合わせたエリア選びから始めてみよう
平塚市は神奈川県のほぼ中心に位置するため、都心へほぼ1時間という立地でありながら、周辺は湘南の海と丹沢の山々などの自然環境に恵まれ、少し足をのばせば箱根や富士山などへのお出かけにも便利な街です。平塚に暮らす人からよく聞かれる「ほどよい田舎」という言葉から、都会過ぎず田舎過ぎず気候も温暖で暮らしやすいイメージが伝わってきます。また、中心となるJR東海道線の平塚駅からは東京方面の始発もあり、座って通勤できるのも大きな魅力です。
そして平塚のもうひとつの魅力は街のイベントではないでしょうか。毎年7月に開催される「湘南ひらつか七夕まつり」や毎年8月に開催される「湘南ひらつか花火大会」は特に有名で、県外からも多くの人が訪れています。市内にはJリーグ湘南ベルマーレのホームグラウンドである「レモンガススタジアム平塚」もあり、多くのサッカーファンで賑わいます。
■湘南ひらつか七夕まつり
出典:平塚市観光協会
平塚の不動産市場としての魅力は、とても暮らしやすい街でありながら、比較的価格がリーズナブルなことではないでしょうか。新築一戸建が3,000万円台から購入できますし、中古を購入してリノベーションという方法もあります。またエリアによっては、少し広めの土地を購入して注文住宅を新築しても、4,000万円台から検討できますので、限られた予算の中で多くの選択肢から検討できるのが平塚の魅力です。
平塚市にはJR東海道線の平塚駅しかないため、物件選びについては、まずご自身の生活スタイル(移動手段)からエリアを絞ってみてはいかがでしょうか。電車通勤で駅から徒歩圏に住みたい方、車を持たず徒歩で生活したい方は、平塚駅周辺エリア(中心地域・南部地域)がおすすめです。駅の南側(南部地域)は海に近い人気のエリアで、古くからの一戸建が多く、マンションは少ないエリアです。駅の北側(中心地域)は、ラスカ平塚、ららぽーとなどの商業施設も多く、利便性が高い反面、落ち着いた住宅地は少なくマンションが中心となります。いずれにしても平塚駅周辺は価格が高めになります。
■地域別の都市計画方針
出典:平塚市都市マスタープラン(第2次)
バスでの移動が苦にならない方、車での移動が中心の方は、エリアを広げて検討してみるとよいでしょう。概ね東海道新幹線あたりまでが検討の中心になります。市の北東側のエリア(東部・北部地域)は、国道129号線が縦断しているため、ロードサイドにはケーズデンキ、ユニクロ、ドン・キホーテなどの商業施設も多くみられます。また、北部地域の大神地区では平塚市の「北の核」と位置づけられる「ツインシティ大神」という大規模な区画整理プロジェクトが行われており、2023年4月、イオンモールが展開するアウトレットモール「THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA」が関東エリアに初出店しました。さらに、大神地区と相模川を挟んで向き合う寒川町倉見地区では、東海道新幹線の新駅誘致をおこなっており、もしこれが実現すれば倉見地区と「ツインシティ橋」で結ばれる予定の大神地区は大きく化けるかも知れません。今後の発展が楽しみなエリアです。
■THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA
出典:イオンモール公式サイト
市の北側中央部(中部地域)は、比較的古くからの街並みが残る一戸建中心のエリアです。バス便もよく、公園やスーパーなども多いので子育て世代のファミリーにはおすすめですが、大規模分譲地は少ないエリアです。
最後に市の西側(旭地域)は、大規模な住宅団地もあり土地が広く、土地を買って注文住宅を建てたい方にはおすすめです。
このように平塚市での住宅購入は、選択肢が多い分、そこからどのように絞り込んでいくかが難しくなります。ご自身やご家族の仕事やライフスタイル、子育て環境、ご予算などを整理し、地域の不動産会社に相談してみることをおすすめします。