誕生から30年。いまだ絶大な人気を誇る港北ニュータウン(横浜市都筑区)の魅力と不動産市況

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都筑区は横浜市の北部に位置する区です。横浜市でもっとも暮らしやすいとも言われる港北ニュータウンを中心とした閑静な住宅地で、ショッピングセンターなども充実しているため、ファミリー層にとても人気が高く、センター地区は横浜市における主要な生活拠点(副都心)と位置づけられています。

目次

1.都筑区の人口は2%増、世帯数は11%増

そんな都筑区の人口は、約21.5万人、世帯数は約9万世帯。最近10年間の人口は約2%増、世帯数は11%増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約370人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)   

人口215,307人
世帯数88,415世帯

1-2.人口・世帯数の推移

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

人口

210,751

212,123

212,170

211,296

211,550

212,642

213,402

214,891

214,886

215,307

世帯数

79,875

80,601

81,361

81,678

82,504

83,925

84,733

86,320

87,330

88,415

※各年 1月1日現在(都筑区ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数10,692人
転出者数10,323人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

2.横浜市都筑区の不動産情報

2-1. 土地の価格は㎡あたり20万円台後半~30万円台前半。直近10年間で約14%の上昇

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。都筑区における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり27~32万円前後で、最近10年間は緩やか上昇基調が続いており、直近10年間の上昇率は約14%です(公示地価ベース)。また、前年からの上昇率は+3.45%、横浜市18区の中で10位となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

都筑区全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年)328,058円
基準地価(2023年)276,777円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

公示

地価

288,346円

282,781円

292,121円

293,441円

298,205円

305,852円

306,941円

310,470円

317,588円

328,058円

基準

地価

245,888円

249,444円

252,833円

257,388円

261,333円

263,444円

265,111円

268,777円

276,777円

マップでご覧いただけるように、都筑区で地価が高いエリアは、横浜市営地下鉄のセンター北駅、センター南駅、中川駅周辺で、30万円/㎡台前半、それ以外の市営地下鉄沿線はやや下がって25~30万円/㎡前後となります。また区の南部エリアでは20万円/㎡を切るエリアも見られます。

2-2.新設住宅着工戸数は約800戸。分譲住宅が全体の約4割を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。横浜市都筑区で2023年中に新築された建物は826戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が17%、貸家(賃貸住宅)が44%、分譲住宅が39%と、分譲と賃貸で全体の8割超を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が154戸(48%)、マンションが164戸(52%)と、非常にバランスよく供給されています。一方、新築の注文住宅は少なく、分譲中心のエリアだと言えそうです。

■都筑区の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家144戸
貸家362戸
給与住宅2戸
分譲住宅318戸
826戸

2-3.都筑区の住宅着工数は10年間で27%減。注文住宅の減少が目立つ

都筑区の住宅着工数は最近10年間でマイナス27%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス48%、分譲住宅がマイナス28%、賃貸住宅がマイナス11%と、全カテゴリーで減少しており、中でも注文住宅の減少が目立ちます。

都筑区の新設着工戸数

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

持ち家

278戸

286戸

217戸

223戸

234戸

250戸

243戸

256戸

186戸

144戸

貸家

408戸

487戸

440戸

378戸

580戸

479戸

463戸

448戸

499戸

362戸

給与住宅

12戸

0戸

0戸

0戸

1戸

0戸

23戸

0戸

1戸

2戸

分譲住宅

439戸

181戸

657戸

429戸

1,040戸

328戸

273戸

503戸

472戸

318戸

総計

1,137戸

954戸

1,314戸

1,030戸

1,855戸

1,057戸

1,002戸

1,207戸

1,158戸

826戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-3.横浜市都筑区の不動産価格。新築住宅は6,000~8,000万円台が中心

都筑区の新築マンションは7,000万円台~8,000万円台が中心で、㎡単価は90~120万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均5,357万円(76.5万円/㎡)、築15~25年で平均5,147万円(64.7万円/㎡)、築25年超で平均3,097万円(38.0万円/㎡)前後が相場です。

一戸建については、新築で6,586万円、中古は築15年以内で平均6,817万円、築25年以内で8,320万円、築25年超は6,982万円となっています。築年数の古い物件の価格が高いのは、土地面積が広くなるからで、近年の地価上昇により、広めの中古一戸建は価格が上がっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均47.3万円/㎡、徒歩20分以内なら35.3万円/㎡、徒歩20分超で18.7万円/㎡となっています。

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

9,480万円

3,180万円

5,357万円

104㎡

47㎡

71㎡

76.5万円

築15~25年

9,880万円

1,450万円

5,147万円

131㎡

21㎡

80㎡

64.7万円

築25年 超

7,280万円

420万円

3,097万円

142㎡

39㎡

77㎡

38.0万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

15,490万円

3,180万円

6,586万円

223㎡

45㎡

120㎡

132㎡

78㎡

102㎡

築15年以内

13,900万円

4,080万円

6,817万円

314㎡

46㎡

135㎡

183㎡

73㎡

106㎡

築15~25年

14,980万円

2,780万円

8,320万円

684㎡

48㎡

223㎡

251㎡

76㎡

135㎡

築25年 超

14,500万円

1,130万円

5,982万円

278㎡

52㎡

163㎡

196㎡

57㎡

108㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
 

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

23,000万円

3,880万円

9,979万円

402㎡

130㎡

205㎡

47.8万円

徒歩10分~20分

33,840万円

1,780万円

8,669万円

2,705㎡

69㎡

303㎡

35.3万円

徒歩20分超・バス

5,900万円

2,100万円

4,028万円

359㎡

156㎡

218㎡

18.7万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年8月のデータをもとに集計

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3. 都筑区は待機児童ゼロを達成。都心への通学も十分可能

都筑区には、22校の公立小学校、8校の公立中学校、3校の公立高校と2校の私立高校があります。大学は、市内に東京都市大学、ビューティ&ウェルネス専門職大学の2校がありますが、都内への通学も十分可能です。未就学児は、保育園、認定こども園、幼稚園など合わせて90近い施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等4施設82施設
小学校22校0校
中学校8校2校
高等学校3校2校
大学・短大0校2校

3-2. 待機児童数(2024年4月現在)

待機児童数(国基準)0人

都筑区は、前年に引き続き、待機児童ゼロを達成しています。

4. 横浜市都筑区の住まい探しはセンターエリアからスタート。予算や環境に合わせてエリアを広げてみよう

横浜市都筑区は、1960年代に始まった港北ニュータウンの開発事業でできた街です。全体で2,530ヘクタールにもおよぶ大規模な開発で、1994年に都筑区として分区され現在に至ります。それから約30年、港北ニュータウンの人気は衰えることなく人口が増え続けている街でもあります。

港北ニュータウンの人気の理由を一言で言えば、「暮らしやすさ」です。中心となるセンター北・南駅から市営地下鉄で、横浜駅まで約15分、渋谷駅まで約40分とアクセスは良好で、駅の周辺には、IKEA、港北 TOKYU、モザイクモール港北、ノースポート・モールなど、多くの大型ショッピングモールが立ち並び、買い物の利便性についても申し分ありません。

またファミリー層にとって嬉しいのは、子育て環境の良さと言えるでしょう。計画的に開発された港北ニュータウンでは、道路が広く歩道と車道がしっかり分離されている上、治安に不安のあるいわゆる「繁華街」もないので、子どもだけで安心して出かけることができます。さらに、駅から徒歩圏内に都筑中央公園、鴨池公園、茅ケ崎公園などたくさんの公園があり、季節の移り変わりを肌で感じることができます。

■都筑中央公園

出典:都筑区ホームページ

都筑区での住まい探しは、中心となるセンター北駅とセンター南駅からスタートしてみるのがよいでしょう。両駅間は徒歩約12分と近接しており、市営地下鉄のブルーライン、グリーンラインの両線が乗り入れ、周辺にはショッピングモールなどの商業施設、区役所や図書館などの施設が立ち並ぶ、文字通り、港北ニュータウンのセンターエリアです。しかし、都心部にありがちな駅前の騒々しさはほとんどなく、徒歩圏内には閑静な住宅地が広がっています。この両駅以外では、地下鉄ブルーライン沿線の中川駅、仲町台駅と、グリーンライン沿線の北山田駅、都筑ふれあいの丘駅が選択肢となります。ブルーライン沿線はあざみ野駅で東急田園都市線に、グリーンライン沿線は日吉駅で東急東横線と接続しています。センターエリアと比較すると交通の利便性はやや落ちるものの、美しい街並み、生活便などは申し分なく、むしろ静かで落ち着いた環境と言えるかも知れません。

■横浜市営地下鉄 路線図

出典:横浜市交通局

都筑区誕生から約30年がたちますが、エリアとしての人気は依然高く、住みたい街として常に上位にランキングされる港北ニュータウン。映画やドラマのロケでも使われる美しい街並みは他のエリアにはない魅力と言えるでしょう。郊外の街としてはやや価格が高いイメージもありますが、値下がりリスクも少なく、資産価値という面では安心して購入できるエリアです。

一戸建・マンション、新築・中古とも流通量も充分です。情報収集を兼ねて、ぜひ一度地域の不動産会社を訪れてみてはいかがでしょうか。

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