丹沢と富士山を望む自然豊かな郊外、伊勢原市の魅力と不動産市況

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伊勢原市は都心から約50キロ、神奈川県のほぼ中央に位置し、平塚市、秦野市、厚木市などと接する街です。

東名高速の「伊勢原バス停」で有名なこの街は、小田急線で新宿まで約60分と都心へのアクセスもよく、西部は丹沢の大自然、東部は豊かな平野となっており、自然豊かな郊外ベッドタウンとして人気のある街です。

目次

1.伊勢原市の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増

そんな伊勢原市の人口は、約10万人、世帯数は約4万7,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は10%増となっています。年間の転入出者数は、転入が約700人上回っています。

 

1-1.人口・世帯数(2024/4/1 現在)   

人口

101,451人

世帯数

47,593世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

人口

101,187

101,635

102,037

102,416

102,248

102,046

101,381

101,119

101,473

101,451

世帯数

43,135

43,424

44,039

44,809

45,310

45,892

45,566

45,881

46,770

47,593

※各年4月1日現在(伊勢原市ホームページ)

 

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数

4,937人

転出者数

4,243人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

 

2.神奈川県伊勢原市の不動産情報

 

2-1. 土地の価格は㎡あたり12~13万円台。コロナ明けから上昇傾向が強まる

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。伊勢原市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては12~13万円台/㎡で、直近10年間は、2017年まで緩やかな下落傾向となっていましたが、2018年ごろからじわじわと上昇に転じ、コロナ明けの2022年から上昇幅が大きくなっています。

 

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

伊勢原市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年)

129,288円

基準地価(2023年)

133,685円

 

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

 

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

公示

地価

120,331円

119,360円

117,820円

117,728円

118,388円

119,272円

119,452円

120,928円

123,928円

129,288円

基準

地価

126,964円

124,342円

124,678円

125,371円

126,250円

125,692円

126,585円

128,800円

133,685円

 

 

マップでご覧いただけるように、伊勢原市で地価が高いのは小田急線の伊勢原駅、愛甲石田駅の駅近エリアで12~15万円/㎡前後、駅から少し離れると7~10万円/㎡くらいが相場となっています。伊勢原市は鉄道駅が少なく車での移動が中心なので、駅から離れたエリアにも広く住宅地が形成されています。

 

2-2.新設住宅着工戸数は約700戸。注文住宅と分譲住宅がバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。伊勢原市で2023年中に新築された建物は721戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が31%、貸家(賃貸住宅)が41%、分譲住宅が28%と、バランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としては一戸建が143戸(70%)、マンションが60戸(30%)ですが、マンションは年によるばらつきが大きく、供給がゼロの年もあります。一方、分譲一戸建は年100~140戸ほど安定して供給されています。

 

■伊勢原市の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家

225戸

貸家

291戸

給与住宅

2戸

分譲住宅

203戸

721戸

 

2-3.伊勢原市の住宅着工数は10年間でマイナス7%

伊勢原市の住宅着工数は最近10年間でマイナス7%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス22%、分譲住宅がマイナス14%、賃貸住宅がプラス14%と、注文住宅の減少が目立ちます。分譲住宅もマイナスとなっていますが、主に新築マンションの減少によるもので、一戸建はほぼ横ばいの推移となっています。近年の郊外人気で着工数は2年連続で増加しており、このまま増加傾向が続くかどうかが注目されます。

 

伊勢原市の新設着工戸数

 

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

持ち家

289戸

271戸

336戸

268戸

227戸

251戸

256戸

282戸

259戸

225戸

貸家

255戸

199戸

233戸

330戸

168戸

301戸

175戸

138戸

249戸

291戸

給与住宅

0戸

0戸

0戸

0戸

0戸

0戸

0戸

1戸

7戸

2戸

分譲住宅

235戸

321戸

271戸

122戸

114戸

131戸

258戸

170戸

119戸

203戸

総計

779戸

791戸

840戸

720戸

509戸

683戸

689戸

591戸

634戸

721戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

 

2-4.神奈川県伊勢原市の不動産価格。新築は3,000万円台後半~5,000万円台が中心

伊勢原市では新築マンションは供給数が少なく相場がつかみにくいのですが、3,000万円台後半~5,000万円台、㎡単価は60~70万円台くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,573万円(46.9万円/㎡)、築15~25年で平均2,220万円(30.7万円/㎡)、築25年超で平均1,083万円(17.8万円/㎡)前後となっており、築15年超で価格が下がる傾向があるようです。

一戸建については、新築で3,706万円、中古は築15年以内で平均3,823万円、築25年以内で3,102万円、築25年超は2,540万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均16.6万円/㎡、徒歩20分以内なら11.8万円/㎡、徒歩20分超で10.7万円/㎡となっています。

 

(1)中古マンション

  販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

築15年以内

4,250万円

2,280万円

3,573万円

81㎡

70㎡

76㎡

46.9万円

築15~25年

2,950万円

1,330万円

2,220万円

101㎡

57㎡

73㎡

30.7万円

築25年 超

2,380万円

360万円

1,083万円

96㎡

16㎡

60㎡

17.8万円

(2)一戸建

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

最大

最小

平均

新築

4,790万円

2,990万円

3,706万円

184㎡

87㎡

141㎡

110㎡

31㎡

97㎡

築15年以内

5,490万円

2,580万円

3,823万円

452㎡

104㎡

186㎡

125㎡

83㎡

102㎡

築15~25年

5,780万円

2,150万円

3,102万円

486㎡

115㎡

204㎡

175㎡

78㎡

118㎡

築25年 超

5,480万円

680万円

2,540万円

912㎡

95㎡

255㎡

322㎡

50㎡

119㎡

(3)土地

  販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)

最大

最小

平均

最大

最小

平均

平均

徒歩10分以内

5,730万円

1,280万円

3,199万円

346㎡

114㎡

213㎡

16.6万円

徒歩10分~20分

10,910万円

480万円

2,503万円

493㎡

62㎡

214㎡

11.8万円

徒歩20分超・バス

17,300万円

333万円

2,308万円

3,107㎡

72㎡

329㎡

10.7万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年6月のデータをもとに集計

~神奈川県伊勢原市の物件を見る~

 

3.伊勢原市の待機児童は19人。都心部や多摩エリアへの通学も可能

伊勢原市には、10校の公立小学校、4校の公立中学校、2校の公立高校と1校の私立高校があります。市内には東海大学(伊勢原キャンパス)、産業能率大学(湘南キャンパス)がありますが、都内への通学も十分可能です。未就学児については、保育園、幼稚園など合わせて約30施設があります。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 

公立

私立

幼稚園・保育園・認定こども園等

2施設

32施設

小学校

10校

0校

中学校

4校

0校

高等学校

2校

1校

大学・短大

0校

2校

 

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

 

待機児童数(国基準)

19人

 

伊勢原市の待機児童数は19人となっています。神奈川県では、座間市(50人)、鎌倉市(28人)に次ぐワースト3位ですが、2021年の43人、2022年の31人から大きく改善しています。小さな子どものいるご家庭では念のため市役所等に確認してみることをおすすめします。

4.伊勢原市の住まい探しは伊勢原駅中心に。車が使えれば選択肢が大きく広がる

伊勢原市は神奈川県の中央部に位置し、西部は丹沢大山国定公園に指定される大自然、東部の伊勢原台地には小田急線沿線に市街地が広がっています。中心駅である伊勢原駅からは、新宿まで乗り換えなしで約60分。各駅列車のほかに、特急ロマンスカーや快速急行、急行なども停車する通勤に便利な駅です。また東京メトロ千代田線への直通電車も運行されており、表参道、赤坂、霞が関、大手町など都心の主要駅にもダイレクトにアクセスできます。

また市内には東名高速と新東名高速が走っており、2022年4月に待望の新東名・伊勢原大山IC~新秦野IC間が開通したことにより東京方面からのアクセスが大きく改善され、東京ICからの所要時間が約30分短縮されました。

また市内には、「いせはらcoma」などの大型ショッピングセンター、「イトーヨーカドー」や「そうてつローゼン」、「小田急マルシェ」、「オーケーストア」など地域のスーパーが数多くありますので、日常の買い物に困ることはありません。

こうした丹沢の大自然や利便性の高さに加え、市民が高く評価しているのが伊勢原市の医療体制です。東海大学医学部付属病院や伊勢原協同病院などの総合病院のほか、かかりつけのクリニックなども充実しており、人口10万人当たりの医師数・病床数は県内トップクラス。子育てファミリーはもちろん、シニア世代にとっても安心して暮らせる街と言えるでしょう。

 

そんな伊勢原市の住まい探しは、中心駅である伊勢原駅から始めてみてはいかがでしょうか。伊勢原市には大きく分けて伊勢原駅を中心とする伊勢原地区と、愛甲石田駅を中心とする成瀬地区という2つの市街地があります。

電車で都内に通勤する方や車を持たない方は、移動や買い物の利便性を最優先に、伊勢原地区の徒歩圏を中心に物件探しを進めるとよいと思います。

伊勢原地区では伊勢原駅北口の再開発について、2024年3月に基本計画が策定され、駅北口の約1.5ヘクタールのエリアに商業施設や住宅が入る複合施設の建設や、駅前広場などの素案が公開されました。2026年度の着工、2029年度の完成をめざしています。

 

■伊勢原駅北口の再開発事業の完成イメージ図

出典:伊勢原市ホームページ

 

都内に通勤しつつ車も使えるという方は成瀬地区もよいと思います。車を使えば、厚木方面のショッピングモールなども利用できますし、愛甲石田駅から都内への通勤することも可能です。成瀬地区では区画整理にともなう大規模な住宅地の開発が進んでおり、商業施設や店舗も増えつつありますので、伊勢原地区より少し利便性は落ちますが価格はリーズナブルで、これからの発展が楽しみなエリアです。

電車を利用せず、車が移動の中心という方は、国道246号線、東名高速や小田原厚木道路などを軸に、隣接する厚木市や秦野市、平塚市などを含めて物件探しを進めてみるとよいと思います。

 

都心から50キロとやや距離はあるものの、新宿まで1時間圏内。大自然に囲まれ広めの一戸建でゆったりと暮らしたい方にはおすすめの街です。少し足を伸ばせば箱根、伊豆、山梨方面など観光地にも行きやすく、週末の小旅行が楽しみになる街でもあります。

近隣の厚木や海老名の不動産価格が上昇を続ける中、伊勢原は新築が3,000万円台とまだまだリーズナブルです。新東名の開通や駅周辺の再開発などこれからの発展も楽しみな伊勢原市。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか?

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