データで見る不動産購入【神奈川県 伊勢原市】

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伊勢原市は都心から約50キロ、神奈川県のほぼ中央に位置し、平塚市、秦野市、厚木市などと接する街です。

東名高速の「伊勢原バス停」で有名なこの街は、小田急線で新宿まで約60分と都心へのアクセスもよく、西部は丹沢の大自然、東部は豊かな平野となっており、自然豊かな郊外ベッドタウンとして人気のある街です。

目次

1.伊勢原市の人口は2020年から減少傾向・世帯数は10年で9%増

そんな伊勢原市の人口は、約10万人、世帯数は約4万5,000世帯。最近10年間の人口は2019年まで緩やかな増加傾向でしたが2020年から減少に転じていますが世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、3,800人前後で均衡しています。

1-1.人口・世帯数(2022/1/1 現在)

人口101,113人
世帯数45,541世帯

1-2.人口・世帯数の推移

1-3.転入・転出(2021年中)

転入者数3,898人
転出者数3,737人

※出典:2021年人口移動報告(総務省)

2.神奈川県伊勢原市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり12万円台。緩やかな下落傾向だが2022年はやや持ち直す

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。伊勢原市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては12万円台/㎡で、直近10年間は、横ばい~緩やかな下落傾向となっていましたが、2022年の公示地価でやや持ち直しています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

伊勢原市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年)120,928円
基準地価(2021年)126,585円

マップでご覧いただけるように、小田急線の伊勢原駅、愛甲石田駅の駅近エリアで12~15万円/㎡前後、駅から少し離れると7~10万円/㎡くらいとなっています。伊勢原市は鉄道駅が少なく車での移動が中心なので、駅から離れたエリアにも広く住宅地が形成されています。

2-2.伊勢原市の新設住宅着工は注文住宅が約半数を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。伊勢原市で2021年中に新築された建物は591戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が48%、貸家(賃貸住宅)が23%、分譲住宅が29%と、注文住宅が全体の約半数を占めます。分譲住宅の内訳としては一戸建が112戸(66%)、マンションが58戸(34%)でどちらかと言えば一戸建メインのエリアですが、マンションも年によって数十戸~100戸くらいの供給があります。

■伊勢原市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家282戸
貸家138戸
給与住宅1戸
分譲住宅170戸
591戸

2-3.伊勢原市の住宅着工数は10年で23%減。注文住宅から分譲へのシフトが見られる

伊勢原市の住宅着工数は最近10年間でマイナス23%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス28%、分譲住宅がプラス24%、賃貸住宅がマイナス43%と、賃貸の減少が目立ちます。また注文住宅から分譲住宅へのシフトが見られます。

2-4.伊勢原市の不動産相場は3,000万円台が中心。築古マンションは値ごろ感あり

伊勢原市では新築マンションは3,000万円台が中心で、㎡単価は50万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,587万円(48.3万円/㎡)、築15~25年で平均1,730万円(25.1万円/㎡)、築25年超で平均1,297万円(17.8万円/㎡)前後となっており、築15年超で価格がぐっと下がる傾向があるようです。

一戸建については、新築で3,429万円、中古は築15年以内で平均2,974万円、築25年以内で4,150万円、築25年超は1,888万円となっています。中古の平均価格が高いのは築古になると土地・建物の面積が大きくなる傾向があるためです。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均17.4万円/㎡、徒歩20分以内なら11.8万円/㎡、徒歩20分超で9.5万円/㎡となっています。

3. 伊勢原市の待機児童数は県内ワースト3位の43人

伊勢原市には、10校の公立小学校、4校の公立中学校、2校の公立高校と1校の私立高校があります。市内には東海大学(伊勢原キャンパス)、産業能率大学(湘南キャンパス)がありますが、都内への通学も可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等2施設24施設
小学校10校0校
中学校4校0校
高等学校2校1校
大学・短大0校2校

3-2. 待機児童数(2021年4月現在)

待機児童数(国基準)43人

伊勢原市の待機児童数は前年の44人から1人減少し43人。神奈川県では座間市(59人)、鎌倉市(45人)に次ぐワースト3位となっています。小さな子どものいるご家庭では念のため市役所等に確認してみることをおすすめします。

4. 伊勢原市の住まい探しは伊勢原駅中心に。車が使えれば選択肢が大きく広がる

伊勢原市は神奈川県の中央部に位置し、西部は丹沢大山国定公園に指定される大自然、東部の伊勢原台地には小田急線沿線に市街地が広がっています。中心駅である伊勢原駅からは、新宿まで乗り換えなしで約60分。各駅列車のほかに、特急ロマンスカーや快速急行、急行なども停車する通勤に便利な駅です。また東京メトロ千代田線への直通電車も運行されており、表参道、赤坂、霞が関、大手町など都心の主要駅にもダイレクトにアクセスできます。

また市内には東名高速と新東名高速が走っており、2022年4月に待望の新東名・伊勢原大山IC~新秦野IC間が開通したことにより東京方面からのアクセスが大きく改善され、東京ICからの所要時間が約30分短縮されました。

また市内には、「いせはらcoma」などの大型ショッピングセンター、「イトーヨーカドー」や「そうてつローゼン」、「小田急マルシェ」、「オーケーストア」など地域のスーパーが数多くありますので、日常の買い物に困ることはありません。

こうした丹沢の大自然や利便性の高さに加え、市民が高く評価しているのが伊勢原市の医療体制です。東海大学医学部付属病院や伊勢原協同病院などの総合病院のほか、かかりつけのクリニックなども充実しており、人口10万人当たりの医師数・病床数は県内トップクラス。子育てファミリーはもちろん、シニア世代にとっても安心して暮らせる街と言えるでしょう。

そんな伊勢原市の住まい探しは、中心駅である伊勢原駅から始めてみてはいかがでしょうか。伊勢原市には大きく分けて伊勢原駅を中心とする伊勢原地区と、愛甲石田駅を中心とする成瀬地区という2つの市街地があります。

電車で都内に通勤する方や車を持たない方は、移動や買い物の利便性を最優先に、伊勢原地区の徒歩圏を中心に物件探しを進めるとよいと思います。

伊勢原地区では伊勢原駅北口の再開発について、2021年11月に「再開発事業の事業化に向けた検討組織」が発足し、いよいよ本格的な検討がスタートしました。駅北口の約1.5ヘクタールの商業地域を再開発し、「観光交流の玄関口としての低層施設」と「暮らしを支える生活拠点としての高層施設」を整備することを目的に2028年度の完成を目指しています。

■伊勢原駅北口の再開発事業の完成イメージ図

出典:伊勢原市

都内に通勤しつつ車も使えるという方は成瀬地区もよいと思います。車を使えば、厚木方面のショッピングモールなども利用できますし、愛甲石田駅から都内への通勤することも可能です。成瀬地区では区画整理にともなう大規模な住宅地の開発が進んでおり、商業施設や店舗も増えつつありますので、伊勢原地区より少し利便性は落ちますが価格はリーズナブルで、これからの発展が楽しみなエリアです。

電車を利用せず、車が移動の中心という方は、国道246号線、東名高速や小田原厚木道路などを軸に、隣接する厚木市や秦野市、平塚市などを含めて物件探しを進めてみるとよいと思います。

都心から50キロとやや距離はあるものの、新宿まで1時間圏内。大自然に囲まれ広めの一戸建でゆったりと暮らしたい方にはおすすめの街です。少し足を伸ばせば箱根、伊豆、山梨方面など観光地にも行きやすく、週末の小旅行が楽しみになる街でもあります。

近隣の厚木や海老名の不動産価格が上昇を続ける中、伊勢原は新築が3,000万円台とまだまだリーズナブルです。新東名の開通や駅周辺の再開発などこれからの発展も楽しみな伊勢原市。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか?