23区に隣接する穴場の街。人口増加が続く狛江市の魅力と不動産市況

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狛江市は多摩地区の東部に位置し、東は世田谷区、北西は調布市、南は多摩川を挟んで川崎市と接する街です。市域は東京都でもっとも小さく、全国でも埼玉県蕨市に次いで2番目に小さな市ですが、新宿までわずか18分と都心へのアクセスは抜群。都区部に隣接するベッドタウンとして人口が増え続ける人気の街です。

目次

1.狛江市は人口・世帯数ともに増加傾向

そんな狛江市の人口は、約8万3,000人、世帯数は約4万3,000世帯。最近10年間の人口は8%増、世帯数は12%増となっています。年間の転入出者数は、4,400人前後で均衡しています。

1-1.人口・世帯数(2022/1/1 現在)

人口83,022人
世帯数43,134世帯

1-2.人口・世帯数の推移


 

1-3.転入・転出(2021年中)

転入者数4,417人
転出者数4,403人

※出典:2021年人口移動報告(総務省)

2.東京都狛江市の不動産情報

2-1.土地の価格は㎡あたり33~34万円。直近10年は緩やかな上昇傾向

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。狛江市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては33~34万円/㎡で、直近10年間は、緩やかな上昇傾向となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

狛江市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2021年)336,142円
基準地価(2021年)342,166円

マップでご覧いただけるように、小田急線の狛江駅、喜多見駅(世田谷区)の周辺エリアで30~35万円/㎡前後、駅から少し離れたエリアと、京王線の柴崎駅・つつじヶ丘駅に近いエリアでは28~30万円/㎡くらいが相場となっています。

2-2.狛江市の新設住宅着工は分譲住宅が約4割。一戸建メインだがマンションの供給もある

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。狛江市で2021年中に新築された建物は422戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が35%、貸家(賃貸住宅)が23%、分譲住宅が42%とバランスよく供給されています。分譲住宅の内訳としては一戸建が148戸(84%)、マンションが28戸(16%)で一どちらかと言えば戸建メインのエリアです。マンションは年によってばらつきが大きく、100戸以上の供給がある年もあります。

■狛江市の新設住宅着工戸数(2021年)

持ち家148戸
貸家98戸
給与住宅0戸
分譲住宅176戸
422戸

2-3.狛江市の住宅着工数は10年で61%減。新築マンション供給数によりばらつきが大きい

狛江市の住宅着工数は最近10年間でマイナス61%と大きく減少しています。内訳としては、注文住宅が±0%、分譲住宅がマイナス75%、賃貸住宅がマイナス54%と、分譲と賃貸の減少が目立ちますが、分譲は新築マンションの減少が主な要因で一戸建は比較的コンスタントに供給されています。

2-4.狛江市の不動産相場は4,000~5,000万円台が中心。取引価格は公示地価よりも高め

狛江市では新築マンションは4,000万円台後半~6,000万円台と幅広く、㎡単価は90万円くらいとかなり高い水準にあります。

中古マンションは、築15年以内で平均4,776万円(85.3万円/㎡)、築15~25年で平均4,684万円(60.8万円/㎡)、築25年超で平均2,763万円(46.4万円/㎡)前後となっています。

一戸建は、新築で5,832万円、中古は築15年以内で平均7,353万円、築25年以内で3,780万円、築25年超は6,604万円となっています。築古で価格が高くなっているのは土地面積が大きいためで、一戸建は土地面積によって価格が大きく変わりますので、個別の物件をあたってみましょう。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均56.4万円/㎡、徒歩20分以内なら41.9万円/㎡、徒歩20分超で29.5万円/㎡で、公示地価などよりも高めの取引価格となっています。

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3. 狛江市の待機児童数は31人。特に1歳児が多いので注意

狛江市には、6校の公立小学校、4校の公立中学校、1校の公立高校があります。市内に東京慈恵会医科大学がありますが、都内への通学も十分可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

 公立私立
幼稚園・保育園・認定こども園等4施設28施設
小学校6校0校
中学校4校0校
高等学校1校0校
大学・短大0校1校

3-2. 待機児童数(2021年4月現在)

待機児童数(国基準)31人

狛江市の待機児童数は前年の49人から18人減少し31人でした。待機児童数は年々減っていますが、1歳児の待機児童が多いようです。念のため市役所等に確認してみるとよいでしょう。

4. 狛江市はほぼ23区でありながら価格はリーズナブル。生活圏を軸に物件探しを進めよう

狛江市は多摩地域の東端、世田谷区に接する小さな市です。23区に隣接する市ですが、その小ささゆえどちらかと言えば印象の薄い街で、いわゆる「住みたい街ランキング」などにはあまり登場しません。しかし実はとても暮らしやすく世田谷区や調布市などに比べると価格もリーズナブルな穴場の街なのです。

中心となる狛江駅からは小田急線で新宿までわずか18分(急行利用)。東京メトロ千代田線直通の電車を使えば、表参道、赤坂、大手町など都心の主要エリアにも30分ほどでアクセスすることができる、ほぼ23区と言ってもいいほどアクセスは抜群です。

また市全体が市街地になっているので、公共施設や商業施設がコンパクトにまとまっているのも大きな特徴で、狛江駅前には「小田急マルシェ」、「Odakyu OX」、街なかにも「オーケーストア」、「ニトリ」、「ヤマダ電機」、ホームセンターの「ユニディ」、また地域密着の商店も多く、日常の買い物に困ることはありません。

また広い芝生の広場と大型遊具がある「前原公園(とんぼ池公園)」や、子どもが自然の中でのびのび外遊びができる「狛江プレーパーク」など、子育てファミリーには嬉しい施設もあり、イベントやワークショップなどが頻繁に開催されています。

■狛江プレーパーク

出典:狛江プレーパーク公式サイト

そんな狛江市での住まい探しは、エリア選びからスタートしてみましょう。市の中心となるのは小田急線の狛江駅で、市役所、病院、学校なども近く、最も利便性の高いエリアです。マンションを希望する方はまず狛江駅を中心に物件探しを進めるとよいでしょう。

多摩川寄りの隣駅である和泉多摩川駅の周辺は、一戸建中心の閑静な住宅街になっており、中心部に比べると商店などが少なくやや利便性は落ちますが、落ち着いた環境で価格もリーズナブルになります。比較的駅に近いエリアから低層の住宅地が広がっていますので、一戸建をリーズナブルに買いたい方や、多摩川沿いの自然を楽しみながら暮らしたい方にはおすすめのエリアです。

世田谷区と接する喜多見駅周辺エリアは、マンションと一戸建が混在するエリアで、駅から少し離れると一戸建中心の閑静な住宅街が広がります。このエリアで物件探しをする際は、世田谷区を含めて進めてみるとよいと思います。また、市の北部には京王線の柴崎駅、つつじヶ丘駅が最寄りとなるエリアもあります。このエリアでは調布市を含めて広く物件を探すことができます。まずはご自身の勤務地やライフスタイルから、どの沿線・エリアを生活圏とするかを検討してみるとよいと思います。

最後に、狛江市は多摩川と野川という2つの河川に挟まれたエリアとなりますので、購入の際にはハザードマップ等で水害などのリスクについて確認しておくことをおすすめします。

都心まで20~30分というアクセスのよさと、リーズナブルな価格が魅力の狛江市。子育てファミリーの人気が高く人口が増加し続けている街でもあります。ぜひ地域に詳しい不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。

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