
青梅市は東京都西部に位置する西多摩地域最大の市で、立川市、八王子市、多摩市と共に東京多摩地域の業務核都市の一つに指定されています。JR青梅線の青梅駅周辺は、かつて青梅街道の宿場町として栄えたエリアですが、現在は市東部の河辺駅周辺に良好な住宅地・商業地が形成されており、街の中心となっています。市の北部・西部は丘陵や山地となっており、都内から日帰り登山やハイキングができる行楽地、また日本の市民マラソンの先駆けとも言える「青梅マラソンの開催地としても有名な街です。
目次
1.青梅市の人口は6%減、世帯数は7%増
そんな青梅市の人口は、約13万人、世帯数は約6万5,000世帯。最近10年間の人口は6%減、世帯数は7%増となっています。また年間の転入出者数は、転入が約400人上回っています。
1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)
人口 | 129,468人 |
世帯数 | 65,181世帯 |
1-2.人口・世帯数の推移

|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
人口 |
137,052 |
136,750 |
135,986 |
135,248 |
134,086 |
133,032 |
132,145 |
131,124 |
130,274 |
129,468 |
世帯数 |
61,130 |
61,897 |
62,306 |
62,882 |
63,142 |
63,432 |
63,894 |
64,324 |
64,640 |
65,181 |
※各年1月1日現在(青梅市ホームページ)
1-3.転入・転出(2023年中)
転入者数 | 4,723人 |
転出者数 | 4,314人 |
※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)
2.東京都青梅市の不動産情報
2-1. 土地の価格は㎡あたり約10万円。直近10年間はほぼ横ばい
土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。青梅市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては約10万円/㎡で、直近10年間は横ばいとなっていますが、2022年ごろからやや上向きになっています。
■公示地価、基準地価とは?
公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。
同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。
青梅市全体の地価平均(㎡あたり)
公示地価(2024年) | 106,677円 |
基準地価(2023年) | 104,936円 |
公示・基準地価の推移(平均/㎡)

|
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
公示 地価 |
113,303円 |
111,678円 |
104,855円 |
104,437円 |
106,944円 |
106,279円 |
103,661円 |
103,828円 |
104,804円 |
106,677円 |
基準 地価 |
101,154円 |
100,981円 |
104,790円 |
104,572円 |
104,263円 |
101,409円 |
101,263円 |
102,890円 |
104,936円 |
- |
マップでご覧いただけるように、青梅市で地価が高いエリアは、JR青梅線の小作駅(羽村市)~河辺駅周辺の住宅地で、13~16万円/㎡前後、東青梅駅以西のエリアでは10~12万円/㎡前後となります。多摩川を超えたエリアでは10万円を切る地点も点在しています。
2-2.新設住宅着工戸数は約600戸。分譲住宅が全体の4割超
国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。青梅市で2023年中に新築された建物は601戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が28%、貸家(賃貸住宅)が28%、分譲住宅が44%と、分譲住宅が全体の4割超を占めています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が252戸(95%)、マンションが12戸(5%)と、ほぼ一戸建となっています。青梅市は新築マンションの供給がほとんどなく、一戸建中心のエリアだと言えそうです。
■青梅市の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家 | 165戸 |
貸家 | 170戸 |
給与住宅 | 2戸 |
分譲住宅 | 264戸 |
計 | 601戸 |
2-3.青梅市の住宅着工数は10年間で30%減。コロナ後の郊外人気がやや落ち着く
青梅市の住宅着工数は最近10年間でマイナス30%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス22%、分譲住宅がマイナス42%、賃貸住宅がマイナス8%と、分譲住宅が減少しています。しかし、分譲住宅の増減は新築マンションの供給数に左右される傾向があり、一戸建に限れば、年200~300戸程度、安定して供給されています。
青梅市の新設着工戸数

|
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
持ち家 |
211戸 |
253戸 |
263戸 |
208戸 |
187戸 |
222戸 |
178戸 |
222戸 |
202戸 |
165戸 |
貸家 |
184戸 |
255戸 |
247戸 |
243戸 |
96戸 |
212戸 |
133戸 |
237戸 |
182戸 |
170戸 |
給与住宅 |
1戸 |
1戸 |
0戸 |
1戸 |
1戸 |
1戸 |
3戸 |
3戸 |
1戸 |
2戸 |
分譲住宅 |
459戸 |
272戸 |
239戸 |
256戸 |
234戸 |
323戸 |
233戸 |
187戸 |
419戸 |
264戸 |
総計 |
855戸 |
781戸 |
749戸 |
708戸 |
518戸 |
758戸 |
547戸 |
649戸 |
804戸 |
601戸 |
※出典:国土交通省 住宅着工統計
2-4.東京都青梅市の不動産価格。新築が2,000万円台後半からと非常にリーズナブル
青梅市は新築マンションの供給が少なく、相場というのが難しいですが、最近販売されたマンションでは、3,000~4,000万円台、㎡単価は50~60万円くらいが中心のようです。
中古マンションは、築15年以内で平均2,745万円(34.4万円/㎡)、築15~25年で平均2,080万円(31.0万円/㎡)、築25年超で平均1,217万円(21.1万円/㎡)前後が相場です。
一戸建については、新築で2,962万円、中古は築15年以内で平均3,922万円、築25年以内で2,493万円、築25年超は1,863万円となっています。都心部の価格が上昇する中、青梅市では中古マンション、一戸建ともに、まだそれほど大きな値上がりはしていないようです。
最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均11.0万円/㎡、徒歩20分以内なら10.0万円/㎡、徒歩20分超で8.4万円/㎡となっています。青梅線は住宅地が形成されている小作駅や河辺駅と、それ以外のエリアで大きく相場が異なるので注意しましょう。
(1)中古マンション
販売価格(万円) | 専有面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
築15年以内 |
3,380万円 |
1,780万円 |
2,475万円 |
95㎡ |
55㎡ |
74㎡ |
34.4万円 |
築15~25年 |
2,880万円 |
1,300万円 |
2,080万円 |
80㎡ |
56㎡ |
67㎡ |
31.0万円 |
築25年 超 |
2,990万円 |
232万円 |
1,217万円 |
88㎡ |
17㎡ |
57㎡ |
21.1万円 |
(2)一戸建
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |||||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
|
新築 |
4,380万円 |
1,990万円 |
2,962万円 |
203㎡ |
76㎡ |
137㎡ |
118㎡ |
72㎡ |
98㎡ |
築15年以内 |
18,000万円 |
2,100万円 |
3,922万円 |
878㎡ |
79㎡ |
220㎡ |
292㎡ |
58㎡ |
107㎡ |
築15~25年 |
3,999万円 |
1,280万円 |
2,493万円 |
254㎡ |
85㎡ |
133㎡ |
162㎡ |
79㎡ |
101㎡ |
築25年 超 |
15,000万円 |
447万円 |
1,863万円 |
1,702㎡ |
60㎡ |
227㎡ |
241㎡ |
52㎡ |
100㎡ |
(3)土地
販売価格(万円) | 土地面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |||||
最大 |
最小 |
平均 |
最大 |
最小 |
平均 |
平均 |
|
徒歩10分以内 |
21,000万円 |
480万円 |
2,952万円 |
7,143㎡ |
93㎡ |
534㎡ |
11.0万円 |
徒歩10分~20分 |
13,000万円 |
330万円 |
2,246万円 |
1,071㎡ |
69㎡ |
251㎡ |
10.0万円 |
徒歩20分超・バス |
4,500万円 |
90万円 |
1,408万円 |
2,594㎡ |
57㎡ |
230㎡ |
8.4万円 |
※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年8月のデータをもとに集計
~東京都青梅市の物件を探す~
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3. 青梅市の待機児童数は2人。多摩エリアや都心への通学も可能
青梅市には、17校の公立小学校、11校の公立中学校、2校の公立高校があります。大学は市内に明星大学青梅キャンパスがありますが、大学の多い多摩エリアにも近く、都心部への通学も可能です。
3-1.幼稚園・保育園・学校の数
公立 | 私立 | |
幼稚園・保育園・認定こども園等 | 0施設 | 44施設 |
小学校 | 17校 | 0校 |
中学校 | 11校 | 0校 |
高等学校 | 2校 | 0校 |
大学・短大 | 0校 | 1校 |
3-2. 待機児童数(2024年4月現在)
待機児童数(国基準) | 2人 |
青梅市の2024年4月現在の待機児童数は2人でした。待機児童ゼロは達成できていないものの、それほど心配することはなさそうです。
4. 東京都青梅市の住まい探しは市の東側を中心に。小作駅~河辺駅からスタートしてみよう
青梅市は東京都心から西へ約50kmに位置し、東京都で4番目の広さをもつ西多摩エリア最大の街です。市域の3分の2は丘陵や山林で、市の東側に広がる平地に市街地が形成されています。市内にはJR青梅線が東西に走っており、立川から奥多摩エリアまでを繋いでいます。もともとの中心地は青梅街道の宿場町とした栄えた青梅駅周辺でしたが、現在では河辺駅や隣接する羽村市の小作駅周辺に商業施設などが集積し、良好な住宅地が形成されています。
一方、青梅駅から西に進むと奥多摩の大自然が広がっており、名峰・御岳山をはじめとする山々でのハイキングやキャンプ、渓谷での釣りやラフティングなど、東京とは思えないほどの雄大な自然とアクティビティが楽しめます。
■大自然が広がる御岳山ハイキングコース

出典:青梅市観光協会
河辺駅からは、JR青梅線で立川駅までは約25分、新宿まで約55分、東京駅までは約1時間10分程度(特快利用)と、やや時間はかかりますが都心への通勤・通学も可能です。また青梅駅・河辺駅は始発駅となっているため、ゆっくり座って通勤できるのも大きな魅力と言えるでしょう。買い物などの利便性は駅によって大きく変わりますが、河辺駅や青梅駅などでは駅前の商業施設や地域のスーパーが充実していますので不便を感じることはありません。青梅駅以西のエリアでは、お店の数が少なくなるので、車での生活を前提に検討を進めてみましょう。
そして青梅市のもうひとつの魅力は「子育て支援」です。青梅市は、日経xwoman(クロスウーマン)が発表した「共働き子育てしやすい街ランキング」で、2021年は全国8位、2022年は12位、2023年は18位と、上位にランキングされています。
■青梅市の子育て支援に関する主な取り組み
●保育の質を高める取り組み – すべての認可保育所で園庭を整備(設置率100%) – きめ細やかな障害児保育の支援 – 病児・病後児保育の実施 – 学童保育所へのお弁当配食サービスの実施 |
●保育所や学童保育所等の整備 – 保育所および認定こども園の整備(実質的な待機児童ゼロ) – 学童保育所の整備(民間学童保育所の新設) |
●子育て世代向けに同居・近居の支援 – 市内で新しく三世代(親・子・孫)の同居・近居をはじめた方に応援金を支給 |
出典:青梅市ホームページより抜粋
そんな青梅市での住まい探しは、JR青梅線の河辺駅~小作駅からスタートしてみてはいかがでしょうか。
市内ではもっとも開発が進んだエリアで、マンション・一戸建ともに多くの物件が流通しています。2007年には河辺駅北口前の再開発により、駅前のペデストリアンデッキが整備され、河辺タウンビルがオープンしました。ビルA棟にはイオンスタイルをはじめとする各種専門店や飲食店が入っています。またB棟には温泉施設「梅の湯」や青梅市中央図書館などが入っており、市外からの行楽客なども多く訪れる人気スポットとなっています。
■河辺タウンビル(A棟)

出典:Wikipedia
河辺駅~小作駅エリアで希望の物件が見つからない場合には、東青梅駅~青梅駅エリアまで範囲を広げてみましょう。
このエリアは、マンションは少ないですが、JRの南側に一戸建メインの住宅地が広がっています。相場もやや下がるので、広めの一戸建を希望される方にはよい選択肢になると思います。
最後に青梅駅エリアのトピックとしては、2021年04月に認可された「青梅駅前地区市街地再開発」事業です。
2024年には、青梅駅の南側エリアに、商業施設、図書館、マンションなどが入る14階建の複合施設が完成し、駅周辺には、人々の憩いや交流の場となる空間が整備される予定となっています。これをきっかけにレトロ感が漂う青梅駅前の風景は一変するかも知れません。今後の発展が楽しみなエリアです。
■青梅駅前の大型複合ビル

出典:PRTIMES
都心まで約1時間の通勤圏でありながら奥多摩の雄大な自然に恵まれ、全国トップクラスの子育て支援を誇る青梅市。平日は都心に通勤、休日はアウトドアと、郊外暮らしを存分に楽しめそうな街です。ぜひ一度現地を訪れてみてはいかがでしょうか。