我孫子市は千葉県の北西部に位置する市で、江戸時代には水戸街道の宿場町、近年では東京のベッドタウンとして発展している街です。東京まで40分弱とアクセスが良好な一方、利根川、手賀沼に挟まれた風光明媚な水辺の街で、志賀直哉、武者小路実篤など多くの文豪が居を構えた文化都市としても知られています。

1.我孫子市の人口はほぼ横ばい、世帯数は10％増

そんな我孫子市の人口は、約13万人、世帯数は約6万2,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は10％増となっています。また年間の転入出者数は、4,900人前後でほぼ均衡しています。

 

1-1.人口・世帯数（2024/1/1 現在）   

人口	131,286人
世帯数	62,220世帯

 

1-2.人口・世帯数の推移

	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年	2024年
人口	133,216	132,853	132,619	132,388	132,216	132,183	131,644	131,402	130,964	131,286
世帯数	56,715	57,200	57,713	58,384	58,971	59,527	59,938	60,549	61,247	62,220

※各年1月1日現在（我孫子市ホームページ）

1-3.転入・転出（2023年中）

転入者数	4,883人
転出者数	4,930人

※出典：2023年 住民基本台帳人口移動報告（総務省）

2.千葉県我孫子市の不動産情報

 

2-1. 土地の価格は㎡あたり約10～11万円。直近10年間で15％の上昇

土地の価格（地価）については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。我孫子市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては約10～11万円/㎡で、直近10年間は、しばらく横ばいが続いていましたが、都心部の地価上昇の影響を受け、2022年ごろから急上昇しており、10年間で約15％の上昇となっています（基準地価ベース）。

 

■公示地価、基準地価とは？

公示地価とは、地価公示法に基づき、国（国土交通省）が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

 

我孫子市全体の地価平均（㎡あたり）

公示地価（2024年）	101,828円
基準地価（2024年）	109,673円

 

公示・基準地価の推移（平均/㎡）

	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年	2024年
公示 地価	100,031円	93,854円	93,017円	92,488円	92,214円	91,782円	91,434円	91,545円	95,040円	101,828円
基準 地価	100,653円	100,153円	99,540円	99,486円	99,500円	98,813円	99,466円	102,740円	109,673円	116,086円

 

マップでご覧いただけるように、我孫子市で地価が高いのは、中心駅であるJR常磐線と成田線のターミナル駅である我孫子駅周辺で、10～13万円/㎡くらい、また良好な住宅地が形成されているJR天王台駅周辺では11～14万円/㎡くらいの水準となっています。一方、成田線の湖北駅、新木駅、布佐駅周辺エリアでは、相場が下がり5～7万円/㎡台となっています。

 

2-2.新設住宅着工戸数は840戸。分譲住宅が全体の6割超

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。我孫子市で2023年中に新築された建物は840戸でした。内訳としては、持ち家（注文住宅）が28％、貸家（賃貸住宅）が8％、分譲住宅が64％と、分譲住宅が全体の6割超を占めています。これは分譲一戸建の供給が伸びていることに加え、2023年に150戸を超える新築マンションの供給があったためです。分譲住宅の内訳としては、一戸建が387戸（72％）、マンションが153戸（28％）と、一戸建メインのエリアですが、ファミリー世帯の人気上昇にともない、供給戸数は伸びることが予想されます。

 

■我孫子市の新設住宅着工戸数（2023年）

持ち家	237戸
貸家	63戸
給与住宅	0戸
分譲住宅	540戸
計	840戸

2-3.我孫子市の住宅着工数は10年間で27％増加。2021年以降に大きく伸びる

我孫子市の住宅着工数は最近10年間でプラス27％となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス5％、分譲住宅がプラス165％、賃貸住宅がマイナス70％と、賃貸が減少し、分譲住宅が大きく伸びています。マンションは年によってバラツキがありますが、分譲一戸建は年300～400戸程度安定して供給されています。

 

我孫子市の新設着工戸数

	2014年	2015年	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年
持ち家	250戸	251戸	208戸	252戸	234戸	229戸	217戸	267戸	207戸	237戸
貸家	207戸	138戸	218戸	235戸	208戸	74戸	45戸	276戸	285戸	63戸
給与住宅	0戸	0戸	0戸	0戸	0戸	0戸	1戸	0戸	1戸	0戸
分譲住宅	204戸	261戸	229戸	525戸	280戸	264戸	264戸	269戸	428戸	540戸
総計	661戸	650戸	655戸	1,012戸	722戸	567戸	527戸	812戸	921戸	840戸

※出典：国土交通省 住宅着工統計

2-4.千葉県我孫子市の不動産価格。新築一戸建は3,000万円台後半から購入可能

我孫子市の新築マンションは、3,000万円台後半～5,000万円台が中心で、㎡単価は60～70万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,780万円（52.9万円/㎡）、築15～25年で平均3,516万円（42.9万円/㎡）、築25年超で平均1,701万円（22.7万円/㎡）前後が相場となっています。

一戸建については、新築で3,553万円、中古は築15年以内で平均4,418万円、築25年以内で2,654万円、築25年超は1,920万円となっています。一戸建もマンションも、新築～築浅を中心に、ここ数年価格は上昇傾向にあります。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均10.0万円/㎡、徒歩20分以内なら9.2万円/㎡、徒歩20分超で5.2万円/㎡となっています。我孫子市は駅による価格差が大きいので、駅ごとの相場も確認しておくとよいでしょう。

 

（1）中古マンション

	販売価格（万円）			専有面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
築15年以内	5,480万円	2,180万円	3,780万円	73㎡	70㎡	71㎡	52.9万円
築15～25年	4,980万円	1,480万円	3,516万円	96㎡	65㎡	81㎡	42.9万円
築25年 超	3,380万円	500万円	1,701万円	131㎡	54㎡	77㎡	22.7万円

（2）一戸建

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			建物面積（㎡）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	最大	最小	平均
新築	5,350万円	1,899万円	3,553万円	274㎡	99㎡	141㎡	135㎡	95㎡	103㎡
築15年以内	13,000万円	1,650万円	4,418万円	457㎡	46㎡	177㎡	260㎡	65㎡	118㎡
築15～25年	4,350万円	1,240万円	2,654万円	323㎡	105㎡	158㎡	175㎡	84㎡	116㎡
築25年 超	5,280万円	320万円	1,920万円	1,321㎡	91㎡	211㎡	311㎡	76㎡	121㎡

（3）土地

	販売価格（万円）			土地面積（㎡）			㎡単価（万円）
	最大	最小	平均	最大	最小	平均	平均
徒歩10分以内	11,150万円	340万円	2,256万円	1,040㎡	104㎡	244㎡	10.0万円
徒歩10分～20分	9,800万円	150万円	1,867万円	4,346㎡	76㎡	331㎡	9.2万円
徒歩20分超・バス	5,380万円	220万円	1,481万円	2,314㎡	113㎡	476㎡	5.2万円

※REINS（不動産流通標準情報システム） 2024年9月のデータをもとに集計

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3.我孫子市の待機児童数は38年連続のゼロ。大学は市内に2校。都内への通学も十分可能

我孫子市には、13校の公立小学校、6校の公立中学校、2校の公立高校と2校の私立高校があります。大学は市内に中央学院大学と川村学園女子大学の2校がありますが、都内への通学も十分可能です。

 

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

	公立	私立
幼稚園・保育園・認定こども園等	3施設	34施設
小学校	13校	0校
中学校	6校	0校
高等学校	2校	2校
大学・短大	0校	2校

 

3-2. 待機児童数（2024年4月現在）

 

待機児童数（国基準）

0人

 

我孫子市は2024年4月現在、待機児童数ゼロを達成しています（38年連続）。また、市内13の小学校に設置されている学童保育でも待機児童ゼロを達成しています。

4.千葉県我孫子市の住まい探しは、利便性の高い我孫子駅と天王台駅からスタートしてみよう

我孫子市は千葉県の北西部、柏市や松戸市と同じ、いわゆる東葛エリアに位置する市です。北を利根川、南を手賀沼に挟まれた水辺の街で、江戸時代には水戸街道の宿場町として栄えました。明治～大正にかけては、風光明媚な手賀沼のほとりに、柔道家の嘉納治五郎や、志賀直哉や武者小路実篤などの文豪も居を構え、多くの文化遺産が残されています。

現在は、JR常磐線と成田線が乗り入れるベッドタウンとして発展しており、中心駅である我孫子駅からは上野東京ラインで上野駅まで約33分、東京駅まで約40分でアクセスすることができます。また、常磐線は東京メトロ千代田線、小田急線と直通運転しているため、大手町、霞が関、表参道など都心の主要駅にもダイレクトにアクセスすることができます。さらに我孫子駅は始発駅なので、毎日座って通勤できるのも嬉しいポイントです。

我孫子駅周辺には約60店舗の専門店を有する「あびこショッピングプラザ」や、「アビイクオーレ」などのショッピングモール、地域のスーパーやドラッグストアなどがありますので、日常の買い物は駅周辺で十分済ませることができます。休日にはすこし足を伸ばして、柏駅や都内に出かけてみるのもよいかも知れません。

 

■あびこショッピングプラザ

出典：あびこショッピングプラザ公式Facebookページ

 

このように通勤にも買い物にも便利な我孫子市ですが、子育て支援も充実しています。我孫子市は「待機児童ゼロ」を実に38年間も継続しており、「新規入園率（※）」は100％です。また、全小学校に学童保育を完備しており、こちらの待機児童もゼロ。「あびっこクラブ」という放課後や土曜日などに、子どもたちが安全に安心して過ごせる施設も運営されています。

※「新規入園率」とは：「認可保育園に新規入園できた児童数」÷「認可保育園に新規入園申請をした児童数」

 

我孫子市のシンボルである手賀沼のほとりには、ミニ鉄道・レンタサイクル・ボートなどが楽しめる「手賀沼公園」や、日本で唯一の「鳥の博物館」など、休日に子どもとお出かけできるスポットも点在しており、共働きファミリーも安心して子育てできる環境が整っています。

 

■我孫子市のシンボル「手賀沼」と親水公園

我孫子市での住まい探しは、中心駅である我孫子駅～天王台駅エリアからスタートしてみましょう。

両駅とも常磐線快速の停車駅で、商業施設も充実しており、マンション・一戸建ともに流通量の多いエリアです。市内では最も利便性の高いエリアで、その分相場も高めになりますが、マンションをお探しの方は、この2駅から物件探しを進め、隣接する柏市や松戸市方面に範囲を広げてみるのもよいと思います。

一方、市の東側エリアは、我孫子駅で分岐する成田線沿線で探すことになります。我孫子駅の隣駅である東我孫子駅は、天王台駅に近く住環境もそれほど変わりませんが、湖北駅以東は農地も増え、自然豊かな環境に変わってきます。物件は広めの敷地にゆったりと建つ一戸建が中心となり、大規模な商業施設などは少なくなります。価格は我孫子～天王台エリアに比べるとぐっとリーズナブルになりますので、ゆったりとした一戸建を購入したい方は成田線沿線まで範囲を広げて探してみるとよいでしょう。沿線の南側には区画整理によって生まれた閑静な住宅街が広がっていますので、静かな住環境を求める方、車中心の生活の方、予算を抑えたい方などにおすすめです。

 

柏市、松戸市、流山市などに比べるとあまり知名度のない我孫子市ですが、利便性が高く、利根川、手賀沼など豊かな自然に囲まれた、子育てファミリーにおすすめの街です。

近年、都心部の価格上昇が郊外に広がり、2023年の基準地価では、東京圏住宅地の上昇率1位と2位が我孫子市の地点となりました。今後も価格は上昇傾向が続くと思われますので、早めに動き出すことをおすすめします。

 

自然豊かで、新築物件が3,000万円台から購入可能な我孫子市。ぜひ住まい探しの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか？

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